個人型確定拠出年金(iDeCo)で資産がマイナスになったらどうする?

個人型確定拠出年金(iDeCo)では資産が増える場合ばかりでなく、マイナスになるケースがあります。個人型確定拠出年金(iDeCo)自体をやめることは出来ませんが、資産がマイナスになってもスイッチングや配分変更などをすることで対応できることを知っておきましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)で資産がマイナスになったらどうすべき?

テレビや新聞での報道を見聞きするたびに、不安に思うことの多い公的年金制度、「自分が老齢年金をもらう頃に、公的年金はどうなっているのだろうか?」と不安にお思っている方も多いのではないでしょうか?


そのような中、注目を集めているのが、個人型確定拠出年金で、通称iDeCo(イデコ)と呼ばれています(以後の記事中ではこの通称を用いて行きたいと思います)。


しかし、「iDeCo(イデコ)は自分で運用するって聞いたけど、マイナスになることはないの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?


そこで、この記事では


  • 個人型確定拠出年金では資産がマイナスになることもある?
  • 資産がマイナスになった時にできることってなに?
  • もう一度確認しておきたい、個人型確定拠出年金のメリット・デメリット

について解説していきます。

この記事を最後まで読んでいただくと、「iDeCo(イデコ)がマイナスになった時の対応」や「iDeCo(イデコ)そのものの基礎知識」についてご理解いただけると思います。

ぜひ、最後までお付き合いください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)では資産がマイナスになることがある

将来の公的年金に対する不安が高まる中、老後の年金作りの方法として、iDeCo(イデコ)が注目を集めています。


平成29年1月から、これまで利用対象者でなかった専業主婦や公務員、勤め先に企業型確定拠出年金制度がある会社員などにも対象が広がりました。


メリットが前面に押し出されたテレビCMや広告を見る機会も増えており知名度が上がってきています。


しかし、全てにおいてメリットばかりということでもなく、場合によっては資産がマイナスになるという事があるということはあまり知られていません。


ここからは、iDeCo(イデコ)で資産がマイナスになるケースについて解説していきます。


個人型確定拠出年金(iDeCo)ではマイナスにもなる

iDeCo(イデコ)は、加入者が拠出金を払い、自分で運用商品を決める仕組みになっています。


この運用商品は大きく分けて、定期預金タイプと投資信託タイプに分けることができます。


定期預金タイプは利率は低いものの元本確定型なので資産がマイナスになることはありません。


しかし投資信託タイプの商品は、当然ながらその運用実績によって、価値が変動する仕組みであるためマイナスになることも充分ありえます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の心構え

iDeCo(イデコ)の投資信託タイプの商品は価値が変動するのが当たり前といってよく、長期的な視点に立った運用が不可欠です。


変動に一喜一憂することなく先を見ることが不可欠ですが、次第に資産が減っていくのを見て、不安に思わない人もいないでしょう。


では、そのような場合はどうしたら良いのでしょうか。


ここからは、もしiDeCo(イデコ)がマイナスになってしまったら、どのような対策が取れるのかについて、その方法についてご紹介します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)でマイナスになったら

iDeCo(イデコ)の運用で個人管理資産額がマイナスになり、そのままにしておくことが不安な場合、できることはいくつかあります。


まず1つ目の方法が、投資信託タイプから定期預金タイプに変更するという方法です。


ただしここで言う定期預金タイプというのは、通常の定期預金とは違うことを理解しておく必要があり、これについては次の項で詳しくご紹介します。


もう一つの方法がスイッチングと配分変更です。

定期預金タイプとはどんなものか

個人型確定拠出年金(iDeCo)がマイナスになった時に真っ先に考えるのが、定期預金タイプに変える事でしょう。


しかしこの方法が、金利が一定で長期間運用の定期預金にお金を加算していくと考えているのならそれは間違いです。


短期間の新しい定期預金を毎月買い足していくといったイメージが正しいのです。


短期間の定期預金についていえば、金利は微々たるものが多く、それを大量に買って保有していても大した利益にならないのは明らかであるともいえます。

スイッチングと配分変更とは

個人型確定拠出年金(iDeCo)でのスイッチングと配分変更とは、投資信託タイプの商品の中で、運用商品を変更したり、その配分を変更することです。


配分変更は手数料が無料で、手軽に行えるメリットがあります。資産の配分を変えるだけで保有する商品は変わりません。


スイッチングは成績の良くない商品を売り、その代金で新しい商品を購入するなどして、商品構成を変える方法です。

元本確保型でも資産がマイナスになる原因

iDeCo(イデコ)では、元本確保型でも、資産がマイナスになることがあります。


その理由は、個人型確定拠出年金では、必ず手数料がかかることによります。


毎月、国民年金基金連合会の手数料が96円プラス税、事務委託先金融機関の手数料が60円プラス税の手数料が発生します。


これに加えiDeCo(イデコ)専用の口座管理費が毎月必要となり、その額は金融機関によってさまざまです。


このような手数料が運用を上回ってしまった場合、元本確保型でも資産がマイナスになることがあるのです。

掛金が少額だとマイナスが発生しやすい

個人型確定拠出年金(iDeCo)の口座手数料にはかなり幅があり、年額で数千円ほどになるところもある一方、無料の金融機関もあります。


毎月発生する手数料だけでも馬鹿にならず、他に何かしらの手続きがあった場合、さらに手数料がかかることもあります。


このため、少額の掛金で運用している場合はその運用益に対する手数料負担割合が大きくなり、特に個人型確定拠出年金(iDeCo)の利用開始直後などではマイナスになることもあるのです。

手数料ゼロの金融機関を利用しよう

せっかくiDeCo(イデコ)を利用しはじめたのに、資産がマイナスになったら驚くことは間違いありません。


「今後どんどんマイナスになり続けたら」と不安になることもあるでしょう。


投資信託タイプの商品を運用しているならマイナスになるリスクは避けられませんが、せめて手数料がかからない金融機関を利用しておくと安心です。


これは、運用益が高くなることの少ない定期預金タイプであればなおさらと言えるでしょう。

将来インフレする可能性

iDeCo(イデコ)は、あくまで長期的な運用を目指した制度設計となっており、基本的には60歳の満期まで、お金を受け取ることはできません。


つまり、将来のインフレ(物の価値がお金の価値より高くなることをさします)には対応できない可能性があるということになります。


投資信託タイプの場合であれば、インフレ傾向に比例して金利が高くなることも考えられ、その結果資産運用が良くなり、将来のインフレにも対応できているかもしれません。


しかし、これは約束された運用でないことも理解しておく必要はあります。


また、元本確保型の定期預金タイプの場合、運用による資産の増加はあまり期待できないため、年金受け取り時に急激なインフレが発生していた場合、対応ができない可能性は高くなるともいえます。

改めて確認!個人型確定拠出年金(iDeCo)について

ここからは、改めてiDeCo(イデコ)の特徴やメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。


iDeCo(イデコ)で投資信託タイプの商品を運用するなら、資産がマイナスになる可能性も考えておく必要はあるでしょう。


マイナスになったことに驚いても、iDeCo(イデコ)を途中でやめることは原則出来ませんし、お金を引き出すこともできません。


掛金を支払うことは中断できますが、運用をやめることは出来ないことに注意しましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリット

iDeCo(イデコ)は掛金や運用利益が税的に優遇され、60歳で年金を受け取る時も退職所得扱いとなり、税制優遇を受けられるところがメリットです。


また、長期的な運用であるため、運用資産が多い(拠出金が多い)人ほどメリットが大きいという傾向も見られないわけではありません。


受け取り時に関して言えば、年金としての受け取りができるだけでなく、一時金として受け取ることもできますし、その組み合わせで受け取ることもでき、ある程度の自由度があります。


iDeCo(イデコ)のメリットについては、ほけんROOMの別の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひそちらもご一読いただければと思います。

https://hoken-room.jp/pension/2961

個人型確定拠出年金(iDeCo)の注意点(デメリット)

iDeCo(イデコ)の最も大きなデメリットは、途中解約ができないということにあります。


たとえば、投資信託タイプで運用していた場合、運用がうまくいかず、資産がマイナスになったとしても途中で解約することはできません。


また、何かの事情でお金が必要になった場合でも、それまでに積み上がった資産を途中で引き出すことはできません。



iDeCo(イデコ)の注意点(デメリット)に関しましても、ほけんROOMの別の記事を読んでいただければ理解が深まることかと思います。

https://hoken-room.jp/pension/1146

確定拠出年金で資産がマイナスになった場合のまとめ

ここまで、「iDeCo(イデコ)で資産がマイナスになった場合」をテーマに解説してきましたが、いかがでしたか?

この記事のポイントは

  • iDeCo(イデコ)において、運用成績や手数料によって、資産がマイナスになることもあり得る
  • 資産がマイナスになった場合、商品を投資信託タイプから定期預金タイプに変えたり、運用商品のスイッチングや配分変更等で対応することもできる
  • iDeCo(イデコ)のメリットは、運用時と受け取り時の税制優遇にあり、デメリットは、途中解約出来ないことなどである

でした。

将来の公的年金制度に対する不安を解消する方法の一つとして、ますます注目を集めているのがiDeCo(イデコ)です。

さまざまな税制優遇があり、魅力的な制度であることは間違えありません。

しかし、全くデメリットがないわけではなく、運用の成績や手数料によって、せっかくの資産がマイナスになってしまうことも考えられます。

iDeCo(イデコ)の特徴をしっかり理解した上で、上手に活用していきたいものですね。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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