家の半焼は火災保険で補償される?半焼と全焼を分ける査定基準を解説

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家の半焼は火災保険で補償されます。半焼によって保険金がいくらもらえるか気になるところですが、それは家の損傷の程度によって変わってきます。また、火災保険の半焼と地震保険の半損は別物なので注意が必要です。今回は火災保険の半焼と全焼の違いを、保険会社と消防庁の査定基準を元に解説します。

家が火災で半焼した場合火災保険で補償されるの?

家が火災で全焼した場合、加入している火災保険からの補償は支払われます。


火災保険には半焼という概念はなく、改修や再使用にかかる金額がそれを上回っている場合は保険金が支払われます。


ですが、半焼したケースでの補償はあるのでしょうか。


ここでは「火災の全焼と半焼についてと半焼でも保険金は支払われるのか」について

  • 全焼と半焼の違い
  • 火災保険会社の判定基準
  • 半焼の場合の保険金額
以上の事を中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、火災で半焼した場合の補償や内容が分かるようになっています。

是非、最後までご覧ください。

家の半焼でも火災保険が適用される

自分の家に火災が起き、半焼の場合でも加入している火災保険から補償される場合があります。


ですが、全焼だと思っていても判定では半焼とされたり、またその逆のケースもあり、見た目がそうだとしても保険会社の査定基準ではそうならない場合もあります。


また、消防署の査定基準と保険会社の査定基準には違いがあります。


では、どういったケースが半焼になり、どのような場合に保険が適用されるのでしょうか。


ここでは、全焼と半焼の違いや、全焼と半焼に対する火災保険会社や消防署での査定基準、半焼の場合での火災保険が適用されるケースとされないケースについて説明します。

全焼と半焼の違いって?全焼と半焼を分ける査定基準とは

全焼か半焼かの判断には、それぞれ査定基準が設定されています。

保険会社においての全焼

次の基準を満たせば全焼と判断されます。
  • 延べ面積の70%以上が焼損した
  • 原状修復費用が保険金を超過
  • 焼き損害と消火損害の合計が火災直前での建物評価額の80%を超過
  • 消防署の判断が全焼

保険会社においての半焼

半焼には、大半損小半損があります。

大半損(以下のどちらかの条件を満たす)
  • 延べ面積の50%以上70%未満が焼損した
  • 焼き損害と消火損害の合計が火災直前の建物評価額の60%以上80%未満
小半損(以下のどちらかの条件を満たす)
  • 延べ面積の20%以上50%未満が焼損
  • 焼き損害と消火損害の合計が火災直前の建物評価額の30%以上60%未満

消防署の半焼の基準

以下の条件を満たせば、半焼と判断されます。
  • 建物の焼き面積が火災直前の建物評価額の20%を超える
  • 消防署が定める全焼とは判断できない

注意①半焼でも全焼と査定される場合がある

消防署が半焼と診断しても、火災保険会社では全勝と判断されるケースがあります。


消防署は消火損害を判断基準に入れていません。


一方で、火災保険会社では、消火損害を判断基準に入れています。


(消火損害とは、消火を行う際に生じた損害のことです。)


即ち、消火損害が大きい場合でも消防署の判断は半焼となり、消火損害を基準に入れている火災保険会社の方は全焼と査定するケースがあります。


また、加入している火災保険会社の保険金額がもともと少額な場合でも、全焼と査定することがあります。


見た目が半焼だとしても、保険会社の判断では全焼とする場合があるので注意が必要です。

注意②半焼でも火災保険が適用されない場合がある

火災保険は全焼でしか保険は適用されないと思いがちですが、半焼であっても火災保険会社が全焼扱いとして判断した場合は補償を受けることが出来ます。


ただし、火災の火元が自分の家などであった場合、半焼であっても火災保険の補償を受けられないことがあります。


火災保険が適用されない例として

  • 天ぷらを揚げていてその場を離れた隙に出火した
  • 寝たばこでの出火
  • 庭で花火をして残り火がゴミ箱に引火して出火
  • 子どもがライターで火遊び
などがあげられます。

以上の様なことが原因で火災となった時は、重大な過失と判断された場合は補償を受けられず、賠償責任の問題も発生する可能性もあります。

火災保険に加入しているから大丈夫、と思っていても、火を扱う時は充分に注意が必要です。

参考:火災保険の「半焼」と地震保険の「半損」は無関係

火災保険とセットで地震保険にも加入するケースも多いですが、地震保険の場合の判定基準はどのように決められているでしょうか。


表で説明すると、地震保険での査定基準は以下の通りになります。

損害の程度主要構造部滅失又は流失した床面積
全損建物の時価50%以上建物の延べ床面積70%以上
半損建物の時価20%以上50%未満建物の延べ床面積20%以上70%未満
一部損建物の時価3%以上20%未満/

※一部損で、建物が床上浸水又は地盤面から45cmを超えた浸水があり損害があった場合、その建物が全損、半損、一部損に至らない時はそれを一部損の査定基準とします。


地震保険は火災保険に加入していないと入ることが出来ないため、査定基準も火災保険と同様に考えてしまいがちです。


火災保険の全焼での定義は、建物の火災直前の建物評価額の80%を超過あるいは超過していなくても補修を加えたとしても再使用が不可の場合をいいます。


ですので、地震保険での全損の定義が火災保険の全焼での定義と異なっていることが分かり、地震保険の半損と火災保険の半焼は全くの無関係と言えます。

家の半焼で火災保険の保険金はいくらおりる?

火災保険の補償額は建物の評価額で決定します。


建物の評価額には、再調達価額時価の2種類があります。

  • 「再調達価額」対象の建物や家財から修理や再取得等のための額が基準
  • 「時価」評価する時期の実際価額
再調達価額では保険金の補償だけで復旧が充分可能ですが、時価の場合では損害が発生した時点での評価額なので、損害保険金だけでは新しく建物を再取得することが難しくなります。

現在、火災保険の建物の評価は、そのほとんどが再調達価額でされることになっています。

そのため、十分な補償が受けられるように補償額を設定していることがポイントです。

建物の評価額は建物の状況によって決められます。

例えば、建物の建築費が分からない場合の評価額の計算は、新築か中古物件かに関わらず保険会社が決めている新築費単価法(概観法)で計算されます。

家の半焼で火災保険の保険金がもらえた支払い例

家の半焼で火災保険の保険金が支払われた事例


洗濯機を使用中に漏電
洗濯中に洗濯機(アースは接続)のコンセントから漏電し、洗面所の壁をつたって火災が発生。発見が遅れて家が半焼状態に。

火災保険会社の査定により小半損と判定された。保険金額は1,000万円で契約。損害額は400万円だったが、保険金額の半分を下回っていた為受け取り金額は300万円となった。

落雷で火災
家に落雷して火災が発生。消火活動もあって半焼で収まり、火災保険の査定で大半損に判定された。保険金額は1200万円で契約。損害額は500万円で全額補償された。

乾燥機の劣化による火災
古い乾燥機を使用中に漏電して火災が発生。火災も広がらずに消火が出来、損害も少額で済んだが小半損で認定された。保険金額は1200万円で契約。

損害額は30万円程で済んだが、免責金額を10万円で設定していた為、差額の20万円が支払われた。

半焼の場合でも火災保険の再加入が必要な場合がある

半焼の場合でも火災保険の契約が終了する場合があります。


1回の損害保険金の支払いが保険金額の80%を超える場合であれば契約は終了するので、火災保険には再加入が必要になります。


保険金額の80%を超えない支払いであれば、何回あったとしても保険契約は満期まで継続出来ます。


その場合、保険金額は減らされたり追徴されたりすることはありません。


また、新たに火災保険に加入するにあたっては、過去を見直して現状に合った保険を選ぶ必要があります。


例にあげると、今まで建物のみに保険を掛けていた場合であれば家財も契約に入れたり、保険の契約金額自体の見直しも考えられます。

まとめ:家の半焼は火災保険で補償しよう

家の火災での全焼と半焼の査定基準や半焼での保険金について解説しましたが、いかがでしたでしょうか


今回のポイントは

  • 半焼でも火災保険が適用される
  • 重大な過失があった場合は保険は適用されない
  • 半焼でも火災保険の再加入が必要な場合がある
でした。

家が半焼であった場合でも、重大な過失を除いて火災保険金は支払われることが分かりました。

火災保険に入っているからと安心せずに、予期せぬ事態を考えて、常に保険の見直しはしておきましょう。

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