マンションが浸水したらどうなる?浸水・洪水が起きた時の対策を紹介

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マンションが浸水・冠水すると、地下駐車場やエントランス、1階住戸は被害を被る可能性が高いです。武蔵小杉・二子玉川の浸水のように、停電や断水、豪雨によるトイレの逆流など水害によるマンションの被害は甚大です。火災保険の加入やハザードマップを活用した事前の対策で被害を最小限にしましょう。

マンションが浸水したらどうなる?今できるマンションの浸水対策を紹介

マンションの浸水に関して、どのような対策方法があるのか気になっている方も多いと思います。


年々増加傾向にある豪雨災害によって、海や川付近の水災がとても危険視されています。


自然災害は避けては通れない問題でありとても怖いものです。

しかし。正しい対策の知識を得ることで、適切な行動と最小限の被害に抑えることができるようになります。


この記事では、「マンションの浸水」について

  • 被害を受ける場所
  • 浸水で起きる被害の例
  • 浸水対策
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、マンションの浸水に関する基本的な知識を得ることに役立つかと思います。


マンションの浸水で被害を受ける主な場所

マンションでの浸水は想像以上に恐ろしいことです。ここでは大きく被害を受ける主な場所を下記の3箇所からご紹介します。

  1. マンションの地下駐車場
  2. マンションのエントランス
  3. マンションの1階•半地下住戸
この3つの場所は、浸水時に被害を受けやすい場所となりますので覚えておきましょう。これらの場所では、最適な対策をおこなうことで危険な局面を回避できる可能性も大きくなります。

ここからは、これらの場所の危険性や具体的な理由を説明させていただきます。すでにお住まいの方や、マンションを選ぶ際の参考にしていただけると幸いです。

被害場所①マンションの地下駐車場

被害を受けやすいマンションの地下駐車場には、下記の3種類があります。

  1. 平面式駐車場
  2. 自走式立体駐車所
  3. 機械式立体駐車場
駐車場内はもちろんのこと、ピット内の排水処理を上回る量の水が流れ込んだ場合、駐車している車が水没してしまう恐れがあります。ピット内やポンプの点検は日頃からおこなう必要があるでしょう。

また、予想可能な場合は、パレットごと地上へ上げる準備をしておくことで、浸水のリスクを抑えることができます。ご自身で行動が取れるように、マスターキーの保管場所などは共有しておくと安心です。

立体駐車場の場合は、自然災害による浸水のリスクも少なく安心できます。

どんなタイプの駐車場であっても、地下駐車場が被害を受けやすいことは事実なので注意しましょう。

被害場所②マンションのエントランス

エントランスのなかでも、道路から下がったタイプのエントランスは平面に比べて圧倒的に浸水の被害に遭いやすいです。


エントランス内は基本的に、マンションの防災備品などで水を食い止めるほか方法がありません。ここでは、対策となるアイテムをご紹介いたします。


水を止めるために扱える防災備品として、土のうや止水板などがあげられます。土のうは、女性でも簡単に設置することができるものもあるので用意しておくと安心でしょう。


災備品は、日中マンション内にいることの多い方が必要を迫られるケースが多いので、取り扱いをよく理解しておくことがよいでしょう。また、使い方なども共有しておくことでより早急な対処が可能となります。

被害場所③マンションの1階・半地下

1階や半地下住戸は、水回りに被害が起きる可能性が高いためとても危険です。キッチンなどが使用不可になり、部屋中が水浸しになってしまうこともあります。


しかしこの問題はご自身で解決することが難しいため、逃げるための避難経路を把握しておく必要があります。大きな家具は浸水の進行を早めてしまいますので、固定させておくか避難経路の近くには設置しないようにしましょう。


また、自然災害による部屋の浸水は修繕費用を大家さんが負担する必要があります。大家さんや借人には責任がありませんが、マンション内の修繕費用は大家さんが負担し、敷金から引かれることもありません。


以上のことから、1階や半地下のマンションを選ぶ際は水災に強いマンションを選ぶことをおすすめします。

マンションの浸水で予想される被害

水害には台風による土砂崩れや河川の氾濫、高潮、水濡れ・雨漏りがありますが、中でも豪雨による浸水の被害に悩まされる人は多いのではないでしょうか。


そこで、浸水で予測される主な被害を下記の4つから解説いたします。

  1. 停電•断水
  2. エレベーターの停止
  3. トイレの水の逆流
  4. 実際に起きたマンションの浸水被害例
浸水による被害は生活に欠かせないツールが一気にストップしこれからの生活に支障が出てしまうほか、損害金をご自身が負う可能性もあります。

マンションは高さがあるので戸建てとは復旧方法も異なりますが、電気設備に被害が及ぶことで戸建て以上の復旧作業や時間が必要になることがあります。

短時間の集中豪雨のような場合でも被害は十分に起こりうるので、水災のリスクを減らすためにも短時間の降雨量をチェックするなど万全の対策が必要でしょう。

被害予想①停電・断水する

水災で起きる停電や断水の原因について2つのケースで解説します。


台風などで強風が起きている際、あらゆるものが吹き飛ばされ電線が破損してしまうことで停電を引き起こします。また、大雨で起きた土砂崩れの影響で電柱が倒れてしまい停電するケースもあります。


海岸沿いのマンションでは、潮風の塩分が碍子(がいし:鉄塔に電気が流れないようにするための器具)に付着することで碍子から鉄塔へ電気が流れ込んでしまい、停電を引き起こしてしまいます。


電線や電柱は、住民に安定した電力が供給されるよう電力会社が日々点検を行っています。しかし、水災のような自然災害が起きることで停電が発生することがあります。


また、断水は排水方式によって異なり、マンションに多い直結増圧(ポンプで水を送る)の場合停電が起きることで簡単に断水してしまいます。

被害予想②エレベーターが停止する

エレベーターは、地下にある配電盤の浸水やシャフト部分に水が流れ込むことでセンサーが停止してしまいます。また、被害が大きい場合は故障する場合もあるのでとても危険です。


エレベーターが停止した場合、完全に身動きが取れなくなってしまいます。特にタワーマンション高階層の方は注意が必要です。


もちろんエレベーターが停止してしまうと物を運ぶこともできません。


そこで、

  • 高階層で身動きが取れない方
  • 帰宅時に部屋へ戻れない方

これらの方のことを考え、水や食糧、備蓄品などはあらかじめエントランスや高階層など最低限のフロアへ設置しておくとよいでしょう。


エレベーターはマンションの大切な導線なので、水災などの自然災害が起こることを想定した行動が大切になります。

被害予想③トイレの水が逆流する

激しい雨風によって下水から逆流してしまうと、自宅内の住民にまで被害が及びます。


トイレの水が逆流してしまうと、お風呂やキッチンは使えなく部屋中が水浸しになってしまう恐れがあります。


特に一階・半地下に住む方は十分注意しなくてはいけません。その理由として、下水管と水周りの高低差が少なければ少ないほど逆流を引き起こす可能性が高いからです。


豪雨災害による被害はとても多く、その他の階層の場合でも排水管の構造によって逆流の可能性が全く無いわけではありませんので注意しましょう。


水害災害がメディアなどで報じられる際、ほとんどの場合が1時間あたりの降雨量を伝えていますが、たとえゲリラ豪雨のような短期集中型の大雨でも、公共下水の排水処理能力を上回る可能性が十分にあるので被害を最小限に抑えるための備えや浸水対策が必要でしょう。

参考:武蔵小杉・二子玉川でマンションが浸水した被害例

住みたい町でも人気の武蔵小杉で実際に起きた浸水と、それによって起きた被害例を紹介いたします。


台風19号の影響で、1メートル以上の浸水と停電など大規模な冠水が発生しました。駅付近のタワーマンションでは、地下電気設備が故障する被害も出ました。


これまで説明させていただいた数々の被害のように、台風によって大きな災害となりました。駅周辺が泥水であふれた光景は今でも鮮明に覚えていますよね。


その後、起きたトラブルとして2つ挙げられます。

  • 住民が市に賠償請求を求める要望書を提出
  • マンションの価格暴落に関する報道

市が水の逆流を防ぐゲートを閉めなかったのは過失な判断だと訴え、住民らが検証と賠償請求を求める書類を提出しトラブルに発展しました。


また、災害のリスクから武蔵小杉の資産価値が暴落し買い手が減少したことで売りにくくなったとも言われています。


二子玉川では、多摩川で氾濫が起きたことで堤防の内側に位置する(無堤防)駅付近のマンションに対して、長年堤防を立てていなかったことに対する批判の声も多いと言われています。

マンションの浸水対策を紹介

災害の対策には普段からの心がけがとても大事であり、あらかじめ清掃や災害用のマニュアルなどを作成してあるマンションはとても安心できます。実際災害が起きた際に、マニュアルをもとにスムーズな行動をとることができるので効果的です。


台風や豪雨による水災は地震などと比べて時間的な猶予があるので、定期的な訓練をおこなうことで安全に過ごすことができます。


この記事では、マンションの浸水対策について下記の3つから解説いたします。

  • ハザードマップの確認
  • 2階以上の部屋を選ぶ
  • 火災保険へ加入する
また、マンション付近の側溝を定期的に清掃することで排水能力が格段に上がり、水災のリスクを大幅に下げることができます。

防災備品や備蓄品を保存する倉庫が設けられているマンションもあるので、マンションの構造にも目を向けると安心でしょう。

ハザードマップで自分のマンションの位置を確認する

ハザードマップとは、被害予測地図とも言われていて災害を予測し被害範囲を地図化したものです。災害時の避難経路や避難場所も記載されているので、的確な行動をとることができ大きなリスクも避けることができます。


ハザードマップは自治体が発行しているもので、水災だけでなく地震や土砂災害についても記載されています。


水災が起きたときに、ハザードマップを見ている方と見ていない方とでは行動に1時間も差がつくと言われています。自主的に避難ができるようになることで、避難するまでの行動を早める効果もあります。


対策として、マンション購入時にハザードマップで河川の場所を確認し、河川から遠い場所を選ぶのも効果的でしょう。


また、マップで自宅の位置を確認し、河川から近かった場合は事前に停電や断水に備える(懐中電灯・簡易トイレなど)ことで被害のリスクを抑えることができます。

マンションの契約をするときは2階以上の部屋にする

マンションを選ぶ際は2階以上の部屋を選ぶことで、水災時に恐れられる床上浸水のリスクを回避することができます。下水管からの水周りまでの距離があることで、トイレやキッチンの逆流リスクも抑えることができるので安心です。


床が浸水してしまうと、長期的にご自身の部屋で生活ができない事態になる可能性もあります。


また、2階以上であっても立地によって高さが異なるので、ハザードマップも合わせて確認しておきましょう。


以上のことから水災の可能性がある地域では、2階以上のマンションを選ぶことをおすすめします。逆に高階層の場合は、避難に時間がかかってしまい災害のケースによっては危険なこともあるので、一概に安全とは言えないでしょう。

浸水などの水害を補償する火災保険に加入する

火災保険の主な補償について下記で解説いたします。

災害補償範囲
洪水台風や豪雨による洪水での被害を補償。
高潮低域圧で海水面が上昇することによって、海水が浸水する被害を補償。
土砂崩れ豪雨によって土砂が崩れ落ちる被害を補償。

火災保険は、保険の対象(建物、家財、建物+家財)をどのように選択するかによって補償が異なるので注意しましょう。


水害対策で火災保険を加入する上で注意すること

床上浸水の補償は、基本的に45cm以上浸水していないと補償されません。また、保険金額に上限がある場合もあるので補償範囲をあらかじめ確認しておきましょう。


浸水で生活が困難になってしまった場合、大家は家賃収入が得られなくなってしまいますが、その際に家賃収入を補償する保険もあります。

災害によって入居者の物が破損した場合は大家に責任はなく、入居者が加入している保険で補償することになります。

また、地震による水災は火災保険が適応されないので、火災保険に加えて地震保険も加入する必要があります。

まとめ:マンションの浸水に備えて事前に対策しよう

マンションの浸水について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


 今回の記事のポイントは、 

  • 被害を受けやすい場所はあらかじめ対策をとる
  • 立地やハザードマップを確認し、リスクの少ないマンションを選ぶ
  • 火災保険は補償内容を確認し、場合によって地震保険の加入を検討する
でした。

冒頭でもお伝えした通り国内での自然災害は年々増えてきているので、災害が起こる前に万全の対策を立てることでリスクを大幅に軽減できます。

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