生前贈与に生命保険は活用できるの?お得に生前贈与をする方法

生前贈与を生命保険を利用できることは聞いたことがあるけど、具体的にどうすればいいか知らないと思います。記事では生前贈与を生命保険に活用する方法、生前贈与に活用するべき生命保険、他にも生前贈与をお得にできる方法を紹介しています。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生前贈与に生命保険は活用できるの?


近年、生前贈与を行う方が増えてきています。そんな中、生命保険を生前贈与にするという話もよく聞きます。ですが、具体的にどんな契約内容で加入すればいいのかなど、わからないことも多いですよね。


また、生命保険を生前贈与にしておくことでメリットも複数考えられます。できることであれば、生命保険を生前贈与にしておいたほうがよさそうに思いますよね。


この記事では、

  • 生前贈与を生命保険にする方法
  • 生前贈与を生命保険にするメリット・デメリット
  • 生前贈与で相続税対策する5つの方法
  • 生前贈与について誰に相談すればいい?
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読むことで、生前贈与と生命保険の関係性を理解することができるでしょう。

最後まで読んでみてください。

生前贈与に生命保険を活用する方法


生命保険は、生前贈与として活用できます。ですが、その方法を知らなかったり、どんなメリットがあるのかわからないという方も多いです。


そこで、ここでは

  • 生前贈与のメリット
  • 生命保険の非課税枠とは
  • 生前贈与に生命保険を活用する場合の契約形態例
  • 生命保険を生前贈与にするメリット・デメリット
  • 生前贈与におすすめの保険商品
以上のことを具体的に解説していきます。

生命保険を生前贈与にしたいと考えている方にとって、とても参考になると思います。

生前贈与にはどんなメリットがあるの?

まず、生前贈与を行うことにどんなメリットがあるのか、解説していきます。考えられるメリットとしては、以下の通りです。


  1. 節税と減税効果
  2. 遺産の贈与期間を選択できる
  3. 相続相手を選択できる
  4. 相続時精算課税制度が利用できる
  5. 贈与税の配偶者控除が利用できる
  6. 教育資金としてであれば、1500万円まで贈与できる
  7. 住宅取得資金贈与であれば、贈与税はかからない
細かいルールはありますが、基本的にこの7つのメリットがあります。特に一番大きなメリットは、1の節税と減税効果です。

また、生存贈与では誰にどれくらいのお金を渡すのか決められるため、のちのちのトラブルにもなりにくいです。このような生前贈与を、生命保険で活用できればより便利になると思います。

生命保険の非課税枠ってなに?

亡くなった際に受け取れる生命保険には、もちろんですが相続税が必要となります。しかし、生命保険だけ特別に非課税枠と呼ばれるものが決められています。


生命保険の非課税枠とはいったい何なのでしょうか?簡単に解説すると、法定相続人の人数×500万円まで相続税が非課税ということです。


例えば、父と母、子2人の4人家族で父親が亡くなってしまったケースで解説します。この場合、法定相続人は、母と子供2人となります。


法定相続人3人×500万円=1,500万円まであ、非課税枠に入る金額です。1,500万円までの生命保険であれば、相続税なしで受け取ることが可能です。


この金額を超えないように調節しておけば、贈与税は必要なくなるということですね。ただ単に1,500万円を贈与するのではなく、生命保険を活用することで贈与税が無くなるのでかなりお得です。

生命保険を生前贈与に活用する例!どんな契約形態にすればいい?

生命保険を生前贈与にすると、お得になるのは理解していただけたかと思います。では、実際に活用するためには、どのような契約形態にすればいいのでしょうか?


生命保険には、保険をかけられる人(被保険者)、保険料を支払う人(契約者)、受取人の3つがあります。


例えば、父に万が一のことがあったときのために父を保険にかけて受取人を息子にしておくとします。この場合、保険をかけられる人が父となり、受取人が息子になります。


では、保険料を支払う契約者は誰になるのでしょうか。節税対策をしっかり行いたいのであれば、契約者も息子にしておくことをおすすめします。


受取人が息子で契約者が父の場合、保険金には相続税が必要となります。しかし、契約者を息子にしておくことで、相続税は必要なくなります。

(参考:国税庁


相続税がなくなる代わりに、一時所得として所得税が必要となりますが課税対象額を4分の1以下にすることができるので、所得税を支払ったほうが結果的にお得になります。


生命保険の契約形態は、契約者と受取人を同じにしておいた方がいいことがわかります。

生命保険を生前贈与に活用するメリットとデメリット

生命保険を生前贈与に活用するメリットとデメリットを解説します。

メリット

  • 相続税の減税
  • 納税準備金が用意しやすい
  • 受取金額が増える
  • 相続トラブルが減る
メリットとしては、以上のことがあげられます。

相続税の減税については先ほど、「生命保険の非課税枠」で解説しました。他のメリットですが、相続税などは現金一括で支払う必要があります。相続税が多額になった場合、相続税を支払うのに苦労しますよね。

生命保険金はもちろんですが、一括で受けることができます。納税準備金として、すぐに支払うことができるお金を準備できるのはかなり大きいメリットでしょう。

その他、受取金額は保険なので徐々に増えていきます。普通に預金として遺産を置いておくよりお得になることも考えられます。

デメリット

  • 保険をかけられた人が保険料を負担しなくなる可能性がある
  • 元本割れのリスク
デメリットとしては、以上のことがあげられます。

保険をかけられた人を父とし、受取人を息子とした場合、「父が何か会った時のために息子にお金を残したい」と考えて生命保険に加入すると思います。

この時、生前贈与にするためには、契約者を息子とする必要があります。実際には父が保険料を支払っていたとしても、契約者が息子なので息子に支払い義務が生じます。

父の生活が苦しくなり、保険料が支払えないなどのトラブルがあった場合、息子に保険料の負担がいってしまうことも。

また、保険なので短い期間で解約すると元本割れを起こすリスクもあります。元本割れしにくい保険を探すのもおすすめです。

生前贈与に利用するべき保険商品

生前贈与の利用が向いている保険商品はどんなものなのか紹介します。生命保険の種類としては、主に終身保険、定期保険、医療・介護保険があります。


他にも、外貨建て終身保険というものもあるので、これらをわかりやすく解説していきます。

終身保険

終身保険とは、保険料を短期間で支払っておけば一生涯保障が続く保険です。貯蓄性があり、解約すると解約返戻金が受け取れます。

一定の期間解約せずに継続していれば、支払った保険料を上回るお金を受け取れるのが魅力的です。

終身保険は、アクサダイレクトやかんぽ生命などで販売されています。かんぽ生命では、自分に合った保証プランの選択が可能となり、自由度が高い商品が販売されていますよ。

定期保険

定期保険とは、一定期間だけ大きな死亡保障を受け取りたいと考えている方におすすめの保険です。基本的には掛け捨てとなり、万が一の時に大切な家族の生活が守られます。

いろいろな保険会社が商品を販売していますが、アクサダイレクト生命やかんぽ生命、ライフネット生命などが人気を集めています。

医療・介護保険

医療・介護保険は、贈与する分のお金を使ってお金を受け取ってほしい方を医療保険に加入させるというものです。

例えば、「孫に生前贈与しておきたいけれど、無駄使いしないか心配」「まだお金の管理をできる年齢ではないのでどうすればいいかわからない」という方が利用しています。

子供や孫を医療保険に加入させる保険料を生前贈与として与え、子供や孫や一生涯保険に加入しておけるというのは、大人になって大変喜ばれることでしょう。

外貨建て保険

外貨建て保険とは、日本円ではなく外国の紙幣を利用して保険に加入する方法です。外貨と聞くと「難しい」というイメージがあるのでなかなか手が出しにくい部分もありますよね。

しかし、実際はそこまで複雑ではありません。外貨のほうが日本円より金利が高いので、万が一の時に受け取れる保険金が多く受け取れることもあります。

外貨建て保険にはさまざまな種類があるので、まずはFPの方に相談してみると安心です。

生前贈与で相続税対策をする方法は他にもある!


生前贈与で相続税対策をしたい場合、生命保険以外にも方法があります。


ここでは、

  • 暦年贈与を利用する
  • 生存給付金付きの保険で暦年贈与をする
  • ジュニアNISAを利用する
  • 贈与税の配偶者控除を利用する
  • 教育資金として贈与する
以上の方法を紹介していきます。


生命保険だけでなく、色々な方法があることを知って利用しやすいものを選んでくださいね。

暦年贈与で生前贈与をしよう!

暦年贈与とは、早い時期から子供などに贈与を行って相続税の負担を軽減していく方法です。生前贈与の基本ともいわれている方法です。


基本的には、非課税となる110万円を毎年贈与していくことになります。例えば、子供2人に暦年贈与を行う場合、年間220万円、10年間で2200万円贈与することが可能です。


ただし、定期贈与とみなされてしまう可能性も高いです。定期贈与とは、一定期間一定の給付を目的に贈与を行うことです。


定期贈与とみなされると、合計額に対しての贈与税がかかってきます。注意しておきましょう。

生存給付金付きの保険で暦年贈与を簡単にやる!

生存給付金付きの保険とは、保険期間中に死亡した際の保険金を受け取れたり、一定期間生存していた際に保険金が受け取れる保険です。


契約者が生きている限り、定期的に保険金を受け取れるので、この受け取った保険金を贈与していくことで暦年贈与がスムーズに行えます。


生存給付金付き保険の注意点

生存給付金付きの保険の場合、受取額が変動するタイプのものに加入していると元本割れのリスクがあります。

受取額が外貨の場合も同じです。さらに、途中で解約してしまうとペナルティを受けることも。

定期贈与にはならない?

先ほども紹介したように、暦年贈与は定期贈与と思われてしまう可能性が高くなります。しかし、生存給付金付きの保険の場合、定期贈与にはなりません。

というのも、契約したときに贈与金額が正確に決まっているわけではないからです。契約内容をしっかり把握しておけば、便利な保険ですね。

ジュニアNISAで未成年の孫に生前贈与をする!

未成年の孫に生前贈与をしたい場合、ジュニアNISAがおすすめです。日本に住んでいる0歳から19歳までの子供が利用でき、運用や管理は両親や祖母、祖父が行います。


年間80万円までの運用であれば、得られた配分金などに所得税がかかりません。贈与税の基礎控除額を利用して運用することで、将来のためのお金を貯めていくことができますね。


子供の口座を作って運用していきますが、子供が18歳になるまで払い出しが制限されます。運用資金を大学や一人暮らしの費用として利用できます。

夫婦なら贈与税の配偶者控除を利用しよう

結婚して20年以上たった夫婦であれば、贈与税の配偶者控除を利用することをおすすめします。夫婦間であれば、2,000万円まで非課税贈与が可能です。


ただし、これにはいくつか条件があります。

  1. 結婚して20年たっていること
  2. 住居用の不動産または住居用不動産を購入するためのお金であること
  3. 同じ配偶者からは一生に一度しか利用できない
  4. 贈与後もその家で済み続けること
これらをクリアできれば、かなりよい制度だといえるでしょう。

孫や子供に教育資金として贈与しよう

両親などの直系尊属から、子供や孫に教育資金として贈与する場合、1人最大1,500万円が非課税になります。


教育資金だけでなく、結婚や子育て資金としての贈与も可能です。ただし、結婚や子育ての場合は1,000万円までとなります。


教育資金として一括で贈与することで節税になります。上手く使うことで、生前贈与も非課税で行えますね。

生前贈与に迷ったらFPに相談してみよう

ここまで生前贈与に生命保険を利用したほうがいいと伝えてきましたが、実際よくわからないという方もいることでしょう。そんな時は、お金のことを相談できるプロであるファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。


ファイナンシャルプランナー(FP)とは、資産形成・家計見直しをしてくれるプロの方です。お金に関する不安や疑問点も解決してくれますよ。


もちろん、税金や相続関係の相談も受け付けています。よくわからないまま、税金の申告をしてしまいミスがあると国税庁からペナルティを受けてしまうこともあります。


少しでも不安があるなら、FPに相談してみると安心です。

まとめ:生前贈与に保険は活用するべき!相続税を減らそう!

生前贈与には生命保険を利用すると、相続税を減らすことができることがわかりましたね。生前贈与を行う方法はたくさんありますが、生命保険を利用する方法が一番わかりやすいかと思います。


この記事のポイントは、

  • 生前贈与として生命保険を利用することは可能
  • 生前贈与として生命保険を利用する場合、受取人と契約者を同一にしておく必要がある
  • 生前贈与の方法は生命保険以外にもあるので、自分たちに合った方法を選択する
  • 保険や税金のことで不安や疑問がある場合は、FPに相談してみよう
でした。

保険や税金、相続について自分たちで調べて解決するには、少し難易度が高いですよね。もし、間違えた情報をうのみにしていたら…と考えると、不安が消えません。

そんな不安を抱えて生活するのではなく、まずはお金のプロでもあるFPに相談してみてはいかがでしょうか?最近では、無料で相談を受け付けている場所もあるので、ぜひ探してみてくださいね。

ほけんROOMでは、他にもお金にまつわる記事を多数掲載しておりますのでぜひ読んでみてください。

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