違いがわからない方必見!生命保険の配当金と共済の割戻金の違い

生命保険と共済保険、配当金と割戻金それぞれの仕組みや違いなどを述べています。この違いを知るためには、それぞれの保険の違いや保険料の計算の仕方、生命保険と共済保険の保障範囲の選択の違いや、配当金より割戻金の方が率が高いということなどをまとめたものです。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険と割戻金の関係

生命保険と割戻金の話をする前にあなたに先に知っておいてほしいことがあります。


割戻金という言葉は、生命共済で使っている用語です。

割戻金という用語は生命保険の用語で言うと、似たような意味の言葉で配当金になります。


生命保険生命共済
配当金割戻金


この二つ違いを解説する前に、そこでまずは生命保険と共済保険の違いも知っていただく必要があります。

詳しくは下で述べていきますので、是非最後までご覧ください。


ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。 


 また、生命保険についての記事はこちらをご覧ください。

生命保険は配当金、共済保険は割戻金

生命保険の契約で、配当金付きの契約というものがあります。


あなたも見たことがあるかもしれません。共済保険には、割戻金というものがあります。似たような言葉ではありますが、それぞれ若干中身が違っています。


配当金と割戻金、生命保険と共済保険の違いや意味などを述べていきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

生命保険と共済保険の違い

生命保険と共済保険の違いは細かくみていくとたくさん出てきます。そのうちのいくつかを取り上げてみます。


制度の違い

  • 生命保険は営利事業
  • 共済保険は非営利事業(共済事業)

監督官庁の違い

  • 生命保険は金融庁(保険業法の法律の下、成り立っている)
  • 共済保険は各共済によって、監督官庁が異なる

※共済はJA共済、全労済、県民共済などに分けられます。


  • JA共済:監督官庁は農林水産省、根拠法令は農業協同組合法
  • 全労済・県民共済:監督官庁は厚生労働省、根拠法令は消費    生活協同組合法

公的セーフネットの有無

  • 生命保険は公的セーフネットあり
  • 共済保険は公的セーフネットが限定的

※公的セーフネットとは、会社が破綻した時の契約保護の仕組み。生命保険には生命保険契約者保護機構という仕組みがある。


共済制度は「相互扶助の精神に基づいた組合員の助け合い」で成り立つ事業のため、掛金(保険料)が安いです。しかし、保障商品の選択が少ないという面があります。生命保険制度は、共済より保険料は高いですが、ご自身に合った保障内容を選択できるという面があります。


生命保険に加入できる方は、日本国内に居住していれば、原則として誰でも加入することができます。共済保険は、原則としてある特定の条件を満たしている方を対象とした保障制度で、特定の地域に住む方や、特定の職に就く方などが共済組合というものに加入できます。その組合員を対象に行っている保障制度が共済保険です。


まとめると、以下のようになります。

生命保険共済保険
生命保険会社県民共済
など
JA共済
監督官庁金融庁厚生労働省農林水産省
法令保険業法消費生活
協同組合法
農業
協同組合法
形態営利非営利
加入条件誰でも組合員のみ
公的セープティーネットあり一部
用語保険金
保険料
配当金
共済金
共済掛金
割戻金
メリット・誰でも入れる
・商品が豊富
・保障額を決められる
・公的なセーフティーネットあり
・掛け金が安い
・掛け金が年齢、性別で一定
・決済に応じて割戻金がある
デメリット・保険料が割高
・年齢や性別で保険料が変わる
・組合員のみ
・商品が限定的
・商品が画一的
・公的なセーフティーネットあり


大きく異なる点を4つ取り上げましたがいかがでしょうか?同じ生命保険でも、違うということがお分かりいただけたのではないかと思います。

生命保険の配当金とは

生命保険の配当金の仕組みを知るには、まず生命保険の保険料計算の仕組みを知っておく必要があります。

生命保険の保険料は、3つの予定率を元に計算されます。


  1. 予定死亡率…過去の統計を元に、男女別・年齢別の死亡者数を予測し保険金の支払いに充てるために必要な保険料を算定します。この計算に用いる死亡率を予定死亡率と言います。
  2. 予定利率…生命保険会社は、資産運用によりあらかじめ一定の運用収益を見込み、その分保険料を割り引いていますが、この割引率を予定利率と言います。
  3. 予定事業費率…生命保険会社は、保険業の運営上必要とする計費をあらかじめ見込んで、保険料の中に組み込んでいますが、この割合を予定事業費率と言います。

以上、3つの予定率を元に保険料は計算されています。あなたのご契約時の保険料を見た時に3つの予定率が組み込まれていると知っていると、保険料の見方が少し変わってくるかもしれませんね。それでは、これを踏まえて配当金の仕組み等のお話をします。このまま読み続けて頂けたらと思います。


保険料の仕組みをまとめると以下のようになります。

生命保険料の仕組み

生命保険料の仕組み

配当金の仕組み 予定率と実際の費用

配当金の仕組みは、先ほど取り上げた3つの予定率が元となり計算されます。しかし、実際は事業費、死亡者数、運用利回りが予定通りにいかないこともあります。予定と実際の差により、剰余金が生じた場合、剰余金の還元として契約者に分配されるお金のことを配当金と言います。

配当金がある保険を有配当保険と言いますが、有配当保険は2つのタイプに分かれます。


  • 3利源配当タイプ…毎年の決算において、3つの予定率と実際の率との差によって生じる損益を集計し、剰余が生じた場合、配当金として分配するタイプ
  • 利差配当タイプ…予定利率と実際の運用成果との差によって生じる損益を一定年数ごとに通算して、剰余が生じた場合に配当金として分配するタイプ

今は、配当金はほとんど期待できないと言われています。例えば、15年前に契約した配当金付きの生命保険でも当時試算した配当金額からみると、今はかなり下回っている可能性が高いです。1度見直しも兼ねて、保険担当者に相談してみるといいのではないでしょうか。

無配当タイプもある

ここであなたに、注意してもらいたいことがあります。


ここまで、配当金のお話をしてきましたが、生命保険は全てが配当金がついているタイプではないということです。有配当タイプ・無配当タイプと分けられますが、保険料は有配当タイプの方が高くなります。


あなたの条件にあった保障内容にする必要がありますので、配当金があなたに必要なのかということは、保険会社の担当者と相談をするようにしましょう。

共済保険の割戻金とは

共済保険では、配当金という言い方はせず、割戻金という言い方をします。共済を販売する経費を抑えるかわりに、掛金(保険料)を安くしています。


利益が出ると、割戻金という形で契約者(組合員)に還元しているものです。意味は、配当金と似たような感じですね。割戻金の仕組みなどをみていきたいと思います。

割戻金の仕組み:余剰金

上でも書いていますが、共済の販売時に経費を抑え、保険料を安くしていますが、利益(余剰金)が出た場合に、割戻金という形で契約者(組合員)に還元します。


平成15年のある共済の割戻率のデータでは4.1%から20%の間でした。一般的な保険会社より割戻率は共済の方が高めです


割戻金は、加入している共済や保障タイプ、契約期間により変わってきますので、あなたの加入している共済に確認をしてみると良いのではないでしょうか。

配当金と割戻金どっちがお得?

配当金は、予定率と実際の率との間に差があり、余り(剰余金)が発生して時に、契約者に分配されます。共済は先ほど書いた通りですが、一般の保険会社よりは割戻金は多めです。


割戻金や配当金の大きさを中心に生命保険を考えるなら共済を選ぶかもしれません。

しかし、配当金を中心に考える人は、ごく少数派と言えるのではないでしょうか?なぜなら、生命保険は、あなた自身やご家族に何かあった時に役立つ保険だからです。


共済は安い代わりに、保障内容の選択肢が少なく、一般の保険会社の生命保険は、保険料は高い代わりにあなたに合った保障内容の選択肢が広いと言えます。


保険会社も共済もメリット・デメリットが存在しますから、加入を考える場合は、生命保険会社と共済の両方の説明を聞き、保障内容なども含めて、総合的にあなたの条件に合った保険会社に加入することをオススメします。


生命保険と共済保険で迷っておられる方は無料保険相談の利用もお勧めです。


マネーキャリアでは訪問型・オンライン型などとても手軽な無料保険相談を実施しております。下のボタンから簡単に申し込みできますので、初めての方も是非ご利用くださいね。

まとめ

ここまで、読んでいただきあなたはどのような感想をお持ちになられたでしょうか?


保険料の仕組み、配当金と割戻金の仕組みや違いなどを説明しましたが、配当金付きの契約があれば無配当の契約もあります。保険料も無配当の方が安いです。


保障内容もそれぞれ特徴がありますので、あなた自身の視野を広くして、あなた自身の条件に合う保険会社を探した方が良いのではないかと思います。


配当金や割戻金という言葉は、必ず出てきますので、その際にはこちらをぜひ、参考にして下さい。

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