ひどいつわり・妊娠悪阻で入院したい!費用や期間、保険適用について

妊娠初期に多くの人が悩むつわりですが、つわりの治療は保険が適用になりません。重症化し妊娠悪阻となると保険が適用になりますが入院が必要な場合もあり入院費用が必要になります。この記事ではつわりと妊娠悪阻の違い、入院費用はどれくらいか、医療費控除や医療保険について解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

つわり・妊娠悪阻で入院したい…費用は?保険は適用される?



妊娠初期に、つわり妊娠悪阻(にんしんおそ)で体調を崩してしまう人は数多くいます。

症状が悪化した場合は、入院が必要になりますが、どれくらいの費用がかかるのか気になりますよね。

実は、つわりの治療では健康保険が適用されないのですが、つわりが悪化して妊娠悪阻と診断されると、病気と見なされて健康保険が適用されるのです。

この記事では、
  • つわり・妊娠悪阻の入院費用の内訳と平均
  • つわり・妊娠悪阻の健康保険適用
  • 妊娠悪阻の入院費用で利用できる高額療養費制度
  • 高額療養費制度のシミュレーション
  • 妊娠悪阻の入院費用で利用できる医療費控除 
について、解説していきます。

この記事を読んでいただければ、つわり・妊娠悪阻で入院する際の費用や内訳が分かり、事前の準備に役立つかと思います。
 
また、入院費用で利用できる高額療養費制度医療費控除についても説明し、実際に高額療養費がいくら戻ってくるかのシミュレーションもしてみます。

ぜひ、最後までご覧ください。

つわり・妊娠悪阻の入院費用は平均5~20万円程度

つわりが悪化して、妊娠悪阻になった場合、入院が必要になることがあります。


入院費用の内訳には、どのようなものが含まれるのでしょうか。


また、全体的な費用は入院期間により異なりますが、いくらくらいかかるのでしょうか。


さらに、つわり・妊娠悪阻では健康保険が適用されるのかどうかも見ていきます。


ここでは、以下の内容について説明していきます。

  • つわり・妊娠悪阻の入院費用内訳と平均入院費用
  • つわり・妊娠悪阻の健康保険適用について
  • 入院期間や病室種類による入院費用の差

つわり・妊娠悪阻の入院費用の内訳と平均費用

つわり・妊娠悪阻の入院費用の内訳と平均費用を見ていきましょう。


入院費用の内訳

一般的な入院費用の内訳は以下のようになります。


①治療費

投薬(吐き気止め・食道の炎症を抑える薬・便秘薬等)、点滴(ビタミン剤・吐き気止め等)、各種の検査費用等が該当します。


②入院基本料

1日当たりの室料・寝具代のほか、医師の診察、看護師の看護等を含めた費用です。


病室の種類や看護師の人員配置状態によって、費用に差が出ることがあります。


③食事代

食事代は入院基本料に含まれず、1食当たりで計算されます。


特別食になると数十円レベルで加算されます。


④その他の費用

病院までの交通費、着替えなどの衣類、書籍・雑誌、お見舞いのお返し等の費用も発生します。


平均入院費用

一般的に、一日当たりの入院費用は7,000円~10,000円程度と言われています。


平均入院費用は以下のようになります。

入院期間入院費用平均
1週間5万円~7万円
2週間10万円~14万円
3週間15万円~20万円

差額ベッド代は入院するほどかかる|入院期間は平均1週間

つわり・妊娠悪阻による入院期間の目安は1週間程度です。

妊娠悪阻の入院費用は入院期間病室種類(個室等の差額ベッド代)等により、大きな差があります。


入院期間

妊娠悪阻の症状には個人差があり、比較的軽度の場合は1週間~10日程度で退院できることが多いですが、重度の場合は退院まで2~3か月かかることもあります。


入院が長期になる場合は、出費が大きくなる可能性があります。


病室種類

大部屋・個室等の条件で金額は異なり、個室では差額ベッド代が発生します。


厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況」によると、平成29年7月1日現在の差額ベッド代の平均は、1日当たり6,188円(1人部屋:1日当たり7,837円)となっています。


病院の差額ベッド代は、希望する人にとっては快適な場所となりますが、差額ベッド代が金銭的に負担と感じる人にとってはなるべく利用したくないところ。


「病室が埋まっているので個室でお願いします。」といわれたら、病院側に従うしかないと思いますよね?


しかし、それは間違いで「差額ベッド代を支払いたくない」と希望した患者には、病院側がその意向に沿わなければなりません。


これは、厚生労働省の定める留意事項にも記載してある内容です。差額ベッド代を拒否する方法については、こちらの記事に詳しくまとめてあるのでぜひご覧ください。

つわり・妊娠悪阻による入院・点滴治療は保険の対象になるか

一般的に妊娠は病気ではないため、健康保険は適用されません。妊婦検診は、住んでいる自治体からの補助で自己負担金を少なくするといった方法が採用されています。


妊娠によるつわりも同じで、健康保険で治療はできません。


ここからは、

  • つわりと妊娠悪阻の違いと、入院する基準について
  • 妊娠悪阻による入院は民間保険が適用するのかについて
  • 妊娠悪阻に備えられる保険はあるのか?
について詳しく解説していきます。

妊娠悪阻は健康保険の対象!つわりは対象外

つわりは、妊娠した女性の8割が経験するもので、

  • 気持ち悪い
  • 食事がとれない
  • 常に眠たい
  • 食べ物を食べていないと気持ち悪くなる
  • 頭痛
といった内容が多い症状とされています。

体調が悪いと感じる人は多く、中には仕事ができなくなってしまう人もいるほど。体調が悪く、辛い日々を過ごすのはとてもしんどいですがつわりは保険適用にはなりません。

なぜかというと、妊娠は病気ではないからです。

現在の日本の制度では、妊娠自体は保険は適用されず妊娠悪阻や妊娠高血圧、妊娠糖尿病、胎児の状態を医師が危険と判断した場合のみ、健康保険が適用されます。

ひどいつわりと妊娠悪阻の違い|入院する基準について

つわりは健康保険の適用にはなりません。しかし、妊娠悪阻と医師から診断された場合は治療が必要と判断され、健康保険が適用されます。


しかし、つわりと妊娠悪阻の違いがよくわからない……。なんて人は沢山いると思います。


つわりと妊娠悪阻の違いは、医師により判断されます。具体的な症状を上げると

  • 著しい体重減少
  • 脱水症状
  • 食事がとれないことによる栄養障害・代謝障害
が挙げられます。

この症状に該当すると点滴治療や内服治療が必要と判断され入院に至ります。

これは、一般の人では判断が難しいため必ず病院にかかりましょう。

妊娠初期の体は、自分が思っている以上に繊細です。無理をするとお腹の赤ちゃんも危険なので少しでも該当していると感じたら迷わず病院に行きましょう。

つわりと妊娠悪阻の原因

つわりの原因はまだ科学では解明されていません。


一説には、ホルモンバランスの乱れに母体の体が付いていけないということが指摘されています。


その他にも、ストレスや、疲労、胃酸の増加などの影響もあるのではないかと言われています。

妊娠悪阻による入院・点滴に民間保険は適用される?

妊娠悪阻と診断されたら、健康保険が適用になります。


入院費用は1日6千円~1万円ほどになりますが、高額医療請求も可能になるので金銭的負担は実費に比べると減ります。


しかし、妊娠期間はこれから生まれる赤ちゃん用品を買ったり引っ越したりとお金のかかる期間ですよね。


高額医療請求の自己負担金は年収によって決まりますが、一般的な自己負担額は食事代なども含めると約9万円です。そして、この自己負担金は民間保険でまかなえます。


妊娠を希望している女性や家族は、この機会に検討してみてはいかがでしょうか?以下で説明していきます。


妊娠悪阻・つわりで県民共済・都民共済に共済金を請求できる!

妊娠悪阻・つわりで入院する場合、共済金を請求することができます


通常の妊娠・出産には共済金が支払われることはありませんが、妊娠悪阻・つわりは病期とみなされるため、共済金が給付されます。


ただし、契約日あら1年以内の妊娠や分娩に伴う妊娠悪阻・つわりの場合は今日最近が支払われ倍場合があるので注意が必要です。

保険に加入して妊娠悪阻に備えよう!

フェミニーヌなら入院費用の手厚い補償から3年毎のキャッシュバックまで、長い人生を支えてくれる保険です。


妊娠悪阻による入院に備えるには保険の加入をお勧めします。


1日入院するごとに10,000円程度入院保証金が支払われる場合もありますし、女性保険に加入していれば、妊娠悪阻などの女性特有の病気には上乗せで1日に5,000円程度が追加で支払われることもあります。

妊娠悪阻による入院費用は高額療養費制度の対象になる

高額療養費制度とは、医療費の家計負担が重くならないよう、医療費が1か月(1日から末日まで)で限度額を超えた場合、その超えた額が支給される仕組みです。

限度額は年齢や所得に応じて定められており、要件を満たすことにより、更に負担を軽減できる仕組みも設けられています。

妊娠悪阻による入院費用は高額療養費制度の対象であり、69歳以下のひと月当たりの限度額は以下のようになっています。

69歳以下の自己負担限度額(ひと月当たり)
適用区分 
自己負担限度額(世帯ごと)
年収約1,160万円~
健保:83万円以上
国保:901万円超
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
年収約770~約1,160万円
健保:53~79万円
 国保:600~901万円
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
年収約370~約770万円
健保:28~50万円
国保:210~600万円
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
~年収約370万円
健保:26万円以下
国保:210万円以下
57,600円
住民税非課税者35,400円
健保の金額は標準報酬月額、国保の金額は賦課基準額です。

高額療養費制度で入院費用はいくら戻ってくる?

妊娠悪阻による入院費用は、一日当たり7,000円~10,000円程度であり、2週間入院した場合の平均入院費用は、100,000円~140,000円程度になります。

年収400万円世帯の人が入院費用140,000円を支払った場合、高額療養費制度を利用すると限度額はいくらになるのでしょうか。

前章の自己負担限度額の計算式を使用してシミュレーションしてみましょう。

80,100円+(140,000円-267,000円)×1%=80,100円(自己負担限度額)

自己負担限度額は80,100円になり、入院費用の140,000円から59,900‬円高額療養費として支給されます。

ただし、高額医療制度は1か月(1日から末日まで)当たりの医療費が限度額に満たない場合は適用されません。

年収400万円世帯の人が月またぎで入院する場合、80,100円の限度額を超えないと高額療養制度は適用されないので、注意が必要です。

事前に限度額適用認定証を申請しておこう

入院が決まり、高額な医療費がかかることが予想される場合は、事前に「限度額適用認定証」を申請するのがおすすめです。


限度額適用認定証は各健康保険の窓口に申請すると、発行してもらえます。


限度額適用認定証を取得して、病院の窓口に提示すると、請求される医療費が高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。


これにより、医療費の支払額を少なくでき、後から高額療養費の支給を申請する手間も省くことができます。


すでに入院している場合でも、その月のうちに限度額適用認定証を取得して、病院の窓口に提示すれば、その月の医療費から自己負担限度額が適用されます。


限度額認定証の申請方法は、ご自分の持っている保険証に記載されている保険組合によって申請先などが異なります。


下記の記事では、詳しい限度額認定証の申請方法について記載してあるので、ご覧ください。

妊娠悪阻による入院費用は医療費控除の対象

妊娠悪阻による入院費用は医師によって決められた治療と判断され、医療費控除の対象となります。


医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)の世帯ごとの医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の世帯は総所得金額等の5%の金額)を超えた場合、確定申告を行うことで負担した医療費の一部が戻ってくる税制度です。


妊娠中にかかった費用で医療費控除の対象となるものは、以下のようなものです。

  • 妊婦定期健診の費用
  • 電車・バス等の公共交通機関の交通費 
  • 妊娠悪阻や切迫早産等の入院費用

なお、高額療養費や民間の生命保険から入院給付金・保険金等を受け取った場合は、「保険金等で補てんされる金額」として医療費から差し引く必要があります。


参考:国税庁「No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例

先輩ママたちのつわり・妊娠悪阻による入院の体験談を紹介!

30代女性

妊娠7週目から悪阻がひどく入院しました。

食べ物が全く食べれず、とてもつらかったという記憶があります。

食べ物のにおいもきつかったのですが、同室の方が気をつかってくれたのですが調子が悪い時は本当に吐き気が止まりませんでした。入院してもつらかったですが、この状態で通常の生活を送るのは不可能に近かったと思います。

40代女性

妊娠5週目あたりからつわりがひどくなり、悪化の一方だったので入院しました。妊娠11週目あたりが悪阻のピークで何度も吐いてしまい、食べ物以外のにおいにも吐き気を催す日々でした。

しかし、妊娠20~21週目くらいから段々楽になっていったのを覚えています。

参考:つわり・妊娠悪阻で入院した際の食事や持ち物について

つわりで入院する際、入院直後は食欲が無く食べられない方が多いでしょう。


点滴などの治療が効いてきて、徐々に食欲が戻ってきたら、基本的に自分の希望する食事(パンやおかゆ)を病院に頼めるようです。


必要な持ち物としては、

  • 2wayパジャマ
  • 下着(締め付けられると吐き気が増す場合にはゆったりとしたもの)
  • 洗面用具など、生活に必要なもの
  • 保証金
等です。

入院の際にデポジットとして3から15万円程度の保証金を支払わなければいけない場合があるので注意しましょう。

まとめ:つわり・妊娠悪阻による入院・費用・保険について

つわりと妊娠悪阻は違い、つわりは健康保険が適用されません。入院悪阻と診断されると健康保険が適用になり、入院となっても費用を民間の保険でまかなえます。


今回の記事のポイントは、

  • 妊娠悪阻の平均入院費用は1~3週間で5~20万円程度
  • つわりは健康保険適用外だが、妊娠悪阻は適用内
  • 妊娠悪阻で入院した場合、高額療養費制度や民間医療保険が適用される
  • 高額療養費制度の限度額は年齢・所得に応じて定められている
  • 事前に限度額適用認定証を申請するのがおすすめ
  • 妊娠悪阻の入院費用は医療費控除が利用できる
でした。

妊娠悪阻の入院費用は、症状や病室種類により異なりますが、1~3週間で5~20万円程度が目安となります。

入院した場合は、高額療養費制度の対象となり、年収400万円世帯ではひと月の自己負担額は食事代を含めて約9万円となります。

妊娠悪阻は医療費控除の対象にもなるので、確定申告を行うと還付金を受け取りましょう。確定申告はパソコンからでも申請できるのでお忘れのないようにしてください。

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高額医療の出産費についてはこちらで解説していますので、ぜひ読んでみてください。

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