標準下体(条件体)の意味とは?目的や定義・規定基準を解説

生命保険の標準下体(条件体)の意味とは?

標準下体(条件体)とは、標準体(健康体)よりも引き受けリスクが高いため、通常の保険契約では加入を拒否される被保険者のことをいいます。 

標準下体は、告知事項からみて身体的・職業の面でマイナスな部分があり、標準体の基準に満たさない被保険者です。

標準下体の被保険者でも特別条件(保険料の割増・保険金の減額・部位不担保など)をつけることで生命保険に加入できます。

標準下体よりも、引き受けリスクが高い場合は、延期体や謝絶体と言われ、保険契約自体が拒絶されます。

保険会社は、保険の公平性を維持するために、引き受けリスクの高い危険選択を回避しているのです。

生命保険の標準下体に定められる条件体の定義とは?

条件体の定義とは、各保険会社が定める標準体の危険度を上回り、標準下体とみなされた被保険者が、生命保険の加入に際して通常の条件では加入を拒否されるため、特別な条件(保険料の割増・保険金の減額・部位不担保など)をつけることにより、加入の対象者になり得る被保険者を指します。


保険会社は契約者・被保険者の告知書、診査医や生命保険面接士の診査などよって、健康上の危険環境上の危険道徳上の危険(モラルリスク)などの観点から、標準体・標準下体・謝絶体に分類し危険選択を行います。


  • 健康上の危険:告知書・人間ドック成績表・健康診断結果通知書や生命保険面接士・医師の審査報状をもとに、被保険者の体格・既病歴・身体障害の状況などの点から判断されます。
  • 環境上の危険:現在の職業や仕事内容から判断されます。危険度の高い職業ほど保険加入の際に制限されます。危険度の高い職業:高所作業員・職業運転士・漁船乗組員・プロボクサーなど。
  • 道徳上の危険:不正に保険金や給付金を得ようとするものを防ぐため、契約内容登録制度や契約内容照会制度などさまざまな対策を実施しています。これらにより過去に他の生命保険会社で給付金の不正請求の有無等により判断されます。
条件体の被保険者はこれらによって判断された、危険度の度合いに合わせた特別条件が課せられます。

生命保険の標準下体でも加入できる標準下体保険とは?

標準下体保険とは、標準下体の被保険者を対象にした保険であり、特別条件を付加して加入を認める保険を指します。


特別条件として、保険料の割増・特定部位不担保・特定疾患不担保・保険金の削減などがあります。これらは契約者間の公平性を確保するために存在します。


  • 保険料の割増:通常の保険料に対し、保険会社が定める特別保険料を上乗せして支払うことをさします。この特別保険料の金額は危険度の程度や種類によって異なります。
  • 特定部位不担保:特定の部位については、保険会社が定める期間中は保障されないことをさします。
  • 特定疾患不担保:特定の疾患については、保証対象外にすることをさします。
  • 保険金の削減:保険会社が定めた保険金削減の期間中に死亡または高度障害状態となった場合、一定額の削減を受けた保険金が支払われることをさします。


特別条件はの審査・判断の基準は、保険会社ごとに異なります。また、同じ保険会社であっても保険の種類によって異なるため、一つの会社や保険でなく、いくつかの保険を比較することが大切です。

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