学資保険と生命保険の特徴と違いとは?両方に入るべきか検討してみた

学資保険と生命保険の両方に加入する意味はあるのでしょうか?学資保険は子どもの教育資金を用意するための保険です。一方で、生命保険は遺された家族の生活資金を保障するための保険です。全く異なる学資保険と生命保険の両方の特徴と違いをよく理解することは重要です。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険と生命保険、両方の特徴を知りましょう

子どもが生まれると、必要になる保険が変わります。

主なものは一家の大黒柱に万が一のことがあった時の生活費を補填する保険、家族が病気や事故で入院した時の急な出費を補填する保険、そして子どもが将来必要になる教育資金への貯蓄を補填する保険です。


これらは生命保険や学資保険でカバーすることができます。 

両方の保険は一見同じように見えるかもしれませんが、実はそれぞれ目的が大きく異なります。


この記事では、生命保険と学資保険の両方の特徴や違い、両方とも必要ななのか否かを考えていきます。


まずは両方の違いを知りましょう。

学資保険とはどういうもの?

学資保険とは、子どもの教育資金を確保するための保険です。


16歳や18歳など、子どもが進学するタイミングを満期日として設定し、保険料を払い込みます。

貯蓄としての保険の機能が大きいです。

特に大学の入学費用や学費は国公立でも高額なので、大学資金を確保するため加入し18歳を満期とするケースが多く見られます。

また、満期を迎える前でも、小学校や中学校の入学時にはお祝金を受け取ることができます。

生命保険はどういうもの?

一方で、生命保険は、遺された家族が生活するのに必要な資金の確保を目的に加入する保険です。


生命保険の種類は非常に多く、死亡保険だけでも、定期保険、終身保険、養老保険、定期付終身保険といった多数の種類が存在します。

死亡保障重視のものから貯蓄がメインのものまであります。

入院や手術の際に給付金を受け取れる医療保障を含むものもあります。


貯蓄性の高い養老保険などの生命保険に関しては、学資保険の目的と通底する部分がありますが、学資保険は子どもの教育資金に特化しているというポイントが大きく異なるポイントです。

学資保険と生命保険、両方の保険のそれぞれのメリット

それでは学資保険や生命保険は両方とも加入すべきでしょうか。

両方に加入するとなると、保障が重なる可能性もあるので注意しなければいけません。


まずは両方の保険について詳しく知る必要があります。

ここでは両方の保険のメリットについて説明します。

学資保険のメリットとは?

学資保険に加入するメリットは、以下の2つです。

  • 教育資金を計画的に貯蓄することができる
  • 万が一契約者が死亡したり高度障害を負った場合は、保険料の支払いが免除される。(保障も継続される)


前述した通り、学資保険は子どもの教育資金に特化した保険であるため、あらゆるリスクに対して、子どもの教育資金を補填されるような内容になっています。

生命保険のメリットとは?

生命保険に加入するメリットは、一家の大黒柱が亡くなった時でも遺された家族の生活資金は保障されるということです。


生命保険の種類によってそのほかにもメリットがあります。 

例えば定期保険は比較的安い保険料で加入できます。終身保険は一生涯保険が続くため安心です。


養老保険は満期時には死亡保険金と同等程度の支払いを受けとれます。また医療保険は、高額な入院費を賄うことができます。

学資保険と生命保険、両方の保険のそれぞれのデメリット

保険には数多くの種類があり、入った方が良い気がするけれど、よく分からないという人は多いのではないでしょうか。

営業マンに勧められるままにまま加入してしまったということもあるでしょう。


しかし、保険の加入にはメリットばかりあるわけではありません。それは学資保険や生命保険でも同じことです。両方の保険のデメリットについて見ていきましょう。

学資保険のデメリットは

学資保険にも生命保険機能が付いています。育英年金特約(契約者の死亡後にも給付金を受け取れる特約)や医療保障特約があります。


しかし、学資保険は育英年金特約や医療保障特約などをつけると返礼率がさがり、元本割れすることがあります。

つまり、保険を利用せずに貯蓄を続けた方がお得であるということです。


また、途中解約した場合も元本割れとなり、損をする可能性がある点がデメリットでしょう。


自分で貯蓄した場合は、進学以外で資金が必要となった時、自由に使用できます。

自分で計画的に貯蓄できる人にとっては、学資保険の必要性はあまり高くないと言えます。


学資保険は付帯の保障部分を最小限にし、解約をすることがない額に設定しないと後悔することとなってしまうので要注意です。

生命保険のデメリットは

生命保険のデメリットは、仕組みが複雑なために不要な保険にまで加入してしまい、結果無駄な保険料を払っていることがある点です。

また保険料が高額になることがあり、家計を圧迫することもあります。


定期保険などの掛け捨て保険の場合、問題なく期間が終了すると払い込んだだけでリターンがないというのもデメリットと言えるかもしれません。

両方の保険の違いと家庭の状況を考慮して加入を

学資保険と生命保険の両方の特徴についてみてきました。生命保険にはすでに加入しているという人は多いでしょう。子どもが生まれたから両方に加入しなければいけないかというと、必ずしもそうではなさそうです。

学資保険と生命保険、両方に加入すべき人と、両方に加入すべきでない人がいます。

両方の加入をおすすめしたいのはこんな人

両方の加入をおすすめしたいのは、学資保険の解約リスクが小さい人であり、お金があると使ってしまって貯金できない人、確実に教育資金を貯めたい人です。


学資保険は、教育資金の貯蓄をメインに、保護者の死亡や障害を追ったなどの理由で一家の収入がなくなった際は資金を保障するというものです。


医療特約や育英年金特約などをつけると元本割れすることが多いため、それは生命保険でカバーすることにして、貯蓄性の高い学資保険に加入するといいでしょう。

両方に加入しなくていいのはこんな人

教育資金として使うことを目的とした潤沢な貯蓄がすでにある人、しっかり貯蓄できるという人は、学資保険に加入する必要性はあまり高くありません。


しかし、遺された家族の生活資金を保障する目的の生命保険への加入は必要です。生命保険に加入して万が一の時に備え、教育資金は貯蓄で対応するというのがいいでしょう。

まとめ

学資保険と生命保険は、両方同じような内容だと考えている人がいますが、保障の目的は異なります。


しかし両方とも、途中解約すると払い込んだ保険料に比べて戻ってくるお金が少なくなり損をする点は共通しています。保険料が圧迫して途中で払えなくなると言ったことが無いように、家計の状況や被保険者の性格をよく考慮して、学資保険と生命保険の両方に加入するかどうかを決めましょう。

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