保険会社の費差益の意味とは?三利源の意味も合わせて解説!
更新日:2019/04/15
保険会社における費差益の意味とは?
費差益は予定事業費率から計算されている
費差益の計算方法は、保険会社が想定する「予定事業費率」を基にしています。
予定事業費率とは、保険会社が事業を維持するために必要になる諸経費のことを意味します。
私たちが会社に払う保険料は、保険会社が事業をする上で見込まれる経費が含まれた上で料金が設定されています。
ちなみに、他の三利源である利差益や死差益の計算方法も、それぞれ「予定利率」と「予定死亡率」を基にしています。
費差益に関わる保険会社の費用は具体的に何がある?
費差益に関わる保険会社の出費は、以下に挙げられます。
- 人件費
- 固定費
- 税金
- 借入金返済費
- その他諸経費
人件費とは、社員に支払う給料や、人材育成のための費用などのことを指しています。
固定費とは、土地代やテナント代、電気代、光熱費、通信費などの事業を展開にしたがって継続的に発生する費用のことです。
税金とは、固定資産税や法人税、法人事業税など保険会社を運営する上で支払い義務が発生する各種税金のことです。
借入金返済費とは、事業拡大のために借りたお金の返済に充てる分の費用のことを指しています。
その他諸経費として、印紙代など契約の維持管理をするために必要な諸々の費用がここに含まれます。
各社の費差益はどのくらい?マイナスになっているところは?
各保険会社は決算報告や業績概要、投資家向けの説明資料などで費差益を含めた三利源を公開しています。
公開されている資料をもとに、生命保険などを扱っている各社の最新の費差益についてご紹介していきます。 生命保険会社の費差益は、安定した収入として会社にとっても重要な利益なため、ひろく公開されています。
ここで取り上げるのは、保険会社大手の明治安田生命、日本生命、住友生命の3社です。
- 明治安田生命:115億円(前年比+87)
- 日本生命:367億円(前年比:-171)
- 住友生命:637億円(前年比+290)
(単位:億円)
明治安田生命と住友生命が前年比でプラスになっており、日本生命はマイナスになっているのがわかります。
他の三利源について見てみると、明治安田生命は利差益も危険差益も前年比でプラスになっています。
日本生命は利差益は前年比でプラスですが、危険差益はマイナスになっています。
住友生命は死差益がマイナス、利差益がプラスです。
費差益とは、保険会社の運営にかかると予想されたお金より、実際にかかったお金が少な買った場合に出る差額のことです。
死差益・利差益とならんで保険会社の三利源とよばれ、会社の利益はこれらによって形成されています。
事業の運営には人件費だけでなく、広告費や契約にかかる費用も発生します。 それらの予定されていた出費が少なく済めば、会社にとっては利益になります。
それぞれ保険会社は自助努力により工夫を凝らし、事業費・費差益をなるべく小さくし、保険料を安くできるように努めています。