火災保険が安くなるってホント?火災保険の約定付保割合を徹底解説!

火災保険の約定付保割合って何だか知っていますか?実はこの約定付保割合は、火災保険料を計算するにあたって大きく関わってきます。そのためこの記事では、約定付保割合についての基本的な解説と保険料を安くするための知っておくと便利な情報について解説していきます。

火災保険の約定割合を知れば、保険料は節約できる!

みなさんは火災保険の約定付保割合(約定割合)という言葉をご存知ですか?


火災保険の保険金額と保険料を設定する際に重要なのが、この約定付保割合という考え方です。


この約定付保割合をうまく活用すると、火災保険の保険料を節約することができます。


一方で、約定付保割合の誤った知識で保険料を下げてしまうと、いざ保険事故が発生した際に後悔することになるかもしれません。


そこで、この記事では「火災保険の約定付保割合」について

  • 約定付保割合の意味
  • 約定付保割合を利用した保険料節約術のメリット、デメリット
  • 約定付保割合の利用以外に保険料を節約する方法
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただくと、火災保険の約定付保割合を利用した保険料の節約について正しい判断ができるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

火災保険の約定付保割合とは?

火災保険の約定付保割合とは、対象物件の評価額に対して、何%までを火災保険で補償するかという割合のことです。


火災保険では、建物が全焼した場合、それと同じ価値の建物を再築するために必要な金額のことを再調達価額と呼んでいます。


火災保険に加入する際には、一般的にこの再調達価額を限度に保険金額を決める必要があります。


 この再調達価額の中で、何%を火災保険で補償し、何%を自分(契約者)が負担するのか設定することができます。

このときに設定する割合のことを約定付保割合といいます。


また約定付保割合のことを付保率と呼ぶこともあります。


約定付保割合を調べると、"約定割合""付保割合""付保率"というワードがよく出てきますが、これらはすべて同じ意味で使われます。

火災保険の約定付保割合は保険金額の設定比率

約定付保割合とは、火災保険を契約した時の再調達価額のうち、保険で補償する金額の割合を示したものです。


いわば、保険金額の設定比率というべきもので、最高は100%となります。


たとえば、再調達価額全額を火災保険で補償するとした場合の約定割合は100%です。


これに対して、再調達価額のうち、80%を補償するとした場合の約定割合は80%となるのです。


この場合、残りの20%については、保険契約者が負担することとなります。


100%、90%、80%と、10%のきざみで約定割合を設定する保険会社が多いです。

約定付保割合がない火災保険会社もある

多くの保険会社では、約定割合による火災保険の保険金支払いをおこなっています。


 しかし、保険会社によっては約定割合によらない支払い方式をとっているところもあります。


 そのような保険会社では、建物の契約方法について、約定割合による保険金支払いを行わない評価済保険方式をとっています。 


 評価済保険方式とは、火災保険契約時に建物の評価を行ない、その評価額の範囲内で決めた保険金額を限度に、損害の多寡にかかわらず損害額全額を支払うとするものです。


 損害額の自己負担分については免責金額を設定して決めており、約定割合による方式と異なっています。


ご自身がどのような支払い方式の火災保険に加入しているか知りたい方は、一度保険会社へ確認してみると良いでしょう。

【注意!】約定付保割合における実損てん補と比例てん補とは?

火災保険の約定付保割合を設定する際に、必ず注意しなければならないのが、保険金の支払い方法です。


火災保険には、保険金の支払い方法が2パターンあるのですが、この支払い方法によっては実際に受け取ることができる保険金額に差が出てきてしまうおそれがあるのです。


それが『実損てん補方式』と『比例てん補方式』です。


次に、2つの違いと注意するポイントについて解説していきます。

注意点①:実損てん補方式

実損てん補とは、火災保険の保険金支払い方法の一つで、実際の損害額を保険金額を限度に支払うというものです。 


たとえば、再調達価額が2,000万円で、保険金額を1,600万円と設定した火災保険に加入している建物があるとします。このときの約定割合は80%ですね。


この建物で火災が発生し、1,000万円の損害が発生したとすると、実損てん補方式の火災保険であれば、損害額1,000万円全額補償されます。


ただし、保険金額として設定している1600万円を超える損害については、その超えた金額分は補償ができませんので注意が必要です。

注意点②:比例てん補方式

比例てん補方式は実損てん補方式のように実際の損害額を補償するのではなく、約定割合に応じて保険金額を支払うというものです。


先ほどの火災事故の例でいうと、再調達価額2000万円の建物に、約定割合を80%に設定した火災保険をかけていました。


ここで火災が発生し、同じように1000万円の損害が発生した場合、保険金は次のように支払われます。

1000万円(実際に被った損害額)×80%(約定付保割合)=800万円(支払われる保険金額)

実際に被った損害額を保険金で受け取れず、200万円を自己負担しなければなりません。


このように、おなじ約定付保割合の火災保険をかけていても、保険金の支払い方式が実損てん補なのか比例てん補なのかによって支払われる保険金額が異なるのです。


現在は実損てん補方式の火災保険が主流ですが、以前は比例てん補方式の火災保険が一般的でした。


とくに長期契約でかなり前に加入した火災保険などは比例てん補になっている可能性があるため、気になる方は一度補償内容を確認することをおすすめします。

約定付保割合の調整で保険料は下がる?

次に火災保険の約定付保割合の調整について解説していきます。


近年火災保険の保険料は年々高くなっているといわれます。


保険料が高くなっている原因として、風水災などの自然災害や老朽化した水道管の損傷による水漏れ事故等の増加によって、保険金の支払いが増えてきていることがあげられます。


とはいえ大切な財産を守るために火災保険への加入は必須といえるでしょう。


そのため、火災保険の保険料を抑える方法として、約定付保割合の調節が注目されているのです。


しかし約定付保割合を調節するにあたっては、つぎのようなメリットデメリット、そして注意しなければならないポイントがあります。


メリット:保険料を節約できる

約定割合の調節をおこなう最大のメリットは、保険料を安く抑えることです。


約定割合を下げることで、保険金額を減らすことができ、その分の保険料を節約することができるからです。


たとえば、約定割合を100%から80%に下げた場合には、補償額が20%減るわけですから、その分の保険料が節約できます。


具体的な保険料については、保険会社ごとに保険料率が異なるので、興味のある方は加入先の保険会社に確認してみてください。

デメリット:十分な保険金がもらえない

約定割合を調節すれば保険料は下がりますが、その一方で十分な保険金が支払われないおそれがあるというデメリットがあります。


実際の損害額が約定割合で設定した保険金の範囲内でおさまっていればよいのですが、そうならない可能性があるからです。


火災によって建物が全焼したり、毎年のように起こる大規模な自然災害によって建物が全壊したりすることも十分に考えられます。


その場合、約定割合が低ければ十分な補償を受けられないおそれがあるのです。


火災保険の保険料を節約するために約定割合の調節は効果的ですが、補償とのバランスを検討することも必要でしょう。

約定付保割合の調節以外で保険料を下げる方法3選!

約定割合の調節以外に保険料を下げる方法として次の3点が考えられます。

  • 家を省令準耐火基準にする
  • 免責金額を設定する
  • 不必要な補償・特約をはずす
それぞれ解説していきます。

家を省令準耐火基準にする

省令準耐火基準とは、住宅金融支援機構が定める耐火基準合致した構造の建物のことです。


具体的には、2×4工法、木質系プレハブ建物、木造軸組工法で建てられた建物になります。


これらの工法で建てられた建物には火災保険の割引が適用されます。


その際には、省令準耐火基準に合致していることを確認するため、建築確認申請書のコピーや建築確認通知書、建築確認済証、設計仕様書といった書類を保険会社に提出する必要があります。


これらの書類がない場合には、保険会社に確認しましょう。


なお、割引率は各保険会社によって異なるため、こちらも保険会社に確認するようにしてください。

免責金額を設定する

火災保険の保険料節約の方法として免責金額を設定することも考えられます。


免責金額を設定することで、補償額を低くできるため、その分の保険料を節約できるのです。


方法としては、火災、落雷、破裂爆発、風水害、といった火災保険の補償すべてに共通の免責金額を設定するものや、それぞれの補償に対して免責金額を設定したりしなかったりするものがあります。


節約できる具体的な保険料については、加入先の保険会社に確認してください。

不必要な補償・特約をはずす

不必要な補償や特約をはずすことで火災保険の保険料を節約することができます。


火災保険の補償範囲は広く、特約を含めて考えると火災事故だけではなく、生活全般にわたっています。


そのため、本来必要ではない補償も含まれており、それらをはずすことで保険料の節約になるのです。


また、特約のなかには個人賠償責任特約のように、自動車保険などのほかの保険契約と重複してついているものもあります。


一度、現在加入している保険契約すべてを見直し、重複している補償、必要ではない補償について確認してみることをおすすめします。

火災保険の乗り換えで保険料を安くしよう!

先の章のように調整しても保険料が安くならないケースもあります。


その場合は見積りサイトを利用して火災保険の乗り換えも検討してみてはいかがでしょうか。


建物の築年数やその地域の直近の災害率によって各保険会社が定める保険料率が異なっているのはご存知ですか?


加入当時は最安だった火災保険も、数年経つと他社の火災保険の方が安くなっている可能性があるということです。


さらに今加入している火災保険を途中で解約して乗り換えても、多くの保険会社では未経過分の保険料が返還される場合がほとんどです。


「確かに火災保険の保険料は節約したいけど、1社ずつ見積もりするのは面倒そう。」


そういう場合は下記のサイトから一括見積りができますので、ぜひどれくらい保険料が安くなるのか試してみてください!


まとめ:火災保険の約定付保割合を調整して保険料を節約しよう

火災保険の約定割合を調整することで保険料を安くする方法や注意すべきポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 約定付保割合とは再調達価額に付保する保険金額の割合をいい、保険金額を上限に損害額が全額支払われる
  • 約定付保割合を調節することで保険料を節約できるが、補償が不十分になるおそれがある
  • 火災保険の保険料節約のためには、約定付保割合の調節以外にも方法がある
です。

約定付保割合をうまく利用すれば補償と保険料のバランスをとることが可能です。

保険料を節約する手段として、火災保険の約定割合の活用を検討してみましょう。

ほけんROOMでは、ほかにも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひ、ご覧ください。

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