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猫の狂犬病をご存知ですか?狂犬病は猫も感染し、死亡確率が100%と恐ろしい病気です。日本国内ではなく海外では多く見られます。予防にはワクチン接種が重要です。この記事では猫の狂犬病について、原因から症状、治療法、予防法、ワクチンの予防接種を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の狂犬病とは?原因や症状、ワクチン接種について解説!


記事モデル:らに(※記事モデルの猫ちゃんは狂犬病ではございません。)


狂犬病は病名に犬が付いているため、犬が発症する病気と思っている方も多いのではないでしょうか。


しかし、実際には犬以外でも「哺乳類」と呼ばれる生き物全般に感染する可能性があるのです。


もちろん、猫や人間にもうつります。


怖い病気から愛猫を守るためにも、知識をつけておきたいですよね。


そこで今回「MOFFME」では、「猫の狂犬病」について

  • 猫の狂犬病の基礎知識
  • 発症するとどうなる?
  • 治療法や予防方法は?
以上のことを中心に解説していきます。

あまり注意喚起されていない猫だからこそ、飼い主が理解を深めておく必要があるでしょう。

この記事を読んで頂ければ、猫の狂犬病に関する知識から人間にうつった場合の症状までを知ることができます。

ぜひ、最後までご覧ください。

MOFFMEではペット保険のランキングについても紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

猫の狂犬病とは?特徴や原因、症状、人間にも感染するのかを解説


日本では18世紀ごろの書記に狂犬病の記録が残っています。


昔から猛威を振るっている狂犬病について、まずは基礎的な知識を身に着けていきましょう。


猫が狂犬病になると、どのような経過をたどり、どのような症状が出るのか不安ですよね。


そこで、ここでは

  • 感染から発症までの経過
  • 出現する症状
  • 人間が罹患した場合の症状
以上のことを中心にお話していきます。

愛猫のためにも知識を深めたいという方は、ぜひ参考にしてください。

猫の狂犬病とは?特徴や検査方法、潜伏期間を解説!

狂犬病は、罹患してすぐに症状がでるのではなく、潜伏期間というものが存在します。


猫にうつると、基本的に2~3週間の潜伏期間があります。


しかし、潜伏期間は固体によってバラつきがあるのが特徴です。


短い個体は数日で発症しますし、長い個体は1年以上発症しない場合もあります。


うつった後、その場で発症するのではありません。


そのため、発症までに長期間かかってしまうと、原因がはっきりしない場合があります。


発症前に検査を行っても反応しないのも特徴です。


したがって、検査をするときにはすでに症状が出ている状態になります。


検査方法としては、血液検査などが用いられれることが多いです。

猫の狂犬病の原因は?狂犬病ウイルスの感染経路も紹介!

原因である狂犬病ウイルスに罹患してしまうと、発症します。


空気感染などはせず、一般的に傷口から侵入します。


罹患している哺乳類から噛まれたり、ひっかかれたりしてできた傷口からウイルスが侵入してしまうのです。


日本では、1975年以降狂犬病の蔓延は確認されていません。


しかし、2020年5月に日本で発症し、亡くなった方がいます。


この方は、フィリピンで犬に噛まれ、日本に帰国後発症しています。


海外からの旅行者や、日本人が帰国したあとに発症する可能性は十分あるのです。


近年でも海外で罹患する可能性がある以上、日本でいつ広まってもおかしくない病気でしょう。


原因であるウイルスに愛猫が罹患してしまわないように、注意しましょう。

猫の狂犬病の症状は?ひっかき等の凶暴化、死亡確率を解説!

狂犬病を大きく分けると、「狂騒型」と「麻痺型」があります。

特徴
狂騒型興奮し、攻撃性が高くなる
麻痺型体が麻痺し、飲食物が摂取できなくなる

どちらの型でも厄介ですが、感染拡大という見方をすると、狂騒型の方が厄介でしょう。


狂騒型はさらに、「前駆期」・「興奮期」・「麻痺期」に分けられます。


前駆期から始まり、興奮期を経て麻痺期に陥り、死に至ります。


それぞれの病期で、症状の変化があるので以下の表を参考にしてください。

期間症状
前駆期発症~1日目性格が突然変化する
暗い所を好むようになる
攻撃性が増すなど
興奮期2~7日目攻撃性がさらに増す
口から唾液が垂れ流れている
何にでも噛みつくなど
麻痺期8~11日目全身に麻痺が起こる
飲食ができなくなるなど
3~4日以内に死亡する

猫の狂犬病では、とくに興奮期の症状が著名に現れます。


興奮期に入り5日目を過ぎると、後ろ足の麻痺が進み足を引きずるような仕草を見せるのが特徴です。


狂犬病は、発症するとほぼ100%死亡します。

猫の狂犬病は人間にも感染する?感染した際の症状等も解説!

愛猫が罹患してしまった場合、哺乳類である人間も罹患します。


しかし、人から人への感染は確認されていません。


前述したような猫の狂犬病の症状がみられた場合は、早急に隔離しましょう。


そして、噛まれても傷がつかないように、厚手の手袋などを使用してキャリーへ移します。


そうすることで、噛まれることなく受診することができるでしょう。


人間にも猫同様、病期が存在し「前駆期」・「急性神経症状期」・「昏睡期」があります。


それぞれの病期で出現する症状は以下の通りです。

症状
前駆期発熱、食欲不振などの風邪症状
傷口の痛み、かゆみ
急性神経症状期不安感が増強する
興奮しやすくなる
幻覚が見えるようになる
昏睡期昏睡状態になり呼吸困難

最終的には、呼吸困難により死亡します。


人間も猫が感染した場合と同様に、ほぼ100%死亡すると言われています。

猫の狂犬病の治療方法、ワクチン接種等の予防法を解説!

 

もし猫が罹患してしまったときは、どうすればいいのでしょうか。


もしものときに備えておくためにも、

  • 治療方法
  • 予防方法
を紹介していきます。

基礎的な知識を学んだあとは、もしもの場合に備えましょう。

そうすることで、愛猫の危機を救うかもしれません。

愛猫を守りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

猫の狂犬病の治療方法は?有効な治療法はあるのか

ほぼ100%死に至ると言われている狂犬病になってしまった場合、治療法はありません。


現在の医療では、一度発症してしまうと助ける方法がないです。


そのため、徹底して愛猫がウイルスを貰ってしまわないようにする必要があります。


愛猫のリスクを最小限にするためにも、海外になるべく連れて行かないようにしましょう。


というのも、日本でウイルスは蔓延していないですが、海外では毎年5万人以上もの人が亡くなっているのです。


帰国後に日本で発症するという事例は、数年に一度発生しています。


帰国後に発症した方が受診をせず、日本で蔓延してしまうということもあり得ますよね。


愛猫を守るためにも、「一度発症すると治療法はない」ということを必ず理解しておきましょう。

猫の狂犬病の予防法は?ワクチン接種の値段相場や副作用も解説!

犬は毎年の予防注射が義務化されていますが、猫は義務化されていないのです。


そのため、猫に関する予防注射の接種率は不明です。


しかし、義務化されている犬でさえ、7割程度しか接種していないことが分かっています。


猫の予防注射は義務化されていないため、毎年必ず接種する必要はありません。


しかし、海外へ行くときは必ず予防注射をしていきましょう。


狂犬病予防注射の値段相場は、3,000円程度です。


気を付けたいのは、打ったあとの副作用ではないでしょうか。


予防といっても、弱らせたウイルスを体に直接打ち込むようなものです。


狂犬病のみならず、どんな予防注射でも副作用の危険性はあります。


副作用の症状は以下の通りです。

  • 顔が腫れる
  • 体をかゆがっている
  • じんましんがでている
  • 呼吸困難
  • 元気がなくなる
もちろん、上記以外の副作用が起こる可能性もあるため、少しでも様子がおかしいと思った場合は、獣医師に相談しましょう。

とくに注意したいのは、副作用がでやすいワクチン接種後24時間です。

24時間は注意深く愛猫を観察してあげましょう。

猫の狂犬病のワクチン接種は必要?登録や抗体検査も解説!


狂犬病ワクチンが開発され、日本での罹患はなくなりました。


毎年犬は受けさせましょうと大々的に宣伝されていますが、猫はどうなのでしょうか。


猫にもワクチンを打ったたほうがいいのか悩みますよね。


そこでここでは、

  • 法律で接種を義務付けられているのか
  • 抗体検査とは?
以上のことを中心に解説していきます。

愛猫に狂犬病の予防注射を受けさせるか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

予防接種は室内飼いの猫でも義務?登録や証明書も必要かも解説!

猫の狂犬病予防注射は、室内・室外に関わらず義務ではありません。


犬を迎えた場合は、市に登録し毎年予防注射を打っているか確認されます。


しかし、猫の場合は基本的に登録は必要ありません。


動物病院でマイクロチップを挿入すると、登録することもできます。


マイクロチップは、おおよそ5,000円です。


挿入し登録すると、迷子になった場合にマイクロチップ情報で探すことができます。


よく脱走する子や、外が好きな子は付けておくと安全でしょう。


お住まいの市町村によっては登録を義務付けている地域もあるので、一度確認しておくのがおすすめです。


証明書に関しては、接種するともらえます。


海外に行くときや、ペットホテルなどを利用する際に、提出を求められる場合があります。


例外として、10匹以上飼育している場合は登録を義務化している地域が多いです。


子猫を産んだ場合などは注意しましょう。

抗体検査の結果によっては予防接種は必要ない?

狂犬病は「1年に1回が当たり前」と思っている方が多いのではないでしょうか。


実際に犬の場合は、毎年1回接種するよう狂犬病予防法で決められています。


猫の場合は、法律で毎年と決められていないため、海外渡航しない場合は不要ですが抗体検査を受けてみるのも一つの手です。


抗体検査は、血中の免疫細胞である抗体があるかどうかを確認する検査です。


獣医師によっては、検査で残っていれば接種しなくていいという方針の場合があります。


もちろん、飼い主が希望すれば1年に1回行うことができます。


しかし、個体によっては、3年程度抗体が持続する場合もあります。


抗体が残っている場合は、無理に打つ必要はないでしょう。

念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!


予防注射は、ペット保険の補償対象外になることが多いです。


しかし、狂犬病に限らず、愛犬の体調不良時に少しでも治療費を抑えるためにも、念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめです。


猫に関する治療費は100%飼い主負担になるため、念のため加入しておくのがいいでしょう。


しかし、近年ではさまざまな保険があるため、悩む方が多いです。


そこでMOFFMEでは、猫のペット保険の一括比較サービスや口コミ・評価を紹介しています。


ぜひ、参考にしてみてください。

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まとめ:猫の狂犬病とは?ワクチン注射は打った方が良い!

 

猫の狂犬病について基礎的な知識から、副作用や人間に感染した場合など応用的な知識まで解説しました。


今回の記事のポイントは

  • 狂犬病は猫はもちろん、人間にも感染する
  • 発病すると、ほぼ100%死亡する
  • 猫の予防接種は義務ではない
  • 海外へ行くときやペットホテルを利用する際は、接種が必要
でした。

海外渡航する際には、愛猫を恐ろしい病気から守るためにもワクチンは打った方がいいでしょう。

正しい知識を身に着けて、愛猫を狂犬病の恐怖から守ってあげてください。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひご覧ください。