医療保険の女性疾病特約(女性保険)とは?必要かどうかを解説

医療保険の女性疾病特約(女性保険)とは?

女性疾病特約(女性保険)とは、医療保険の特約の一つで、女性特有の病気(以下、女性疾病)で入院や手術をするときに給付金にが支給される特約です。


女性疾病とは具体的に、乳がん、子宮がん、卵巣腫瘍、帝王切開などの病気や出産に関する症状を指します。


女性保険とは医療保険が女性専用に設計されていたり、女性疾病特約があらかじめセットになっている保険商品のことです。


女性疾病特約は医療保険契約に付属される特約であるため単体で加入することはできず、利用するためには追加の保険料を支払う必要があります。

女性疾病特約のメリット:女性疾病の保障が厚くなる

女性疾病で入院した際、特約を付加している方は、通常の医療保険の給付金に加えて女性疾病特約の給付金も受け取ることができます。


もともとの医療保険に特約分の保険給付金が上乗せされるため、手術費や通院費による予測不可能なタイミングの出費に余裕をもって備えることができます。


特に、乳房再建手術などの健康保険が適用されない女性の手術に対しても、女性保険や特約で備えられます。

帝王切開や切迫早産なども保障

出産の中で異常分娩とされる帝王切開切迫早産は手術を伴うために給付金がもらえることがあります。


帝王切開での出産の場合、入院費や室料を含めた自己負担額の合計はおおよそ70万円、切迫早産の場合は60万円です。


一般的な医療保険で50万円の給付金が支給された場合、20万円が自己負担になるため、不安な方は女性保険を検討してみてください。


厚生労働省の統計によると、平成26年に出産した女性のうち24.8%が帝王切開での出産と、年々帝王切開での出産が増えています

女性疾病特約のデメリット

保険会社と契約者のリスクリターンの調整の必要から、保障を厚くするためには払う保険料も多くする必要があります。


保険契約期間中に女性特有の病気で入院や手術による出費がなかった場合には、女性疾病特約分の追加保険料を損してしまいます。


保険料はさらに割高になりますが、貯蓄型の女性保険もありますので、医療保障と両立させたい方には、貯蓄型がおすすめです。

妊娠・出産時の女性疾病特約の注意点

女性保険の注意点は、妊娠が発覚したときから、もしくは妊娠して何週間か経過すると契約に加入できないプランがあることです。


妊娠が発覚してから女性疾病特約を付加すると、加入者としては払う保険料が最小限で済みますが、逆に保険会社としては不利益だからです。


妊娠状態の告知義務を無視した契約者たちの保険金の支払いを避けるため、妊娠発覚後の特約付加を認めていない保険会社も多くあります。


また、通常分娩は帝王切開と異なり、女性疾病特約の保障範囲に入っていない場合があります。 


そのため、出産に備えて女性疾病特約への加入を検討しているときは、その特約に通常分娩の保護があるかどうかも注意しましょう。

女性保険でがんに備える?がん保険と比較

女性保険の保障範囲には、一部のがんが原因の医療費も含まれますが、そのために女性保険に加入するべきでしょうか。


これから妊娠や出産をする明確なライフプランを持ち、同時にがんにも備えたい方々にとっては心強い保険だといえます。


しかし、すべての人が女性特有の病気で入院するとは限らないため、金銭に余裕があり、将来の不安をなくしておきたい人におすすめの保険です。


女性保険にはがん保険の性格もありますが、がんだけに備えたいならがん診断特約の方が保険金を多くもらえるため、女性保険でがんに備えるのは非効率的といえます。


保険料は女性疾病特約よりも割高ですが、万一がんになったときに備える保険だとしたら、がん診断特約の方がおすすめです。

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