更新日:2019/12/17
ボランティア活動には欠かせないボランティア保険とはどんな保険?
ボランティア活動を行う際に加入する「ボランティア保険」というものがあります。ボランティア保険とはボランティア活動中のケガや損害賠償責任を補償してくれるものです。ここではボランティア保険とはどのような保険なのか、加入方法や注意点などについて解説していきます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- ボランティア保険(ボランティア活動保険)とはどのような保険なの?
- ボランティア保険とはボランティア活動中のケガや損害賠償責任を補償する保険
- ボランティア活動中の本人のケガや死亡を補償
- ボランティア中に他人にケガをさせた際の損害賠償を補償
- ボランティア保険の対象となるものとならないもの
- 補償対象となるボランティア活動
- 補償対象外となるボランティア活動
- ボランティア保険への加入方法
- 市区町村の社会福祉協議会の窓口で手続きをする
- 保険料や保険期間について
- 「行事保険」はボランティア保険とは違うの?
- 行事保険は福祉活動やボランティア活動の主催者側が加入するもの
- 傷害補償や賠償責任補償の2つが補償される
- 参考:ふくしの保険(ボランティア保険やしせつの損害補償など)
- ボランティア保険とはどのような保険かのまとめ
目次
ボランティア保険(ボランティア活動保険)とはどのような保険なの?
ボランティア保険とはボランティア活動中のケガや損害賠償責任を補償する保険
ボランティア保険とは、ボランティアに行く前に加入する保険です。
この保険で補償する範囲とは…
- 自身の死亡・ケガ
- 相手の死亡・ケガ・財産への賠償責任
ボランティア活動中の本人のケガや死亡を補償
まずは、ボランティア保険の「本人の死亡・ケガ」の補償について、具体例を紹介します。
金額の幅は選択したプランにより変わりますので一般的なボランティア保険の紹介です。
補償内容 | 保険金額 |
---|---|
死亡 | 1,300~3,300万円 |
後遺症 | 後遺障の程度による 死亡保険金額の40~100% |
入院日額 | 5,500~12,000円 |
手術 | 入院保険金日額の10倍 55,000~120,000円 |
通院日額 | 3,000~7,000円 |
特定感染症による 後遺症・入院・通院 | 後遺障、入院日額、通院日額と同じ |
特定感染症による 葬祭費用 | 300万円を限度 |
ボランティア中に他人にケガをさせた際の損害賠償を補償
つぎに、ボランティア保険の相手への賠償責任の補償を紹介します。
補償内容 | 保険金額 |
---|---|
身体障害 財産損害 人格権侵害 | 1事故につき5億円を限度 |
人格権侵害とは、なじみがない言葉ですが、ボランティア活動で知ったことを周囲に話したことでプライバー侵害と訴えられたような場合を想定しています。
ボランティア保険の対象となるものとならないもの
ボランティアの場面とは、さまざまありますよね。
先ほど触れた災害ボランティアもそうですが、災害以外も活躍の場はあります。
例えば、高齢者や障がい者の生活支援のためのボランティア・環境保全のボランティア・町おこしのイベントのボランティアなどなど幅広くあります。
しかし、災害ボランティアは危険な地域に行くので、ボランティア保険の中でも天災プラン(コース)に加入しないと補償対象になりません。
どんな目的のボランティアなのかでプランには注意してくださいね。
補償対象となるボランティア活動
どのボランティア保険でも、「対象になるボランティア活動とは…」という項目で以下の項目を挙げています。
- 国内で、自発的な意思により他人や社会に貢献することを目的とする活動
- 無償の活動(交通費・食事代等の支給は無償でOK)
- 所属するボランティア活動団体等の会則に則り企画・立案された活動
- 法人格を有する非営利のNPO活動
- 社会福祉協議会(社協)の委嘱を受けているか社会福祉協議会に届け出た活動
これらが対象となるとしています。
ほとんどのボランティア活動がボランティア保険の対象になります。
ですが、心配な場合はお近くの社会福祉協議会というところに自身の活動が対象になるか聞いてみましょう。
補償対象外となるボランティア活動
ボランティア保険の対象外になるボランティア活動とは、下記のものです。
- 海難救助または山岳救助ボランティア活動
- 銃器を使用する獣害駆除ボランティア活動
- 野焼き・山焼きをおこなう森林ボランティア活動
- チェーンソーを使用する森林ボランティア活動
- インターンシップ等や資格取得を目指した活動
- 学校の管理下でおこなうボランティア活動
- 町内会・自治会・PTA等、会員の共通の利益、親睦を目的とした活動
- 企業等の営利活動の一環としておこなう活動
危険度が高い活動だったり、自己目的・営利目的のもの、有償のものが対象外になりますね。
この対象外に当てはまらないかよく確認しましょう。
ボランティア保険への加入方法
ボランティア保険の加入は社会福祉協議会で行います。
インターネットでは加入できないようです。
また、大規模災害特例が適用されれば、被災地でも加入することができますが、居住地での事前加入が望ましいです。
なぜならば、被災地は混乱状況です。
なるべく居住地の社会福祉協議会で加入手続きを済ませましょう。
市区町村の社会福祉協議会の窓口で手続きをする
社会福祉協議会とは、まちの福祉向上のための組織です。
ボランティア保険に加入する場合は、居住地の市区町村の社会福祉協議会に行くようにしましょう。
市区町村社会福祉協議会とは、地域の最前線で福祉を支えている組織です。
高齢者や障害者の在宅生活を支援するために、訪問介護や配食サービスなどの福祉サービスをおこなっています。
地域のボランティア活動に関する相談や活動先の紹介としての役割も果たしています。
ボランティア保険に加入するには、この社会福祉協議会へ行き、申請用紙に必要事項を記入し、保険料を銀行または郵便局で振り込めば完了です。
保険料や保険期間について
- 基本コースは250円~700円
- 天災コースは600円~1,400円
「行事保険」はボランティア保険とは違うの?
「ボランティア保険」と「行事保険」は違います。
どちらも社会福祉協議会で加入できますが、違うものです。
「行事保険」とはボランティア活動やお祭り・イベントなどの主催者が参加者のために加入するものです。
「ボランティア保険」とは、個人でボランティア活動の際の事故をから補償してもらうために加入するものです。
「行事保険」とは主催者が加入する。
「ボランティア保険」とは個人が加入する。
と覚えおきましょう。
行事保険は福祉活動やボランティア活動の主催者側が加入するもの
ボランティア活動を主催してイベントを行う場合は、行事保険に加入するようにしましょう。
イベントを主催するとリスクがいっぱいです。
- テントが風であおられて参加者にあたり大怪我!
- 自然観察会の引率中に子どもが怪我!
- お祭りで提供した食事により参加者が食中毒!
傷害補償や賠償責任補償の2つが補償される
社会福祉協議会の所在する都道府県によっては違いがありますが、基本的に同じです。
その中でも「宿泊があるプラン」と「宿泊がないプラン」に分かれています。
また「宿泊がないプラン」の中でも2つに分かれています。
表にしてみますので、ご覧ください。
宿泊がないプラン | 保険料 |
---|---|
あまり危険のない行事 (盆踊り等) | 1日28円/人 (最低加入人数20名) |
ちょっと危険な行事 (運動会など) | 1日126円/人 (最低加入人数20名) |
宿泊があるプラン | 保険料 |
---|---|
1泊2日 | 210円/人 |
2泊3日 | 259円/人 |
3泊4日 | 264円/人 |
4泊5日 | 312円/人 |
5泊6日 | 317円/人 |
6泊7日 | 322円/人 |
つづいて、補償額について解説します。
補償額は「宿泊あり」も「宿泊なし」も同じです。
補償項目 | 保険金額 |
---|---|
死亡 | 500万円 |
後遺障害 | 500万円(限度額) |
入院日額 | 3,500円 |
通院日額 | 2,200円 |
手術費用 | 手術によって入院日額の 10倍、20倍、40倍 |
対人事故 | 1名1事故2億円(限度額) |
対物事故 | 1事故1,000万円(限度額) |
参考:ふくしの保険(ボランティア保険やしせつの損害補償など)
ふくしの保険とはボランティア活動する人や社会福祉施設向けの団体保険制度です。
ふくしの保険では、ここまで解説してきたボランティア保険だけではなく様々な社会福祉に関する保険を用意しています。
- ボランティア活動保険
- ボランティア行事用保険
- 福祉サービス総合補償
- 送迎サービス補償
この他にも、社会福祉施設向けですが…
- しせつの損害補償
- 保育所の損害補償
ボランティア保険とはどのような保険かのまとめ
ボランティア活動に行く場合も、イベントを主催する場合も、お住いの社会福祉協議会で保険に加入できることがわかりましたね。
保険料も高いわけではないので、入るほうが安心して活動できます。
自分自身のためだけではなく周囲の人のためにも加入しましょう。
下記の3点を中心に解説してきました。
- ボランティア保険とは?
- 行事保険とは?
- それぞれの加入方法と補償内容とは?
この他に、ほけんROOMでは読んでおきたい保険に関する記事を厳選して掲載中です。
ボランティアつながりからだと、地震保険などに関する記事がおすすめです。
この機会に、考えてみませんか?ぜひ、ご覧になってみてください。
阪神大震災以降、日本でも少しずつボランティアが定着してきたのではないでしょうか。東日本大震災の際には、発災した平成23年の1年間だけで95万人以上のボランティアが被災地で活躍しました。
しかし、ボランティア活動は崇高ではありますが、危険がいっぱいです。「〇〇市にボランティアに行った△△さんが半壊の住宅が崩れ落ちるのに巻き込まれ全治□ヶ月のケガを負いました…」というニュースを目にしますよね。
また、ボランティアに行き善意で活動していても自身の行動で周囲の人をさっきのニュースのような事故に巻き込んでしまったら…賠償の問題も発生します。
そのようなときに検討したいのがボランティア保険。しかし、活動内容によっては補償の対象にならない場合もあるのです。
そこで、この記事ではボランティア保険について
について解説します。
とても自分だけではなく周囲の人も守ることにつながる大切なことなので、ぜひ最後までご覧ください。