学資保険の保険料は短期払いがお得?どのようなメリットがあるの?

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学資保険は保険料を短期払いで契約することができます。短期払いにした場合には返戻率が上がるなどのメリットとがありますが、デメリットも存在します。また学資保険の代わりとして利用できる方法を、低解約返戻金型終身保険を中心に紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険の保険料短期払いとは


子どもの将来の教育資金のため、学資保険を検討されている方は多いでしょう。

学資保険の多くは、子どもが大学に進学する18歳前後に受け取り時期が設定されていて、それまでの間は保険料の払込期間となります。

中には「払込期間が長いと、その間ずっと支払っていけるか不安…」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

学資保険には「短期払い」という契約の仕方があり、子どもが10歳や15歳で払込期間を終えることも可能です。

この記事では
  • 学資保険を短期払いにするメリット
  • 学資保険を短期払いにするデメリット
  • 学資保険の代わりとして話題の低解約返戻金型終身保険とは
について詳しく解説します。

この記事を読めば、短期払いの特徴が分かり、自分に合った払込方法を選択できるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。

学資保険を短期払いにすることで3つのメリットがある


学資保険の保険料を短期払込にすることで、3つの大きなメリットがあります。

まずは、それらのメリットをご紹介しましょう。
  • 返戻率が上がる
  • 資金に余裕があるときに学資保険の払い込みを終えることができる
  • 進学時に満期返戻金の一部を受け取れる制度がある

メリット1:返戻率が上がる

学資保険において、保険料を短期払いにする一番のメリットは、返戻率が上がることです。

例えば、とある保険商品の以下のプランでシミュレーションしてみましょう。

  • 契約者年齢30歳、子どもの年齢0歳
  • 受け取り学資金200万円
  • 学資金受け取り開始年齢18歳(40万円を5年間に渡って受け取り)
この条件で、保険料の払い込みを、短期払い(10年払込)にした場合は、月払いの保険料は15,540円、払込保険料総額は1,864,800円で、返戻率は約107.2%となります。


同じ条件で、保険料の払い込みを、長期払い(18年払込)にした場合は、月払いの保険料は、8,916円、払込保険料総額 1,925,856円で、返戻率は約103.8%となります。


返戻率の差は、3.4%となり、払込保険料の総額にも61,056円の差が生まれました。

メリット2:資金に余裕がある時に払い込みを終えることができる

学資保険の保険料として毎月一定額の負担があることは、家計にとって決して軽くはありません。

その支払いを短期払込にしておくことで、比較的資金に余裕がある時期に、学資保険の払込期間を終えることができるというメリットがあります。

子供が0歳で学資保険を契約し、長期払いを選択した場合には、子供が18歳になるまで保険料を払い込み続けなければなりません。

短期払いを選択すると、毎月の保険料は増えるものの、払込保険料総額の負担も少なくなります。

また一般的に、子どもが小さいうちは教育にかかるお金が大きくなく家計に余裕のある時期ですので、資金に余裕があるうちに、払い込みを完了してしまうこともできます。

メリット3:進学時に満期返戻金の一部を受け取ることが可能

学資保険の商品によっては、保険料を短期払いにしておくことで、満期返戻金の一部を、保険期間中に受け取ることができます。

学資保険のほとんどは17歳満期もしくは18歳満期となっていて、子どもが大学に進学する時に満期返戻金を受け取れるようになっています。

しかし場合によっては、高校進学時にもまとまった費用が必要になります。

学資保険を短期払いにして保険料の払い込みを終えておくことで、満期返戻金の一部を15歳の時点で受け取ることができるのです。

学資保険の短期払いの3つのデメリットとは


学資保険の保険料を短期払いにする3つのメリットを紹介しましたが、短期払いにはデメリットも存在します。

続いては、短期払いにすることのデメリットをご紹介していきましょう。
  • 一回の支払いあたりの保険料の負担が大きい
  • 生命保険料控除の対象となる年数が少なくなる
  • 払込免除特約が役立たなくなる可能性がある

デメリット1:一回の支払いあたりの保険料の負担が大きい

一つ目のデメリットは、一回の支払いあたりの保険料の負担が大きくなってしまうことです。

とある保険商品の以下のプランでシミュレーションしてみましょう。

  • 契約者年齢30歳、子どもの年齢0歳
  • 受け取り学資金 300万円
  • 学資金受け取り年齢 18歳(一括受け取り)

この条件で、保険料の払い込みを、短期払い(10年払込)にした場合は、月払いの保険料は23,850円で、払込保険料総額は 2,862,000円となります。


同じ条件で、保険料の払い込みを、長期払い(18年払込)にした場合は、月払いの保険料は、13,620円で、払込保険料総額は 2,941,920円となります。


払込保険料総額は、短期払いの方が79,920円安くなりますが、ひと月あたりの保険料は、短期払いの方が10,230円高くなってしまいます。


毎月の保険料負担を軽減したい方には、保険料の短期払いは向いてないといえるでしょう。

デメリット2:生命保険料控除の対象となる年が少なくなる

生命保険料控除とは、年間に支払った保険料に額に応じて所得控除を受けることができる、税制上の優遇制度です。(参考:生命保険料控除|国税庁

学資保険の保険料は生命保険料控除の対象となっていますが、年単位での適用となるため、短期払いであれば必然的に、控除を受けられる回数が少なくなってしまいます。

節税という面から見ると、長期払いと比較して短期払いは不利ということになります。

ちなみに、同じく短期で支払いを終える手段として、一括払いもあります。

一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がありますが、このうち全期前納払いは一括払込でありながら、年払いに似た特徴も持ち合わせていて、毎年生命保険料控除を受けることができます。

税金面を重視される方は、全期前納払いを検討されるのも良いかもしれません。

デメリット3:払込免除特約が役立たなくなる可能性がある

学資保険には、払込免除特約を付加できる商品もあります。

払込免除特約とは、契約者が死亡した場合、もしくは高度障害状態になった場合や三大疾病と診断された場合などに、以降の保険料の払込が免除されるという特約です。

払込免除特約を付加していれば、不測の事態に陥ったとしても、子どもの教育資金をしっかりと準備することができますが、保険商品によっては保険料が上がる場合もあります。

万が一の時、既に保険料の支払いが完了していればそれ以上免除となるものはありませんから、払込免除特約の適用となる部分がありません。

もちろん、万が一のことなどないに越したことはないのですが、追加の保険料を支払って特約を付加したとすれば少々もったいなく感じるかもしれませんね。

参考:学資保険の代わりとなる低解約返戻金型終身保険について

学資保険の短期払いについて解説していますが、子どもの教育資金を貯める方法は学資保険以外にもあります。


ここでは、学資保険と比較されることの多い「低解約返戻金型終身保険」をご紹介しましょう。


低解約返戻金型終身保険とは終身保険の一種ですが、払込期間中の途中解約をしないことを前提としています。


そのため、途中解約すると元本割れしてしまいますが、逆に払込期間終了後は解約返戻率が大きく上がるという特徴があります。


学資保険と比較して、受け取り時期の自由度が高いことも魅力の一つです。


学資保険の短期払いを選択する理由に、先に述べたような「大学進学より前にもお金を受け取りたい」という要素があるのならば、この低解約終身保険の検討もあわせておすすめです。


また、同じく低解約返戻金型保険の仕組みを持つ商品があり、こちらも学資保険の代わりに教育資金を貯める方法として有効です。


「色々な手段があると比較も大変…」と思われたら、ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談してみるのも良いでしょう。

まとめ:ライフプランに合わせた支払方法の選択が大切


学資保険を短期払込することについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは

  • 短期払いには、返戻率が上がるなどのメリットがある
  • 一方で、短期払いには、まとまったお金が一度に必要になるなどのデメリットがある
  • 学資保険以外に教育資金を貯める方法として、低解約返戻金型終身保険もおすすめ
でした。

短期払いはメリットの多い払込方法ですが、各ポイントごとに比較すると他の払込手段の方が有利な場合もあり、例えば返戻率を支払い方法別のランキングにすると「一括払い」がもっとも高くなります。


学資保険の支払いにおいて何を重要視するかは各ご家庭ごとに異なりますので、ライフプランに合った手段を選べると良いですね。


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