更新日:2022/06/22
空き家の親の家に火災保険は必要?相続した場合と注意点について解説
契約者死亡により親の家を相続した場合、親の家(空き家)に火災保険は必要であり、親名義で契約している場合は名義変更が必要です。ここでは、名義変更方法や空き家に火災保険をつける際の注意点と、火災保険は年末調整に入れることができないことについて解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 親が死亡して空き家になった親の家の火災保険はどうする?
- 親の家を相続したら火災保険の名義変更をする
- 親の家が共有名義で登記されている場合
- 積み立て型の火災保険は名義変更が大変になることもある
- 名義変更前に火災や自然災害などの被害にあった場合
- 空き家になった親の家に火災保険が必要な理由
- 空き家になった親の家は火災や自然災害のリスクが高い
- 参考:親の家の相続以外で空き家に火災保険が必要な場合
- 空き家で火災保険を契約するときは要注意!
- 空き家になった親の家は「一般物件」として加入
- 「一般物件」の保険料は高く、地震保険にも加入できない
- 参考:親の家の火災保険の保険料は年末調整に入れられる?
- まとめ:空き家になった親の家の相続も火災保険が必要
目次
親が死亡して空き家になった親の家の火災保険はどうする?
親がなくなり親の家が空き家になった場合、火災保険はどうすればいいのでしょうか。
「空き家だから火災保険は必要ない」「名義変更も不要だろう」と思われる方も多いと思います。
しかし、実は、空き家であっても火災保険の名義変更と火災保険に加入し直す必要はあります。
そこで、この記事では
- 親の家を相続した場合の火災保険の名義変更が必要なこと
- 空き家になった親の家は火災保険に加入できること
- 空き家になった親の家に火災保険をかけるときの注意点
の3点について解説します。
この記事を読めば、空き家になった親の家の火災保険についてどうすればいいか参考になるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
親の家を相続したら火災保険の名義変更をする
親の家を相続したら、火災保険の名義変更が必要となります。
火災保険の名義は契約者と被保険者の2種類で、契約者は保険料を支払う人、被保険者は補償を受ける人で建物の所有者のことをいいます。
少なくとも被保険者は親の名義になっていると思いますので、被保険者の名義変更を行います。
契約者も親名義になっていた場合は、一緒に変更しましょう。
名義変更には「火災保険契約内容変更届出書」という書類が必要ですが、保険会社によって名称は異なります。
保険会社に「名義変更をしたい」と連絡をすれば、必要書類について案内されるでしょう。
親の家が共有名義で登記されている場合
相続する親の家が共有名義で登記されている場合、契約者と被保険者はどのように名義変更したらいいのかお伝えします。
契約者
被保険者
積み立て型の火災保険は名義変更が大変になることもある
積み立て型の火災保険とは、満期のときに満期返戻金や契約者配当金が支払われる火災保険のことをいいます。
積み立て型の火災保険は貯蓄性がある保険のため、相続財産の一部として扱われます。
そのため、名義変更のときには相続人全員の承諾が必要となり、手続きに時間がかかる可能性があります。
名義変更に必要な書類は保険会社によって異なりますが、印鑑証明書や戸籍謄本など多くの書類が必要です。
手続きの書類について不安な場合は、保険会社に連絡して確認しておきましょう。
名義変更前に火災や自然災害などの被害にあった場合
相続の際、相続人との話し合いが長引いたり、いろいろな手続きに忙しく、火災保険の名義変更を忘れてしまうこともあるでしょう。
名義変更前に災害被害にあってしまっても、補償を受けることはできます。
しかし、保険金の受け取りに時間がかかってしまい、保険金が必要なときに間に合わない可能性があります。
これは、保険金の支払いに本人確認が必要になるからです。
スピーディに保険金を受け取るためにも、火災保険の名義変更は早く済ましておきましょう。
空き家になった親の家に火災保険が必要な理由
ここまで、親の家を相続したときの名義変更について解説してきました。
今は親が住んでいても、高齢者施設へ入所したり親が亡くなってしまったら、親の家が空き家になってしまいます。
空き家になった場合、火災保険に加入する必要はないのではと思われる方もいるかもしれません。
しかし、空き家には様々なリスクがあり、空き家こそ火災保険が必要なのです。
そこで、ここでは
- 空き家になった親の家は火災や自然災害のリスクが高い
- 参考:親の家の相続以外で空き家に火災保険が必要な場合
について解説していきます。
空き家になった親の家は火災や自然災害のリスクが高い
結論から言うと、空き家こそ火災保険の加入が不可欠です。
空き家は、長い間誰も住んでいないので
- 自然災害による建物の損壊や屋根の落下
- 不法侵入による盗難
- 放火
参考:親の家の相続以外で空き家に火災保険が必要な場合
一概に空き家と言っても、空き家になる様々なケースが考えられます。
具体的に、火災保険が必要になるのはどのような場合なのでしょうか。
空き家になるケースとして
- 転勤によって空き家になる
- 親の施設入所
空き家で火災保険を契約するときは要注意!
ここまで、空き家の災害リスクと、空き家に火災保険をつけた方がいい理由について解説してきました。
しかし、空き家になった親の家に火災保険を契約するときには、注意しなければいけないことが2点あります。
そこで、ここでは
- 空き家になった親の家は「一般物件」として加入
- 「一般物件」の保険料は高く、地震保険にも加入できない
の2点についてご紹介します。
空き家で火災保険を契約するときに重要なポイントですので、確認しておきましょう。
空き家になった親の家は「一般物件」として加入
空き家になった親の家は、建物の用途によって保険料が変わります。
火災保険に加入するときの種別は、
- 住宅条件(戸建やマンションなど人の住んでいる建物)
- 一般条件(店舗や事務所などと、人の住んでいない建物)
の2種類です。
住宅物件で加入するには居住していることが条件になるため、空き家は一般条件で加入するケースが多いです。
ただし
- 転勤で一時的に空き家になる
- 定期的に、人の管理がある
- 別荘として特定の期間だけ利用する
という場合には、住宅物件で加入することができます。
今後も継続して居住する予定があれば、住宅物件で加入できる可能性が高いのです。
しかし、空き家が住宅物件で加入できるかは、建物の状況や保険会社の判断により異なりますので、保険会社に確認することが大切です。
また、保険会社によっては空き家の契約を引き受けていない場合もありますので、そうした場合は引き受けのある保険会社を探しましょう。
「一般物件」の保険料は高く、地震保険にも加入できない
空き家になった親の家は、一般物件で加入するということをお伝えしました。
ここで注意しておきたいのは、一般物件の保険料は住宅物件より割高になる傾向が高いことです。
先に説明したように、空き家は人の住んでいる住宅に比べて放火などのリスクが高いため、保険料が高く設定されているのです。
また、火災保険に一般物件で加入すると、地震保険に加入できないことにも注意が必要です。
地震保険がつけられない理由は、地震保険はあくまでもこれまでの生活を補償するものだからです。
地震が起きて建物に被害が出た場合、修理や解体で費用がかかるかもしれません。
また、外壁が剥がれるなどで近所に迷惑をかける可能性もありますから、空き家の現状を確認しておく必要があります。
参考:親の家の火災保険の保険料は年末調整に入れられる?
では、親の家の火災保険の保険料は自分の年末調整で保険料の控除を受けることができるのでしょうか。
実は、火災保険は保険料控除を受けることができず、年末調整に入れることはできません。
しかし、地震保険の保険料を支払っている場合は、地震保険料控除を受けることができます。
地震保険料控除の対象となる条件は次の3つで、1つでも当てはまれば対象となります。
- 地震保険料控除を受ける本人が所有していること
- 同一生計の配偶者が所有していること
- 同一生計の親族が所有していること
です。
親の家を相続した場合には、1つ目の「本人が所有していること」ということになりますので、年末調整に入れることができます。
ただし、空き家になった親の家で一般物件の契約をした場合は、地震保険を契約することはできず、地震保険料控除を受けられないことに注意しましょう。
まとめ:空き家になった親の家の相続も火災保険が必要
この記事では、「空き家になった親の家の相続も火災保険が必要」ということについて解説してきました。
この記事をまとめると
- 親の家を相続したら名義変更が必要
- 名義変更を忘れると災害が起きて保険金を受け取るのに時間がかかる
- 空き家のリスクは高いので、火災保険の加入は必要
- 空き家は「一般物件」で加入し、保険料が割高になることが多い
- 火災保険の保険料控除は受けられないが、地震保険料控除は受けられる
ということになります。
空き家にはさまざまなリスクがあり、火災保険に加入しておくことで放火や災害などのリスクに備えることができます。
火災保険に加入するときには、その後の空き家の管理についても家族で話し合っておくと安心です、