更新日:2023/01/26
田舎の古民家カフェ・カフェは儲かるの?
田舎でカフェを経営したい、古民家カフェをやってみたいという方も多いと思いますが、実際に儲かるかは非常に重要な問題です。この記事では、ずばり田舎のカフェは儲かるのか、その見積もり方法や、実際に経営していた人の体験談などを含めて解説します。
- 古民家カフェはおしゃれで儲かる気がしている
- 田舎のカフェ経営に興味がある
- 実際にカフェ経営した人に儲かるか聞いてみたい
目次を使って気になるところから読みましょう!
田舎の古民家カフェ・カフェは儲かるの?
「古民家カフェは儲かるの?」
「カフェをやるなら家賃の安い田舎が儲かる気がする…」
しかし残念ながら「田舎のカフェ・古民家カフェは儲からない」というのが結論です。
▼田舎のカフェが儲からない理由
- 回転率が悪い
- 客単価が低い
- 集客に苦戦しやすい
まず、カフェ自体が儲かるビジネスとは言えないのが現実です。そこに加えて、田舎での経営となると集客に苦労しがちで、経営の難易度も高くなります。
以下では、田舎のカフェ経営が儲かりにくい3つの理由を具体的に解説していきます。
田舎の古民家カフェ・カフェが儲からない理由①回転率が悪い
田舎のカフェ・古民家カフェに限らないのですが、カフェが儲かりにくい理由の一つに「回転率の悪さ」があります。回転率とは、来店客数を座席数で割った値で、座席に座る人が1日に何回入れ替わったかを表します。
カフェは、純粋にお茶を飲む目的だけでなく、さまざまな理由で利用されます。
例えば、勉強をしたり、リモートワークなどの作業をしたり、友人同士でおしゃべりする目的でカフェを利用する方は非常に多いですよね。
こういった客層は1回の注文でかなり長居するため、どうしても回転率が悪くなってしまいます。
カフェは、このあと解説する客単価の低さと回転率の悪さの相乗効果で、飲食店のなかでも儲かる可能性が低い業態といえるのです。
田舎の古民家カフェ・カフェが儲からない理由②客単価が低い
田舎のカフェが儲からない理由の2つめは「客単価が低い」という点です。
カフェはお茶をしに行く場所ですから、注文はコーヒー1杯というお客さんもざらにいます。
アルコール類を提供するバーであればまだしも、1杯500円前後のコーヒーをメインメニューとするカフェでは、客単価に限界があるのが現実といわざるをえません。
ランチやディナーの時間帯であれば、お食事が目的の方もいるので若干客単価が上がります。ただ、それでもせいぜい1,000円台程度が一般的です。むしろ、ランチで1,500円以上になってくると、少し高いなと感じる客層も多いはず。
しかも田舎のカフェですから、都心などと比較して高価格帯のメニューを出して儲かるかというと、難しい話になってきます。
田舎の古民家カフェ・カフェが儲からない理由③集客に苦戦しやすい
田舎の古民家カフェが儲からない理由の3つめは「集客が難しい」という点です。
のんびりした田舎でおしゃれなカフェ…と聞くと良いイメージなのですが、実際問題として、都会よりも田舎は人が少なく、お客さんを集めるのもそれだけ難しいのが現状です。集客ができなければ経営が立ち行かなくなるのは明らかです。
田舎といっても観光地などであれば、観光客の目に止まることで儲かる可能性もあります。ただしそれも戦略次第であって、普通のカフェでは儲かるとは言い切れません。観光地に合った雰囲気の店作りや名物メニューの開発、さらに客単価を上げる工夫などが成功してこそということになります。
結局のところ、田舎のカフェ経営の難易度は高いと言わざるをえないでしょう。
田舎の古民家カフェ・カフェが儲からなかった方の体験談を紹介
実際にカフェを経営して失敗した方の体験談を紹介します。
- コンセプト:カフェ&リラクゼーションサロン
- 場所:兵庫県伊丹市
- 立地:駅から車で15分ほど
- 家賃:12万円
立地はものすごい田舎というわけではないのですが、駅から遠く、人通りの少ない場所でした。家賃はこの付近にしては破格の12万円。
ゆったりと過ごせて、美味しいコーヒーも飲めるこだわりの空間ということで、お客様の評判は良かったそうです。
そんな素敵なお店がなぜ失敗したのか?要因は以下のような点でした。
- 内装にこだわり費用が莫大に
- リラックスできる空間で回転率が悪化
- 人の少ない場所で集客に苦戦
そもそもお店の内装だけで1,000万円かかり、それでもなんとか資金を集めて開業したそうです。ですが、その後も回転率が非常に悪く、赤字経営が続き、最終的にはカフェは閉めることになったとのことでした。
採算を考えると1日に最低でもコーヒー40杯分の売り上げが必要だったそうですが、人が少ない場所ではかなり無理があったそうです。
この方は失敗談として以下のようなことをおっしゃっています。
- そもそもお客様に見つけてもらわなければ、素敵な空間もおいしいコーヒーも意味がない
- 家賃の安さなど都合の良い部分だけを見て開業してしまった
どんなに良いお店でも、家賃の安い場所でも、集客できなければ失敗するという事例です。田舎でカフェを開こうとしている方にとっては、参考にすべき点が多いのではないでしょうか。
田舎の古民家カフェ・カフェを開業したら収入はいくらくらいになる?
実際に田舎にカフェを開業したらいくらくらい儲かるのか、具体的に計算してみましょう。
まず、事業の収入を考える基本の計算式は以下のとおりとなります。
- 収入=売上-経費
売上がどれくらいになるかは、お店の座席数や客単価、回転率を仮定して考えます。
ここでは一例として、以下のような想定で計算します。
▼店舗条件
- 座席数:20席
- 営業日数:25日
- 営業時間:ランチ~ディナーまで通し営業
▼ランチタイム
- 客単価:1,200円
- 回転率:1回転
1日の売上:2万4,000円
▼カフェタイム
- 客単価:800円
- 回転率:0.5回転
1日の売上:8,000円
▼ディナータイム
- 客単価:2,000円
- 回転率:0.5回転
1日の売上:2万円
この想定で計算すると、売上は以下のように算出されます。
- 1日の総売上:5万2,000円
- 1ヶ月の総売上:130万円
次に、1ヶ月ごとの経費を計算します。経費は、家賃などの固定費と、原材料費などの変動費をそれぞれリストアップしていきます。
▼固定費
- 家賃:10万円
- 人件費:27万円
- 水道光熱費:13万円
- 通信費:1万5,000円
- 備品・消耗品費:3万円
- リース料:3万円
- その他諸経費:1万円
→合計:58万5,000円
家賃は地域によって差が大きいですが、田舎で席数20席のテナントということで、10万円あれば選択肢がある見込みで設定しました。
人件費はアルバイト1名を、昼に時給1,000円で6時間、夜に時給1,200円で4時間雇う計算です。
その他、水道光熱費や消耗品費、リース代もケースバイケースではありますが、仮定で計算していきます。
▼変動費
- 原材料費:45万5,000円(売上×原価率)
変動費は基本的に原材料費のみとし、売上をもとに原価率35%で計算しました。
これにより、ひと月当たりの経費は
- 固定費+変動費=104万円
まとめ:田舎の古民家カフェ・カフェは儲かるの?
田舎でのカフェ経営は儲かるの?という疑問に対しては「儲かるとはいえない」が結論となります。
観光地などの立地や独自の戦略によって儲かるケースもあるとは思いますが、なんとなくおしゃれな古民家カフェを開店しても、経営を続けるのは難しいのが現状でしょう。
カフェはイメージや憧れだけで開業するには大きなリスクもあるビジネスです。実際の出店予定地での集客方法や家賃など、しっかり計算したうえで、儲かるかどうか慎重に見極めましょう。