猫の色覚とは?人間との違い、赤色が見えないのは本当なのか徹底解説のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. 猫が見えている色は人間よりも少なく、赤が見えない「赤盲目」説がある
  2. 猫の視力はとても低いが動体視力や暗視能力がとても優れている!
  3. 猫も眼疾患に注意!治療費用は全額自己負担のため、健康なうちからペット保険への加入がおすすめ!

猫の色覚はどうなっているのでしょうか?論文や実験等で、猫は青色は見えるが赤色は見えない、赤色盲だと言われますが、本当か気になりますよね。また猫の視界や視力、目の色はどうなっているのでしょうか。この記事では猫の色覚について、猫の見え方や見える色等を解説します。

記事監修者「中西 涼馬」

この記事の監修者中西 涼馬
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)理事

子供の頃から多くの保護犬や保護猫と暮らしてきた。その他、野生動物や昆虫類含め、全ての動物に対して深い愛を持つ。現在、ドーベルマン(元保護犬)・ボルゾイ・ゴールデンレトリバー(悪徳ペットショップから保護)・ボーダーコリーや猫たちと暮らす。主に猫に関しての記事監修者として活躍している。【保有資格:猫健康管理士(一般財団法人全日本動物専門教育協会)】

この記事の目次

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猫の色覚はどうなってるの?猫の視覚や見える色を徹底解説!

「猫は赤色を見られない」


あなたはこんな話を聞いたことはありませんか?


実は色覚のほかにも、猫と人間ではさまざまな目の機能が違います。


今回お伝えする内容は「ただの豆知識」ではなく、その後のペットフード選びやおもちゃ選びにも影響してきますよ。


今回「MOFFME」では

  • 猫は本当に赤色が見えないのか?
  • 猫に見える色とその理由
  • 猫の視力や視界、世界の見え方とは
  • 猫の瞳孔の変化とは
  • 目の色の決まり方
  • タペタム層とは
について解説し、猫の視覚や色覚について深く掘り下げていきます。

ぜひ最後までお読みください。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

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猫の色覚について徹底解説!猫に見える色は何種類あるの?


モデル:おもち


それでは猫の色覚についてお伝えしていきます。具体的には

  • 猫に見える色、人間に見える色
  • なぜ猫の色覚では赤色が見られないのか

について説明します。


可能な限りわかりやすく解説するように心がけましたが、むずかしいと感じたり時間がなかったりする方もいますよね。その場合は下のまとめだけ読んで、次の見出しに進んでいただいても大丈夫ですよ。


まとめると「色を認識する器官の数が人間とは違うため、猫の色覚では赤色を感じず、青や黄、緑の光しか見えない」んです。

猫の色覚はモノクロ?猫に見える色を徹底解説!

猫の色覚について知るには、まず目の構造を簡単に理解する必要があります。


目の奥には「網膜」と呼ばれる部分が存在し、ここに映った光が脳へ伝わって私たち生き物は何かを見ることができます。


網膜には視細胞と呼ばれる器官が2種類あります。それぞれ「錐状体細胞」と「杆状体細胞」という名前がついており

  • 錐状体細胞=色
  • 杆状体細胞=モノクロ(光の強弱)

と、違う分野が担当です。


猫の色覚を考えるには、この「錐状体細胞」が重大な役割を果たします。


人間の色覚は錐状体細胞が3種類ある「3色型色覚」です。この3種類の細胞があるおかげで、私たちの目は赤やオレンジ、紫に青などのさまざまな色の光を認識します。


対して猫の色覚は錐状体細胞が2種類しかない「2色型色覚」。


「青~紫色」「緑~黄色」の光は知覚できますが、赤色の光を検知するための細胞は存在しません。


実験結果などから猫の色覚は赤色がわからない赤色盲とする論文もあります。


ただ赤い部分が消えて見えるわけではなく、実際には黄色やグレーのように見えていると予想されています。

猫の見える色が人間よりも少ない理由とは?

猫が赤色を見られない理由はズバリ、見る必要がないから。


人間の先祖は食べ物である果実が熟しているかどうかを調べるために、細かい色の違いを認識することが必要不可欠でした。たとえばトマトが分かりやすい例ですね。その名残から、今の人類も赤色を見られます。


対して猫の祖先の主食は肉類で、赤色を認識できなくても獲物を捕まえるのには苦労しません。


そのため猫は赤色を認識する目の細胞が退化してしまったのです。


ところで猫の固形キャットフード、いわゆるカリカリに赤色の粒があるのを思い出した方はいませんか?


ここまで読んでいただければわかるように、あのカリカリの色は猫の色覚にとって意味がありません。


ではなぜ赤色がついているかというと…人間にとっておいしそうに見えるから。


特に着色してあるから猫に有害というわけでもないのですが、猫の色覚を考えてないペットフードが本当に猫の健康を考えて作られているか、には疑問が残りますね。

猫の視力や視野の広さはどれくらい?人間と比較して解説!


モデル:おもち


「それでは、猫はどのくらい目が見えているの?」


この見出しでは皆様のそんな疑問にお答えして

  • 猫の目の視力や、ほかの能力について
  • 猫の視野の広さについて
  • 猫の目で時間を知る方法
を解説していきます。

人間とは全然違う、猫のとっても不思議で役に立つ瞳がもっと大好きになりますよ。

猫の視力はどれくらい?人間より動体視力・暗視が発達している!

人間と比べると、猫の視力はとても低いです。


人間の視力を1.0とすると猫は0.3ほどで、75cm以上の場所はぼやけてみえています。立っている飼い主の顔がよく見えていないのはちょっと悲しい気分ですね。


ですがその分、猫の目には人間にはないさまざまな特徴があります。


まず動体視力。猫の目はこれがとても優れていて、1秒間に人間よりも多くの情報を処理することが可能です。


蛍光灯を例にあげましょう。蛍光灯は細かく点滅しているのですが、人間の目にはわかりません。ですが猫は気づいています。


そして暗視能力発達しています。猫の目は光の明暗(モノクロ)を認識する杆状体細胞が46万個あり、人間の16万個と比べて2.5倍以上。そのおかげで夜でもしっかりと獲物を発見し捕らえることが可能です。


他にも猫の目には、工夫がいっぱいあります。


より詳しくはMOFFMEの別の記事で紹介しているため、参考にしてください。

猫の視力についてはこちらのサムネイル画像

【獣医師監修】猫の視力はどれくらいあるの?猫の視力が低下する原因なども紹介

猫の視野はどれくらい?人間よりも広い視野で見えている!

猫の視野(眼を動かさずに見られる範囲)はどの程度なのでしょうか。


視野は左目と右目両方で見る両眼視野と片方だけの単眼視野、二つを合わせた全体視野分かれています。


両眼視野で捉えたものは細部まで見ること、単眼視野は大まかな影を認識することに適しており、一般的に

  • 肉食動物は単眼視野と全体視野が狭く、両眼視野が広い
  • 草食動物は単眼視野と全体視野が広く、両眼視野が狭い

という特徴を持ちます。


猫の視野は約200度あり、人間の180度よりも広い範囲でものが見えます。また両眼視野は120度なので人間と同じくらいです。


これらの能力は動く獲物の動きをしっかりと捉えるのに最適なのです。

補足:猫の瞳孔の開き具合で時間が分かる?

黒目の中心、一番暗いところを瞳孔といいます。


猫の瞳孔は、暗いところではわずかな光を最大限利用するために丸くなり、光が多いところでは糸のように細くなります。


この仕組みを利用すれば、猫の目を見て大まかな時間がわかるんです。


猫の目時計」という名前がついており、昔は忍者が使っていた立派な忍法だったようですよ。

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補足:猫の目の色の種類、目のタペタム層について解説!


モデル:おもち


目の覚めるようなイエローに、深い森を感じさせるグリーン…


目の色は猫によってさまざまですが、どれも綺麗でいくら見ていても飽きません。


一体どうやって、あの色は決まってくるのでしょうか。


ここでは

  • 猫の目の色の種類と、その決まり方
  • タペタム層って何?
  • 暗闇で猫の目が赤い!?赤目現象とは
といった内容について詳しく説明します。

猫の目の色にはどんな種類がある?

猫の目の色は基本的に

  • グリーン
  • ヘーゼル
  • イエロー(アンバー・ゴールド)
  • カッパー

の4つ。


これらは目の虹彩と呼ばれる部分(人間でいう黒目)に沈着するメラニン色素の量で変化し、メラニン色素が少ないと緑、多くなると茶色に近づきます。


虹彩に含まれるメラニン色素の量が極端に少ないと青色に見えます。シャム猫やペルシャ猫に多い特徴ですね。


例外は左右で目の色が違う「オッドアイ」の猫。一番多いのは「左目青・右目金」の組み合わせです。


とっても魅力的なオッドアイですが、この目を持つ白猫の多くは片方の耳が聞こえません。


飼った後に人間の身勝手で捨てられてしまうケースが多発しているため、「珍しい!」というだけで飼わないようにしてください。


さらに、突然変異でメラニン色素が欠落した猫(アルビノといいます)は赤色の目をもっています。

猫の目のタペタム層とは?赤目現象についても解説!

タペタム層(輝板)とは、犬や猫など夜活動する動物が持っている目の器官のこと。


このタペタム層は光を跳ね返す色素を含み、このおかげで猫は月の光など少しの光を頼りにものを見られます。


ところで、暗いところで猫の目を見ると赤くなったり、緑に光ったりした経験はありませんか?


これはタペタム層が光を反射しているからなんです。緑~茶色の猫の目は緑色に光ります。


見出しにある「赤目現象」とは、赤色や青色の目を持つ猫の瞳が、暗いところでは緑ではなく赤く見える現象のこと。


メラニン色素が薄いとタペタム層の色素も少ないため、目の色が青や赤の場合は血管の色を反射して赤色に見えます。

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近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。


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しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね


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まとめ:猫の色覚はどうなってるの?

猫が赤色を認識できない色覚の理由をご理解いただけたでしょうか?

今回MOFFMEで解説した内容を以下にまとめました。

  • 猫の色覚は赤色を認識できない
  • 猫は生態の違いからそもそも赤色がわからなくても問題なし
  • 人間の視力を1.0とすると、猫は0.3くらい
  • その分動体視力や暗視に優れている
  • 視界は人間より広く、動く獲物をしっかりと捉えられる
  • 忍者は猫の目で時間を知ったほど、時間によって猫の目の瞳孔は変わる
  • 猫の目の種類はメラニン色素の量によって決まる
  • 赤目現象が起きるのは、タペタム層に含まれる色素の多い・少ないの違い
猫の色覚を考えれば、おもちゃを選ぶときも赤ではなく青や緑を選ぶなど、愛猫がもっと喜ぶ方法をいろいろと思いつきますね。

MOFFMEでは、このほかにも様々なペットや保険に関する役立つ記事を多数公開しておりますので是非ご覧ください。