住宅ローンの保険、団体信用生命保険とは?告知審査や保険料金額は?
更新日:2019/06/03
団体信用生命保険とは?がん団信とは?
団体信用生命保険に入れない場合は?加入条件を解説
団体信用生命保険は通常の生命保険と比べ、告知項目が少なく、比較的加入しやすくなっています。
しかし、既往症を持っていたり、糖尿病などの生活習慣病を発症している場合は診断書の審査で保険契約が認められない場合もあります。
加入のために年齢条件がついているものもあり、例えばフラット35の団信は満15歳以上満70歳未満が条件となっています。
団体信用生命保険加入ができなかった場合、住宅ローンの審査にも通らなくなってしまいます。(フラット35は団信に加入できなくても契約できます)
そこで団体信用生命保険に加入する際に必要となる告知内容について確認してみましょう。
団体信用生命保険で必要な告知内容とは?告知書はどんな?
団体信用生命保険の告知項目は大体が以下のような内容となっています。
1.最近3ヶ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるか?
2.過去3年以内に下記に該当する病気で手術を受けたことがあるか?
または2週間以上にわたって医師の治療・投薬を受けたことがあるか?
3.手・足の欠損または機能に障害があるか?または脊骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害はあるか? (ある場合はその詳細)
要約すると、健康状態に問題はないかを医師の治療・投薬の有無で確認しているのです。
その他にも、過去に以下のリストにある病気を患った経験がある人はそのことを団体信用生命保険の契約時に申告する必要があります。
- 狭心症、心筋こうそく、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、先天性心臓病
- 脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)、脳動脈硬化症
- 高血圧症、糖尿病、こうげん病、リウマチ、貧血症、紫斑病
- 慢性気管支炎、ぜんそく、肺結核、気管支拡張症、肺気腫
- 胃かいよう、十二指腸かいよう、かいよう性大腸炎、すい臓炎、クローン病
- 肝炎、肝硬変、肝機能障害
- 腎炎、ネフローゼ、腎不全
- 緑内障、網膜の病気、角膜の病気
- ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
- 精神病、神経症、総合失調症、てんかん、うつ病、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
- 子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫
あくまで一例ではありますが、大体が上記のような内容となっています。
団体信用生命保険の告知審査の仕組みは?どこまで調べる?
もし告知項目に該当するものがあったとしても、必ずしも団体信用生命保険の審査に落ちるわけではありません。
例えば風邪をひき、治療を受けた場合も該当しますので、1の項目で「あり」と答え、それでも団体信用生命保険の審査に通った方も多くいます。
通院歴がある方も告知が必要です。
また2に該当する場合は、健康診断書の提出などによって具体的な病状などを個別に審査され、その内容によって加入できるかどうかが決まります。
告知義務違反を行うと仮に加入できても、保険詐欺が発覚すると保険金が支払われないので正直に告知することが重要です。
団体信用生命保険とフラット35がセットに
フラット35とは固定金利が特徴の住宅ローンですが、平成29年10月1日以降に申し込んだ場合は団体信用生命保険とセットの加入が可能になりました。
大きく変わったのはその保障内容と保険料です。
①保障内容について
フラット35の団体信用生命保険には
- 機構団体信用生命保険
- 3大疾病付機構団体信用生命保険
の2つがあり、新制度となって保障内容が拡大しました。
具体的には下記表のとおりです。
旧制度 | 新制度 | |
---|---|---|
機構団信 | 高度障害保障 死亡保障 | 身体障害保障 死亡保障 |
3代疾病付機構団信 | 3大疾病保障 高度障害保障 死亡保障 | 介護保障 3大疾病保障 身体障害保障 死亡保障 |
②保険料について
これまでフラット35は任意で団体信用生命保険の加入を決めることができ、加入した場合は年払いで団信特約料を支払わなければいけませんでした。
特約料は住宅ローンの残高に応じて決められるため、 これまでは団体信用生命保険の契約初年度は特約料として数十万円もの保険料を払う必要がありました。
ですが新制度ではローンに団信特約料が上乗せされるようになったため、初年度に特約用を払う必要がなくなり、手軽に団体信用生命保険に加入できるようになりました。
団体信用生命保険の年齢ごとの月々の保険料の金額の目安は?
団体信用生命保険は基本的に銀行が費用を負担し、その場合の負担額は0円です。
もしくは住宅ローン金利に上乗せされるケースもあります。
例えば新しくなったフラット35では団体信用生命保険の特約料として住宅ローンに0.28%の金利を上乗せされています。
団体信用生命保険の中には、がん保障特約や3大疾病保障特約、8大疾病保障特約、11疾病保障特約といった上乗せ保障ができるものもあります。
もし保障を上乗せする場合は、金融機関毎に異なりますが、大体ローン金利に0.2%~0.3%ほどの金利ぶんを追加して払うことになります。
生命保険の場合、年齢が老いるほど保険料が高くなるものですが、団体信用生命保険は年齢は関係ありません。
補足ですが、保険料の負担がない場合、住宅ローン支払いが免除となる条件が厳しくなります。
金利や特約料などに目を奪われがちですが、負担が0でも万一の時に利用できないのでは意味をなしません。
事前に住宅ローン支払い免除となる条件(団体信用生命保険の保障内容)をしっかり確認しておきましょう。
団体信用生命保険も年末調整で保険料控除の対象?
結論から言うと、団体信用生命保険は保険料控除の対象とはなりません。
年末調整の生命保険料控除とは、保険金受取人が保険料を支払っている本人・配偶者や親族の生命保険契約等を対象とし、月払いや年払いしている保険料の一部を控除できます。
しかし団体信用生命保険は、住宅ローンを返済している不特定多数人が保険料を支払っているため、個人の保険料控除の対象とはならないのです。
そのため、団体信用生命保険に加入したとしても、生命保険料の控除証明書が発行されることはありませんので、ご留意ください。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの支払い期間中に契約者が死亡、もしくは高度障害となった場合、住宅ローンの残高と同額の保険金が支払われる保険契約です。
団体信用生命保険は、残っている住宅ローンの年数に比例して保険料が高くなり、住宅ローンを返済していくにつれて保険料が減っていきます。
契約に規定された保険事故がない限り保険金は下りないため、病気やケガで休職した場合でも保険料を引き続き支払う義務があります。
また、団体信用生命保険に似たものとして、平成29年10月1日より、フラット35に団体信用生命保険が付いた住宅ローンが販売されています。
これには団体信用生命保険にはがんなどの三大疾病、さらには糖尿病や高血圧性疾患などの八大疾病も保障する特約をつけられます。
病気で働けなくなった場合に医療費を捻出し、保険料を払い続けられるようにするためです。
がんの保障もついた団体信用生命保険は、がん団信と呼ばれています。