三大疾病保険とは?主な保障内容やデメリット、がん保険との違いは?
更新日:2021/08/21
三大疾病とは?三大疾病保険とは何か?
三大疾病保険とがん保険の違いを比較
三大疾病保険とがん保険の違いとは、その保障範囲や保険金の給付方法です。
具体的には次のようになります。
三大疾病保険 | がん保険 | |
---|---|---|
保障範囲 | がん (上皮内癌は免責) 急性心筋梗塞 脳卒中 死亡・高度障害 | がん全般 (保険商品によって 上皮内癌は免責の場合も) |
給付方法 | 一時金 | 一時金 日数分 (通院・入院保障など) 手術保障 |
特徴 | 重複して給付はされない | 一時金を支払われても 保障期間内は保障が継続する |
三大疾病保険の場合、例えばがんと診断されて一度でも一時金を受け取ったら、その後脳卒中など他の三大疾病になっても給付されません。(まれに再発保障のある商品もあります。)
一方がん保険の場合、一時金を受け取った後でも保障期間内かつ条件(例えば「1年に1度まで」等)を満たせば、何度でも受け取れる商品がほとんどです。
三大疾病保険の必要性!日本人の半数以上が三大疾病で亡くなる
日本人の死因の半分以上が三大疾病となっています。
厚生労働省の最新(2019年4月現在)の発表データによると2017年度の死因順位は次の通りです。(厚生労働省発表データ)
死因 | 全死亡者に占める割合 | |
---|---|---|
1位 | 悪性新生物 (腫瘍) | 27.8% |
2位 | 虚血性心疾患 (狭心症・心筋梗塞) | 15.2% |
3位 | 脳血管疾患 | 8.2% |
三大疾病に罹患するリスクが高いということをお分りいただけることでしょう。
三大疾病は早期発見により、完治する可能性も今日では高まっています。
しかし治療費が高くて払えず、治癒できないというケースも少なくありません。
また治療のために収入が減少する可能性もあります。
三大疾病保険はまとまった一時金保障なので、そのような治療費が払えないリスクや収入の減少リスクなどをカバーできます。
三大疾病は医療費が高額になる可能性大
厚生労働省の最新(2019年4月現在)の発表によると2016年度の1入院あたりの平均医療費は次の通りです。(厚生労働省発表データ2)
病名 | 1入院にかかる 平均医療費 |
---|---|
悪性新生物 | 約73万円 |
虚血性心疾患 (狭心症・心筋梗塞) | 約78万円 |
脳血管疾患 | 約81万円 |
最近では通院で治療できるケースも増え治療費を抑えましたが、その治療費は高額です。
治療法によっては1回の通院で5万、10万とかかるケースもあります。
三大疾病保険のメリット・デメリット
三大疾病保険のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
メリット
- がん、心疾患、脳疾患、死亡・高度障害時を保障(がん保険より保障範囲が広い)
- 大きな一時金を準備できる
- 貯蓄性がある場合が多い(解約返戻金がある)
デメリット
- 支払要件が厳しいことが多い
- 重複して給付はされない(一度保険金を受け取ったら、保障は終了してしまうから)
- 入院・通院保障がない場合が多い
- 保険料が高い(がん保険と比較して)
メリットにある「貯蓄性がある」という特徴ですが、三大疾病保険は積立型であることが多く、仮に保障を使わなかった場合も完全に掛け捨てとはなりません。
またデメリットにある「支払要件が厳しい」という特徴については、加入前によく確認することをおすすめします。
具体的に例をあげると、
- 「がん」の場合…「上皮内癌、悪性黒色腫以外の皮膚がんは対象外」「責任開始日以降90日間は免責」等
- 「心疾患」の場合…「所定の状態が60日以上継続し、かつ労働の制限が必要と医師が判断した場合」等
- 「脳疾患」の場合…「言語障害や運動失調などの後遺症が60日以上継続した場合」、「くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞のみ対象」等
上記の例よりも要件を緩和している商品も出ていますが、万一、給付対象外ということになってはいけないので詳細を確認するようにしましょう。
三大疾病保険への加入がおすすめできる人とは?不要な人とは?
日本人の死因ワースト3を占めている三大疾病の保障として、三大疾病保険は一度は検討していただきたい保険です。
しかし、支払要件が厳しい、保険料が高い等、デメリットもあるので、不要だというファイナンシャルプランナーの方もいます。
ご家庭の考えや状況に適しているかどうか、必要性をよく見極めていただいた方がよいでしょう。
三大疾病保険の加入をおすすめするとしたら以下のようなケースです。
- 貯蓄型保険(貯蓄性のある保険)を好む人
- がん以外の疾病にも幅広く備えたい人
- 大きな一時金保障を準備したい人
保険は万一の時の安心のために準備するものです。
しかし三大疾病保険は終身タイプであり、貯蓄性がある分、決して安い保険とはいえないので、生活に支障のない範囲で準備されることをおすすめします。