要チェック!介護保険未加入の方にこそ介護サービスを受けられる

介護保険未加入の方の多くは医療保険の上乗せでやってくる保険料の支払いが難しい人です。こうした方々は将来への不安を感じながら過ごさなくてはなりません。そうした不公平を緩和するために支援制度が実施されています。介護保険未加入における支援制度についてご紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険の未加入者は介護保障を受けられるのか

介護保険の中には公的と民間のものが混在しています。公的介護保険であれば40歳以上の方々全員が加入することになりますが、民間の介護保険に関しては任意による加入となります。そのため民間の介護保険に関しては条件がさまざまであり未加入である方もいます


また、公的介護保険に関しても40歳以降に加入するため40歳未満の方に関しては介護保険未加入となっているケースが多くなっています。こうした未加入状態でも介護が必要になることは往々にして考えられます。


介護というのは決して高齢者の方々専用のサービスではなく若くして介護を必要とする方もいます。このような方に対して介護保険というのは積極的になっているのでしょうか。

また、介護保険未加入として気をつけなければならないこととはどのようなことなのでしょうか。



生活保護受給者は保険料を収められない

たとえ介護保険に加入できる年齢にあったとしても経済的状況から加入が困難なため介護保険に加入していない方もいます。ただし、公的介護保険では未加入者がいない状態を作ろうとします。


生活保護受給者に該当する場合では介護保険の保険料を支払うことは困難です。そのため未加入となることになります。しかし、その保険料が支払えれば未加入状態から脱することができ社会の福祉に貢献することができます。


生活保護法に則り介護扶助に関する1割負担の料金については福祉事務所等が直接に介護事業者へと支払われることになります。ただし、これは介護保険に加入済みの方に適用されることであり未加入の方には適用がなされません。

生活保護受給者の方は年間保険料31,000円を支払うことで未加入状態から脱することができるます。

介護保険未加入者が第2被保険者の場合

介護保険には第1号被保険者と第2号被保険者という2つの区分が設けられています。このうち第2号被保険者というのは40歳から64歳で医療保険に加入している方を指します。この医療保険は公的医療保険を指します。つまり国民健康保険等のことを指します。

第2号被保険者の保険料に関しては医療保険の保険料に上乗せされる形で請求されることになります。介護保険未加入であっても医療保険未加入でなければ強制的に介護保険の保険料を請求できる仕組みになっています。


また第2号被保険者は第1号被保険者と比べて介護サービスを受ける際に保険金支給対象が狭くなっています。具体的に述べると老化に起因する特定の病気(16疾患)によって要介護状態になった場合に限り支給されることになります。特定の病気とは次の通りです。



  • がん(末期) 
  • 関節リウマチ 
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS) 
  • 後縦靱帯骨化症 
  • 骨折を伴う骨粗しょう症 
  • 初老期における認知症 
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 
  • 脊髄小脳変性症 
  • 脊柱管狭窄症 
  • 早老症 
  • 多系統萎縮症 
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 
  • 脳血管疾患 
  • 閉塞性動脈硬化症 
  • 慢性閉塞性肺疾患 
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

生活保護者は第2号被保険者になれない

つまり、公的介護保険に加入するためには公的医療保険に加入することが求められることになります。しかし、生活保護を受けられている方にとって介護保険と医療保険の保険料を両方とも負担することは難しいです。その結果として介護保険未加入という状態になっている方も多いです。


第2号被保険者は40歳から64歳の方を指しますが、65歳以上の方は第1号被保険者に区分され年金から天引きされる形を取ります。この場合でも年金をしっかりと納めていない方に対しては保険料を徴収できないというかたちになります。

すなわち、介護保険未加入の状態というのは医療保険との兼ね合いの問題があるということになります。


介護保険の未加入者も介護サービスを受ける事ができる

ただし、介護保険に未加入の状態であるから介護サービスが受けられないということではありません。必要であれば介護サービスを申請し、そのサービスを享受することも可能です。しかし、そこには経済的な問題に直面することになります。


この点に関しては生活保護法の支援対象となります。生活保護法によると受給者として認められた方は公的介護保険の被保険者として分類されることになり介護扶助費用の1割負担が要求されます。また、この1割の負担分に関しても別途支給されることになります。


先ほどの通り、医療保険未加入の方に対しては介護保険の被保険者としては認められません。そのため介護扶助費用に関しては全額自己負担ということになります。この介護扶助費用に関しては生活保護から全額給付されることになります。

介護保険未加入者が第1号被保険者の場合

第1号被保険者に分類されるためには65歳以上であることが必要です。第1号被保険者に関しては原則、被保険者全員が介護扶助に関する費用の1割を負担することになっています。また第1号被保険者でもその所得に応じて保険料を付加されることになっています。


第1号被保険者の方には介護保険給付費の21%を負担してもらう形となっています。近年の少子高齢化によってこのような負担にも困難性が見られているため介護保険の保険料の仕組みについては変革が訪れいていますので細目に厚生労働省や地方自治体のホームページ等を確認しておきましょう。

介護保険料は生活保護費から出る

生活保護受給者の方の中にも第1号被保険者の方は大勢いらっしゃいます。高齢になってからの方が介護を必要とする頻度は高まりますので介護費用の負担や支援というものは死活問題になってきます。


第1号被保険者の場合は原則1割負担になっていますので、介護扶助への積極的な利用が可能となっているように見えます。しかし、その1割でさえ負担が困難な方こそ介護を本当に必要としている場合があります。


生活保護法では受給者全員が被保険者になるものの保険料が支払えない方への援助を行っています。第1号被保険者の方には自己負担1割を生活保護から給付する形をとっています。ここから実質的な費用負担は発生しないということが分かります。

その他の介護保険に加入できない人

特定の施設の入所者など

その状態の一つとして考えられるのが施設へ入所されている方が挙げられます。


介護付き有料老人ホームや軽費老人ホームなどに入所されている方というのは比較的重度な介護を必要としていると考えられます。このような特定の施設に入所される方のほとんどは介護保険に加入している方となっていますが、潜在的には未加入者の方も多いと推定されます。


特定の施設に入所する場合でも特定施設入居者生活介護の指定を受けている介護施設へ入所するのであれば生活保護の給付対象となることがあります。このような支援内容も踏まえて将来の介護に備えておくとよいでしょう。

まとめ

医療保険制度と介護保険制度のより密な関係を築くためにも3年ごとの改革が実施されています。その改革により保険料の制度自体の見直しが図られており高額な給与をもらっている方の負担が増えています。

今後、徐々に変革していくという制度もありますので厚生労働省や地方自治体の情報に目を光らせておきましょう。

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