介護保険料の滞納で自己負担額が増加?財産差し押さえの可能性も!

高齢者の介護費用の負担を減らしてくれる介護保険料ですが、滞納すると延滞金がかかります。さらに滞納が続くと、滞納金分の、介護費用の自己負担額増加や財産差し押さえ処分の可能性も出てきます。そうならないために、介護保険料を滞納せずに納めましょう。

介護保険料の滞納には要注意!滞納処分を受ける可能性も!

介護保険料は、40歳になると支払いの義務が発生します。介護保険料は通常、給与天引き・口座振替・納付書のいずれかで支払います。

介護保険料をきちんと支払っている人は、規定の介護サービスを原則1割負担で受けることができます。所得が多い人でも、2割負担で利用できます。


介護保険は、支援や介護が必要だと認定された場合に、規定の介護サービスを受けられます。受けられるサービスとしては、通所サービス(デイサービス)・訪問介護サービス(ホームヘルプサービス)・施設入所サービスなどです。


さらに、福祉用具賃代や介護のための住宅改修の補助ができる場合もあります。このように、高齢者の生活を助けてくれるのが介護保険です。


この介護保険は、65歳以上で、お住まいの市区町村で支援や介護が必要と認定されると、いつでもサービスを受けることができます。


また、40歳以上65歳未満の人で、16種類の特定疾病により介護が必要とされた場合もサービスを利用できます。


末期がんや初老期認知症、慢性関節リウマチなどでが特定疾病に該当します。


介護サービス利用者の負担を軽減してくれる介護保険ですが、保険料と滞納してしまうと、延滞金加算などの滞納処分を受けることになります。


また、いざサービスを利用したいときに、介護保険料の給付制限をされる場合があります。

介護保険料を滞納が続くとペナルティーが課せられる

介護保険料を滞納すると、督促手数料や延滞金のペナルティー(滞納処分・給付制限)が課せられます。

介護保険料を延滞すると、納付期限から20日以内に督促状が送られます。その督促にかかる手数料が「督促手数料」として100円程度課せられます。


また、金額は市区町村により異なりますが、納付期限から納付されるまでの日数分の「延滞金」も課せられます。


滞納するとペナルティーとして、本来の介護保険料よりも多く支払わなければいけなくなるので、注意しましょう。

介護保険の第1号被保険者(65歳以上の保険者)の場合

65歳以上の第1号被保険者は、もらっている年金の年額が18万円以上の場合、年金から天引きにより支払います。

年金の年額が18万円以下の場合は、口座振替で支払うか納付書で支払うことになります。


納付書で納める場合でも、未払いにすると延滞金のペナルティーがあるので、忘れずに支払いましょう。

介護保険料を1年以上滞納した場合

介護保険料を1年以上滞納すると、介護サービス利用料を一時的に全額自己負担をしなければいけません。


後日、滞納分の介護保険料納付と申請により、介護サービスの利用料の9割が返金されます。2割負担の人は、8割が返ってきます。


一時的とはいえ、全額の自己負担はとても負担になります。

介護保険料を1年6ヶ月以上滞納した場合

介護保険料を1年6か月以上滞納すると、介護サービス利用料を一時的に全額自己負担をしなければいけません。


後日、滞納分の介護保険料納付と申請により、サービス利用料の1割または2割と「滞納分の介護保険料」が差し引かれて返金されます。


つまり、サービス利用分を引いた残りの金額の払い戻しを請求をしても、さらにそこから滞納している介護保険料が差し引かれます。


そのため、9割または8割の全額が返って来ることはありません。



介護保険を2年以上滞納した場合

介護保険料を2年以上滞納すると、一定期間3割負担に引き上げられます。




さらに2年を過ぎると、滞納分の介護保険料は時効により、納めることができません。


一定期間とは10年です。過去10年以内に2年以上滞納した介護保険料がある場合、介護サービス利用料の3割が自己負担額になります。


ホームヘルパーなどの居宅における介護サービスを利用するAさんを例に、自己負担額を計算してみましょう。


Aさんは住んでいる市から、要介護2の認定を受けています。


まず、1ヶ月の介護サービス利用限度額(居宅サービスの場合)は、次のようになります。


状態月の限度額
要支援150,030円
要支援2104,730円
要介護1166,920円
要介護2196,160円
要介護3269,310円
要介護4308,060円
要介護5360,650円

例えば、要介護2として、限度額ぎりぎりの196,000円の居宅介護サービスを利用すると想定します。


1割負担で19,600円の負担額になります。


3割負担で58,800円の負担額になります。


その差額は、39,200円になります。


1ヶ月の自己負担額の差が約4万円は、とても大きな負担です。


この差が1年で、約47万円にも及びます。大きな差ですね。


このような、事態をさけるためにも、きちんと介護保険料を納めましょう。


第2号被保険者の場合

40歳から64歳までの人を第2号被保険者と言います。


公務員や会社員は公的医療保険料に上乗せして、給料から自動的に天引きされます。


自営業などの国民健康保険に加入している人は、世帯ごとにまとめて納付することになっています。


保険給付の差し止め(給付制限)が行われる場合がある

第2号被保険者の場合、介護保険料を滞納していると、給付金の一部もしくは全額が支給停止になる場合があります。

介護保険の給付金が全額支給停止になると、介護サービス利用料の全てが自己負担になりますので、滞納しないようにしましょう。

介護保険料滞納には時効がある

介護保険料を滞納しても、始めのうちは延滞金や督促手数料の納付で済みますが、長期間にわたって支払わないと「時効」が成立します。

時効になると、介護保険料を後から納付しようと思っても、納付することができません。


時効になり、未払いが確定すると様々な面で負担が増えることになります。

滞納が2年を過ぎると時効になる

介護保険料を2年以上滞納して時効が確定すると「未納」扱いになります。そして、その介護保険料はもう納めることができません。


一度、時効になってしまうと一定期間、介護サービスを受けたときの自己負担額が3割になってしまいます。介護サービス利用料の1割と3割では大きな差です。

その一定期間とは、過去10年間になります。


つまり、過去10年間に時効が確定した介護保険料があると、自己負担額が3割になります。


さらにこの期間は、高額介護サービス費の払い戻しを受けることができなくなります。


収入が少ない高齢者にや家族にとって、介護費用の負担額が増えることは、家計圧迫にもなります。

時効になった場合どうなるのか

介護保険料の滞納が続くと、自己負担額が増えるだけではありません。預貯金生命保険などの財産が差し押さえられる場合があります。

これは、介護サービスを利用しているか、利用していないかに関わらず、差し押さえられます。


2014年度には、財産を差し押さえられた高齢者が1万人を超えたとのデータが厚生労働省より発表されています。


どうしても、介護保険料の滞納金を払うことができない場合は、保険料免除などの対応をしてもらえる場合があります。


一度、お住まいの市区町村役場へ相談してみましょう。

介護保険料の滞納者が死亡し、督促状がある場合どうなる?

介護保険料の滞納金には、連帯義務があります。

もし介護保険の滞納者が亡くなると、督促状の宛名が「故○○ 代表継承者様」となっているはずです。


すなわち、滞納者の死後でも、滞納者の代表継承者が介護保険料の滞納金を支払う必要があります。

この代表継承者とは、故人の相続を受けた人間です。


相続には、プラス(資産)の相続とマイナス(借金)の相続の両方を引き継ぐことになっていますので、介護保険料も借金と同様に引き継ぐのです。


故人が死後3ヶ月以内に相続放棄を行なっていない場合は基本的に相続と見なされ、自動的に単純相続をしている状態となっています。


前述の通り、滞納金・延滞金は支払いが遅くなれば遅くなるほど金額が増えますので、早めに支払うのが得策と言えます。

まとめ

介護保険は高齢者の生活を守ってくれるためのものです。介護保険料を納めることにより、介護サービスを原則1割の負担で受けることができます。

介護保険料を滞納すると、督促手数料や延滞金を支払わなければいけません。


さらに滞納が続くと、自己負担額の増加や財産差し押さえになる場合もあります。


自分の将来や家族のために、介護保険料を期限内にしっかり納付しましょう。

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