更新日:2020/05/30
事故後に自動車保険を解約するメリットはある?廃車になった場合は?
「自動車保険を事故後に解約すれば、等級ダウンが防げるかも」と考えたことはありませんか?残念ながら、事故後に解約してもメリットはありません。この記事では、事故後に解約してもメリットがない理由を説明すると共に、廃車による解約時の注意点などについて説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
事故後に自動車保険を解約することは可能だがメリットはない
みなさんは「自動車保険を事故後に解約すれば、等級ダウンが防げるかも」と考えたことがありませんか? 実際に等級がダウンする前に他社に乗り換えてしまえば、うまいこと等級を維持できそうな気がします。
しかしこの目論見は、失敗に終わるでしょう。事故後に自動車保険を解約することはできますが、等級ダウンは避けられずメリットが皆無だからです。
では、なぜ等級ダウンが避けられないのでしょう?
この記事では、等級ダウンを回避するなどの目的で「自動車保険を事故後に解約する」ことについて、以下の内容をお伝えします。
- 自動車保険を事故後に解約することにメリットがない理由
- 全損事故などで廃車になったため、事故後に解約する場合の注意点
- 最もおトクな事故後の自動車保険の扱い
事故を起こしてしまって自動車保険をどうすべきかお悩みの方も、万が一に備えて事故後の対応を調べている方も、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
事故後に自動車保険を解約してもメリットがない理由
事故後に「自動車保険の解約をして、等級ダウンを免れよう」と考えたことがある人は少なくないでしょう。
しかし、事故後の解約で等級ダウンを免れることは、不可能です。
焦って解約しても、等級はそのままです。
等級を下げない方法は事故を起こさないことです。等級を上げる方法も、やはり無事故の状態を維持するのが唯一の方法です。
ここでは、自動車保険の事故後の解約にメリットがない理由や等級引き継ぎのシステムについて解説します。
保険情報を共有しているため、他社に乗り換えても等級は下がる
ノンフリート等級は、自動車保険の保険料負担の公平性を保つための制度です。自動車事故で保険を使った人と無事故の人で保険料の負担に差をつけることで、その目的を達成しています。
自分が契約している保険会社以外は関係ないと考えるのは間違いです。保険会社では、事故有係数の適用期間なども含め、保険情報が共有されています。
したがって、事故のために翌年度から等級がダウンすることになり、これを避けるために保険会社を変更するのは、無意味です。
別の保険会社で新規に自動車保険の契約をしても、等級はダウンしてしまいます。
事故を起こしてしまったという事実は変えられず、それに伴う保険料の割増も自分で責任を持って負担しなければなりません。
6等級以下の場合、解約から13ヶ月以内は等級が引き継がれる
それでは、どれくらいの期間、6等級以下が引き継ぎになってしまうのでしょうか。
前契約の解約日(または満期日)の翌日から13ヶ月間は、解約時の等級や事故有係数の適用期間が引き継がれます。
自動車保険の契約を解約してから13ヶ月経過した後に、新規に自動車保険の契約をすれば、等級の引き継ぎがなくなり6等級からスタートできます。
ただ、それまで日常的に車に乗っていた人が13ヶ月間も車に乗らないのは、明らかに生活に支障をきたしてしまうでしょう。
かと言って、自動車保険に未加入のまま13ヶ月間も車に運転し続けるのは、あまりにも危険です。
地道に安全運転を続けて、無事故の状態をキープすることで等級を上げていきましょう。
中途解約後の契約始期日に等級がダウンしてしまう
事故後に保険会社を乗り換えた場合は、いつから等級がダウンするのでしょうか。
自動車保険を中途解約した後、別の保険会社との契約開始の日に等級ダウンが適用されます。
ここで理解しておくべきことは、事故後に急いで保険を解約することにはメリットがないだけでなく、デメリットを受けてしまうことがあり得るということです。
事故時に入っていた保険にそのまま加入し続けていれば、翌年度に等級がダウンします。
それに対して、焦って中途解約して乗り換えを行うと、新しい契約の開始日から、より早く等級ダウンの影響を受けることになります。
メリットがない上に不利益を受けることがあり、さらに手続きの手間もかかるので何も良いことがないということを認識しましょう。
廃車になったために自動車保険を解約する場合の注意点
事故などで廃車になってしまったために、やむなく自動車保険を解約するというケースでは、解約の際に注意すべきことがあるので、理解しておきましょう。
新車を購入したり譲渡を受けることで、再び車を持つ場合には中断証明書を発行すれば等級を引き継ぐことができます。
高い等級を持っていた場合、もちろん等級を引き継いだ方が良いでしょう。
例えば、20等級の状態で事故が起き廃車になってしまった場合、等級が17等級に下がります。それでも、新規契約で6等級から始めるよりも、等級を引き継ぐ方がはるかにお得です。
ただし、中断証明書を発行するためには条件があります。それでは、どのような条件があるのか、以下に解説します。
中断証明書が必要な場合は廃車手続きの完了を待つ必要がある
将来、再び車を持つことがあれば、自動車保険を契約することになるでしょう。
自動車保険の再契約とともに以前の等級を引き継ぐためには、中断証明書が必要です。
中断証明書を入手するために注意すべきことは、廃車と中断の手続きのタイミングです。
中断証明書が発行されるためには、廃車になった時点で自動車保険が中断していてはいけません。
つまり、中断証明書が必要であれば、廃車手続きの完了を待ってから中断の手続きを行うということです。
なお、譲渡による中断の場合は、中断する日までに譲渡が完了している必要があります。
中断証明書が不要なら任意のタイミングで解約可能
中断証明書は、自動車保険解約時の等級を引き継ぐために、契約が中断していることを示す書類です。
中断証明書があれば、一旦車を手放した後に再び車を所有した時に、7等級以上の等級を引き継ぐことができます。
事故後に車を手放した後、将来的に車を持つ可能性がない、または6等級以下のため等級の引き継ぎができない(そもそも等級を引き継ぐメリットがない)場合は、中断証明書は不要です。
中断証明書を発行する必要がなければ、注意点は特になく、任意のタイミングで解約して問題ありません。
事故後の自動車保険はどうするのが最もおトク?
事故を起こさないことがベストであることは言うまでもありませんが、ふとした不注意により事故は起きてしまいます。
それでは、事故後の自動車保険は、どのようにするのがお得なのでしょうか。
急いで解約して別の保険会社と契約することがおすすめできないことは、先に解説しました。
一般的には、現在加入している補償内容を見直した上で、同じ保険会社でそのまま契約を継続することが最もお得になることが多いです。
事故後にすぐ解約して等級が下がらないようにするという、小手先の手段は通用せず、下手にあれこれと動かないことが結局は最善の対応になります。
等級が下がることは受け入れざるを得ません。
その上で、事故体験を保険を見直す機会として活用しましょう。
1万円以上保険料を節約する方法をご存知ですか?
皆さんは自動車保険をどの頻度で見直していますか?
もしかしたら、加入してから一度も見直していない人も多いのではないでしょうか。
- 加入してから一度も自動車保険を見直していない
- 車を購入する代理店で加入した
- 会社の団体割引で自動車保険に加入している
が1つでも当てはまる方は要注意!
高すぎる保険料を払っている可能性が高いです。
心当たりのある方は、一度保険料をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
以下のボタンから簡単にシミュレーションできるので、ぜひどうぞ!
まとめ:自動車保険を事故後に解約するのは自身の都合に合わせて
自動車保険の解約は、事故後ではなく、自分自身の都合に合わせて行うのがおすすめです。
今回の記事の要点は、
- 事故後に自動車保険を解約してもしなくても等級は下がり、保険会社を変更するメリットはない
- 6等級以下は解約日の翌日から13ヶ月間は引き継がれ、中途解約後の契約開始日に等級がダウンする
- 廃車になったとき、中断証明書が必要であれば、廃車手続きの完了を待ってから中断の手続きを行う
- 中断証明書が不要であれば、廃車手続きは任意のタイミングでよい
- 事故後の保険は、一般的には補償内容を見直した上で契約を継続することが最もお得である
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