火災保険の保険金支払限度額(保険金額)の設定方法と目安を解説

火災保険の保険金支払限度額とは、補償額の上限を指します。支払限度額の設定方法は建物と家財で分かれており、それぞれ目安・相場が存在します。保険金の支払限度額設定のコツとして、保険金額を新価を元に設定することがあげられ、一部保険や超過保険にならないよう注意が必要です。

火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)を解説

火災保険には支払限度額があるのをご存知でしょうか。


まず支払限度額ですが、これはもしも事故が起こった場合に火災保険で補償をしてもらうのですが、これは実際の損害額ではなく、設定されている限度額に基づいて保険金額を算定していて、この時の支払の上限額のことを言います。


この支払限度額は法律で規定されている商品もあるようなのですが、その支払限度額の設定方法を解説していきます。


ポイントは次の通りで、

  • 火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)
  • 火災保険の支払限度額(保険金額)はいくらかける?相場と目安を紹介
  • 火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法のポイント
このように火災保険の支払限度額やその設定方法、また支払限度額の相場と目安も詳しく見ていくことにしましょう。

火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)


火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)はどのように決めるのでしょうか。


火災保険では、保険価格を基にして保険金額を決め損害保険金が支払われるといった流れになっています。


  • 保険価格・・・新価と時価の考え方あり、新価は同等の物を新たに建築したり購入するのに必要な価格で、時価は建物や家財などの現在の価値のことを言います。
  • 保険金額・・・損害保険金の限度額のことで保険価格を基に設定されています。
  • 損害保険金・・・事故等により損害が生じた場合に支払われる保険金のことを言います。

特に火災保険に加入の際は損害保険金の補償内容を選択しなければなりませんが、下記が原因で損害が起きた時に保険金が降りることとなっています。


  • 火災
  • 落雷
  • 破裂・爆発
  • 風災、雹災、雪災
  • 水災
  • 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突
  • 漏水などによる水濡れ
  • 騒擾・集団行動等に伴う暴力行為
  • 盗難による盗取・損傷・汚損
  • 不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)


建物の支払限度額(保険金額)設定方法(評価方法)




ここからは建物の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)を見ていきましょう。


建物の場合は建物の保険価格により評価を行い、支払限度額(保険金額)を設定していきます。


支払限度額(保険金額)は、もしも損害を受けた場合に新たに建物が取得できるように、そして十分な保険金を受け取ることができるように設定しなければなりません。


新築ならば購入金額をそのまま保険金額にしている方も多いでしょう、または平均的な建物の価格を参考にされている方もいらっしゃるでしょう。


一番に大事なことは、現在と同じ建物を再現しようとすればいくらかかるのかと言うことです。


そこで、火災保険の対象の建物の範囲を見てみましょう。

  • 建物本体
  • 門や塀
  • 物置や車庫
  • テレビアンテナ
  • エアコン
  • 調理台
  • 浴槽


このような物も建物に含まれるということを加味して保険金額を設定することをおすすめします。



家財の支払限度額(保険金額)設定方法(評価方法)



次に家財の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)を見てみましょう。


家財の場合建物と違い、家具や家電、衣類などの合計金額となりますし、各家庭によっても大きく変わってきますので、なかなか分かりづらいでしょう。


けれども火災保険の考え方は建物と同じで、現在持っている全ての家財を買い直せばいくらくらい必要なのかと言うことになります。


そこで、火災保険の対象の家財の範囲を見てみましょう。

  • 電化製品
  • 家具
  • 衣類
  • 食器
  • 自転車
  • 1個の価格が30万円までの貴金
このような生活に欠かせない物で、動かせる物が家財の対象となっています。


逆に家財の対象になっていない物も把握しておきましょう。

  • 建物に付随している物
  • 自動車
  • 動植物
  • 現金・小切手・有価証券
  • パソコンなどの中のデータやプログラム
  • 仕事で扱う什器や商品
ただし、盗難の損害の場合は通帳などの預貯金証書などは補償される場合もあります。

注意:損害額を自己負担する免責金額に要注意

損害額を自己負担する免責金額には注意が必要です。


免責金額とは自己負担額のことで、保険会社が補償を免除されるということで、免責金額と言われています。


もしも免責金額を30,000円に設定したとすると、損害が起こった場合に30,000円以下の修理等の見積が出た時には保険金は支払われません。


けれどもその場合の見積が100.000円とすれば、70.000円の補償金が支払われることとなります。


保険約款等で免責金額が規定されている場合には、全額補償金額はおりないと思っていた方が良いでしょう。


保険会社によっては契約時に免責金額を設定するかどうかを尋ねられる場合もあります。


ただし、それによって保険料も変わってきますので注意しておきましょう。

参考:火災保険の支払限度額調整特約って?

ここで、火災保険の支払限度額調整特約について解説していきますが、まず保険契約の際よく聞く特約とはどういうことを言うのでしょうか。


特約とは、主契約に任意で付加する約束のことで有料となっていることが多いです。


では、火災保険の特約の中にある支払限度額調整特約とはどういった特約なのでしょうか。


これは、物価変動に対応するための特約で、保険期間が6年以上の保険契約が対象となっています。


例えば、新築の家を2,500万円で購入した時に保険金額を2,500万円に設定して火災保険契約をしました。


その後物価が下がり今では2,000万円もあれば同じ条件の家を購入できます。


そうすると、2,000万円の価値しかない家に対して2,500万円の保険を掛けているわけで、つまり500万円の超過保険を掛けていることとなって、500万円分の掛け金は損をしていることになりますよね。


その状態ではおかしいと言うことになりこの支払限度額調整特約が付いていれば、保険金額が2,000万円に変更され、超過保険金は返却してもらえるのです。


火災保険の支払限度額(保険金額)はいくらかける?相場と目安を紹介

火災保険の支払限度額(保険金額)にはいくらくらいかけるのが良いのでしょうか。


ここでは、支払限度額の相場や目安を紹介していきます。


まず火災保険に加入しようとした場合は、建物や家財の保険金額すなわち支払限度額を決めなければなりません。


建物の場合は、建物本体と門や塀・垣そして車庫や物置なども対象となります。


また、家財の場合は、基本的には家の中の動かせる物と覚えておきましょう。


電化製品や家具、衣類・食器など引越しの時に運ぶ生活に欠かせない物が対象となります。


この時注意しなければならないのは、宝石や骨董品などは契約の際に申告して明記物件として扱うこととなります。

建物の支払限度額(保険金額)の目安

それでは、建物の支払限度額(保険金額)の目安について詳しく解説していきます。


まず建物の保険金額と評価額の関係性について見ていきましょう。

建物の保険金額が建物評価額より低い場合

例えば建物評価額が2,800万円の建物の保険金額を2,000万円と建物評価額より低い場合、もしも火事になった時に損害額が2,000万円を超えてしまっても、保険金額の上限の2,000万円までしか補償されないといったことになります。

建物の保険金額が建物評価額より高い場合

建物評価額が2,800万円に対して建物の保険金額を3,500万円と高く設定した場合、こちらの保険金は最大でも2,800万円、すなわち建物評価額が最大となってしまうため700万円分がムダな保険料を掛けてしまっていたということになってしまいます。

建物の保険金額と建物評価額が同じの場合

建物の保険金額は建物評価額と同じになるように設定するのが適切です。

家財の支払限度額(保険金額)の目安

次に家財の支払限度額(保険金額)の目安について詳しく解説していきます。


持家の場合は、建物・家財・建物と家財のいずれかの契約を行ないますが、賃貸の場合は、家財のみの契約をすることができます。


家財保険の保険金額の目安はどれくらいなのでしょうか。


一般的に家財の保険金額は、もしも事故が起こった場合持っている家財を全て買い直すのにいくら必要なのかということを計算すれば良いと言われています。


けれどもいくらくらいの家財が実際にあるのかを把握できている方は少ないでしょう。



家族構成独身大人2名大人2名子供1名
20代300万円500万円600万円
30代300万円810万円895万円
40代300万円1,235万円1,325万円
50代300万円1,550万円1,640万円


上記の表は家族構成を元にした平均的な家財評価表の一例ですが、必要とされる金額の目安になるのではないでしょうか。


この他専有面積を元にした表が以下のようになります。


専有面積33〜66㎡66~99㎡99〜132㎡132㎡以上
保険金額880万円1.050万円1,490万円1,980万円



参考:火災保険の保険金支払い例

では、参考までに火災保険の保険金の支払い例を見てみましょう。  


保険金額とは、もしも事故が発生した場合に、各保険会社が保険契約に基づいて支払う損害保険金の限度額のことで、保険価額をもとに契約の際に設定することになっています。


建物の場合

大きな台風が来て強風で雨樋が破損してしまいました。

この時建物の保険金額の限度額を175,000円設定したので、保険金が175,000円おりました。

ただし、この場合火災保険の基本補償に加えて風災補償も補償の対象としています。


家財の場合

落雷によりパソコンが2台故障してしまいました。

この時家財の火災保険の保険金額の限度額を225,000円設定したので、保険金が225,000円

おりました。

こちらは火災保険の基本補償に含まれています。


このように修理が必要な場合に、修理代金の見積書等を提出して保険金を請求することになります。

火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法のポイント




では、火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法のポイントを見ていきましょう。


保険価格は、新価を基準に設定することが薦められていますが、ここで例を上げて解説していきます。


AさんもBさんも築20年の建物(当時の新築費用は2,000万円)の火災保険の加入を検討しています。


Aさんは既に20年も経っているからと1,500万円の補償にしました。


Bさんも同じ条件ですが、2,500万円の補償にしました。


そこでもしも火災が起きてこの建物が全焼してしまったとします。


そうなった時にAさんは1,500万円の補償金を受け取りましたが、今までと同時の家を新築しようとすれば2,500万円となってしまうため、自己負担が1,000万円必要となりました。


Bさんは2,500万円の補償金を受け取って、同じように今までと同時の家を新築すれば2,500万円ですが、全額補償金のみで建てることができました。


まとめ:火災保険の保険金支払限度額を正しく設定しよう

ここまで、火災保険の保険金支払限度額(保険金額)の設定方法と目安を解説してきましたがいかがだったでしょうか。

  • 火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法(評価方法)は、保険価格を基にして設定する
  • 火災保険の支払限度額(保険金額)は建物の場合は建物評価額と同額にする
  • 火災保険の支払限度額(保険金額)の設定方法のポイントは、保険価格は新価を基準に設定する
上記を参考にして火災保険に加入の際には、建物も家財も適正な保険金額を設定して、もしもの時には十分な補償を受けられるよう、そして損をすることのないように補償内容を把握の上加入することをおすすめします。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

関連まとめ

  • 火災保険で保険金はいくらおりる?保険金額の設定方法と支払い例を解説
  • 火災保険での損害額の査定方法は?保険金受取までの流れを徹底解説!
  • 火災保険の一部保険は損!十分な補償のための見直しポイントを紹介!
  • 火災保険と建物価格の関係は?火災保険補償額の決め方を徹底解説!
  • 火災保険の補償対象の建物と家財って?建物・家財の種類を一覧で紹介
  • 家が全焼した場合、火災保険で損害額はいくら補償される?全額補償?
  • 火災保険でもらえる保険金に税金はかかる?保険料控除はできる?
  • 新築一戸建て住宅の火災保険料の相場っていくら?保険料金の目安は?
  • 火災保険を質権設定している場合解約返戻金はもらえる?解約方法を解説
  • 火災保険の保険金で修理しないと詐欺になる?保険金の用途・使い道って?
  • 必要な補償を選べるから割安になるダイレクト火災保険「iehoいえほ」
  • 火災保険・地震保険の加入率を紹介!地震保険は付帯するべき?
  • 火災保険の加入って必要?加入の必要性と加入時の選び方を徹底解説
  • 火災保険の必要書類って何?状況ごとに異なる書類を詳しく解説!
  • 2019年に火災保険が値上げ。保険料節約のための加入時期は?
  • 火災保険料の相場って平均いくら?目安となる平均金額と保険料の仕組み!
  • 賃貸住宅の火災保険の選び方とは?必要性と選び方の手順を解説
  • 雪害・雪災に火災保険が使える!保険金が支払われる条件とは?
  • 自然災害のために火災保険は必要!補償範囲を確認しよう!
  • 【必読】住宅が土砂崩れ被害にあった!火災保険は適用される?
  • 【必読】台風で自宅が被害を受けた!火災保険は適用される?
  • 火災保険の風災・雪災・雹災補償の適用範囲は?ケースごとに解説!
  • 火山の噴火による家の被害は火災保険・地震保険で補償される?
  • 落雷による被害は火災保険で補償される?補償範囲と請求方法を紹介
  • 液状化・地盤沈下による家の傾きは火災保険・地震保険で補償される?
  • 津波の被害は火災保険で補償されない!地震保険の加入が必要!