どうすればいいの?慌てる前に知っておこう。介護保険の要介護認定。

介護保険サービスを利用するには市町村に申請書を作成して要介護認定を受ける必要があります。介護保険サービスも要介護度により利用できるサービスと利用できないサービスがあります。もしものときに慌てないように要介護認定の仕組や手続きを覚えておきましょう。

介護保険の要介護、要支援とは

みなさんは介護保険の内容をご存知でしょうか?毎月給料などから天引きされていることはご存知でも、その内容や使い方となるとちょっと・・・、というかたも多いかもしれません。

65歳以上の人(第1号被保険者)と40歳以上65歳未満の医療保険に加入する人(第2号被保険者)はすべて介護保険に加入して被保険者になります。強制加入と呼ばれるもので、特に契約や届出は必要ありません。介護保険に加入すると給与や年金からの天引きで介護保険料が支払われます。

一方、介護保険のサービスを受ける場合には、要介護認定の申請、要介護認定、ケアプランの届出等のさまざまな手続きが必要となります。病気や怪我で、介護が必要な状態になったときに、こうした手続きも並行してゆかなければなりません。


ここでは介護保険のサービスを受けるために必要な要介護認定の内容や手続きについて解説します。いざという時に慌てないように基本的な流れを理解しておきましょう。

要介護度、要支援度はどのように決まるのか

要介護度、要支援度は一体どのように決まるのでしょうか。

被保険者は、まず市町村に要介護認定の申請をします。原則として要介護・要支援認定を受けなければ介護保険のサービスを受けることができません。


要介護認定申請書を受理した市町村は、訪問調査員を派遣して調査を行います。調査員は申請した被保険者に面接して、全国共通の認定調査票にもとづいた質問をし、その回答を記入します。


1次判定では訪問調査による申請者の心身の状況調査結果と主治医意見書の意見をコンピュータに入力します。そこから要介護認定等基準時間を推計するシステムになっています。


2次判定は、市町村に設置されている介護認定調査会が、1次判定の結果を原案に訪問調査の特記事項と主治医意見書の内容を加味して、要介護、要支援、非該当の別を認定します。


2次判定を経て、その結果を、要支援1・2、要介護1~5も要介護度、また介護認定審査会の意見があればそれも付記して市町村に送付します。


市町村は、介護認定審査会の審査判定にもとづいて認定を行い、その結果を被保険者に「介護保険要介護認定・要支援認定等結果通知書」「被保険者証」が送られます。



介護保険の要介護認定の基準

介護保険の要介護認定は何を基準にしているのでしょうか。

要介護認定の審査判定は、「介護の手間に係る審査判定」と「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」の2つに分けることができます。


1次判定では、そのうちの「介護の手間に係る審査判定」を行います。その審査判定は、訪問調査で記入された認定調査票の結果をコンピュータ処理して「要介護認定等基準時間」を推計して行われます。


要介護認定等基準時間とは言い換えると「介護にかかる時間」のことで、①直接生活介助②間接生活介助③問題行動関連行為④機能訓練関連行為⑤医療関連行為 の5つの分野の介護行為ごとに必要な1日当たりの時間を推計して合計したものです。



介護保険の要介護認定でチェックされる項目

  • 直接生活介助・・・体に直接触れて行う入浴、排泄、食事などの介護
  • 間接生活介助・・・衣服などの洗濯、日用品の整理などの日常生活上の世話など
  • 問題行動関連行為・・・徘徊、不潔行動などの行為に対する探索、後始末などの対応
  • 機能訓練関連行為・・・嚥下訓練の実施、歩行訓練の補助などの身体機能の訓練およびその補助
  • 医療関連行為・・・呼吸管理、褥瘡処置などの診療の補助など

介護保険の要介護度、要支援度の目安とサービス例

ではどの程度の状態が、要介護度、要支援度の目安となっているのでしょうか。

あくまで目安ではありますが、要介護認定等基準時間で判定する場合は以下のようになります。

  • 要支援1 5分野を合計した要介護認定等基準時間が25分以上32分未満
  • 要支援2 常時介護を要する状態の軽減・悪化の防止に資する支援を要すると見込まれ、5分野を合計した要介護認定等基準時間が32分以上50分未満
  • 要介護1 5分野を合計した要介護認定等基準時間が32分以上50分未満
  • 要介護2 5分野を合計した要介護認定等基準時間が50分以上70分未満
  • 要介護3 5分野を合計した要介護認定等基準時間が70分以上90分未満
  • 要介護4 5分野を合計した要介護認定等基準時間が90分以上110分未満
  • 要介護5 5分野を合計した要介護認定等基準時間が110分以上

要支援1

(心身の状態例)

日常生活を送るうえの基本動作はほぼ自分で行うことが可能だが、家事や買い物などの日常生活を送るうえの能力に何らかの支援が必要な状態

(利用できるサービス)

介護予防サービス、介護予防地域密着型サービス


要支援2

(心身の状態例)

要支援1の状態から、わずかに能力が低下し、何らかの支援が必要な状態

(利用できるサービス)

介護予防サービス、介護予防地域密着型サービス

要介護1

(心身の状態例)

要支援の状態から洗身や金銭の管理など日常生活を送るのに必要な能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態

(利用できるサービス)

居宅サービス、地域密着型サービス、または施設サービス

要介護2

(心身の状態例)

要介護1の状態に加え、移動などの日常生活を送るうえの基本動作についても部分的な介護が必要となる状態

(利用できるサービス)

居宅サービス、地域密着型サービス、または施設サービス

要介護3

(心身の状態例)

要介護2の状態と比較して、日常生活の基本動作と日常生活を送るのに必要な能力が著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態

(利用できるサービス)

居宅サービス、地域密着型サービス、または施設サービス

要介護4

(心身の状態例)

要介護3の状態に加え、さらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を送ることが困難な状態

(利用できるサービス)

居宅サービス、地域密着型サービス、または施設サービス

要介護5

(心身の状態例)

要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を送ることがほぼ不可能な状態

(利用できるサービス)

居宅サービス、地域密着型サービス、または施設サービス

介護保険の要介護認定の申請方法

要介護認定は具体的にはどのように申請するのでしょうか。

要介護認定の申請方法は介護保険を利用する被保険者は、要介護認定・要支援認定の申請をしなければなりません。


ここでは要介護認定の申請方法について説明します。


申請する場所

介護保険の申請は、市町村の介護保険課などになります。市町村によって呼び方が異なる場合がありますので、確認して手続きをしましょう。

申請は本人が行いますが、本人ができない場合は、家族や居宅介護支援事業者や介護保険施設のうち厚労省例で定めるもの、地域包括支援センター、成年後見人、民生委員、社会保険労務士が代行することができます。

申請に必要なもの

申請に必要な書類は

・申請書

介護保険被保険者証(65歳以上の人)

 または医療保険被保険者証(65歳未満の人)

・主治医意見書


申請書を提出すると、被保険者証の代わりに「介護保険資格者証」(暫定被保険者証)が交付されます。被保険者証は認定結果の通知とともに結果を記入したものが再度送付されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。


介護保険の要介護認定の手続きの流れは理解できましたでしょうか。


介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受けなければなりません。


本人や家族で分からない点は、ケアマネジャーやサービス事業所、地域包括支援センターに相談しながら進めてゆきましょう。


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