純保険料と付加保険料の意味とは?保険料の仕組みと割合を解説!

純保険料と付加保険料の意味とは?

純保険料と付加保険料は、保険料(正式:営業保険料)の内訳を表す時に使われる保険の専門用語です。

純保険料とは、保険金・給付金の支払いに使用される保険料のことです。リスクへの保障を確実に実行するために利用される保険料となります。

一方、付加保険料とは、保険会社の運営のために必要な保険料のことです。保険会社が保険のCMや契約手続きにかかる人件費や広告費用を補うために上乗せしている保険料です。

損害保険の保険料も純保険料と付加保険料に分けられます。純保険料の算出方法には若干の違いがありますが、付加保険料については同じです。

保険の加入者が支払う保険料のことを営業保険料と言いますが、純保険料だけでなく純保険料と付加保険料とを合計した額を営業保険料と言います。

※国民年金基金で支払う付加保険料(付加年金)の意味とは異なります。

生命保険の営業保険料のうちの純保険料と付加保険料の割合は?

加入者にとっては、純保険料に対する付加保険料の割合が小さい方が望ましいですが、実際の純保険料と付加保険料の割合はどのようになっているのでしょうか。

純保険料・付加保険料それぞれの算出方法は、3つの保険料基礎率(予定死亡率または予定損害率・予定利率・予定事業比率の3つの率)から算出されます。

純保険料の計算方法はどうなってる?

純保険料は算出するための計算方法が決まっています。 


生命保険の場合は、年齢や性別ごとの死亡率・病気率(予定死亡率)と運用の利率(予定利率)によって適切な純保険料が計算されます。 


予定死亡率の自体は、生命保険標準生命表と呼ばれ、公式団体(日本アクチュアリー会)が発表している資料に基づいています。


損害保険の場合(予定損害率)は、年齢・性別に加え、過去の事故の発生歴、その他の統計情報も加味されて計算されます。


例えば自動車保険では、車両ごとに設定された料率クラスによって保険料率が変わり、純保険料額が変動するというシステムになっています。 


つまり、計算方法の決まっている純保険料は会社によって差がないことがほとんどです。

付加保険料の料率は保険会社ごとに差がある

付加保険料は、予定事業比率に基づき、保険会社ごとに決められます。


よって、営業保険料の割合は付加保険料によって異なるのです。


3つの保険料基礎率のうちの、予定利率と予定事業費率の2つが付加保険料を決める料率です。


ただし、基本的に付加保険料の割合は多くの保険会社で公表されていません。


保険料の割合を全て公開しているライフネット生命の発表では、付加保険料額は3割弱から4割の間にありますが、中には付加保険料が5割近くを占め、純保険料と付加保険料がほとんど同じという会社も存在すると言われています。

付加保険料に含まれる費用の内訳は?

付加保険料は保険会社によって異なるのですが、ではその内訳はどのようになっているのでしょうか。

付加保険料には具体的に以下のものが含まれます。
  • 新規契約の獲得のための広告費
  • 保険契約をする営業マンの人件費
  • 保険金支払いや問い合わせに対応する人件費
  • 保険料を回収するための諸手数料
  • 保険契約を管理するための費用

付加保険料率は保険会社の裁量で決められますが、保険会社は付加保険料の費用を定期的に金融庁に報告する仕組みになっています。

保険会社は、自助努力により付加保険料の割合を少なくし、保険料を割安に設定しようと努力しているのです。

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