不妊治療のローンってどう?銀行の妊活ローンを金利と融資金額から比較!

不妊治療のローンに加入しようかなと悩んでいる人は多いですよね。実際に銀行が妊活ローンを提供していますが、どこから借りればいいかわからない人が多いようです。今回、低金利な妊活ローンの紹介とともに、審査基準やローンを借りる前にやるべきことをまとめました。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

不妊治療費を助けてくれるローンがあるってホント?


不妊治療をしている人の中にはローンに加入しようか迷っている人も多いでしょう。


近年晩婚化が進み、女性の初産平均年齢平成28年度に30.7歳となっています。(出典:平成28年厚生労働省人口動態統計月報年計)


出産が高齢になればなるほどリスクが高まるため、不妊治療を検討する方も増えています。しかし、不妊治療を行うと治療費が高額になると言われており、家計にとって大きな出費となるため諦めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。


実は、銀行では不妊治療のためのローンを設定しているところもあり、不妊治療を検討している方々の味方となっていることを知らない方も多いようです。


そこで今回は、

  • 不妊治療はいくらかかる?
  • 不妊治療のローンの取り扱い銀行は?内容は?
  • 不妊治療ローンを借りる際の注意点は?
以上について解説していきます。

思うように妊活が上手くいかず諦めている方も、自分の子供のかわいい顔や子供と旦那さん3人で公園に行くのって憧れますよね。そのためにも不妊治療ローンについてご理解を深めてもらえるとありがたいです。

不妊治療費のお金がない!不妊治療に掛かる費用

不妊治療を行う上で、費用負担が大きいという印象が多く見受けられますが、実際のところどれくらい費用が掛かるのでしょうか?


そこで、妊活中のすべての女性を応援するWebメディア「妊活ボイス」が、2017年10月に実施した「妊活・不妊治療」に関する調査を参考に見ていきましょう。


(調査対象:10年以内に妊活経験のある20~49歳までの女性、有効回答数:300名(妊活時の平均世帯年収約500万円)、調査期間:2017年10月11日(水)~10月30日(月)、調査方法:インターネット調査)


妊活全体で掛かった費用の平均は約35万円で、人工授精等の高度治療を行った場合には約134万円まで平均が上がります。特に、体外受精や顕微授精といった「高度不妊治療」だけを切り取ると約193万円となったようです。


各々受ける治療も異なるため一概には言えませんが、場合によっては200万円程度の治療費が掛かってしまう場合もあります。医療が発達してきている今日では、不妊治療がより効果的になっている一方で高額化している様相です。

不妊治療のローンを取り扱う銀行をそれぞれ比較

高額化している不妊治療に躊躇してしまっている方も多くいらっしゃると思いますが、未来に向かうためにも取り組みたいとお考えであれば、「不妊治療ローン」を活用するのも一つです。


ローンについて抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんし、実際借りることができるのか心配という方もいらっしゃるかもしれません。


今日の日本においては、少子高齢社会のため出生率の向上が望まれており、各銀行がそれぞれの不妊治療に対応したローン商品を扱っています。


ここからは各銀行やローン会社毎で設定している不妊治療ローンについて解説していきます。尚、会社によっては金利設定が異なるため、十分に比較の上申し込むことが重要です。


今回は不妊治療ローンを扱う、「大垣共立銀行」、「アスマイル」、「池田泉州銀行」、「東京スター銀行」の4つの特徴を解説していきますので参考にしてもらえるとありがたいです。

妊活ローン:大垣共立銀行「フタリ・デ」

内容
ご利用条件①満20歳以上66歳未満で安定した収入がある方
②保証会社の保証が受けられる方

融資金額

30万円~200万円(1万円単位)
金利年 4.475 % (2021年1月現在)
金利変動型(4月、10月見直し)
融資期間1年以上5年以内(6か月単位)
ご返済方法毎月元利均等返済
岐阜県に本社を構える地方銀行の大垣共立銀行が提供する不妊治療ローン「Futari-de(フタリ・デ)」。

大垣共立銀行の営業エリア(岐阜・愛知・三重・滋賀)にお住まいの方や勤務の方に限られますが、原則保証人や担保が必要がなく借りることができます。

地方銀行の中でも地域密着を謳い、様々な取り組みをしている大垣共立銀行は、地域で生まれる子供のために不妊治療ローンに力を入れています。

妊活ローン:アスマイル「不妊治療サポートローン」

内容
ご利用条件

①満20歳以上65歳未満の安定した収入のある方

②不妊治療に関する診断書のコピーをご提出いただける方

融資金額5万円~200万円
金利6.9%~13.9%
融資期間1か月以上5年以内
ご返済方法自由返済方式(当社口座への振込による返済)
不妊治療ローンは銀行の他、中小ローン会社も手掛けているところもあります。ここでご紹介するのは、神奈川県横浜市に本社がある「アスマイル」というローン会社です。

中小のローン会社は大丈夫なのかという話もありますが、アスマイルは「神奈川県知事(3)第05041号」の貸金業者登録番号を付与された正規のローン会社です。

アスマイルが扱う「不妊治療サポートローン」は、大手ローン会社や銀行に比べ審査面で融通を利かせてくれたり、返済方法もご自身が設定した返済日に返済することができる「自由返済方式」を採用しているなど、顧客目線に合わせたローン商品を提供しています。

金利は銀行の変動金利に比べて高く、融資金額に応じて変動しますが、比較的多くの方が申し込みやすい不妊治療ローンを扱う会社ですので、十分に検討余地があります。

妊活ローン:池田泉州銀行「妊活・育活応援ローン」

内容
ご利用条件

①満20歳以上満65歳未満で、最終ご返済時の年齢が満70歳以下の方

②安定、継続収入のある方

③池田泉州銀行営業エリア内にお住まいの方

④日本国籍の方、または永住許可等を受けている外国人の方

⑤保証会社の保証を受けられる方

融資金額10万円~300万円(1万円単位)
金利年3.975 % (2021年1月現在)
金利変動型(4月、10月見直し)
融資期間6か月以上10年以内(1か月単位)
ご返済方法毎月元利均等返済
関西圏にお住まいの方であれば、大阪府を地盤とした地方銀行・池田泉州銀行の「妊活・育活応援ローン」のご検討も選択肢に挙げられます。

こちらの商品は不妊治療の他、出産後の子供にかかる医療費や保育所等の費用にも使えるなど、利用範囲が広い点が特徴です。融資上限が200万円のところが多い中、最大300万円まで借りることができる点も他社との違いです。

金利は変動金利ですが、地方銀行の中でも低金利で提供されているため、十分に検討の余地があるといえます。

妊活ローン:東京スター銀行「スターワンバンクローン」

内容
ご利用条件

  ①満20歳以上満65歳未満の方

②給与所得者の方(正社員)で年収300万円以上の方

 ③日本国籍の方、または永住許可等を受けている外国人の方

④保証会社の保証を受けられる方
⑤不妊治療に関する診断書のコピーをご提出いただける方

融資金額一律100万円
金利年7.8%(2021年1月現在)
融資期間新規貸越可能期限(満65歳到達後の最初の10日)から10年後応当日
ご返済方法元金同額返済方式
他社の不妊治療ローンに比べて独自性の強いローン商品を設定しているのが東京スター銀行です。

おまとめローンなど、ローンに関して様々な種類を有しているなど業界内では独特な経営をしている銀行ですが、「使い道自由に繰り返し使える」不妊治療ローンである「スターワンバンクローン」を提供しています。

上限は100万円と抑えられており金利も7.8%と決して安い訳ではありませんが、契約者が75歳の誕生日ごろまでは、当初は不妊治療費用に充てることが前提であれば、期間中上限額まで自由にローンを利用することができるという商品です。

当初の使用用途が不妊治療であれば、その後教育資金等にも充てることができたり、万が一の際の出費に備えることができるなど汎用性の利いた商品設計になっています。

柔軟に利用されたいとお考えの方には合う商品でしょう。

不妊治療のローンを借りる時の注意点

ここまでは不妊治療ローンについていくつか紹介してきました。それぞれ商品性が異なり、各々に合わせたローンを選べる状況ですが、基本的にローンは返さないといけないものなのでできる限り借りるべきではないのが正直なところでしょう。


しかし、状況によって不妊治療ローンを活用することは何ら問題はありません。


そこで、不妊治療ローンを検討している方向けに、借りる際の注意点をいくつか紹介させて頂きます。ローンを申し込む前に必ず目を通して頂ければと思います。

妊活ローンの審査基準

先に4つの不妊治療ローンを紹介しましたが、不妊治療ローンは「審査がある」という点は忘れないでください。誰でも申し込むことはできません。


審査基準で挙げられる点は「年齢」と「収入」、そして「信用情報」となります。


年齢は基本的には「20歳から65歳」までが申し込みできる期間となっていることが多いです。未成年の方は保護者の管理下であるため申し込むことができません。


また、収入については「安定した収入を得ている」ことを求められることが多いです。銀行やローン会社は、あくまでも借りる方が「しっかり返してくれる」ことを前提に融資します。


不妊治療ローンの場合は、借りたいとお考えの夫婦いずれかが「正社員として安定した収入がある」ことが条件になっています。これは、安定した収入があることによって、確実に返済できると銀行側がみなすためです。従って無職やフリーターの方ではローンの審査に通ることは少々難しいといえます。


その他、信用情報をみられることが多いです。これは過去に金融事故や延滞の経験のある方ですと「返してもらえない」リスクが高まるため、銀行側がローンを通すことを拒みます。絶対に借りることができないことはありませんが、過去に延滞等起こした経験のある方は審査が通るのが難しくなるでしょう。

妊活ローンは低金利か

不妊治療ローンを借りる上で「金利」については予め検討するべき事項です。


ご紹介しました4社の金利ですが、決して安い訳ではありません。例えばアスマイルの不妊治療サポートローンでは最大13.9%の金利となっております。これは30万円以内の場合の適用金利ですが、30万円借りると1年で金利分が4万円となります。


金額はわずかのように感じるかもしれませんが、銀行に預金して年率0.01%しか利子がつかない時代ですので、決して低金利ではないことが分かります。


ただし、金利についてはフリーローン等に比べると使用用途が明確になっていることもあり低い金利ではありますので、十分に検討の余地があります。

妊活ローンを受ける際の診断書などの書類

不妊治療ローンを受けるためには、不妊治療を行っているという「証明」が必要になる場合があります。


必要資料は銀行やローン会社によって異なりますが、基本的に、

  • 不妊治療を行っていることがわかる診断書
  • 不妊治療に通っているクリニックの診察券
上記の資料となります。

不妊治療ローンを申し込む際には、クリニックの診断書を必ずもらうようにすることをお勧めします。

また、会社によっては診断書を不要にしているところや、クリニックの診察券で対応できるようになっているところもありますので、申し込みをしようと考えている先の必要資料を事前に確認することをお勧めします。

不妊治療はただでさえ費用が掛かりますし、診断書の取得は費用が掛かることが多いため、不妊治療ローンへの申し込みを十分に検討の上取得したほうが良いでしょう。

不妊治療費を企業が無利子で貸してくれるとこも!

不妊治療を検討している方が多くなる中、近年企業が「不妊治療費」を貸してくれるところも増えているようです。特に無金利で貸している企業もあるようですので、一度企業の福利厚生内容を確認してみるのも一つです。

大手企業で導入している先で有名なのが、

  • 清水建設
  • オムロン
  • メルカリ
となります。

清水建設では最大100万円までを無利子で貸し出しています。また、オムロンでは2年間で最大20万円までを補助金として会社が負担しています。

そしてメルカリでは最大200万円までを無期限で会社負担としており、保険適用で自己負担分の3割を会社負担、自費診療であれば7割を会社負担とする形で、妊活に悩まれている従業員に対して手厚い福利厚生を提供しています。

不妊治療のローンを借りる前に医療保険が適用できるか確認しよう!

ここまで不妊治療のローンの説明をしていきましたが、借りる前に確認することがあります。それは「医療保険が適用できるか否か」です。


実は、医療保険で不妊治療の費用を保障してくれる商品も増えてきており、ご自身が加入している医療保険の内容次第では不妊治療費を十分にフォローできる可能性があります。


また、不妊治療の種類によっては国や自治体からの治療費助成を受けることができる場合もあります。


返す必要のあるローンよりも医療費助成や医療保険による保障をもらえる方が皆さんにとっても望ましいと思います。そこで次項より医療保険について解説し、不妊治療ローンを検討している方で該当するか否かを確認してもらえればと思います。

不妊治療の医療保険適用の条件

一般的には不妊治療の費用は健康保険適用外となっていることが多く、自己負担が基本でした。しかし、少しずつ健康保険適用の治療も増えてきました。


実は、近年国や自治体では不妊治療に対する助成制度を拡充してきました。不妊治療の費用の一部を助成してもらえたり、体外受精や顕微授精等の高度不妊治療への助成をしてもらえる可能性があります。


ただし、必ずしも助成を受けられるわけではありません。具体的には、排卵タイミングを医師によってアドバイスを受け妊娠に向ける「タイミング療法」について、自治体によって助成を受けられない可能性があります。また所得制限があるため、ある程度高年収世帯であれば助成を受けることができません。


そのような場合「民間の医療保険」では保障を受けられないかと考える方もいらっしゃると思います。


不妊治療費への備えは、ローンや助成によってカバーできることはここまでお伝えしました。もし不妊治療中にケガや疾病が起きたときはどうでしょうか。実は通常の医療保険では十分にカバーできないことが多いのが現状です。


そこで不妊治療中の病気やケガへの対策に効果的な医療保険が「子宝エール」です。次項で詳しく紹介します。

不妊治療中でも加入できる医療保険「子宝エール」

通常、不妊治療中に医療保険の加入ができない商品が多かったのですが、不妊治療中にも加入することができ、万が一のケガや病気に備えた医療保険商品がアイアル少額短期保険が販売する「子宝エール」です。


元々不妊治療中に保険加入することができなかったという女性の声が多かったことから、不妊治療中でもその他健康状態に問題ないことを前提に保険加入できる商品設計になっています。


ご興味がある方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。

まとめ:不妊治療のローンを借りる前にやるべきことを確認し出産を諦めない!


妊活でお悩みの方や不妊治療を検討しようか迷っている方が増えているための、自治体からの助成や医療保険を活用することを前提に、ご自身や家庭の事情を鑑み不妊治療ローンは最後に検討することが望ましいでしょう。


今回の記事のポイントは、

  • 不妊治療ローンは借りやすいものの低金利ではない 
  • 各会社によって不妊治療ローンの条件が異なるため要確認 
  • 不妊治療ローンを借りる前に医療保険適用できるか確認
  • 不妊治療中でも申し込める医療保険がある
以上となります。

費用が掛かる不妊治療ですが、費用カバーする術があるため非常に心強いと言えましょう。従って前向きに治療検討が可能であるといえます。また、治療中の疾病やケガのリスクもあるため、子宝エール加入によるリスクヘッジもお勧めします。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。

ランキング