子どもの学資保険は、所得控除ができる全期前納払いがオススメ!

子どもの教育資金として学資保険に加入する場合、保険料の支払い方法の中に、全期前納払いがあります。同じ一時払いでも、全期前納払いであれば、学資保険が満期を迎えるまで、生命保険料控除による所得控除を毎年受けることができます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険の全期前納払いの生命保険料控除に関する情報まとめ

生命保険料控除は、毎年1年間に支払った生命保険保険料の総額に対する金額に対し、所得金額から控除するという仕組みです。

学資保険に加入する場合、保険料の支払い方には、月払いや年払い、全期前納払い、一時払いの中から選択することになります。

この保険料の支払い方によって、生命保険料が毎年利用できるのかが決まります。

一時払いの場合は、初年度のみ生命保険料控除を利用することができ、それ以外の保険料支払い方法であれば、毎年生命保険料控除を利用することが可能となっています。

学資保険の全期前納払いと一時払いの違い

全期前納払いも一時払いも、同じ一括で保険料を支払うことになります。

ただし、保険会社が契約者から預かった保険料を、どのように運用するかに違いがあります。

全期前納の場合は、保険会社が学資保険に対する保険料を一旦預かり、預かった保険料を毎月の保険料に充当していく仕組みとなっています。


したがって、全期前納払いは一括払いでありながら、割引率が高く設定された月払いと同じ扱いとなっているのです。

反対に、一時払いで学資保険に加入した場合は、学資保険が満期になるまでの保険料を一括で支払うという仕組みとなっています。

学資保険の全期前納払いと一時払いの生命保険料控除による違い

学資保険に全期前納払いで加入した場合は、全期前納払いの仕組みから、毎年生命保険料控除を利用することが可能です。

全期前納として一括払いで支払った保険料ですが、支払った保険料から毎月本来の保険料に充当されているので、毎月保険料を支払っていることと同じ扱いになるのです。

しかし、全期前納払いと違い、一時払いの場合は、契約当時に一括で学資保険の期間中の保険料を全て支払っているので、毎年生命保険料控除を受けることはできません。

保険料を支払った最初の年のみ、支払った保険料に対する生命保険料控除を受けることとなります。

学資保険の全期前納払いは所得控除を毎年受けることができる

所得税は、前払い制度となっており、年末調整や確定申告で、実際の所得税を申告する仕組みとなっています。

学資保険に加入していた場合、年末調整や確定申告を行う際、年間の所得金額から生命保険料控除を利用することで、所得金額を抑えることができます。

所得金額が低ければ、もちろん税金も安くなり、場合によっては所得税の払い過ぎによって還付を受けることが可能となります。

全期前納払いの場合、この生命保険料控除を毎年利用することが可能なので、毎年年間の所得から差し引くことができ、節税に繋げることが可能となるのです。

学資保険の一時払いの所得控除は払込をした最初の年の分しか受けられない

一時払いで学資保険に加入した場合、保険期間中に支払うべき保険料を、学資保険の契約時に一括で保険料を支払うことになるので、全期前納払いとは違い、毎年、年間の所得金額から保険料控除を差し引くことはできません。

生命保険料控除とは、実際に支払った年の保険料に対して、控除を受けることができるものとなっています。

したがって、一時払いで学資保険に加入した場合には、学資保険に加入し、保険料を支払った年のみ生命保険料控除を利用して、所得控除をすることができます。

子どもの教育資金である学資保険の生命保険料控除はいくら受けられるのか

生命保険料控除は、3つの分類に分かれています。
  • 一般生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除(新契約のみ)
  • 個人年金保険料控除
このうち、学資保険の保険料は、一般生命保険料控除の分類に入ります。
平成23年12月31日までの契約は「旧契約」、平成24年1月1日以降の契約は「新契約」として、保険料控除の計算を行います。

旧契約支払保険料
控除額
25,000円以下
全額
25,000円超50,000円以下
支払保険料÷2+12,500円
50,000円超100,000円以下
支払保険料÷4+25,000円
100,000円超
一律5万円

新契約支払保険料
控除額
20,000円以下
全額
20,000円超40,000円以下
支払保険料÷2+10,000円
40,000円超80,000円以下
支払保険料÷4+20,000円
80,000円超
一律4万円

複数の学資保険に加入していており、新契約と旧契約がある場合は、一般生命保険料控除として利用できるのは、上限の4万円が限度となります。

一時払いの場合は最大4万円までしか受けられない

生命保険料控除の金額は、上限が定められています。

学資保険に加入して、一時払いで保険料を支払った場合は、とても高額になりますが、残念ながら、どれだけ学資保険の保険料を支払っていたとしても、保険料控除の限度額を超えて控除を受けることはできません。

  • 旧契約の学資保険なら、限度額は50,000円
  • 新契約の学資保険なら、限度額は40,000円
  • 旧契約と新契約の両方がある場合、限度額は40,000円
もちろん、学資保険以外に、生命保険に加入していた場合も、同じ一般生命保険料控除となるので、学資保険に加入した年の生命保険料控除は、学資保険の控除だけで限度額に達してしまうことになります。

まとめ

学資保険に加入しようとするとき、一時払いが全期前納払いかで悩むのは、保険料の割引率が違う点です。

一時払いと全期前納払いでは、一時払いの方が割引率が高いので、保険料は安くなります。

しかし、一時払いの場合は、一度した生命保険料控除を利用できないというデメリットがあります。

このように考えると、一時払いよりは保険料の割引率が低くなってしまいますが、全期前納払いで学資保険に加入した方が、毎年生命保険料控除を受けることができることになります。

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