住宅ローン控除はいつまで適用可能?住宅ローン控除の申請期間を解説

住宅ローン控除はいつまで適用可能?住宅ローン控除の申請期間を解説-サムネイル画像

住宅ローン控除は2022年12月31日まで申請できます。消費税の増税に伴い期間限定で住宅ローン控除の控除期間が3年に延長されました。住宅ローン控除を利用する際は確定申告が必要で、初年度以降は年末調整で申請手続きができます。今回は、住宅ローン控除の申告期間を解説します。

住宅ローン控除はいつまで申請可能?住宅ローン控除の申請期間を解説



マンション購入やリフォームを検討されている方なら、住宅ローン控除が適用されるには、いつまでに申請すればいいのか、申請後いつまで所得控除が適用されるのか、調べられていることでしょう。マイホームの購入時期や申請タイミングによっては、住宅ローン控除を受けられないのでは、と心配されているのではないでしょうか。


住宅ローン控除は、2022年12月31日までの期限付き制度です。また、制度の期限と、申請期限は異なるので注意が必要です。 


この記事では、

  • 住宅ローン控除の概要
  • 住宅ローン控除はいつまで適用されるのか
  • 住宅ローン控除を受けるためには、いつまでに入居・申請しないといけないのか
について詳しく解説します。

マイホーム購入やリフォーム時は必ず利用したい制度です。うっかり申請漏れなどが無いように、ぜひ最後までチェックしてみてください。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、個人が住宅ローンを利用して、マイホームを取得したり、リフォームしたりする場合に、住宅購入時の経済的負担を軽減するための制度です。「住宅借入金等特別控除」の通称で、住宅ローン減税や住宅減税ともよばれます。


この制度のポイントは、

  • 毎年の住宅ローン残高の1%にあたる金額が、10年間所得税から控除される
  • 消費税増税後~2020年12月末までに入居した場合は、控除期間は13年間
  • 所得税で控除しきれない分は、住民税から控除される
です。また、制度適用される条件は、新築住宅購入、中古住宅購入、リフォーム・増築の3パターンでそれぞれ細かく定義されています。

住宅購入・リフォームも大きな買い物なので、少しでも費用負担を抑えられるように、マイホーム購入時は必ず利用したい制度です。

不明点や気になる点あれば、国土交通省・国税庁のサイト・パンフレットを参照するか、最寄りの税務署・ファイナンシャルプランナー・不動産会社などに相談してみましょう。

住宅ローン控除は2022年12月31日まで

住宅ローン控除は、居住開始時期が2022年12月31日までの申請が対象です。


住宅ローン控除の申請時に、新居へ居住済みなのを示すために住民票が求められるので、期限内に住居の引き渡しや入居手続きが完了している必要があります。


なお、現時点では2022年以降の住宅ローン控除制度がいつまで続くのかは公表されておらず、2022年末で制度廃止となる可能性はゼロではありません。


ちょうど2022年~2023年の間でマイホーム購入やリフォームを検討している場合は、2022年12月31日までに住宅購入・リフォームを終えるように、計画しておくと安心です。

住宅ローン控除は延長が可能!いつまでに入居した人が対象?

続いては、控除の期間が延長できるようにするにはいつまでに入居すればよいかなど、注意点をご紹介します。


消費税増税に伴う特例措置


2019年10月に消費税が増税されました。それに伴い住宅購入をためらう人も出てくるかもしれません。そのため、2019年10月1日から2020年12月末までに入居した場合に限り、住宅ローン控除の控除期間が従来の10年間から13年に延長されたのです。10年目までは従来から住宅ローンの年末残高の1%が控除されていますが、11年目から13年目は、

  • 住宅ローンの年末残高×1%
  • 住宅の本体価格×2%÷3  
のどちらか小さい方の額が控除額となります。

新型コロナウイルス対策として入居期間が延長! 

新型コロナウイルスの影響で、住宅の建築に必要な材料が入手しにくかったり、工事が行えなかったりと支障が出ています。それを受けて、特例措置についての要件が緩和されました。本来以下の適用条件がありました。
  • 消費税10%で住宅を購入
  • 2019年10月から2020年12月末までに入居
しかし、入居期限が2022年12月末までに延期され、要件が一部緩和されました。ただし、
  • 注文住宅新築の場合、2020年9月末までに契約がされていること
  • 分譲住宅・既存住宅の取得、増改築などの場合、2020年11月末までに契約がされていること
が新しく要件として追加されました。また、新型コロナウイルスの影響によって入居が遅れたということを証明する書類を提出する必要があるので注意してください。

いつまでに入居すればいいの?

では、一体いつまでに入居すれば控除の対象となるのでしょうか。整理してみましょう。消費税8%で購入の契約をしたけれど2020年1月に入居した場合は対象となりません。また2020年9月に新築住宅の契約をしたけれど、入居が2022年1月以降となった場合も対象となりませんので注意してください。  

控除の対象となる要件をチェックして、いつまでに契約し、いつまでに入居すればよいかを慎重に考え、少しでも減税できるといいですね。

住宅ローン控除の延長手続きは2020年まで

控除期間の3年延長など住宅ローン控除拡充措置は、あくまでも消費税増税前後における駆け込み需要や、その後の反動減を均すことが目的です。そのため、拡充措置は2019年10月1日~2020年12月31日までに住居開始していることが適用条件となります。

(参考:国土交通省 平成30年12月14日 プレスリリース)  


いつまでも利用できる制度ではないので、引き渡しや入居の手続き、および住宅ローンの契約時期など十分に注意しましょう。

参考:住宅ローン控除は何年間受けられる?

住宅ローン控除は申請後、いつまで減税期間が続くのでしょうか。控除期間は、10年間もしくは13年間であり、現行の制度では、控除期間は以下のように定義されています。

入居開始時期控除期間
~令和元年9月10年
令和元年10月~令和2年12月13年
令和3年1月~令和3年12月10月


住宅ローン控除が適用される条件

住宅ローン控除を受けるには一定の条件を満たす必要があります。これは新築の場合と中古の場合で異なります。まず住宅が新築の場合です。

  • 新築の日か、取得の日から6か月以内に住んでいること。 
  • 控除を受ける年の12月31日まで住んでいること。 
  • 控除を受ける年の総所得の合計額が3,000万円以下であること。 
  • 対象となる住宅が50平方メートル以下の床面積であること
  • またその半分以上を自分で住宅として利用していること。
  • 10年以上の期間で住宅ローンの借入をしていること。
続いて住宅が中古物件の場合です。新築の場合の条件を満たしたうえで、次のような条件を満たす必要があります。
  • 建築の日から取得の日までの期間について、耐火建築物(木造など)でない場合は20年以下であること。
  • 耐火建築物(マンションなど)の場合は25年以下であること。
  • 地震に対しての安全基準を満たした構造であること
  • 一緒に生活する親族、または特別な関係にある者からの取得でないこと。
  • 贈与により取得したものでないこと。
以上の条件を満たすと住宅ローン控除を受けることができますので、控除を受ける際にはしっかりと確認しましょう。

住宅ローン控除額の計算の仕方

住宅ローン控除の額はどのように計算すればよいのでしょうか。


控除額=住宅ローンの年末残高×1%

とシンプルです。例えばローンの残高が2,500万円とします。2,500万円×1%で25万円、これが所得税から控除されます。ただし、40万円という上限があります。例えばローンの残高が4,500万円の場合、控除額は45万円となりますが、上限があるため40万円の控除となります。


また、住宅ローン控除は所得税から優先的に控除されます。ではローンの残高が3,000万円の場合、控除額は30万円となりますが、所得税が30万円に満たない場合はどうなるのでしょうか。この場合は差額が住民税から控除されますので安心してください。どれくらい控除されるのか自分でシミュレーションしてみるといいですね。

住宅ローン控除はいつまでに申告すれば良い?申請期限と手続き方法

住宅ローン控除を使用するための手続き内容について、いつまでに、何をすればいいのでしょうか。必ず確定申告が必要となりますが、普段サラリーマンで年末調整だけを行っている方にとっては、馴染みがなく複雑に感じることも多いようです。


次項以降では、

  • 住宅ローン控除の申請方法(初年度)
  • 住宅ローン控除の申請方法(2年目以降)
  • 確定申告はいつまでに申請が必要なのか
を詳しく解説します。

また、住宅ローン控除を最大限に活用するために、いつまでに住宅ローン契約したり、いつまでに入居をするのがお得なのかも合わせて紹介します。ぜひ最後までチェックしてみてください。

住宅ローン控除を利用するには確定申告が必要

住宅ローン控除を利用するには、必ず確定申告(還付申告)を行う必要があります。還付申告とよばれる確定申告は、納めすぎた所得税を還付してもらうためのもので、医療費控除やふるさと納税などで行う確定申告と同じ手続きです。


予め申請書類を揃え、管轄税務署へ直接持参するか、郵送やインターネット(e-tax)で申請を行います。住宅ローン控除の場合、確定申告に必要な書類は以下の9つです。


  • 確定申告書(A)
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 本人確認書類
  • 建物・土地の登記事項証明書
  • 建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
  • 源泉徴収票
  • 住宅ローンの残高を証明する「残高証明書」
  • 耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写し
  • 認定通知書の写し
また、確定申告の期間は、各年ごとに決められており、令和2年の場合は2月17日(月)から3月16日(月)が申告期間です。したがって、住宅ローン控除の申請期限は各年の確定申告の申告期間となりますので、忘れずに申請を行うようにしましょう。

1度確定申告してしまえば翌年からは年末調整だけでOK

会社員など給与取得者の場合、確定申告が必要なのは初年度のみで、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除の申請をすることが可能です。確定申告と異なり年末調整の手続きはシンプルで、必要な書類は以下2つです。


  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼証明書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
どちらも税務署・金融機関から送られてくる書類で、11月の年末調整時期にまとめて会社に提出することで手続きが完了します。

なお、年末調整が可能なのは会社員だけなので、自営業の方などは引き続き確定申告が必要です。また、会社員の方で年末調整に間に合わなかった場合も、確定申告が必要なので注意しましょう。  

参考:確定申告の申請期限を過ぎてしまったら

確定申告の期間は毎年2~3月と決められていますが、猶予期間が設けられています。ただし、いつまででも申請できるわけではなく、過去5年間分のみ遡って申請が可能です。


なお、確定申告後に住宅ローン控除の還付金が受け取れるのは、申請日から3週間~1ヶ月半といわれています。


いつまでも還付金が支払われない場合は申告ミスがあった可能性もあるので、管轄税務署に問い合わせをしてみましょう。


住宅ローン控除はある程度まとまった金額が受け取れるので、計画的に確定申告の手続きを進めるのがおすすめです。事前に国税庁や税務署サイトで申請内容を確認したり、金融機関や不動産会社などが用意するチェックシートなどを活用して、忘れず申告するようにしましょう。


(参考:住宅金融支援機構 確定申告~2年目の年末調整までのイベントフロー

参考:住宅ローン控除額が多い?12月入居が一番お得!

住宅ローン控除制度を最大限に活用するためには、いつまでに入居し、いつまでに住宅ローンの契約をするのが良いのでしょうか。


おすすめの入居時期は12月です。住宅ローン控除は、年末時点での住宅ローン残高のうち1%相当額が減税となります。つまり、年末時点で住宅ローン残高が最も多くなるように、12月に住宅ローン契約をするのが良いでしょう。  


また、住宅ローン控除は入居開始日から減税が適用されます。住宅ローン契約を12月に行い、入居日が1月になる場合は、住宅ローンの契約年は減税対象とならないので注意が必要です。

まとめ:住宅ローン控除の期限は2022年12月31日まで!早めの申告を

住宅ローン控除はいつまで利用可能なのか、またいつまでに申請すればいいのかを解説しました。


この記事のポイントは、

  • 住宅ローン控除の期限は2022年12月31日まで
  • 住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要
  • 会社員の場合は、2年目以降は確定申告が不要
  • 住宅ローン控除制度を最大限に利用するには、12月入居がおすすめ
でした。

なお、現時点で住宅ローン控除は2022年12月31日とされており、期間終了後に制度が延長されるかどうかは未定です。直近でマイホーム購入やリフォームをする予定がある方は、当該制度の動向にも注目しておくのがおすすめです。

ランキング