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火災保険の約定割合とは?約定割合は保険料節約に利用すべき?

火災保険の保険金額を設定する比率として約定割合があり、最高100%から10%ごと減らすことが可能です。約定割合を調節することで、保険料節約につながる一方、保険金が不十分になり、万が一の時に困る恐れがあります。そのため火災保険の約定割合は慎重に設定するべきです。

火災保険の約定割合とは?保険料節約に利用すべき?

「火災保険の約定割合という言葉をよく聞くけれど、どういう意味なのかな。」


このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。


また、約定割合を使えば保険料の節約にも効果があると聞いたけれど、どういうことなのかよくわからない、という方もいるかもしれません。


確かに保険の用語には難しいものが多くて、ちょっと聞いただけでは意味がつかめないものが多いようです。


しかし、それが保険料の節約につながるのなら、くわしく知りたいと思う方は多いことでしょう。


そこで、この記事では「火災保険の約定割合」について

  • 約定割合の意味
  • 約定割合を利用した保険料節約術のメリット、デメリット
  • 約定割合の利用以外に保険料を節約する方法
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、火災保険の約定割合を利用した保険料の節約について正しい判断ができるようになります。

是非最後までご覧下さい。

火災保険の約定割合とは?

火災保険の約定割合とは、建物などの保険の目的に対する保険金設定の割合をいい、約定付保割合とも呼ばれています。


火災保険では、建物が全焼した場合、それと同じ価値の建物を再築するために必要な金額のことを再調達価額と呼んでいます。


再調達価額は保険の目的の金銭的価値の上限を示したもので、それ以上に高くなることはありません。


保険会社では、火災保険の加入に際して、再調達価額を限度に保険金額を決めています。


その場合、再調達価額のうち、何割を保険で補償し、何割を契約者が負担するのかを決めて契約することが一般的です。


この時の保険の目的に対する付保割合を火災保険の約定割合と呼んでいるのです。


保険金額を設定する比率(最高は100%)

約定割合とは、火災保険契約時に、再調達価額のうち、保険で補償する金額の割合を示したものです。


いわば、保険金額の設定比率というべきもので、最高は100%となります。


たとえば、再調達価額全額を火災保険で補償するとした場合の約定割合は100%です。


これに対して、再調達価額のうち、80%を補償するとした場合の約定割合は80%となるのです。


この場合、残りの20%については、保険契約者が負担することとなります。


多くの保険会社では約定割合について、100%、90%、80%と、10%のきざみで設定しています。

約定付保割合は実損てん補になる

約定付保割合の付いた火災保険の補償は実損てん補となります。


実損てん補とは、損害額のうち、実際の損害額を保険金額を限度に支払うというものです。


いわば、火災保険の支払方法です。


たとえば、再調達価額2,000万円で、1,500万円の火災保険に加入している建物が火災事故に遭い、1,000万円の損害が発生したとすると、実損てん補であれば、損害額1,000万円が全額補償されます。


約定割合の付いた火災保険は実損てん補方式で補償を受けることができるので、実際の火災被害に遭った時には契約者にとって有利です。


注意しなければならないのは、補償はあくまでも保険金額が限度なので、その金額を超える損害を被った場合には、超えた部分については自己負担になる点です。


たとえば、再調達価額2,000万円の建物に約定割合80%、保険金額で1,600万円の補償を付けていたとします。


この建物が全焼した場合には、支払われる保険金は1,600万円となり、差額の400万円は自己負担することとなるのです。


さて、実損てん補に対して、比例てん補という火災保険の支払方法があります。


こちらは、建物の実際の価値(これを保険価額と呼びます)に対して付保された火災保険の割合に応じて保険金を支払うとするものです。


たとえば、保険価額2,000万円の建物に対して火災保険がその50%、1,000万円付保されていたとします。


この建物が火災被害に遭って、1,000万円の損害を受けた場合、比例てん補方式で支払われるのは、保険金額の50%、500万円となります。


保険価額に対して付保された保険金額の割合が50%であるところから、支払われる保険金も保険金額の50%である500万円となってしまうのです。


この場合に、損害額すべてを火災保険で補償するためには保険価額と同一の2,000万円で契約をしなければなりません。


比例てん補方式では、保険価額に対して保険金額を100%に設定して付保しなければ、実際の損害額は補償されないこととなっているのです。


以前は、建物が建っている時点での価格を基にした時価額による評価が一般的でした。


時価額は先述した保険価額と同じものであり、保険金額が時価額を下回っている場合には比例てん補方式による補償がされる、とされていたのです。


現在ではほとんどの火災保険契約で新価(再調達価額)をもとに保険金額を設定しているため、実損てん補となっています。


しかし、長期の火災保険に加入している場合、建物の評価が時価額で行なわれている可能性があります。


その場合には、火災事故の際に比例てん補方式が適用されて十分な補償が得られない可能性があるのです。


長期の火災保険に加入している場合には、契約内容を確認することをおすすめします。

約定付保割合がない火災保険会社もある

多くの保険会社では、約定付保割合による火災保険の保険金支払いを行なっています。


しかし、保険会社によっては約定付保割合によらない支払い方式をとっているところもあります。


損保ジャパンでは、建物の契約については評価済保険方式をとっており、約定付保割合による保険金支払いを行なっていません。


評価済保険方式とは、火災保険契約時に建物の評価を行ない、その評価額の範囲内で決めた保険金額を限度に、損害の多寡にかかわらず損害額全額を支払うとするものです。


損害額の自己負担分については免責金額を設定して決めており、約定付保割合による方式と異なっています。

保険料を安くするために約定付保割合の調節をすべき?

火災保険の保険料を抑えるために約定付保割合の調節を行なう、ということがいわれています。


保険料高騰の原因として、風水災などの自然災害や老朽化した水道管の損傷による水漏れ事故等の増加によって保険金の支払いが、近年になって増えてきていることがあげられます。


その一方で、大切な財産を守るために火災保険への加入は必須となっています。


そのため、火災保険の保険料を抑える方法として、約定付保割合の調節が注目されているのです。


しかし、約定付保割合を調節するにあたっては、そのメリット、デメリットについて注意点があります。


その点につき、以下で解説します。


メリット:保険料を節約できる

約定付保割合の調節を行なうことで保険料を節約することができます。


約定付保割合を下げることで、保険金額を減らすことができ、その分の保険料を節約することができるからです。


たとえば、約定付保割合を100%から80%に下げた場合には、補償額が20%減るわけですから、その分の保険料が節約できます。


具体的な保険料については、保険会社ごとに保険料率が異なるので、興味のある方は加入先の保険会社に確認してみてください。

デメリット:十分な保険金はもらえない

約定割合の調節を行なえば、保険料は下がりますが、その一方で十分な補償がされないデメリットがあります。


損害が保険の目的の一部で収まっていればよいのですが、そうならない可能性があるからです。


火災によって建物が全焼したり、近年の大規模な自然災害によって建物が全壊したりするおそれは十分にあります。


その場合、約定割合が低ければ十分な補償を受けられない可能性があるのです。


火災保険の保険料を節約するために約定割合の調節は効果的ですが、補償とのバランスを検討することも必要でしょう。

約定付保割合の調節以外で保険料を下げる方法は?

約定付保割合の調節以外に保険料を下げる方法として次の3点が考えられます。

  • 家を省令準耐火基準にする
  • 免責金額を設定する
  • 不必要な補償・特約を外す
以下、解説していきます。

家を省令準耐火基準にする

省令準耐火基準とは、住宅金融支援機構が定める基準合致した構造の建物のことです。


具体的には、2×4工法、木質系プレハブ建物、木造軸組工法で建てられた建物になります。


これらの工法で建てられた建物には火災保険の割引が適用されます。


その際には、省令準耐火基準に合致していることを確認するため、建築確認申請書のコピーや建築確認通知書、建築確認済証、設計仕様書といった書類を保険会社に提出する必要があります。


これらの書類がない場合には、保険会社に確認しましょう。


なお、割引率は各保険会社によって異なるため、こちらも保険会社に確認するようにしてください。

免責金額を設定する

火災保険の保険料節約の方法として免責金額を設定することも考えられます。


免責金額を設定することで、補償額を低くできるため、その分の保険料を節約できるのです。


方法としては、火災、落雷、破裂爆発、風水害、といった火災保険の補償すべてに共通の免責金額を設定するものや、個々の補償に対して免責金額を設定したりしなかったりするものがあります。


節約できる具体的な保険料については、加入先の保険会社に確認してください。

不必要な補償・特約を外す

不必要な補償や特約を外すことで火災保険の保険料を節約することができます。


火災保険の補償範囲は広く、特約を含めて考えると火災事故だけではなく、生活全般にわたっています。


そのため、本来必要ではない補償も含まれており、それらを外すことで保険料の節約になるのです。


また、特約の中には個人賠償責任特約のように、自動車保険などの他の保険契約と重複して付いているものもあります。


一度、現在加入している保険契約すべてを見直し、重複している補償、必要ではない補償について確認してみることをおすすめします。

まとめ:保険料節約の手段として火災保険の約定付保割合を検討しよう

火災保険の保険料節約手段としての約定割合について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 約定付保割合とは再調達価額に付保する保険金額の割合をいい、保険金額を上限に損害額が全額支払われる
  • 約定付保割合を調節することで保険料を節約できるが、補償が不十分になるおそれがある
  • 火災保険の保険料節約のためには、約定付保割合の調節以外にも方法がある
です。

約定付保割合を利用すれば補償と保険料のバランスをとることが可能です。

保険料節約の手段として火災保険の約定付保割合の活用を検討してみましょう。

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