保険会社の余剰金・三利源の意味とは?各会社の開示状況まとめ!

保険会社の利益の源泉、三利源の意味とは?

三利源とは、保険会社の主な収入源です。
その要素は「利差益」・「費差益」・「死差益」で構成され、この三つをまとめて三利源と呼びます。

三利源の1番目、利差益とは、「利差」によって発生する利益のことです。

利差とは、契約者に約束した予定利率で保険料を運営した場合の想定運用利益と、実際の運用収入で得た利益との「差」のことです。

三利源の2番目、費差益とは、「費差」によって発生する利益のことです。

費差とは、保険会社として事業をするために使うと予定した費用と、実際に使用した事業費との「差」のことです。 

三利源の3番目、死差益とは、「死差」に関係して発生する利益のことです。

死差とは、厚生労働省省が発表している契約者の性別・年代の死亡率から算出した契約者の予定死亡者数と、実際に死亡した契約者の人数との「差」のことです。  それによって契約者らへの保険金の支払額が上下します。

それぞれの項目でこの差が、保険会社にとってプラスになったときに「三利源で差益が出た」という言い方をします。

各生命・損害保険会社の三利源の開示状況は?

各保険会社の三利源の開示状況の調査結果について記載を致します。
三利源詳細データは下記となりますので、ご参考ください。

各社の三利源データ内訳(単位:億円)
保険会社利差益費差益死差益
年度
ライフネット生命 
0.08▲27.5226.23
2017年
三井生命▲426.847.20735.642016年
 明治安田生命
2,2253522,8892017年
アフラック925702,0902017年
▲はマイナス(差損)を表します。

利差益は「約-400億+2,000憶円」と、かなり開きがあります。

予定利率で資産運用を行って得るはずの金額と同等の運用益を実際に獲得することが難しい保険会社とそうでない保険会社があるのが伺えます。

費差益は「約-30億から+570億円」です。 保険会社によってかなりの差が発生しているのがわかります。

死差益は全ての保険会社でプラスとなっています。 保険会社が算出した死亡率データ以上の死亡者数とならなかったのがわかります。

三利源配当タイプの生命保険とは?

生命保険には、配当金ありの保険と配当金なしの保険があり、配当あり保険には、「利差配当タイプ」と「三利源配当タイプ」があります。


三利源配当タイプは、決算時に予定死亡率、予定利率、予定事業費率から導いた予測から得られるはずの金額と実際に発生した金額との差(三利源)により剰余金が発生したときに、配当金の受け取りが可能な保険のことです。


配当金の支払いを毎年分配する「毎年配当型」が多くの保険会社で採用となっていますが、3年毎配当型の配当金支払いタイプを扱う保険会社もあります。


尚、この三利源配当タイプの保険では、三利源で利差が発生しなかった場合は、配当がもらえません。


この先の運用益が確実に見込める場面などでは、三利源配当タイプの生命保険を貯蓄とみなして使うこともできます。

ランキング

  • 既往症

    既往症:既往症・既往歴とは、過去の病気やケガの事を言いますが、厳密には異なっ...

  • 告知義務違反

    告知義務違反:告知義務違反とは、保険を申し込むとき、保険会社が承諾するかどう...

  • 契約日

    契約日:保険の契約日(契約締結日)とは、契約者と保険会社が保険契約を交わした...

  • 責任開始日

    責任開始日:保険の責任開始日とは、保険会社が契約上の責任(保険金の支払い)を...

  • 重要事項説明書

    重要事項説明書:保険の重要事項説明書とは、①「契約概要」②「注意喚起情報」③...