木造住宅でも構造によって火災保険の保険料が変わる?保険料相場を紹介

木造住宅は、鉄骨コンクリート造の住宅よりも火災保険の保険料は一般的に高いですが、同じ木造住宅でも構造(T構造・H構造)によって保険料の価格相場は異なります。さらに、木造より強い省令準耐火構造にすると保険料が安くなります。今回は、木造住宅の火災保険の保険料の価格相場を解説します。

木造住宅の構造によって火災保険の保険料はどれほど変わる?

日本の住宅は木造建築の割合が高く、船体の約6割と言われています。


しかし、一般的に木造建築は、鉄筋・鉄骨コンクリート造の住宅よりも火災保険料が高額になってしまいます。


火災保険料の支払いは長期に渡るため、少しでも安く抑えたいですよね。


そこで、この記事では木造建築の火災保険についてしっかりと理解して頂くために、

  • 木造建築の構造2つのタイプについて
  • 火災保険における構造と保険料の関係
  • 省令準耐火構造とは?
  • 建物の構造以外で保険料を抑える3つのポイント

についてお伝えしていきます。


この記事をお読みいただくことで、火災保険の保険料に大きく関わる構造について、また、同じ木造建築でも保険料を安く抑えるコツについてもお分かりいただけると思います。ぜひ最後までお読みください。

火災保険のH構造(木造建築)とT構造とは

火災保険への加入を検討しているのであれば、まずはご自宅の建物の構造について調べる必要があります。木造建築の建物は大きく分けると、

  • H構造
  • T構造

の2種類です。それぞれどのような建物を指しているのでしょうか?

H構造

H構造と言うのは、「非耐火」構造の住宅です。「非耐火」の頭文字であるHが名前の由来となっています。T構造とM構造(マンション構造)以外の建物が、H構造に分類されます。在来工法で建てられた一戸建てはH構造となります。

T構造

T構造は「耐火」構造の建物を指しています。H構造同様、「耐火」の頭文字である「T」が名前の由来となっています。耐火性能の高い建物を指しており、鉄筋造コンクリート造といった建物がT構造となります。


木造建築でT構造となる建物としては、

  • 耐火建築物
  • 準耐火建築物
  • 省令準耐火建築物

が該当するものになり、2×4工法などが省令準耐火建築物に当たます。

火災保険のH構造(木造建築)とT構造の違い

H構造とT構造のの大きな違いは耐火性能です。


一戸建てのT構造の建物と言うと、一般的にはコンクリート造やレンガ造等、木材と違い燃えない素材で作られた建物のことになります。2×4工法の建物は、T構造に分類されますが、耐火性能よりも防火構造に優れており、T構造に分類されます。


耐火性能に差があることが2つの構造の大きな違いですが、この違いがあると何が変わってくるのでしょうか?


建物の構造が違うことで大きな差が生まれるのが、火災保険の保険料です。


火災保険は火事が起きた際に補償をしてくれる保険のため、火事になりにくい耐火性能の高い建物の場合、保険料は割安になります。同じ木造建築物でも、構造が違うことで火災保険の保険料に大きな差が生まれるのです。

参考:木造住宅はT構造がおすすめな理由

木造住宅の建築を検討している方も多いと思います。木造建築をたてる場合、多くの建物はH構造となってしまいます。しかし、火災保険の保険料のことを考えると、木造建築でもT構造の建物を選ぶことをおすすめします。


木造建築でもT構造の建物を選ぶことで、

  • 長持ちする
  • 火災保険の保険料が安くなる

などのメリットがあるからです。


T構造の場合、耐火性能が高いだけでなく、地震にも強いという特徴があります。そのため、他の木造一戸建てよりも丈夫で長持ちするのです。


また、耐火性能が高いため、火災保険の保険料を安くすることができるのも大きなメリットです。

木造の保険料は高い?H構造(木造建築)とT構造の保険料の価格相場

一般的に火災保険の保険料は耐火性能の高い建物の方が保険料が安くなります。そのため、木造建築では保険料が高い傾向にあるのです。


保険会社によってどれほどの差が出るのか、また、H構造の場合とT構造の場合にどれほど差があるのか、保険料を以下の条件をもとに比較してみましょう。

  1. 立地場所:東京
  2. 建物補償額:1500万円
  3. 契約期間:10年間
  4. 面積:100㎡
  5. 支払い方法:一括

最安値の会社は、「楽天損保」で98,100、最高値の会社は、「共栄火災」で119,700円です。


会社によって3万円以上の違いがありますが、相場としては、10年で10万円前後と見てください。


T構造の場合も先ほどと同じ条件で見積もりを行うと、最安値の会社は、「楽天損保」で45,000円、最高値の会社は「三井住友海上」で67,820円という結果になりました。


T構造の場合も会社ごとに保険料に差がありますが、相場としては10年間で55,000円前後と見てください。


H構造とT構造の火災保険の相場を比較すると、10年で45,000円程差があるということが分かります。同じ木造住宅でも、構造が違うことでこれほど保険料に差があることに驚く方も多いのではないでしょうか。

火災保険の保険料が安くなる省令準耐火構造とは

T構造の住宅というものは、

  • コンクリート造建物
  • 鉄骨(軽量鉄骨)造建物
  • 耐火建築物
  • 準耐火建築物
  • 省令準耐火建物

などの構造に該当するものです。


T構造の木造住宅は数が少なくなるのですが、多くの場合省令準耐火建物に該当する住宅となります。


省令準耐火建物の基準を決めているのは、住宅金融支援機構になります。


以下の3つの条件のうち、どれかが当てはまる住宅のことを指しています。

  • 機構の定める省令準耐火構造の仕様に基づき建設された木造軸組工法の住宅または枠組壁工法住宅
  • 省令準耐火構造として機構が承認したプレハブ住宅
  • 省令準耐火構造として機構が承認した住宅または工法

この住宅なら省令準耐火構造になる、というものではなく、住宅金融支援機構の承認を得ることが必要です。承認を得るのに少し時間がかかる場合もあります。


どの様な特徴のある住宅なのでしょうか?以下で詳しくご紹介します。

木造より強い省令準耐火構造の特徴

省令準耐火建物の特徴としては、

  • 隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止) 
  • 火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火) 
  • 万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)

などが挙げられます。


また、基本的に防火性能を高くするために、壁や天井の素材に防火性能の高い素材を使用する必要があるため、一般的な木造住宅よりもコストがかかるという特徴もあります。

外部からの延焼防止

隣家からの延焼を予防するために、外壁や屋根に燃えにくい素材を使用しているのが特徴です。屋根には不燃材料を使用し、外壁には防火サイディング壁を使用するなどして、外部からの延焼に対して高い防火性能を有する住宅です。

各室防火

部屋の中で火災が発生してしまった場合に備え、壁や天井に防火性能の高い石膏ボードなどを使用した住宅です。部屋自体が燃えにくい素材を利用することで、部屋ごとに防火性能が高くなっているのが特徴です。

他室への延焼遅延

部屋の中で発生した炎が、壁の内部や天井裏から他の部屋へ燃え広がるのを防ぐために、壁の中や天井裏に断熱材などが設置されている住宅です。

省令準耐火構造の住宅のデメリット

火災保険料の安くなり、火災自体に強い住宅となる省令準耐火構造の住宅。一見するとメリットばかりのようですが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?


省令準耐火構造の住宅のデメリットとしては、

  • 建築費用が高くなる
  • 間取りやデザインが多少制限される

などが挙げられます。


省令準耐火構造の住宅を建てる場合、一般的な木造建築では使わないような素材を利用することになります。耐火性能の高い素材が大量に必要になるため、建築費用は高額になってしまうのです。


また、間取りやデザインに多少制限があることもデメリットの一つです。柱や梁を見せるデザインにあこがれる方もいるかと思いますが、省令準耐火構造でそれをやるのはかなり難しくなってしまうようです。部屋の各室も仕切られている必要があるため、間取りにも多少制限が出てきてしまいます。

参考:省令準耐火構造以外の保険料を安くする3つのコツ

建物の構造以外に、火災保険の保険料を安くする方法は無いのでしょうか?


保険料を安くするコツとしは、

  1. 保険会社を比較する
  2. 長期一括払いをする
  3. 特約を見直す
の3つが挙げられます。

1.保険会社を比較する

前述しましたが、同じ補償内容の火災保険であっても、保険会社が違うと保険料に大きな差があります。


そのためいくつかの保険会社で見積もりを取ることで、お得に火災保険に加入することができるのです。火災保険に加入する際は、見積もりを1社から取るのではなく、少なくとも3社から見積もりをもらい、比較することをおすすめします。

2.長期一括払いをする

火災保険の保険料は、長期一括払いをすることで割安になるのです。そのため、お金に余裕がある場合は、火災保険料を一括払いするをおすすめします。以前は30年までありましたが、今は10年が最長となります。


契約年数が2年の場合と10年の場合では、前者の割引率が7.13%、後者は17.59%にもなります。長期一括払いをするときは、なるべく長い年数で行うとさらにお得です。


ちなみに、何らかの理由で今住んでいる住宅を売却することになっても、払い込んだ火災保険料はほぼ期間対応もしくは少し多めに戻ってくるのでご安心ください。

3.特約を見直す

特約を見直すことも保険料を安くするポイントとなります。


例えば、高層マンションにお住いの方は、近所の川が氾濫しても洪水の被害は考えにくいですよね。そのため、水災に関する特約は不要、ということになります。


また、家財保険でも高単価の物が少ない場合は、補償金額を下げることで保険料の節約に繋がります。

まとめ:木造住宅でも構造によって火災保険の保険料は変わる

いかがでしたか?ここでは木造住宅の火災保険についてご紹介しました。


今回の記事のポイントは、 

  • 木造住宅の構造はT構造かH構造
  • T構造とH構造の違いは耐火性能
  • 同じ木造住宅でも、H構造の火災保険料の相場は10万円、T構造は55,000円
  • 省令準耐火建物とは、住宅金融支援機構が定めた基準に適合した住宅のこと
  • 省令準耐火建物の特徴は、外部からの延焼防止・各室防火・他室への延焼遅延
  • デメリットは、建築費用が高くなる・間取りやデザインが多少制限される

です。 


同じ木造住宅でも、T構造の木造住宅を選ぶことで火災保険の保険料はかなり安くなります。火災への心配も緩和されるため、木造住宅の建築を検討している方は、T構造の住宅の検討もしてみてはいかがでしょうか?


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。  

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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