生命保険の基礎利益とは？内訳の計算方法やランキングを紹介

基礎利益とは、生命保険会社が得た収益のことで、保険会社の財務諸表に用いられます。

基礎利益は、保険料のうちの保険金分・事業費分である保険契約の収支と、保険料のうちの利息分や配当分である資金の運用分の収支が合計されて計算されます。

一般の会社でいうところの営業利益にあたり、基礎利率をみればその保険会社の収益率や保険金支払いの信用度がわかります。

基礎利益から、キャピタル損益（有価証券の損益など）と臨時損益を引くと、経常利益が算出されます。

基礎利益は経常利益から「キャピタル損益」と「臨時損益」（有価証券の売却損益等）を控除して求めます。

基礎利益の内訳は以下の通りとなっています。

• 保険関連の損益…保険料収入、保険金・給付金・解約返戻金・年金等の支払、責任準備金の繰入、事業費の支払
• 運用関連の損益…利息や配当等による収益、予定利率で見込んだ運用収益、逆ザヤなど

このように運用による損益も基礎利益に大きく影響します。

基礎利益の計算方法は次のようになります。

①基礎利益　＝　経常利益　－　キャピタル損益　－　臨時損益

②基礎利益　＝　保険関連の損益　＋　運用関連の損益

保険会社の保険事業の利益を指す基礎利益の意味と違い、経常利益とは保険の契約以外から発生した収益を合算したものをいい、当期純利益とは支出を差し引いた最終的な利益のことをいいます。

経常利益の計算方法は以下の通りです。

経常利益＝営業利益＋営業外収益−営業外費用

一時的に発生する利益や損失を「特別利益」「特別損失」と言いますが、経常利益と特別利益、特別損失から税引前利益を求めることができます。

税引前利益から法人税、住民税、事業税の税金を差し引いたものが当期純利益です。

当期純利益の計算方法は以下の通りです。

当期純利益＝経常利益＋特別利益－特別損失－税金

下記は平成30年3月期決算より基礎利益額から生命保険会社をランキングしたものになります。

（※保険料等収入はランキングされているわけではありません。）

（平成31年3月現在）

※参考：産経ニュース

生命保険会社の本業収入である保険料等収入の金額が基礎利益のランキングと一致しないのは、基礎利益が運用関連の損益の影響も受けているため、といえます。