金融商品取引法とは?平成29年の改正内容と罰則をわかりやすく解説
更新日:2019/05/27
金融商品取引法とは?わかりやすく解説
金融商品取引法の対象の金融商品(有価証券)について解説
金融商品取引法の対象となっている金融商品の範囲については金商法の条文2条1項に明記されています。
規制の対象範囲が法改正によって拡大されているので確認してみましょう。
- 国債
- 地方債
- 社債
- 株式
- 投資信託
- 信託受益権全般
- 集団投資スキーム持分
- 様々なデリバティブ取引
平成29年金融商品取引法の改正について
平成29年、金商法のうち証券取引法が一部改正され施行されることとなりました。
新しく施行された金商法の規定は以下の3つです。
- 株式等の高速取引
- フェア・ディスクロージャー・ルール
- その他…ETF(上場投資信託)市場の流動性の向上を図る観点から、清算機関が行う金融商品債務引受業の対象取引にETFの設定・交換を追加する。
金融商品取引業者が守るべきルール
金融商品取引業者が有価証券やデリバティブ取引の勧誘や販売を行う際、金融商品取引法では条文により、以下のようなルールで規制しています。
- 標識の掲示…営業所ごとに標識を見やすい場所に掲示すること
- 広告の規制…利益の見込みについて事実とかけはなれた表示であったり、誤認させるような表示をしてはならない
- 契約締結前の書面取引交付義務…契約、手数料の概要、損失が生じる可能性や損失の額が保証金を上回ることがある可能性等があれば記載しなければならない
- 各種禁止事項…虚偽もしくは断定的判断の提供の禁止、不招請勧誘の禁止(勧誘を希望していない顧客に対し、訪問・電話で勧誘をしてはならない)、再勧誘の禁止(契約締結しないと意思表示した顧客に対し勧誘をしてはならない)
- 損失補填の禁止
- 適合性の原則…顧客の経験や知識、財産、契約の目的に照らして取引の勧誘や販売を行い、投資者保護に努めること
金融商品取引法に違反した場合の罰則は?
金融商品取引法の違反罰則は以下の3つに分類されます。
- 刑事罰
- 行政処分
- 課徴金制度
- 10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または併科
- 10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、または併科
- 5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または併科
金融商品取引法と金融商品販売法の違いとは?
一番の違いは、法律の趣旨である保護する対象です。
金融商品取引法とは、金融商品の取引において投資者保護を目的とする法律です。
重要事項など契約内容について記載された書面の交付を義務付けられています。
一方、金融商品販売法とは、金融商品の販売に関して損害賠償請求ができると定めた顧客保護を目的とした法律です。
重要事項の説明をしなかったり、断定的判断の提供等で顧客が損害を被った場合に販売業者に損害倍強請求ができます。
金融商品取引法(以下:金商法)とは、一言で言えば、生命保険を含む金融商品の取引において、投資家を保護する目的でつくられた法律です。
金融商品取引法は、以下の4つのルールを柱にしています。