更新日:2020/03/07
愛知県で地震が少ない理由って?愛知県の地震の特徴と対策を解説
2018年に愛知県を震源とした地震が発生、巨大地震へ不安を感じている方も少なくないでしょう。南海トラフ地震が起きると言われていますが、災害への備えはできていますか?今回は、愛知県付近で過去に起きた地震・今後の被害想定から地震保険の必要性や地震対策を解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 愛知県で地震が少ない理由とは?特徴と地震対策を解説
- 愛知県で地震が少ない理由とは
- 愛知県の地震活動の特徴
- 愛知県で地震が発生する確率
- 2018年に愛知県で起きた地震の情報
- 2018年4月:愛知県西部で震度4、M4.6
- 2018年10月:愛知県東部で震度4、M5.1
- 南海トラフ沖地震の被害予測
- 愛知県で過去に起きた地震から被害を予測
- 愛知県で大地震がおきたら?愛知県の被害想定を解説
- 愛知県に大地震がくる前に!やっておきたい地震対策をご紹介
- 火災保険・地震保険に加入しよう
- 愛知県のハザードマップを確認しよう
- 家具や家電を固定しよう
- まとめ:愛知県の大地震に備えて事前準備を徹底しよう
目次
愛知県で地震が少ない理由とは?特徴と地震対策を解説
気象庁によると、1923年~2017年までに愛知県で発生した震度5以上の地震はわずか3回でした。
全国的に見ても大きな地震の少ない愛知県ですが、今後も大地震は来ないかどうかというのは気になるところですよね。
最近話題となっている「南海トラフ地震」は本当に起こるのか、起こるとしたら愛知県にどのくらいの被害があるのか不安に思う方もいると思います。
そこで、この記事では愛知県における地震の危険性と備えについて、
- 愛知県で地震が少ない理由
- 2018年に愛知県で発生した地震
- 南海トラフ地震はいつ起こり、愛知県にどのような影響があるのか
- 愛知県で大地震に備えるために必要なこと
- 少ない出費でできる地震対策
以上のことを中心にお伝えしていきます。
この記事を読むことで、愛知県に大地震が発生する可能性や、万一の事態へしっかり備えられる方法について理解していただくことができると思います。
ぜひ、最後までご覧になってください。
愛知県で地震が少ない理由とは
およそ90年間、愛知県は全国的にみれば大きな地震が少ない地域と言われています。
とはいえ単に「地震が少ないから」という理由でこれからも絶対に大きな地震がこないと断言はできません。
こちらでは、愛知県の地震活動の特徴や、今後愛知県で地震が発生する確率について解説します。
愛知県の地震活動の特徴
愛知県は地震が少ないと言われています。
しかし、いったん大きな地震が起これば、短い間隔で地震が頻繁するという特徴もあります。
西暦に分け、愛知県へ被害を及ぼした地震についてみてみましょう。
①1600年代後期~1700年代前期
西暦 | 地域(名称) | マグニチュード |
---|---|---|
1685年 | 三河 | 不明 |
1686年10月3日 | 遠江・三河 | 7.0 |
1707年10月28日 | 宝永地震 | 8.6 |
1718年8月22日 | 信濃・三河 | 7.0 |
②1800年代中期~1800年代後期
西暦 | 地域(名称) | マグニチュード |
---|---|---|
1854年12月23日 | 安政東海地震 | 8.4 |
1854年12月24日 | 安政南海地震 | 8.4 |
1891年10月28日 | 濃尾地震 | 8.0 |
③1900年代中期
西暦 | 地域(名称) | マグニチュード |
---|---|---|
1944年12月7日 | 東南海地震 | 7.9 |
1945年1月13日 | 三河地震 | 6.8 |
1945年12月21日 | 南海地震 | 8.0 |
④2000年代
西暦 | 地域(名称) | マグニチュード |
---|---|---|
2004年9月5日 | 紀伊半島南東沖 | 7.4 |
2009年8月11日 | 駿河湾 | 6.5 |
こうみてくると1回大きな地震が起きれば、およそ1年~40年間に3.4回ほど大きな地震発生のあることがわかります。
2000年代には2回大きな地震が起きていますので、「当分の間は地震が来ない。」という油断は禁物です。
愛知県で地震が発生する確率
愛知県周辺の主要活断層帯・海溝で発生する地震のうち高確率なのは、やはり「南海トラフ地震」です。南海トラフとは、四国の南の海底水深4,000m級の深い溝のことです。
ここを震源として30年以内に発生する確率は、マグニチュード8~9の地震で70%~80%となります。まず地震が確実に発生するとみて間違いないでしょう。
愛知県内で揺れやすい地域は県西部(一宮市・稲沢市・あま市等)や、湾岸地域があげられます。
また、地震の揺れによる地面の液状化現象が起こりやすいのは、あま市、津島市、西尾市等を言われています。
特に、湾岸地域は地震による津波被害も想定されるので十分注意する必要があります。
2018年に愛知県で起きた地震の情報
愛知県は比較的地震が少ない県とお伝えしましたが、2018年中に愛知県内ではどのような地震が発生しているのでしょうか?
愛知県は大地震が少ないものの、通常レベルの地震はときどき発生しています。
その中から、あなたも覚えているかもしれない「震度4」という比較的大きな地震を振り返っていきましょう。
2018年4月:愛知県西部で震度4、M4.6
2018年4月14日午後3時13分ごろ、マグニチュード4.6の地震が発生しました。この地震の震源地は愛知県西部で、震源の深さは約10キロです。
西尾市・高浜市・幸田町で震度4の揺れを観測しましたが、この地震により津波は発生していません。
このとき、揺れる前に「ゴー」という大きな地鳴りが聞こえたという証言が多数上がっています。
なお、愛知県西部ではこの日の午前10時36分と午後1時51分にもマグニチュード3クラスの地震が発生しています。
2018年10月:愛知県東部で震度4、M5.1
半年後の2018年10月7日午前10時14分ごろ、マグニチュード5.1の地震が発生しました。震源地は愛知県東部で、震源の深さは約40キロです。
長野県根羽村などで震度4、豊橋市・新城市・田原市・名古屋市などで震度3の揺れを観測しました。こちらの地震も津波は発生していません。
このときも揺れる前にかなり大きな地鳴りが聞こえ、恐怖心を覚えた方が多かったようです。4月の地震も10月の地震では、新幹線が停止するなど交通機関に影響も出ました。
南海トラフ沖地震の被害予測
ここまでは、2018年に愛知県で起きた地震を振り返っていきました。「少ない被害で今のところは済んでいる。」と、安心している人もおられることでしょう。
しかし、海沿いに住む愛知県民がもっとも気になるのは、冒頭でお伝えした南海トラフ地震なのではないでしょうか。
これは静岡県から九州沖に伸びるプレートの境界線である「南海トラフ」が震源となる巨大地震のことです。
南海トラフ沿いではマグニチュード8の大地震が100~200年間隔で発生し、今後30年以内に同様の地震が起きる確率は70~80%と言われています。
この大地震が起これば、とても少ない被害では済まない事態となるはずです。
ここからは「もし南海トラフ地震が起きたら愛知県はどうなるのか」ということを、
- 愛知県で過去に起きた地震
- 県が発表した被害の予測
この二つの点から考察していきたいと思います。
愛知県で過去に起きた地震から被害を予測
江戸時代後期の1854年12月23日、南海トラフ地震の一つである「安政東海地震」が発生しました。この地震では、静岡県で最大震度7・和歌山県で22.7mの津波を記録しています。
愛知県内でも震度6が観測され、 名古屋城や城下では建物も破損倒壊して4人が圧死しています。また、地震による堤防決壊と津波の河川逆流で、家屋4,081軒が流失または倒壊しました。
なお、安政東海地震の147年前である1707年10月28日には日本最大級ともいわれる「宝永地震」が起こり、岡崎市で震度5~6を記録しています。
安政東海地震から164年が経過した今、次に起こる南海トラフ巨大地震はさらに規模が大きくなることも予想されています。
愛知県で大地震がおきたら?愛知県の被害想定を解説
愛知県はマグニチュード9の南海トラフ地震が起きた場合の被害を、以下のように想定しています。
- 愛知県内の死者…最大約2万9,000人
- 全壊・焼失する建物被害…約38万2,000棟
- 直接的経済被害額…最大約13兆8,600億円
- 企業の生産活動の低下など間接的経済被害額…約3兆円
死者は建物倒壊などで約1万4,000人、津波や浸水で約1万3,000人。建物被害は、揺れで約24万2,000棟、津波や浸水で2万2,000棟としました。
愛知県は、建物の100%耐震化や早期避難の徹底などの対策を講じることにより、死者数や建物の全壊が約6割減らせると指摘しています。
愛知県の予測は国の地震・津波モデルに、県内の地盤などの情報を盛り込んで独自に分析したものです。
愛知県に大地震がくる前に!やっておきたい地震対策をご紹介
ここまでは南海トラフ地震発生時、愛知県で想定される被害についてお伝えしてきました。
被害が少ないどころか、思った以上の大惨事が予測されていて、驚いた方もいるのではないでしょうか。
南海トラフ地震はとても大きな被害を及ぼすことになるでしょう。しかし、できるだけ少ない被害に抑える対策は、今からでも十分行えます。
愛知県の皆さんが今のうちに巨大地震へ備えるため、具体的にどんな対策をすれば良いのでしょうか。
こちらでは
- ハザードマップの確認
- 火災保険・地震保険への加入
- 家具・家電を固定
を解説します。
火災保険・地震保険に加入しよう
ハザードマップを活用して生命を守るのはもちろんのこと、地震保険へ加入して地震による経済的損失に備えておくのも大切なことです。
ただし地震保険は単独で加入できず、火災保険とセットで加入する必要があります。セットで契約するので少ない保険料負担とはいえません。
しかし火災保険だけでは「地震による損害」が免責事項の一つとされており、たとえ地震や津波で自宅が倒壊・浸水しても補償することはできません。
東日本大震災や熊本地震で多く起こった二重ローン問題の救済策も十分といえず、今も経済的に苦しむ被災者が少ないわけではありません。
※二重ローン問題とは、「災害などで被害を受けた住宅などのローン」に加え、「再建のためのローン」も発生することで二重の借入金が発生し、被災者の生活復旧に支障をきたす問題のことです。
なお、2019年1月の地震保険料改定で、愛知県の保険料はおよそ15%の値下げとなっています。
今後、愛知県が「地震リスクが高い地域」と評価されれば保険料は上がりますので、今のうちに加入しておくのが得策といえます。
愛知県のハザードマップを確認しよう
ハザードマップ(被害予測地図)とは、自然災害の被害を予測して地図にしたものです。
地図上には、以下のような情報が掲載されています。
- 予測される災害の発生地点
- 被害の拡大範囲および被害程度
- 避難経路
- 避難場所
お住まいの市区町村ホームページで公開されていますので、ぜひ自宅や勤務地の区域についての情報を家族で共有しておきましょう。
ハザードマップを利用することによって、災害発生時に迅速で的確な避難を行うことができ、二次災害を防ぐこともできます。
家具や家電を固定しよう
家具や家電を固定するメリットは、かなり大きな揺れでも人へ倒れるリスクを予防し、居住者の窒息・圧死を回避する点にあります。
一度、ご家庭の各部屋の家財位置や固定方法をチェックしてみましょう。固定するには次の方法があります。
①家具転倒防止グッズで固定
- 本棚
- ドレッサー
- 食器棚:ガラス張りならガラス飛散防止フィルムも貼る
- 冷蔵庫
②ガラス飛散防止フィルムで固定
- 窓ガラス
- 扉
- テレビ
- パソコン
- プリンター
これら地震対策グッズで固定・補強しておけば、少ない被害で済むことが期待できます。しかし、地震対策グッズは高額な商品と言えません。
100円ショップでも地震対策グッズは販売されています。少ない出費で大きな安心を得ることができるのです。
その他、壁掛け時計や額、照明等は簡単にはずれないよう、しっかりと固定するのが適切です。
まとめ:愛知県の大地震に備えて事前準備を徹底しよう
愛知県における地震の危険性と備えについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは、
- 愛知県は大地震は少ないものの、震度4の地震はときどき発生している
- 南海トラフ地震は今後30年以内に起こる可能性が高く、愛知県への大きな被害が予想される
- 大地震に備えてハザードマップを確認し、火災保険・地震保険に加入する
- 家具や家電を固定すれば人に倒れてくる恐れが少ない。事前の対策を心がける
以上3つのことでした。
2019年2月8日、 南海トラフ地震発生の仕組みを研究する「海洋研究開発機構」が、プレート境界線の掘削調査を断念したという発表がありました。
また、東海地方では2月3日から少なくとも6日まで、最大マグニチュード5.9の深部低周波地震の継続が観測されています。
南海トラフ地震がいつどのような規模で起こるかは予想できませんので、ぜひ今のうちに万全な備えをしておきましょう。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。