更新日:2023/03/15
働けなくなる病気の説明と就業不能保険の活用についてズバリ解説!
働けなくなるリスクの高い病気は、生命・身体に重大な影響を及ぼす病気ばかりではなく、うつ病のような精神疾患も該当します。働けなくなる場合の有効な備えとして、就業不能保険への加入を検討することをおすすめします。この保険は入院のみならず在宅療養でも保障されます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
働けなくなるリスクの高い病気と知って対策をしておこう
最近テレビ等で「働けなくなったときの保険」という商品が盛んに宣伝されており、興味をお持ちの方も多いかと思います。
働けなく理由の一つとして、さまざまな病気が考えられ、今健康であったとしても、いつ病気にかかり、働けなくなるかは誰にもわかりません。
そのような時の備えとして注目されているのが、「就労不能保険」と呼ばれる保険商品です。
この保険については、「そもそも働けなくなるってどんな状態?」「どのような状態になったときに、どんな保障が受けられるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では、
- 働けなくなるリスクの高い病気にはどのようなものがあるの?
- 就労不能保険のしくみはどうなっているの?
- 働けなくなったときに、公的保障はないの?
働けなくなるリスクの高い病気とは?
深刻な生命の危険は無いにしても、治療がかなり長期化するおそれのある病気もあります。
ここからは、そんな働けなくなるリスクの高い病気の上位3疾患について解説していきます。
1位:メンタルヘルス
厚生労働省の報告「平成26年(2014)患者調査の概況」によれば、これら精神疾患の医療機関での平均入院日数は546.1日ときわめて長期間を要することになります。実に1年半程度をかけて患者を治療することになります。
また、同報告では医療機関への入院患者全体に占める、精神疾患の入院患者の割合が20%となっており、決して少なくない割合といえます。
精神的な障害、そして脳に関連する障害であるため、外科的手術では治療できない病気が多く、精神療法や薬物療法を用いた粘り強い治療が求められます。
人の脳に関して未知の部分はいまだに多く、入院の長期化はそれだけ治療が難航し、仕事に復帰することが困難なことを意味しています。
2位:がん
初期のがん(上皮内新生物)や、ステージI、IIの場合は外科手術でがん細胞を取り去ることは可能です。
完治も十分期待でき、例外を除いては、働けなくなるリスクは低いともいえます。
しかし、外科手術では除去しにくい部分にがん細胞がある場合や、ステージIII、IVにまで進行し転移が確認できる場合には、放射線療法や薬物療法で長期的な治療を行う必要が出てきます。
がんが進行すればするほど仕事への復帰は難しくなり、働けなくなるリスクが高くなります。
3位:脳血管疾患
脳血管疾患は平均入院日数が89.5日に及ぶ病気です。
症状も深刻な場合、片麻痺や意識障害、最悪には死に至ることにもあります。
片麻痺以上になると働けなくなるリスクが非常に高くなります。
この治療には薬物治療、リハビリテーションに加え、手術療法が用いられます。
手術療法では、厚くなった血管内の内壁を切除や、狭窄または閉塞した血管を他の血管につなぐ方法等が用いられます。
4人に1人が仕事復帰までに2ヶ月以上かかっている
病気やケガで働けなくなる場合、休職や、最悪の場合には退職しなければならないケースも出てきます。
そうなった場合、収入が減少してしまい、入院・治療費は大きな負担になるリスクが考えられます。
就業不能保険は病気やケガなどで働けなくなるリスクを保障
就業不能保険とは、保険会社が定めた就労不能状態に該当した場合に、給与と同じような形で、毎月(毎年)一定の保険金が支払われる仕組みの保険になります。
この就労不能状態というのは、ただ単に仕事をしていない状態を言うのではなく、一定の定義に該当することが必要条件となります。
就労不能の定義としては、「病気やケガの治療を目的として、病院もしくは診療所で入院している状態」「病気やケガで医師の指示のもと在宅療養で治療に専念している状態」等があげられます。
また、保険会社によっては、公的な障害等級と連動している保険商品もあり、その場合は障害等級○級以上というように、所定の障害等級に認定された場合に保険金が支払われるといった仕組みになっています。
この場合、その等級以上の認定を受けていれば、仕事に復帰できた後も保険金が支払われる仕組みとなっています。
入院が給付条件に入っておらず在宅療養でも保障される
入院が給付条件に入っていないため、実際に入院している場合はもとより、在宅療養をしている場合でも保障されます。
医療保険のように支払限度日数などがなく、安心できる
各保険会社共に受取金の総額は選択することができ、保険商品やプラン等にもよりますが、240万円、360万円、600万円、1,200万円といったように設定することができます。
受け取り総額を契約の際に決めるため、医療保険の入院給付金のような支払限度日数はなく、契約通りにお金が支給されることになります。
年金の受け取り方も、毎月一定額を受け取ることもできますし、一括で受け取ることも可能です。
契約前に受取総額と共に、受け取る方法も慎重に考慮しておきましょう。
会社員の方は傷病手当金も利用できるが、自営業の方は利用不可
この傷病手当金とは、疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合に、療養中の生活保障として保険者から支払われるお金です。
中小企業が主に加入している「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の場合は、傷病手当金の1日当たりの金額は
(支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額)÷30日×(2/3)
となります。
一方、主に大企業が独自に設立する健康保険組合もあります。
こちらの場合は、各健康保険組合によって、協会けんぽの定めた傷病手当金以上に、従業員へ有利な手当金を支給するケースもあるようです。
事業所に勤務する従業員の場合には、まず、所属している企業の健康保険の内容を確認しましょう。
その保険内容に不安を感じるならば、民間保険会社の就業不能保険に加入することをおすすめします。
一方、自営業者・自由業者等の国民健康保険加入者の場合、傷病手当金は無く、社会保障が非常に手薄な状況といえます。
働けなくなることを想定して就業不能保険へ加入することを検討するべきでしょう。
まとめ:働けなくなる病気について
ここまで、「働けなくなる病気と就労不能保険」について解説してきましたが、いかがでしたか?
この記事のポイントは、
- 働けなくなるリスクの高い病気は、1位うつ病・2位がん・3位脳血管疾患となっている
- 就労不能保険とは、病気やケガで保険会社の定めた所定の就労不能状態になったときに、生活費のように保険金を受け取ることのできる仕組みの保険である
- 働けなくなったときの公的保障として、傷病手当金制度があるが、自営業者には適応されない