【獣医師監修】猫の臍ヘルニアとは?原因から症状、治療法まで解説!のサムネイル画像

猫の臍ヘルニアをご存知ですか?原因は先天性のことが多く、いわゆるでべそや腸等の内蔵で下腹部が膨らむ等の症状がみられます。治療としては腹筋を縫合する手術が多く、術後も良好なことが多いです。この記事では猫の臍ヘルニアについて、原因と症状、治療法、予防を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

猫の臍ヘルニアとは?手術で治る病気なのか

臍ヘルニア」をご存知でしょうか?


臍ヘルニアとは、臍部分の腹筋が閉じておらず穴が空いている状態のことで、ここかから臓器、脂肪組織などが体の外に脱出し皮下が膨らむ症状のことです。


臍ヘルニアは避妊去勢手術と同時に手術をすることが多いのですが、穴の大きさや状態によっては緊急を要する手術が必要になることもあるため注意が必要です。


そこで、今回「MOFFME」では猫の臍ヘルニアについて

  • 臍ヘルニアとは?原因や症状は?
  • 臍ヘルニアの治療法や治療費
  • 臍ヘルニアの予防法
  • 臍ヘルニアにかかりやすい猫種や年齢

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいいただければ、猫の臍ヘルニアに関しての基本的な知識を得ることに役立つかと思います。


MOFFMEではペット保険のランキングについても紹介しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。

猫の臍ヘルニアとは?原因や症状を詳しく解説!

猫の臍ヘルニアとはどのような症状なのでしょうか?


猫の臍は毛で覆われており、人間のように穴が空いていないので「猫の臍を見たことがない」という人の方が多く、臍ヘルニアに気が付きにくいかもしれません。


ここからは

  • 猫の臍ヘルニアの症状
  • 臍ヘルニアの原因

について詳しく解説していきます。

そもそも猫の臍ヘルニアとは?いわゆるでべそのこと!

猫の「臍ヘルニア」とは、いわゆる「でべそ」の事です。


臍ヘルニアは出産後に切り離されたへその緒は成長過程で閉じるのですが閉じるはずの腹筋に穴が空きそこから内臓や脂肪が飛び出している状態です。


臍の辺りに膨らみがある、押すと元に戻り触った感触は柔らかい場合は臍ヘルニアの可能性があります。


しかし、膨らんでいる部分が前より大きくなっている場合や、押しても腹腔内に戻らない場合は緊急の手術が必要になる場合が多いため早めに動物病院を受診しましょう。


また、膨らむ部分や部位によって

  • 椎間板ヘルニア
  • 鼠径ヘルニア
  • 大腿ヘルニア
  • 食道裂溝ヘルニア
  • 横隔膜ヘルニア
  • 腹壁ヘルニア

などがあり、このうち特に猫によくみられのが臍ヘルニアです。

猫の臍ヘルニアの原因は?先天性のことが多い!

猫の臍ヘルニアの原因は

  • 臍輪の閉鎖が不十分で臍輪が大きいため
  • 生後間もない時の便秘、激しい運動などによる腹圧の急上昇

などが原因ですが、はっきりとした原因は分かっておらず先天性の場合が多いです。

猫の臍ヘルニアの症状は?痛みや下腹部が膨らむ等の症状を解説!

臍ヘルニアの症状は

  • 臍の辺りがポコっと膨らんでいる
  • 膨らんでいる部分を指で押すと元に戻る

猫の臍ヘルニアで自覚症状が出ることはごく稀です。


また、指で押して戻るタイプと戻らないタイプがあり、戻らないタイプの臍ヘルニアは嵌頓ヘルニアといいます。


嵌頓ヘルニアの場合は

  • 内出血
  • お腹を押すと痛がる
  • 便秘

などの症状があり、酷い状態だと臓器などが飛び出した事で血流障害を起こし腸が壊死、腸閉塞などを引き起こともあります。


この状態になると痛みや食欲不振、発熱など命の危険がある場合もあるため、早めの手術が必要になります。


また、指で押して元に戻るタイプの臍ヘルニアでも、いきなり嵌頓ヘルニアになることもあるため油断はできません。

猫の臍ヘルニアの治療法や治療費、予防法を詳しく解説!

猫が臍ヘルニアになった場合、どのような治療が行われるのでしょうか?

ここからは

  • 猫の臍ヘルニアの治療法と治療費
  • 臍ヘルニアの予防法

について解説していきます。

猫の臍ヘルニアの治療法や手術費用等の治療費を解説!

穴の大きさや飛び出している内容物によって手術の緊急性が変わり、状態によっては早めに手術を進められる場合もありますが、緊急性がない場合は避妊去勢手術の際に腹膜を縫合し穴を塞ぐ手術をすることが多いです。


臍ヘルニアの手術でかかる費用は病院により多少異なりますが、平均3万円~5万円で、不妊去勢手術と一緒に治療をする場合は避妊去勢手術の料金にプラス5千円~1万円ほどで行っている病院が多いようです。 


ただし、臍ヘルニアの状態や緊急性、入院の有無などによって費用は異なりますので心配な方は事前に確認しておきましょう。


また、手術自体は極端に大きなヘルニアでなければ難しいものではなく、術後は良好である事が多く基本的に再発することは少ないです。

猫の臍ヘルニアの予防法は?避妊手術の際に同時に手術すると良い

臍ヘルニアの予防法はありません。

そのため、子猫の頃からお腹を触って異常がないか日常的に確認しましょう。


ただの出べそだと思っていたら腫瘍だった」ということも珍しくありません。

「たかが出べそ」と甘く考えず、異変に気がついたら早い段階で獣医に相談する事で愛猫の健康を守る事につながります。


また、猫の臍ヘルニアの治療は穴を縫合して閉じる手術が必要になりますが、臍ヘルニアのみの手術を行うことはあまりありません。


自覚症状も無いため、緊急を要する状態でない場合は避妊去勢手術を行う際に同時に手術をします。


避妊手術と同時に行うため術創は大きくなりますが、だからといって術後の回復や抜糸が遅くなることもありません。

臍ヘルニアにかかりやすい猫種や年齢はある?

臍ヘルニアは生まれつきのものがほとんどですので「かかりやすい年齢」という年齢はなく、中年以降で臍ヘルニアを発症することは稀です。


臍ヘルニアの大きさは様々ですが、生後間もない頃で大きさも小さければ生後1ヶ月~半年までに自然治癒することもあります。


そのため医師の判断により生後半年以上過ぎるまでは経過観察になる場合も多く、麻酔リスクが高いなど、よほどの理由が無い限りはほとんど自覚症状もないため生後6~9ヶ月頃に行う避妊去勢手術の際に手術します。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


愛猫が臍ヘルニアになった場合、自然治癒するものや避妊去勢手術の際に治療できる程度のものであればいいのですが、状態が良くない場合はさらに治療や入院が必要になります。


人間と違い健康保険がないペットは、治療費が高額になることがほとんどです。


そのため、万が一の事が合った時に安心して治療をうけられるようペット保険に加入しておくことをおすすめします。


ペット保険は病気やケガの治療以外にも、ペットが物をこわしてしまったりケガをさせてしまった時にも適用されるため加入していると心強いのではないでしょうか。


MOFFMEでは猫のペット保険に関する記事が多くあるため、ぜひ参考にしてみてください。

ペット保険の一括比較はこちら

まとめ:猫の臍ヘルニアとは?手術をすれば予後も安心!

猫の臍ヘルニアについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは、

  • 猫の臍ヘルニアとはでべその事で原因は先天的な場合が多い
  • 軽症なら痛みなどは無いが穴の大きさや、飛び出している内容物によっては命に関わる状態になる場合もある
  • 臍ヘルニアは避妊去勢手術と一緒に治療されることが多い
  • 猫の臍ヘルニアの治療費は約3万円~5万円で再発はほとんどない
  • 万が一に備えペット保険には加入しておくと安心

でした。


普段猫のお腹をじっくりと観察することは少ないかもしれませんが、普段から猫ととコミュニケーションをとる際にお腹も触っていつもと違う部分は無いか?臍周りが固くなっていないか?なども観察しておきましょう。


MOFFMEでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。