介護保険で補助金が支給される範囲内の住宅改修工事について

介護保険では介護を行う上で必要と見なされる住宅改修に関して補助金を出しています。補助の範囲内と範囲外の線引きがやや難しいのでよく知っておくことをお勧めします。介護保険では住宅改修費用として20万円まで支給してくれるので必要があれば是非とも利用したいところです。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険で定めている住宅改修の範囲に含まれる施工とは

介護保険では介護をする上で必要と認められる住宅改修の費用を支給してくれる仕組みとなっています。


その適用範囲は明確に定められており、介護との関係性が薄いリフォームには適用されないことに注意しておく必要があります。上手く活用できれば介護者にとっても家族にとっても大きなメリットがあります。

補助の上限は20万円

住宅改修の範囲は住居の中の場所で決まるのではなく、施工内容で決まります。ただし、ベランダやバルコニーといった介護される方が訪れることの少ないところは住宅改修の範囲外となることもあります。


介護保険で支給される住宅改修の費用は生涯で20万円までと決まっているので注意しておきましょう。

家族全員で相談することが大切

介護保険が適用される住宅改修の際にケアマネジャーに相談することで進めていきます。ただ、概ねの内容は事前に把握しておくことをお勧めします。


自分の家をどう改修するかは介護される方だけでなく、そこに住んでいる全ての方にとって重要なことなので家族での相談も必要となるからです。

介護保険で補助金が支給される住宅改修の範囲について

介護保険を利用して住宅改修を行うケースの中でも多いのが玄関です。玄関は介護される方が毎日のように通る上に段差などもあるので特に重要です。


玄関の住宅改修における介護保険の適用範囲は手すりの設置、段差の解消、ドアを引き戸に変えるといったことがあります。玄関灯を設置するのも介護保険が指定する住宅改修に含まれます。

玄関において補助が出る範囲とは

玄関の内側も住宅改修の必要性が高い部分です。ここは段差の解消や床の滑り止め施工、車いす用のリフトの設置などが対象です。


踏み台を設置したり、滑り止めのマットを敷いたりすることは工事を伴わないので、介護保険で定められている範囲ではなく費用が出ないので注意が必要です。

階段は安全性の確保が大切

階段は介護保険を活用した住宅改修が行われやすい部分の1つです。ここでの住宅改修の範囲としては手すりの設置、滑りにくくする加工、段差が目立つような工夫などが含まれます。


少し大掛かりな工事で言えば階段昇降機をつけることも介護保険での工事費支給の対象となっています。

事故の起こりやすい場所の住宅改修は介護保険の補助の範囲に含まれやすい

住居の中でも廊下は暗かったり、滑りやすかったりするので住宅改修の必要性が高い部分です。


ここで介護保険が適用される工事としては手すりの設置、ドアを引き戸に変更、段差解消のためのスロープの設置などがあります。照明の設置は工事が必要であれば住宅改修の範囲に含まれます。

浴室の工事はその多くが補助の範囲内

浴室は年間で多くの事故が起こっている場所であり、介護対象者がおられる場合は優先的に住宅改修を行う必要があります。


浴室はドアが特殊な形状となっていることも珍しくなく、ここの間口を広げるこうじがよく行われています。脱衣所と浴室の段差を解消する工事ももちろん介護保険で補助が出る範囲内です。

工事を伴わない内容は範囲外となることも

浴室の住宅改修には他にも床の滑りやすさを改善したり、脱衣所に腰掛けを設置したりする工事が対象となっています。


腰掛けを設置する際にホームセンターなどで販売されているものを置くだけであれば、工事を伴わないので介護保険の補助の範囲外となる可能性もあるので注意が必要です。

トイレも補助の範囲に含まれやすい

介護保険を活用して工事を行う際に検討に入れておきたいのがトイレです。トイレも浴室同様によく事故が発生しています。


和式から洋式に変えることも介護保険の補助の範囲内です。和式と洋式では立ち上がる際の負担が大きく異なり、介護する側も行いやすくなるので優先度が高いです。

トイレの住宅改修は事故防止のため

介護保険で補助が出るトイレの住宅改修としては他にも、手すりの設置、介助スペースの確保、ドアの間口の拡大などが挙げられます。特にトイレの間口を拡大することは介護のしやすさに繋がります。


また、転倒などによるトイレから出られなくなる事故を防ぐことが出来るので住宅改修では比較的重要になります。

意外なものが補助の範囲に含まれることも

意外にも介護保険で補助が出る範囲に含まれるのがトイレのウォシュレット設置です。これは直接的に介護される方が使用することはあまりないかもしれませんが、介護保険の認める住宅改修の1つです。


また、トイレの暖房設備を設置することも対象なのでこの機会に工事しておくのもお勧めです。

まとめ

介護保険では比較的幅広く住宅改修の補助金を出しています。一部に補助の範囲内となる工事があることには注意が必要ですが、介護される方に少しでも良い影響が出る内容であれば介護保険の補助対象となっています。


住宅改修の際にはケアマネジャーや介護される方の意見はもちろん、それ以外の家族の方の意見を取り入れ、後悔のないリフォームを行うことが大切です。

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