保険法・保険業法とは?両者の違いや保険の分類の定義を解説

保険法、保険業法とは?

保険法とは、保険契約を対象として、保険契約者の利益確保や保護・保険者の義務を定めることを目的とした法律です。

対して、保険業法とは、保険法で対象としている保険契約者ではなく保険業に対する法律で、保険を扱う保険会社を金融庁が監督するための規定です。 


保険業法は、1995年に全面改訂されました。
保険法は、2008年に商法において決められていた保険に関する規定を一つの法律として独立させるために改訂・成立した法律です。

2008年以降に保険法、保険業法が同時に存在するようになり、保険法・保険業法の違いや保険法・保険業法それぞれに規定されているルールを理解することが大切です。

保険法と保険業法の違いとは?

保険法と保険業法では、「業」という一文字だけの違いのため、保険法・保険業法を混同しやすいかと思います。 

保険法と保険業法の違いは法律の効力が及ぶ対象です。

保険法は保険契約者を対象にするため、多くの方に関わりのある法律です。

保険法にはなじみのある傷害疾病保険についての規定もあり、保険契約の基本ルールや契約の利益に触れられていています。保険法は保険契約者である人々のための規定です。

保険業法は保険業を扱う保険会社が対象です。

保険を提供する保険会社を監督官庁が監督するための規定で、保険業の目的や定義などが内容としてあります。

また、保険法は法務省管轄に対し、保険業法は金融庁管轄と、管轄省庁が異なっています。

保険業法における保険の分類とは?

保険の分類についても、保険法と保険業法で違いがあります。

保険業法は
  1. 生命保険固有分野
  2. 損害保険固有分野
  3. 生命保険・損害保険のどちらでもない分野
の3つの分野に分かれています。

生命保険でも損害保険でもない保険の例としては、傷害保険、医療保険などがあります。

保険法・保険業法ともにそれぞれの保険に対して引き受けられる保険会社が規定されています。生命保険固有分野は生命保険会社、損害保険固有分野は損害保険会社、その他の保険は生命保険会社、損害保険会社どちらでも取り扱うことができます。

保険法は生命保険でも損害保険でもない分野において、保険の支払い方によってさら2つに分けられています。
分類については生命保険でも損害保険でもない分野の違いに注意しましょう。

2018年保険業法が改正されました

保険業法は「保険業法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」によって、2018年3月3日に改正法が成立しました。

2018年3月31日に期限がくる特定保険業者である少額短期保険業者に対する特別措置による保険契約者への影響を考慮し、特別措置の期限の延長を行うというのが主な改正理由です。

少額短期保険とは、ミニ保険とも言われ、保険期間が1年以内、保険金額の上限による一定の事業範囲で保険業を行う保険会社から提供される保険です。

今回の2018年改正保険業法により、各少額短期保険を扱う保険会社では、改正にともなうインフォメーションをwebなどで公開しているため、保険会社だけでなく、保険契約者もチェックが必要です。

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