保険料とは何か?保険金との違い・保険料の仕組み・計算方法を解説
更新日:2019/03/25
保険料とは?誤解しやすい保険料と保険金の違い
生命保険や損害保険の「保険料」とは、正式には「営業保険料」と言い、保険契約者が保険会社に支払うお金のことを言います。
よく間違えやすい言葉に「保険金」があります。保険金とは、保険会社から保険の契約に基づいて、受取人に払われるお金の事を言います。
延滞料や手数料など、「○○料」は支払うお金であることから、保険料は「支払うお金」、保険金は「受け取るお金」と把握しておくと誤解しないでしょう。
共済でいう保険料は「掛け金」とも呼ばれています。また、保険金にあたるものが「共済金」です。
社会保険料、健康保険料、介護保険料などがあります
保険料は、生命保険・損害保険の場合だけでなく、健康保険料や介護保険料など社会保険の場合にも用います。
社会保険料の種類は主に下記のものがあります。
保険料 種類 | 詳細 |
---|---|
健康保険料 | 国民皆保険制度のうち、 国民健康保険に加入するために支払う保険料 被扶養者は保険料の支払いを免除される |
介護保険料 | 介護保険制度のため、 満年齢40歳以上の男女が支払う保険料 |
国民年金 保険料 | 公的年金制度のため、 満年齢20歳以上の男女が支払う保険料 |
厚生年金 保険料 | 公的年金制度の2階建てにあたり、 企業の社員が積み立てる保険料 |
その他 | 労災保険料、雇用保険料..など |
一方で、健康保険料や介護保険料は、保険料率が年齢ごとに定められています。保険料率とは、保険金額や期間、年齢、支払い方法によって割合が変わる保険料のことを言います。
保険料の仕組みとは?どうやって計算されているか簡単に説明!
保険料は、予定利率、予定事業費率、予定死亡率の3つから計算されています。
各用語の意味は以下の通りです。
用語 | 説明 |
---|---|
予定利率 | 保険会社があらかじめ予想している 運用利回りのこと |
予定事業費率 | 保険会社が運営するために あらかじめ保険料の中に 組み込まれている必要費用のこと |
予定死亡率 | 過去の統計をもとに、性別・年齢ごとに 算出した死亡率のこと |
保険料を算出するこの3つの率を合わせて、保険料基礎率と呼びます。
予定利率や予定事業率、予定死亡率はある程度変動しますので、大きく変動があった際には4月に保険料が改定される場合があるので、注意する必要があります。
2018年度は死亡率の低下(長寿化)、利回りの低下(低金利)により、死亡保険では保険料が安くなり、学資保険などの貯蓄性保険では保険料が高くなりました。
年度末や年度初めの保険料率の改定には要チェックです。
各家庭の生命保険料の平均・相場はどのくらい?
生活保障に関する調査を平成28年に生命保険文化センターが実施したところ、一世帯あたりの年間平均相場は年収によって差がでます。
年収300万円未満ですと月額平均1.27万円程度で、年収300~500万円未満ですと月額平均1.48万円程度になっており、年収500~700万円未満ですと月額平均1.73万円程度となります。
年収700~1,000万円未満は、月額平均1.99万円程度で、年収1,000万円以上ですと、月額平均2.52万円程度です。
家族を養う責任の大きい30~50代の男性が高額な保険に加入している傾向があります。
平均値で、月収の約3~6%程度を保険料として支払っているご家庭が多いです。
家族構成や年齢、加入する保険内容によっても異なるので、保険を相談できる窓口へ訪れてみるのも良いですね。
保険料控除で税金(所得税・住民税)を控除できる仕組みも!
民間の保険料を支払うと、保険料控除という税金(所得税・住民税)の控除(ある金額から一定の金額を差し引くこと)を受けられます。
1年間に支払った生命保険料をもとに控除額が計算され、住民税や所得税が控除されます。
ただし、控除できる限度額があります。
保険料控除は会社員やパートであれば年末調整で受けられますし、自営業であれば確定申告で受けられます。
その際には、毎年10月ごろに保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」が必要となりますので、年末調整・確定申告の際には忘れないようにしましょう。