JA共済入院給付金の請求方法は?手順、必要書類もわかりやすく解説!

病院やケガ入院時をすると共済金が心強い味方になってくれます。しかし、共済金の請求方法がわからない方も多いのではないのでしょうか。この記事ではJA共済における共済金の請求方法を解説します。共済金が受け取れないケースも紹介しますので、最後までご覧ください。

JA共済の入院給付金の請求方法、手順は?手続きは大変?

内容をまとめると

  • 共済金の請求はJA共済へ連絡する
  • 共済からの伝達事項は忘れないようにメモをする
  • 必要書類は人によって違う
  • 診断書は治療報告書で代替できる
  • 共済金の振り込みは書類提出後30日以内
  • 共済金が支払われないケースに注意
  • コロナによる自宅療養も共済金の対象

JA共済にせっかく加入しても、いざ病気やケガをすると入院準備で忙しく共済金の請求まで頭が回らないことが多いのではないでしょうか。実際、家族の入院や共済金を請求するタイミングをきっかけにこの記事へたどり着いていると思います。


そこで本記事ではJA共済の入院共済金について

  • 請求方法や手順
  • 必要になる書類
  • 請求から振り込みまでの期間
  • 支払われないケース
  • 新型コロナウイルスへの対応

について解説します。保険や共済にありがちな難しい用語もかみ砕いて説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

JA共済の入院給付金の請求方法は?大変?


JA共済の入院共済金を滞りなく請求するときのポイントは以下の3つです。

  • 手続きの順序を確認する
  • 必要書類を用意する
  • 共済金が支払われない例外を知っておく

共済金の請求手順をあらかじめ知っておくことで、JA共済へ連絡を入れたあとに素早い準備ができます。また本記事で共済金が支払われないケースを知れば、書類の用意をして無駄な時間を過ごすこともありません。


では、上記3つのポイントを順に見ていきましょう。

確認事項を把握したらJAに連絡!

共済金を受給するための一般的な手順は以下の5つです。

  • 契約したJA共済へ連絡する
  • 必要書類や共済金の説明をされる
  • 必要書類を揃えて記入・提出
  • JA共済側の調査・審査
  • 問題がないと共済金の支払いが完了

まずは自分が契約したJA共済へ連絡。ケガや病気で入院をしたため、共済金を請求したいことを伝えます。


次に行われるのが事故やケガに関する質問です。入院・死亡に関する質問をされます。質問内容の例は以下のとおりです。

  • 入院者の名前や誕生日
  • 入院の時期や事故にあった日付
  • ケガ・病気などの入院原因
  • 請求の手続きをする人の名前・連絡先

入院者と請求者が異なる場合はあらかじめ入院者の誕生日を控えておくといいでしょう。また、JA共済への連絡時は共済証書約款(やっかん)を手元に置いておくと便利です。

  • 共済証書:契約時に受け取った、契約内容がまとめてある書類のこと
  • 約款:保障の情報や約束ごとが書かれた冊子

約款がどこにあるかわからないという人は、JA共済サイトで観覧できますので見つけてみましょう。 


注意点として、連絡する前に書類を揃えると二度手間になる可能性が考えられます。受け取り時の書類は人によって違っていて、連絡前に準備してしまうと過不足が生じてしまいます。


請求時の書類はすべてが共済から受け取れるわけではなく、役所へ取りに行くこともあります。ですので、JA共済との連絡時はメモの用意をし、自分が用意する書類がなにかを控えておくようにしましょう。

必要な書類には何がある?

共済金請求時に必要な書類を表で一覧にしました。◎のついている書類は共済側の判断により不要になったり、他の書類で代替可能であったりするものです。

必要書類入手場所
生命・傷害共済金等支払請求書JA窓口
生命・傷害共済事故状況報告書
JA窓口
◎承諾書JA窓口
◎印鑑証明書市役所・区役所等
◎戸籍抄本(個人事項証明)
戸籍謄本(全部事項証明)
住民票(写)
住民票記載事項証明書
のうち1点
市役所・区役所等
◎共済証書(継続証・更新証)契約時に受領済み
診断書
入院・通院等証明書
入院した病院

提出書類の概要を一つずつ説明していきます。


生命・損害共済金等支払請求書とは、共済金を受け取りたい意思を表すための書類です。契約者の名前や請求の理由、振込口座などを記入します。


生命・傷害共済事故状況報告書とは、交通事故にあったときの状況を伝えるための書類です。事故の発生日時や場所、受傷者の状態などを記入します。


承諾書は共済や組合による入院に関する調査を許可するための書類です。共済は共済金受給の際に入院の事実確認をしなければなりません。承諾書は事実確認のために調査をしても良いかの意思確認をする書類ということです。


共済証書は上記でも述べたように、契約時に受け取る生命共済の契約内容をまとめた書類のことです。


診断書は入院した病院で発行できますが、実費で購入する必要があります。しかし、診断書を購入しない方法もありますので続けて解説していきます。

条件を満たすと使える生命共済治療報告書でスピーディーに!

診断書のかわりに治療報告書を使うことで発行費用を節約できます。治療報告書とは病院ではなく共済が発行している無料の報告書です。


治療報告書は2014年4月から開始した新しい制度で、使うメリットには以下の3点が挙げられます。

  • 診断書と違い発行手数料いらず
  • いちいち病院に行かなくてもいい
  • 診断書よりスムーズに手続きが進む

診断書だと病院でもらい忘れることもあり、二度手間のリスクもあります。しかし、治療報告書であれば共済が作成するため他の書類とまとめて受け取れます。


上記のように便利な治療報告書ですが、以下のような使用条件があります。

  • 入院・手術・通院共済金や入院見舞金以外の請求がない
  • 治療したことや日付がわかる書類がある(例:領収書)
  • 入院もしくは入院と通院をあわせた期間が30日以内(契約から2年のときは4日以内)
  • 契約から2年以降の手術である(災害手術以外)
    退院済みである
便利な制度ですが、使用前には使用条件を満たしているかをチェックしましょう。

入院給付金、請求後どの位で振り込まれる?


ここまで入院共済金の請求方法についてお話ししましたが、共済金は入院費をカバーする大事なお金。実際のところ気になるのはいつ振り込まれるかですよね。


共済金は必要書類を提出後、JA共済の入院に関する事実確認が終了すると振り込まれます。しかし必要書類が人によって違うように、事実確認の期間も人それぞれです。


そのため、ここからは事実確認の期間はどのように決まるのか、共済金が実際に振り込まれるまでの流れなどを詳しく見ていきましょう。

JA共済に必要書類到着後30日以内に入院共済金は振り込まれる!

提出した書類がJA共済に到着後、概ね30日以内に入院共済金が指定口座へ振り込まれます。あいだの30日は入院をしていた事実や原因の証明を行うための期間です。


具体的には、以下の事実証明がされたあとに共済金が支払われます。

  • 支払事由に該当する事実の有無
  • 共済金が支払われない事由に該当する事実の有無
  • 無効、取消しまたは解除の事由に該当する事実の有無

例外として、事実究明に特殊な捜査が必要な場合は振り込みまでの期間が60日~最大180日まで延長されます。延長されることはあらかじめJA共済からアナウンスされますのでご安心ください。


しかし、予想以上に事実証明に時間がかかるケースもあります。もし予定した期限を超えても確認が終わらなかった場合、支払い遅延のお詫びとして共済金額に年利3%の利息が付きます。


たとえば、入院共済金が10万円で遅延日数が10日間だとすると、追加される金額は以下のようになります。

10万円(共済金)×0.03(年利)×{10(遅延日数)/365(一年間の日数)}=82円

入院共済金が支払われないケースもある!


JA共済では以下のような入院共済金が支払われないケースがあります。すべてに言えることは、契約内容や約款に違反していることです。

  • 支払の原因である病気・ケガが契約前に発生したとき
  • 共済約款で定めた入院・手術にあてはまらないとき
  • 免責事由にあてはまるとき
  • 告知時の違反
  • 重大事由での解除、不正の取得が目的のとき
それぞれ詳しく解説します。

入院共済金が支払われないケース

まず、共済金の支払原因である病気やケガが加入前に発生したときです。たとえば、加入後に脳の病気にかかったとしても、その原因が加入する前の期間にあると共済金は支払われません。


例外として、原因の起きた日が加入前かつ加入から2年以内の入院なら、共済金が支払われる場合もあります。



次に共済約款で定めた入院・手術に当てはまらないときです。


共済約款に書かれているそれぞれの意味を分かりやすくまとめました。

  • 入院:専門の資格を持った人の施術が必要で自宅療養ができないくらい深刻なもの
  • 手術:専門の資格を持った人による治療が目的で、医科診療報酬点数表により手術料や輸血量が計算されるもの

この定義に当てはまらないときは入院・手術とみなされず、共済金が支払われません。また、上記の定義は用語を分かりやすくしたものですので、詳しくはご自身が加入した生命共済の共済約款を確認しましょう。


免責事項にあてはまる場合も入院共済金の対象外です。たとえば、泥酔や加入者本人の過失によるケガ・病気の場合が免責事項にあたります。


当たり前ですが、告知の際に情報を偽って伝えたとしても重大事項に触れているため支払い対象外です。詐欺目的や不正に入手しようとした際も同様ですので、絶対に行わないようにしましょう。

少しややこしい入院給付金が支払われる例、支払われない例

少し特殊ですが、入院共済金が支払われないケースを以下の2つ紹介します。

  • 入院日数が少ないとき
  • 持病の悪化による入院
まず入院日数が少ないときですが、生命共済にはそれぞれ入院共済金が発生する最低日数が決まっています。さらに継続して5日間、合計で5日間などの制限がある契約もあります。

最低日数が5日間であれば、ケガでの入院を4日間行ったとしても共済金は支払われない仕組みです。もしも入院日数が10日間であれば、規定の5日間以上なので支払いがされます。

2つ目の持病による悪化もわかりにくいケースです。保障を受ける人がもともと持っていた病気や体質が些細なことで悪化してしまった場合は、残念ながら共済金を受けとれません。

ギックリ腰が分かりやすい例ですが、重いものを持った時に再発してしまったケースでは共済金支払いの対象外になります。

また、同一の病気で2度入院した場合は、入院日数と退院している期間によって全額支払われないこともあります。

紹介した2パターンを知らないとトラブルの原因にもなりますので、覚えておきましょう。

番外編:新型コロナウイルスに感染し自宅療養になってしまった場合は?

新型コロナウイルスに感染してしまった場合、入院共済金の給付対象になるのでしょうか。また、自宅療養の場合はどうなるのでしょうか。結論から言うと、条件を満たせば共済金を受けとれます。


気になる条件は、新型コロナウイルス感染症により入院した医療機関・公的機関の証明書がある場合です。


宿泊施設や自宅で療養中に悪化し、病院へ移動した場合でも共済金が適用されます。医療機関から自宅療養になったときでも同様です。


新型コロナウイルスで療養をした人は証明書を保管し、JA共済で共済金請求の手続きを行いましょう。


※本記事はJA共済による令和3年1月14日付の情報を元に書いています。最新の情報はJA共済の公式サイトをご覧ください。公式サイトでは電話での質問にも対応しています。

まとめ:JA共済入院給付金の請求方法とは

いかがでしたか。JA共済の入院共済金について以下のことを紹介しました。

  • 共済金の請求はJA共済へ連絡する
  • 共済からの伝達事項は忘れないようにメモをする
  • 必要書類は人によって違う
  • 診断書は治療報告書で代替できる
  • 共済金の振り込みは書類提出後30日以内
  • 共済金が支払われないケースに注意
  • コロナによる自宅療養も共済金の対象

保険会社の保険金に比べると入院共済金額は少ないですが、あるとないとでは入院の負担が大きく違ってきます。共済金の支払い対象になったら忘れずに請求するようにしましょう。


ほけんROOMではこの他にも、共済に関するお得な情報や税金の話について紹介しています。お金の情報に強くなりたい人はぜひご覧ください。

ランキング