ポイントをしっかり抑えて、介護保険の仕組みをスッキリ解消!

介護サービスを使うとなると、どこに行ってどの様に手続きすれば良いか分からないものです。介護保険法の基本の仕組みを分かりやすく解説します。自分や家族がいつ使うかもしれない介護保険。介護が必要な人や家族が適正なサービスを受け、快適に過ごせる仕組みです

介護保険の仕組みを解説

現在の介護保険法は、2000年(平成12年)4月にスタートした、わりと新しい法律です。

介護保険は、健康保険と同様、国民すべてが40歳になった月から加入・保険料金を支払い、介護が必要になった際に介護が必要な人が適切な介護サービスを受けられるよう皆で支え合うという仕組みです。


高齢化の現代には優しい法律ですが、申し込み方法や介護度によって異なる複雑な料金形態と様々です。


事前に介護保険の基礎を知っておくことで、自分や家族が介護が必要になった時に手続き等がスムーズに行くことでしょう。


どんな仕組みで介護保険等が成り立っているのか、解説いたします。

要介護認定の仕組みと区分

介護保険には、その方の障害や状態を把握することから全てのサービスが決まり、スタートします。

その為にも、介護者の必要介護度を

  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5
の7つの評価に分けて判断します。

要支援は、生活機能の改善が見込まれる方を示します。

要介護は、介護サービスが必要であると判断された方を示します。

どのランクも、数字が大きくなれば大きくなるほど、それだけ介護や支援が必要な状態を表す仕組みになっています。

要支援1・要支援2

要支援とは、生活機能の低下が見られるが、その改善の可能性が高いと見込まれる状態です。
  • 要支援1…日常生活の中で、自分の身の回りの世話の一部に介助が必要な状態で、掃除などの家事や、立ち上がり時等になんらかの手助けを必要とする時がある。排泄や食事は、ほとんど自分でできる状態
  • 要支援2…要支援1の状態から生活機能の能力が低下し、日常生活で何らかの支援又は部分的な介護が必要となる状態

要支援は、周りからのサポートがあればまだ自分で身の回りの事が出来る介護の必要がとても低い方です。 

要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5

要介護とは、生活機能の低下により、日常的に介護やサービス等の支援が必要であると判断される状態です。
  • 要介護1身の回りの世話に手助けが必要であり、立ち上がり、歩行、移動の動作に介助を必要とする。排泄や食事はほぼ自分で行えるが、問題行動や理解力の低下がみられる状態
  • 要介護2…身の回りの世話全般に助けを必要とし、立ち上がりや歩行、移動になんらかの介助が必要。  排泄や食事時には見守りや支援を必要とする時がある。日常生活の中の動作に、部分的に介護が必要な状態
  • 要介護3…身の回りの世話、立ち上がりや歩行、移動等の動作がひとりで行えず、排泄や食事時も常時見守りや介助が必要。様々な問題行動や著しい理解力の低下がみられ、日常生活の中で、ほぼ全面的に介護が必要な状態
  • 要介護4…自己で身の回りの世話が出来ず、排泄や食事も全介助が必要な状態。問題行動が多く、簡単な会話でも理解の低下がみられ、介護なしでは日常生活が困難

要介護認定の申請方法

介護施設への入居や通所介護の利用、居宅介護などの各介護サービスを利用する場合、要介護認定の申請が必要となります。

要介護認定を行い介護保険制度を利用する事で、費用の負担が抑えられる仕組みになっているからです。

介護保険を利用するには、住んでいる市区町村の窓口へ届け出ることで申請ができます。

介護サービスを受ける人が「要支援」なのか「要介護」なのかを判断するために、申請を受けた市区町村は利用者の心身の状況を調査し「要介護(支援)認定」を行います。

介護保険法の仕組み

介護保険制度は2000年にスタートし、財源は、公費(税金)が50%、残りの50%を保険料で賄われています。


社会保険制度を採用していますが、財源の公費については、国が25%、都道府県が12.5%、市区町村が12.5%をそれぞれの税金収入から負担しています。


一方で、保険料は40歳になると同時に、国民全員に介護保険料の支払いの義務が生じます。


この制度のお陰で、介護や支援が必要になった人に、その利用者がなるべく自立した生活を送れるようにするための介護サービスを、保険給付という形で行われることになったのです。

 

では、介護保険法とその仕組みについて詳しく展開して行きましょう。

介護保険法の成り立ち

日本の全人口に対する高齢者の割合が25%を超え、高齢社会から超高齢社会へ移行しました。


さらに、核家族化により高齢者の単独世帯・夫婦暮らしが増加。

未来を担う若い世代では少子化や、女性の社会進出に伴い、高齢者を自宅で介護することが難しい現代となりました


この様な社会変化により、介護に対する国民の不安を解決し、国・社会全体で支える仕組み、介護費用を将来にわたり公平にまかなう仕組みが必要ということになり、よって制定されたのが介護保険法です。


介護保険法は市区町村が運営している

介護保険制度の運営は、全国の市区町村で、ある程度自由に任されています。

これは、各自治体が高齢化の状態や状況をきちんと把握しニーズに合わせて、サービスの種類や利用の限度などが設定されている仕組みがあるからです。

介護保険の第1号被保険者と第2号被保険者とは

介護保険には2種類の被保険者があります。
  • 65歳以上の第1号被保険者と呼びます。

第1号被保険者は介護が必要な状態であれば、どんな原因が何であっても、認定を受け介護保険のサービスを受けることが可能です。

  • 40歳から64歳を第2号被保険者と呼びます。

第2号被保険者は医療保険の加入者であることが介護保険被保険者への必須要件となります。介護保険は利用するには65歳以上にならないと申請ができません。


しかし、介護保険法で定められている「特定疾病」が理由で介護が必要になった場合にのみ、介護認定を受けて介護保険のサービスを受けることができる仕組みがあります。

16の特定疾病とは

第2号被保険者で要介護認定を受けられる16の特定疾病は以下のとおりです。
  • がん末期※(医師が医学的知見に基づき回復の見込みがない状態と判断したものに限る)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

介護保険料の支払い方

40歳以上の人は介護保険料を納める義務がありますが、その支払い方法は年齢により異なります。


40歳から65歳未満の第2号被保険者の介護保険料は、加入している保険により違いますが、加入している医療保険や健康保険と同様に給与やボーナスから徴収されます。国民健康保険に加入している人はその家の世帯主から世帯全員の分を国民健康保険料と一緒に徴収されます。


65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は各市区町村で決められた基準月額と、その人の所得により保険料が決定されます。第1号被保険者の場合は、年金からの天引きや口座振替、納付書による徴収が一般的です。

要介護認定の手続きと申請の流れ

もし、介護保険でのサービスが必要となった場合、どこにどの様に申し込めばよいのでしょうか。 


介護保険の申請は、市区町村の窓口にて、基本的には介護を必要とする本人かまたはその家族が申請を行います。 


もし本人や申請が難しい場合は、代行申請も可能です。

どんなステップで手続きが進むのか、仕組みを見て行きましょう。

市区町村の窓口へ申し込む手続きの流れ

区役所、町村の役場などでは下記のような流れで手続きを済ませます。


  1. 要介護認定の申請を、本人または家族が市区町村の窓口にて申請します
  2. 市町村の依頼を受け、主治医が意見書を作成します
  3. 市町村の職員が自宅を訪問し、利用者の心身の状況を調査します
  4. 要介護度が決定されます
  5. 申請より30日以内に、認定結果通知が到着します
  6. 要支援・要介護・非該当の認定がされます
一見、複雑な申請方法ですが、窓口で必要な書類等は準備して下さいます。

ケアマネジャーや包括支援センターの職員等も代理で認定申請が可能です。もし不安な事等ありましたら、気軽に聞いてみてましょう。

申し込み時の注意点

介護保険の申請する際には、
  • 要介護・要支援認定申請書(主治医による意見書)
  • 介護保険被保険者証
  • 個人番号を示す書類
  • 身元確認ができる書類
上記の4点が必要です。

 また、本人や家族以外の方が申請する場合は「申請者の印鑑」が、介護保険の利用者本人が第2号被保険者(40~65歳)である場合は介護保険被保険者証の代わりに「健康保険被保険者証」が必要となります。

認定を行っていく上で、かかりつけ医による意見書(主治医意見書)が大変重要になります。

市町村に申請した後、かかりつけ医に行って書いてもらっておくとその後の流れがスムーズに行き良いでしょう。

介護保険で受けられるサービス

介護保険では3つのサービスを受けることができます。
  1. 居宅サービス(在宅でいながら、介護サービスを受ける事ができる)
  2. 支援サービス(ケアマネジャーや保健師等が作成する、ケアプランなどのサービス)
  3. 施設サービス(介護保険施設への入所など)
もちろん希望すれば上記2の支援サービスは、本人や家族が行う事ができる仕組みにはなっています。

しかし内容が複雑で難しい為、多くの方はケアマネジャーや各機関の職員に任せています。

居宅サービス

利用者が自宅に居ながら(在宅)、介護サービスを受けることを希望した場合は居宅サービスが提供される仕組みです。

利用者本人や家族が、住み慣れた家でその人らしい生活を営むことが出来る自立支援を目的としたサービスです。

訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護の利用、短期入所生活介護など幅広いニーズが備わっています。

本人の介護サービスもそうですが、家族へのレスパイト等にも対応可能です。

支援サービス

利用者が適切な介護サービスを利用できるよう、利用者の依頼を受けたケアマネジャーや保健師などがケアプランを立てたり、各サービスや機関と連絡調整を行う仕組みです。

施設サービス

利用者が介護施設への入所を希望した場合、施設サービスが提供される仕組みになっています。

施設サービスを提供する介護施設は

  • 指定介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 指定介護療養型医療施設

の3種類に大きく分類されます。

まとめ

2000年に始まった介護保険制度ですが、今や高齢者の人口が増加し、介護保険利用者数も年々右肩上がりです。高齢者の数が増加するに伴って、様々な問題も出てきています。

改正するに従い、質の良い介護サービスや各事業所へのサービスの向上など、改善傾向にあり少しずつではありますが実現しているところです。

住み慣れた地域で、最期まで自分が希望する生活を送って過ごしていけるよう、まだまだ改善の余地はありますが、地域全体で支えられるようサービスの体制も整いつつあります。

今の介護保険制度や各種介護サービスの仕組みを理解した上で、うまく活用する事で、将来、家族や自分の家を離れることなく手厚い介護サービスを受ける日が来ることを望むばかりです。

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