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犬がトイレに失敗するのはストレスが原因でしょうか。愛犬が突然粗相をしたら心配ですよね。また粗相の対策やトイレトレーニング・しつけはどうしたら良いのでしょうか。この記事では犬がトイレに失敗するのはストレスが原因かについて、理由や対処法を詳しく解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬がトイレに失敗するのはストレスが原因?対策も詳しく解説!

子犬がトイレをなかなか覚えない、これまできちんとトイレをできていた犬が急に粗相をするようになってしまう。


成犬でも子犬でもトイレを失敗してしまうことはありますが、そこで叱ってしまうと、ますます状況は悪化してしまいます。


犬は飼い主さんに訴えたいことストレスがある時にわざと粗相をすることもあるので、なぜトイレを覚えないのか、どうして失敗してしまうのか原因を探ることも大切です。


今回「MOFFME」では

  • 犬の粗相とマーキングとの違い
  • 犬がトイレを失敗する時に考えられる5つの理由
  • 犬がトイレを急に失敗した場合に、原因として考えられる病気
  • 犬のトイレトレーニングのポイント
  • 犬が頻繁にトイレを失敗する場合の対策
  • トイレの失敗にも繋がる、犬のストレスとは?
  • 犬のストレスの原因や解消法
について説明していきます。

なかなかトイレトレーニングが進まずに悩んでいる飼い主さん、急に愛犬が粗相をするようになって困っている飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にして愛犬がトイレを失敗する原因を探ってください。

また、MOFFMEではペット保険のランキングについても詳しく紹介しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。

犬がトイレに失敗するのはストレスが理由?原因を詳しく解説!

犬が悪いわけではない。頭ではわかっていても何度もトイレの失敗が続くと、つい愛犬を叱ってしまうこともあるでしょう。


しかしトイレで用を足すという習性を持たない犬からすれば、トイレの失敗で怒られたことは「なんだかわからないことで飼い主さんからひどく叱られた」と、ストレスの原因になりかねません。


飼い主に叱られたくない一心で粗相をしたら食糞する、排泄そのものがいけないことだと思いこんでトイレを我慢するようになるなど、病気の危険性もある問題行動を起こすため、犬がトイレを失敗しても叱るのは厳禁です。


ここでは

  • 犬のマーキングとはなにか
  • ストレスとトイレの失敗の関係
  • 犬の老化とトイレの失敗の関係
  • 犬の気持ちとトイレの失敗の関係
  • 犬の病気とトイレの失敗の関係


について詳しく説明していきます。犬がなぜトイレを失敗してしまうのか、その原因を詳しく見ていきましょう。

そもそも犬の粗相とは?マーキングとの違いも解説!

犬の粗相とは尿意や便意に耐えられなくなって、本来はトイレをすべきではない場所でうっかり排泄してしまうことを指します。


一方で散歩中に犬が電柱や木の根元などに排泄するのは粗相ではなく、自分の縄張りを主張するためのマーキングです。


マーキングは犬が習性として意識的に「ここで排泄しよう」と考えて行うもので、うっかりトイレ以外の場所で排泄してしまうことを指す「粗相」とは大きく異なります。


もともと自分の縄張りだと自覚しているはずの家の中でトイレを失敗する、出先であっても匂いを嗅いでまわるといった確認行為をせずに突然排泄をしてしまうといった場合などは、粗相の可能性が高いでしょう。

原因①:精神的に落ち着かない、ストレス

引っ越した、家族が増えた、新しい犬や猫がやってきたなど、環境が変わったことがストレスになり、急にトイレを失敗するようになる犬も少なくありません。


この場合は環境の変化によって精神的に不安定になり、飼い主さんに助けを求めて粗相をしている可能性も考えられます。


トイレを変えた、ハウスの向きを変えたといった些細なことがストレスになる子もいるので、急に粗相が増えた時には直近で変わったことがなかったか確認しましょう。

原因②:トイレを覚えない、場所がわからない、老化

早くトイレを覚えてもらわないと、と気持ちが急いてしまって犬がトイレの役割や場所を理解していない状態で、トレーニングを進めてしまう飼い主さんもいます。


まずはトイレの場所をきちんと決め、ここで排泄をするのだということを犬に理解してもらいましょう。


また悲しい話ですが、犬も歳を重ねると人間同様に老化現象が見られるようになります。


老犬になってからトイレの失敗が増えたという場合には、今まで鼻や目で認識していたトイレの場所がわからなくなってしまった、場所を勘違いしてトイレ以外の場所で排泄をするようになってしまった、という可能性も考えられます。

原因③:わざと失敗する、構ってほしい

若く健康で、トイレトレーニングも済んでいる犬が突然トイレを失敗するようになった際は、自分に注意を引きつけるためにわざと粗相をしている可能性もあります。


要求吠えと同様の問題行動ですから、構ってほしくて粗相をしている場合には徹底的に無視をしましょう。


一度構うと味をしめて、要求がある時には粗相して飼い主さんを呼び出す癖がついてしまいます。


またこの場合、叱るなどのマイナスのアクションをしても犬は「構ってもらえた」と解釈してしまうため、排泄物は犬とは目を合わせずに、無言で淡々と片付けてください。

原因④:分離不安症

飼い主さんとできるだけ一緒にいたいというのは犬にとって当然の願望です。


しかし、それが行き過ぎて片時も離れたくない、常に姿が見えないと不安で仕方ないとなってしまうと、分離不安症という病気を発症しているおそれがあります。


犬が粗相をするのが決まって飼い主さんが不在の時だったり、他のことに気を取られている時だったりする場合には、分離不安症がトイレ失敗の原因かもしれません。

原因⑤:病気

治療で利尿作用のある薬を処方されている等、病気で粗相をしてしまう犬もいます。


特に排尿を促す薬を飲むことが多い腎臓病を発症している犬や、膀胱炎、尿路結石症などの下部尿路疾患のある犬については、粗相の原因が病気の可能性も高いため注意が必要です。


このケースでは犬も思いがけずやってきた排尿感に我慢ができず、トイレが間に合わなかった結果、粗相をしているため、決して怒らないであげてくださいね。

犬の粗相の原因として考えられる病気は何がある?

犬が粗相をしてしまう理由が病気の可能性もあるとお伝えしましたが、詳しくはどのような病気が原因として考えられるのでしょうか?


ここでは

  • 犬がトイレを失敗する原因となる病気と症状
  • 犬のライフステージや体格別に考えられる粗相の原因
について説明していきます。

トイレ失敗の原因となる病気についてはかかりやすい犬種も紹介していくので、ご確認ください。

犬のトイレの失敗の原因として考えられる病気を詳しく解説!

犬のトイレ失敗の原因となり得る病気と症状、その病気にかかりやすい犬種は以下の通りです。

病名症状かかりやすい犬種
膀胱炎血尿が出る、排尿時に痛がる、排泄回数が増えるがなかなか尿が出ないなど犬種に関係なくメスが発症しやすい
ホルモン反応性尿失禁外尿道括約筋が弱くなったことで、失禁が見られるようになる避妊手術、去勢手術を終えた犬
特に大型犬のメスに多い
尿路結石症尿の回数が増える、血尿が出る、排尿時に痛がるなどミニチュア・シュナウザー、シーズーなど
異所性尿管生まれつき尿道が膀胱に繋がっていないため、失禁がみられるフォックステリア、シベリアンハスキー、ブルドッグなどのメスに多い
脊髄腫瘍脊髄にできた腫瘍が大きくなったことで、失禁や歩行困難などの症状が出る特になし
椎間板ヘルニア髄核が脊椎を圧迫し、歩行困難や足を引きずる、失禁などの症状が出るダックスフンド、コーギー、ビーグルなど
認知症加齢による判断力の低下、トイレの場所がわからなくなる、失禁等の症状が出ることも特になし

補足:犬のトイレの失敗の原因を、大きさや年齢別に紹介!

犬のライフステージや体格によっても、トイレを失敗する原因となる病気があります。考えられる病気や原因は以下の通りです。

犬の体格ライフステージトイレを失敗する原因として考えられる病気など
小型犬(〜10kg)幼犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、尿路結石、椎間板ヘルニアなど
小型犬(〜10kg)成犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、尿路結石、椎間板ヘルニアなど
小型犬(〜10kg)老犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、椎間板ヘルニア、認知症など
中型犬(〜25kg)幼犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、脊髄腫瘍など
中型犬(〜25kg)成犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、脊髄腫瘍など
中型犬(〜25kg)老犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、脊髄腫瘍、認知症など
大型犬(25kg〜)幼犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、ホルモン反応性尿失禁、脊髄腫瘍など
大型犬(25kg〜)成犬分離不安症、ストレス、異所性尿管、ホルモン反応性尿失禁、脊髄腫瘍など
大型犬(25kg〜)老犬分離不安症、ストレス、膀胱炎、異所性尿管、ホルモン反応性尿失禁、脊髄腫瘍、認知症など

犬の粗相の対策とは?4つのトイレトレーニング方法を解説!


粗相をしてしまう時には犬自身の様子を観察することはもちろん、トイレの環境なども見直す必要があります。


ここでは、犬のトイレトレーニング時に確認したい

  • 犬のトイレの場所やトイレの環境
  • 犬のストレス
  • 基本的なトイレのしつけの方法
  • どうしても失敗が続く場合の対処法
  • トイレトレーニングでの注意点
について紹介していきます。

①:トイレの場所等、トイレの改善をする

小さなケージやサークルにトイレと犬用ベッドをぎゅうぎゅうに入れて、子犬のトイレトレーニングを行っている方もいるかと思います。


この方法は犬の飼育書でも紹介されていますが、神経質な子にとっては逆効果の可能性もあるのです。


犬は綺麗好きなのでベッドの横にトイレを置かれても、そこでは排泄をしたがらないことも。


トイレとベッドの間には少しスペースが取れるよう、ケージの大きさを見直してください。


またトイレが汚い場合も使いたがらないため、常に綺麗に掃除してあげましょう。

②:ストレスを解消させる、落ち着きを与える

もし犬の粗相の原因が分離不安症などのストレスにある場合には、留守番をさせる時に飼い主さんのにおいのついた衣類やタオルをケージに入れるTVやラジオなどをつけておくなど、犬を安心させる工夫をしましょう。


また短い時間の留守番をさせて徐々に時間を延ばしていくなど、留守番の練習をすることも効果的です。


分離不安症やストレスが原因でトイレを失敗してしまうケースでは、まず犬の不安を解消してあげることが大切です。


粗相を含め、留守番中に問題行動を起こしても決して怒らないでくださいね。

③:定期的にトイレに連れていく

トイレトレーニング用のケージの中ではトイレができていても、いざ部屋の中にトイレを移すと粗相をしてしまう犬もいます。


特に子犬の場合は遊んでいて尿意に気づかなかった、広い部屋で自由にできるようになり、どこにトイレがあるのかわからなくなってしまったためにトイレに間に合わなかった、ということも少なくありません。


ソワソワする、同じ場所でくるくる回るなどのサインが見られたら、犬をトイレに誘導しましょう。


何度か連れていくうちに、トイレの場所や役割をきちんと覚えてくれますよ。

④:動物病院を受診する

犬が急にトイレを失敗するようになったうえ、排尿時に悲鳴のような鳴き声を出す、トイレに何度も向かっているのに排泄した形跡がない、尿に血液や異物が混ざっているといった場合には病気を疑ってください。


上でも紹介したように犬の粗相の原因となる病気には、椎間板ヘルニア脊椎腫瘍を始め、放置しておくと寝たきりになってしまう、命にかかわるものもあります。


粗相以外に明らかな異変が見られる際には、すぐに動物病院を受診しましょう。

トイレトレーニングの注意点は?気をつけるべきことを解説!

トイレトレーニング中に犬が失敗をしてしまった場合、叱ることはもちろんですが驚いて大きな声をあげるのも厳禁です。


飼い主さんが大きな声を出して驚くと、犬は興奮して「これをすれば飼い主さんが喜ぶ」と勘違いしてしまうおそれもあります。


また犬は肉球の感触でトイレの場所を確認するため、トイレシーツの近くにタオルや毛布が置いてあったりすると間違えてしまう可能性もあります。


トイレの周りには、あまり物を置かないようにしましょう。そして濡れた感触のトイレシーツを嫌う子もいるため、トイレシーツはいつも清潔に保つようにしてください。


排泄中に大きな物音がするなど驚くような出来事が起きると、犬はトイレに行くと嫌な目に遭うと思い込んでしまいます。


トイレを置く場所についても、犬が落ち着いて排泄できるように静かな場所、人通りが少ない部屋の隅などにしてください。

犬のストレスとは?ストレスの原因や症状、解消法を解説!

トイレを失敗してしまう原因にもなる、犬のストレス。犬たちのストレスサインは実に多様で、できるはずのことをわざと失敗する以外にもさまざまな手段でSOSを出してきます。


ここでは

  • 犬のストレスの原因として考えられる要因
  • 見逃さずにおきたい犬のストレスサイン
  • 手軽にできる犬のストレス解消法
について説明していきます。

言葉を話せない愛犬のSOSを見逃さないよう、しっかりストレスサインを確認しましょう。

犬のストレスの原因とは?ストレス要因を解説!

犬は群れで生活する動物ですから、人間が思う以上に飼い主さん家族のことを観察しています。


そのため飼い主さん家族が喧嘩をしていたり、体調を崩していたりするとそれだけで心細くなってストレスを溜めてしまうのです。


また家族構成が変わることで、パニックを起こしてしまう犬も少なくありません。


飼い主さんに子供が生まれる、介護のために親を引き取ることになった等の家族構成の変化で「自分はどうしたらいいの?」と心配になり、ストレスの原因になってしまうのです。


特に子供が生まれる、仕事が忙しくなるなどの理由で犬と過ごす時間が激減してしまった時には注意しましょう。


飼い主さんが自分に興味を無くしてしまうのは、犬にとって何よりも辛く悲しいことです。


環境が変わる時には、犬がストレスを感じていないかしっかり気を配ってくださいね。

犬のストレスサインとは?ストレスがもたらす行動や仕草を紹介!

犬がストレスを感じている場合、わざとトイレを失敗する他にも以下のような問題行動やサインが見られます。

  • 呼んでも無視をする
  • 壁をむいて寝るなど、目を合わせないようにする
  • 食事を残す
  • いつもよりも良い食事を要求する
  • 激しく無駄吠えをする
  • 自分のおもちゃ以外のものを噛んで壊す
  • 歩けないフリや具合の悪いフリをする
他にもさまざまなサインを出す子がいますが、基本的に「怒られてもいいから、飼い主さんの気を引きたい!」という考えの犬が多いため、問題行動を起こしてアピールするケースが多いとされます。

また体中をかゆがる、嘔吐や下痢などの不調としてストレスが表に出る犬もいます。

犬のストレスを発散させるには?ストレス解消法を解説!

犬のストレス解消法としては、大好きな散歩の時間を長めに取る、刺激を与えるために散歩のコースを変えてみるなど、散歩を工夫することが有効です。


思いきり外のにおいを嗅がせて他の犬と遊ぶ時間も取ってあげられれば、犬にとって何よりの気分転換になるでしょう。


また長時間の散歩を一緒に楽しむことで、飼い主さんも自分が好きなのだという安心感を犬に与えられます。


しかし、外に出ることが怖いという犬を無理に外に連れ出すのは逆にストレスを増幅させてしまうおそれがあります。


外が怖い、嫌いという犬には家で大好きなおもちゃで遊んであげる、いつもはやらない遊びに誘ってみるなどの工夫をするとよいでしょう。


顎が強い子や、ストレスでものを壊す癖がある犬の場合には、噛みごたえのあるおやつを与えるのも効果的ですよ。

念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!

犬がトイレを失敗してしまう原因は複数あり、飼い主さんの対応や犬の病気が理由で粗相をしてしまうケースも多くあります。


粗相の原因となる病気の中には、最初は尿失禁程度しか症状がなくても、放置していれば取り返しのつかないことになるものも存在します。


犬の病気は人間と違い、全額自己負担かつ動物病院ごとの自由診療となりますから、病気が深刻なものであれば、とても一括では払えないような多額の診療費を請求されることもあるでしょう。


いざという時、お金と愛犬の健康を天秤にかけずに済むようにペット保険の加入を検討するのもおすすめです。


MOFFMEでは、便利なペット保険の一括比較サービスを始めとして、ペット保険加入者からのリアルな口コミ・評判を紹介する記事も扱っています。


ぜひペット保険を選ぶ際に役立ててくださいね。

まとめ:犬がトイレに失敗するのはストレスが原因?

犬がトイレを失敗するとつい感情的に怒ってしまいがちですが、実は粗相をしてしまう背景にはさまざまな原因があります。


この記事のポイントは

  • 環境の変化やストレスで、犬が急に粗相することもある
  • 老化が原因でトイレの場所が判断できなくなることもある
  • 飼い主不在時に粗相する場合は、分離不安の可能性もある
  • 犬の粗相は膀胱炎、尿路結石などの病気が原因のこともある
  • トイレトレーニングの失敗は、トイレの場所や環境が原因のことも
  • ストレスが原因で粗相する場合には、まず犬のストレスに対処する
  • 犬がトイレを失敗しても、絶対に叱らず大げさな反応もしない
  • 粗相以外にも、犬は問題行動でストレスサインを出すことがある
です。

愛犬がなぜトイレを失敗してしまうのか?人間側で配慮できる点はどこかを考えて、飼い主さんもストレスの少ないトイレトレーニングを行ってくださいね。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。