更新日:2022/05/31
就業不能保険と所得補償保険の違いを比較!おすすめランキングも紹介!
就業不能保険と所得補償保険の違いをご存知でしょうか。今回就業不能状態に備える「所得補償保険」とケガや病気で減った所得を補う「所得補償保険」の違いを比較し、どちらがおすすめか解説します。また、自営業の方だけではない就業不能保険と所得補償保険の必要性も解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 就業不能保険と所得補償保険の違いを比較!おすすめどっち?
- 就業不能状態に備える「就業不能保険」とは?
- 減った収入を補う「所得補償保険」とは?
- 就業不能保険と所得補償保険の違いを一覧表で比較
- 就業不能保険と所得補償保険の違い①取り扱う保険会社
- 就業不能保険と所得補償保険の違い②保険期間
- 就業不能保険と所得補償保険の違い③保険金の金額
- 就業不能保険と所得補償保険の違い④保険料
- 就業不能保険と所得補償保険の違い⑤保険金の受け取り方法
- 就業不能保険と所得補償保険が必要な理由|自営業の人だけでない!
- 理由①:医療保険や生命保険では、長期的な収入源に備えられない
- 理由②:住宅ローンや子供の教育費は変わらずにかかる
- 就業不能保険がおすすめな人の特徴ランキング3選!
- ランキング①:三代疾病や認知症など長期治療リスクに備えたい
- ランキング②:就業不能時の逸失収入の負担が大きい人
- ランキング③:契約時に設定した固定額の保障を受けたい人
- 所得補償保険がおすすめな人の特徴ランキング2選!
- ランキング①:「逸失収入が大きい」または「給料の多い」人
- ランキング②:公的保障が手薄い自営業者
- まとめ:保険選びで疑問や不安があればFPに相談しよう!
目次
就業不能保険と所得補償保険の違いを比較!おすすめどっち?
病気やケガなどで働くことができず、収入が減る、または途絶えてしまうという状態に備える保険として、就業不能保険や所得補償保険があります。
どうせ加入するのであれば、ご自身にとってメリットのある方に加入したいですよね。
- 就業不能保険とは
- 所得補償保険とは
- 就業不能保険と所得補償保険の必要性
- 就業不能保険と所得補償保険の違い
- 就業不能保険と所得補償保険のそれぞれにおすすめな人はどんな人
就業不能状態に備える「就業不能保険」とは?
まず最初に、就業不能保険についてですが、これは読んで字のごとく、働くことができなくなった場合に、給料のように毎月一定金額の保険金を受け取ることができる保険です。
就業不能とは、入院中か自宅療養中のどちらかである状態をいいます。
ただ、就業不能の細かい要件は、保険会社によって異なっており、この要件によって支払われる保険金が異なります。
就業不能保険には、
- 生命保険会社が販売
- 受け取れる保険金の金額は、職業や年収によって大体10万円~50万円の間で設定
- 働けなってから60日間などの一定の免債期間が設けられている
- 保険期間は60歳~70歳満期など、長期にわたる
などの特徴があります。
特に、保険期間が長期間にわたっているので、極端な場合、いったん働けなくなった場合、その状態が満期まで続いても毎月保険金をもらうことができます。
従って、長期の補償に対してメリットがある保険といえます。
減った収入を補う「所得補償保険」とは?
一方の所得補償保険ですが、こちらも病気やケガなどにより働くことができなくなった場合の補償と言う意味では就業不能保険と同じなのですが、以下のような違いがあります。
- 損害保険会社が販売
- 受け取れる保険金の金額は、契約前の年間所得の平均の50%~70%程度が上限
- 働けなくなってからの免債期間は、数日などの短いものから数ヶ月などの長いものまでさまざま
- 保険期間は1年~5年などの短期
就業不能保険が保険期間が60歳から70歳までの長期に渡っており、保険料はその間一定です。
一方、所得補償保険は1年や5年など保険期間が短期であるため、更新していく場合、保険料もその都度上がっていくことになります。
また、保険金の受け取り方にも違いがあります。
就業不能保険は働けない状態が続く限り、かつ保険期間中までですが、所得補償保険は一般的に、働けない状態が続く限り、かつ最長2年間となっています。
就業不能保険に比べて、短期的な補償のための保険といえるでしょう。
就業不能保険と所得補償保険の違いを一覧表で比較
ここまでで就業不能保険と所得補償保険について解説しましたが、いくつかの項目についてそれぞれの違いについて比較してみたいと思います。
相違点 | 所得補償保険 | 就業不能保険 |
---|---|---|
保険会社 | 損害保険会社 | 生命保険会社 |
保険期間 | 1年、5年など | 5歳ごとで、60歳~70歳満期など |
保険金の金額 | 契約前の年収の50%~70%程度が上限 | 職業や年収に応じて上限が設定される |
保険料 | 年齢・職業・保険金額・保険期間によって決まる | 年齢・性別・保険金額・保険期間によって決まる |
保険金の受け取り方法 | 最長で2年までで、働けない期間 | 満期までの間で働けない期間ずっと |
免債期間 | 数日から数ヶ月など | 60日など長期 |
いかがでしょうか。就業不能保険と所得補償保険は、働けなくなった時の収入を補填するという目的は同じなのですが、上記のようないくつかの違いがあります。
主な違いとしては、保険期間に関して就業不能保険が長期的、所得補償保険が短期的な補償ということがいえるでしょう。
また、保険金の金額の決め方の違いについては、両保険とも契約時に金額が設定されますが、所得補償保険の場合、実際に働けなくなった際に、直近の年収が確認され、その金額が契約時の設定金額よりも低い場合は、その金額に応じて保険金が設定されます。
就業不能保険と所得補償保険のそれぞれの違いについて、以下でさらに詳しくご説明していきます。
就業不能保険と所得補償保険の違い①取り扱う保険会社
まず、販売している保険会社ですが、就業不能保険は生命保険会社が販売し、所得補償保険は損害保険会社が販売しています。
これはそれぞれの保険会社の補償の仕組みによるもので、例えば、就業不能保険は生命保険会社で販売されていますが、その保険料は、年齢や性別などで決まり、保険金は最初に設定した金額を受けとることができます。
この仕組みは死亡保険の仕組みと同じです。
また所得補償保険の補償の仕組みは、損害保険会社の扱う自動車保険などと同じ考え方になっています。
所得補償保険の保険料は、上記と同じように年齢や性別に加えて職業などで決まりますが、もらえる保険金は年収の50%~70%など少なくなり、これは保険金が実際の損害額が上限である自動車保険の考え方と同じになっています。
就業不能保険と所得補償保険の違い②保険期間
次に保険期間ですが、就業不能保険は一般的に60歳から70歳満期など長期間となっており、何年という決め方ではなく、年齢で満期が決まります。
保険料は契約時に決まった保険料が変わらずずっと続きます。
一方の所得補償保険は、1年や5年など短期の設定になっており、一定の年齢まで都度更新していく形式になっています。
そのため更新するごとに年齢が上がるので、保険料が上がっていくことになります。
就業不能保険と所得補償保険の違い③保険金の金額
保険金の金額の設定については、就業不能保険は、契約者の職業や年収に応じて上限が設定されています。
保険会社によってその上限は異なっていますが、概ね10万円から50万円程度の間で設定されていることが多いようです。
一方の所得補償保険の保険金の金額は、前述の表でもご紹介したように、契約時の12ヶ月の年収の平均を基準に、その50%~70%程度に設定されるのが一般的です。
例えば、契約前の12ヶ月の年収が600万円で月収が50万円の場合、50%なら25万円、70%なら35万円が上限の目安となります。
就業不能保険と所得補償保険の違い④保険料
就業不能保険も所得補償保険も働けなくなった場合の補償の保険ですので、どちらも働いている方が契約できる保険です。
ただ、所得補償保険の場合は、特約をつけることで主婦の方でも契約できる場合があります。
保険料については、就業不能保険の場合、年齢や性別によって保険料が変わってきます。一般的に年齢が上がるほど保険料も上がっていきます。
パートやアルバイトの方でも安定した収入のある方は契約でき、職業による保険料の違いはありません。
一方の所得補償保険の保険料も、年齢が高くなるほど上がっていきます。
それに加えて、職業も保険料に影響します。
具体的には、例えば建設・土木、火気や危険物を取り扱う技術者など、危険にさらされるリスクが高い職業ほど保険料が高く、そうでない事務職などは保険料が安くなります。
男女の性別の違いは、保険料には影響しません。
就業不能保険と所得補償保険の違い⑤保険金の受け取り方法
就業不能保険と所得補償保険では、保険金の受け取り方法にも違いがあります。
まず受け取れる期間ですが、先の表で示したとおり、
就業不能保険では、働くことができない限り+保険期間中ずっと受け取れることができます。つまり、保険期間中ずっと働けない状態が続けば、保険金もその間ずっともらえるということになります。
一方の所得補償保険の場合は、働くことができない限り+最長で2年間程度のものが多いです。
また、受け取る保険金に関しては上でご説明しましたが、就業不能保険では契約時に設定した保険金を受け取ることができます。
実際に働くことができなくなった時の給料の金額は関係ありません。
従って仮に給料が少なくなっていても、契約時に決めた保険金の方が多くなった場合、収入よりも多い保険金をもらう可能性もあります。
その点について所得補償保険は、働けなくなった時点から直近の12ヶ月分の給料が確認されます。
そして、その金額が契約時に設定した金額よりも低い場合は、12ヶ月分の年収を基準にした金額が保険金として支払われることになります。
就業不能保険と所得補償保険が必要な理由|自営業の人だけでない!
上で、就業不能保険と所得補償保険についてそれぞれご紹介しましたが、「これらの保険に加入するのは主に自営業の人などではないか」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、自営業の方は病気やケガで入院した場合の収入の保障がないので、これらの保険の必要性は高いといえるでしょう。
しかしながら、自営業の方だけでなく、会社にお勤めのサラリーマンの方でもこれらの保険に加入するメリットや必要性があるのです。
どのような必要性があるのか、以下で具体的に見ていきましょう。
理由①:医療保険や生命保険では、長期的な収入源に備えられない
もし病気やケガで入院して会社を休まなければならなくなった場合でも、医療保険に加入していればその治療費はカバーできますし、会社員であれば、収入減は有給や傷病手当金などで対応することができます。
これは確かにそのとおりなのですが、もし、会社を休む期間が長期にわたる場合には果たしてどうでしょうか。
医療保険の入院保障は60日や120日、日額5,000円や10,000円が一般的だと思われますが、これらはあくまでも治療費の保障であって、収入の補填にはなりませんよね。
その収入の補填として傷病手当金がありますが、金額はそれまでの収入の2/3、期間は最長で1年半となっています。
そうすると、もしそれ以上の長期で会社を休むような病気になった場合、治療費や生活費は保証されないことになってしまいます。
このように長期に渡って働くことができなくなった場合に備えるためにも、会社員の方でも特に就業不能保険への加入は必要であるということがいえるかもしれません。
理由②:住宅ローンや子供の教育費は変わらずにかかる
上で述べたように、長期に渡って仕事を休まなければならなくなった時に就業不能保険の必要性を痛感できると思いますが、その間に出て行く出費は治療費や生活費だけではありませんよね。
もちろん、この2つは必ず出て行くお金なのですが、その他にも大きなお金がかかることが考えられます。
そのひとつが家賃や住宅ローンでしょう。
住宅ローンの場合は、重度障害や死亡の場合は団体信用生命保険の加入によって、保険金で残りのローンを精算することができますが、病気やケガで仕事ができなくなった場合は該当しません。
また、家賃に関しても住んでいる限り、毎月発生していく固定費です。
もうひとつは、お子さんの教育費用です。
年齢が上がれば上がるほど塾や部活動などの出費もありますし、大学入学時などは入学金や授業料など大きなお金が必要となります。
このように、普通に生活していくだけでもそれなりのお金が必要になるため、会社員の方でも長期にあたって働けなくなることに備えておくことが必要かと思われます。
就業不能保険がおすすめな人の特徴ランキング3選!
- 長期治療のリスクに備えたい
- 収入がなくなった時の負担が大きすぎる
- 安定的に固定額を受け取りたい
などを考えられている方が挙げられます。
これらの理由について、以下で解説していきます。
ランキング①:三代疾病や認知症など長期治療リスクに備えたい
気持ちは若くても、40代から病気が身近に感じるようになってきます。年代別にそれぞれのリスクを見ていきましょう。
40代 がん・生活習慣病の増加
メタボ検診やがん検診が加わるのが40歳からになります。病気に繋がる可能性を早期の段階で発見し、予防や治療をすることが重要となります。
生活習慣病の初期症状が出始めるタイミングでもありながら、自覚症状がないことから大きな病気に発展する危険性がこの時点で含んでいるといえます。20代の頃と同じような感覚で「まだまだ若い」「自分は大丈夫」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、男性は胃がん、女性は乳がんの罹患率が40代で急増するなどのことを検討する必要があります。
50代 循環器系疾患の増加
病気以外にも、筋力低下やホルモンバランスの乱れなどから、精神的にも体力的にも衰えを感じずにはいられません。本当は病気が原因での不調である場合もあり、これらの不調が「ただの疲れ」と思い込み放置し悪化させてしまうこともあるため、注意が必要です。
また、生活習慣病や歯周病などが原因で、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系疾患が急増すのが50代なのです。
がんは進行が進むと長期通院治療で抗がん剤を受けることになります。脳梗塞・心筋梗塞は、後遺症も残りやすく車いすや半身不随になるなどの危険が伴い、再発の危険性もあります。
どれも重症化することで、長期入院や長期療養のリスクが高くなり、脳梗塞から若年性認知症に至るケースもあることから、社会復帰が困難になる場合もあります。
長期入院や療養中は働けなくなる事で収入の確保ができなくなることで経済的ダメージはかなりのものになります。特に一家の大黒柱の方がこのような状態になった時の収入への保障は家族のためにも備えておく重要事項と言えます。
ランキング②:就業不能時の逸失収入の負担が大きい人
働けないということは、病気やケガで入院中だったり、体力的・精神的に弱くなることで在宅で療養している状態であると言えます。
療養以外にかかる費用から生活費などの出費まで金銭的に大きな負担となるうえ、子供の教育費が必要なタイミングだったり、住宅購入時のローン返済などがある場合、収入がなくなった時の備えが必須になってきます。
会社員や公務員であれば傷病手当金が支給されますが、個人事業主やフリーランスにはこれらの公的保障はありません。
医療保険に入っていたとしても、生活費の補てんを目的とした保険ではないのとそこまで考えて入っていない方がほとんどです。
特に働き盛りで一家の大黒柱の存在であれば、就業不能保険への加入はの必要性は高いです。
ランキング③:契約時に設定した固定額の保障を受けたい人
就業不能保険は、月々の給付金を契約時に決める事ができます。
月5~50万円の範囲で固定の金額を毎月受け取る事ができる仕組みなので、お給料のように定期的に振り込まれることは、精神的にも安心できて治療にも専念ができます。
傷病手当金が支給されない、個人事業主やフリーランスの方にはおすすめの保険といえます。また、サラリーマンの方でも、生活費などの支出が多く傷病手当金だけでは足りないという方にも、加入を検討してもよいでしょう。
各保険会社の商品にもよりますが、給付金には満額タイプとハーフタイプがあり、個人事業主は満額タイプ、サラリーマンの方には傷病手当金が受け取れる間はハーフタイプにするなど受け取れる金額を選ぶ事ができます。
また保険期間も選べるので、55歳~70歳までとご自身のライフスタイルに合わせて選ぶことをおすすめします。
所得補償保険がおすすめな人の特徴ランキング2選!
- 逸失収入が大きすぎる、または給料の多い方
- 公的保障が薄い自営業やフリーランスの方
などが挙げられ、以下にその理由について詳しく解説していきます。
就業不能保険と違いを比べながら、どちらがご自身のライフスタイルに合った保険になるか参考にしてみて下さい。
ランキング①:「逸失収入が大きい」または「給料の多い」人
月々の収入やお給料が高額な方は、生活費の負担も大きいことが予想できることから逸失収入額のダメージは大きいと言えます。
就業不能保険の契約時の金額は職業や収入によって変わるので、上限は約50万円までの保険会社が多いことから、就業不能保険ではまかなえない場合があり所得補償保険の必要性が高いといえます。
所得補償保険の保障額は、契約前の年収の50~70%となるため収入自体が高額な場合は所得補償保険に入ることで、医療保険の保障を受けるよりも多く補償をもらえる可能性が出てきます。
また、保険期間も最長2年までの短期保障タイプと年齢で期間を区切る長期保障タイプとあるため、現状を把握しながら選ぶことができます。
ただし、免責期間にかかった場合は支払われないので注意が必要です。
- 短期保障タイプ:約7日
- 長期保証タイプ:60日~365日
ランキング②:公的保障が手薄い自営業者
自営業者の方は会社員や公務員の方と違いは公的保障が手薄になります。特に傷病手当金がもらえないのは深刻な問題です。
また、障害年金も会社員や公務員であれば、障害基礎年金と障害厚生年金の2階層分が障害年金として給付されますが、自営業者は障害基礎年金の1階層のみの給付となるため、支給される金額は少なくなります。
その分、もしものための保障を会社員や公務員の方以上に考えなければいけません。
まとめ:保険選びで疑問や不安があればFPに相談しよう!
就業不能保険と所得補償保険の違いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
主なポイントをおさらいしておきましょう。
- 就業不能保険、所得補償保険は自営業の方だけでなく、会社員にとっても必要
- 両者の主な違いは、
就業不能保険は長期の補償、所得補償保険は短期の補償
就業不能保険をおすすめする人は
- 長期間の保障が欲しい方
- 契約時に設定した金額を受け取りたい方
- 逸失収入の負担が大きい方
所得補償保険をおすすめする人は
- 短期間の補償でよい方
- 給料が多く、逸失収入の負担が大きい方
- 自営業者の方
就業不能保険と所得補償保険は似ているようで、保険金額の設定方法や、受け取り期間などの違いがあります。
また、自営業の方だけでなく、会社員や公務員の方にとっても必要性があることがおわかりいただけたと思います。
この機会に、ご自身にあった保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
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