終身保険は解約するより減額するのが得策、解約返戻金も受け取れる!

終身保険は貯蓄性があるため、保障が大きいほど保険料も高くなってしまいます。保険料の負担を減らすために解約をして解約返戻金を受け取ることを考えるかもしれませんね。しかし、解約ではなく減額という方法もあります。終身保険の減額で解約返戻金を受け取る方法を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

終身保険を減額したら、解約返戻金を受け取れる?

終身保険というのは、一生涯の保障を持ちながら、解約返戻金部分にお金が貯まっていく貯蓄性のある生命保険です。


しかし、貯蓄性が高いため、定期保険と比べるとかなり保険料が高くなってしまうのがデメリットとも言えます。



そのため、保険料の支払いが負担になるということもあるでしょう。


そんな時には、終身保険の解約を考えるかもしれませんが、実は解約をしなくても、減額という方法で保険料の負担を減らすことが可能ですし、解約返戻金を受け取ることもできます。


ここからは、終身保険の減額で解約返戻金が発生する仕組みについてみていきましょう。




減額をすると、保険料の負担が減るだけでなく、解約返戻金を受け取れる

終身保険の減額は、保険料の負担を減らすだけでなく、解約返戻金を受け取ることもできます。


終身保険の減額とは、分かりやすくいうと、保障を減らし、減らした分の保障を解約するという仕組みになっています。


減額した保障分を解約することになるため、その分の解約返戻金を受け取ることができるのです。



保険料の負担が厳しくなったら、中途解約せずに減額などをするのがおすすめ

終身保険の保険料負担が厳しくなったのであれば、すぐに中途解約をするのは得策ではありません。


中途解約をしてしまうと、確かに保険料の負担はなくなりますし、それまでに貯まった解約返戻金を受け取ることができます。


しかし、解約はそこで契約終了となってしまいますので、保障がまったくなくなってしまいます。


さらに、保険料の払込途中の終身保険を解約すると、受け取る解約返戻金が払い込んだ保険料よりもかなり少なくなってしまいます。


そのため、保険料の負担を軽くするためには、減額という方法がおすすめなのです。終身保険の保障額を減額をすることで、その分の保険料がなくなり、保険料の負担が軽くなります。


そして、終身保険は保障額が低くなっても継続することができますので、加入当時の予定利率で解約返戻金を増やすことができるのです。


特に低解約返戻金型終身保険は中途解約すると返戻率がとても低い

低解約返戻金型終身保険というものがありますが、特に低解約返戻金型終身保険は、中途解約すると通常の終身保険よりも解約返戻金を低めに設定してあるため、返戻率がとても低くなっています。


払込終了まで続けることで、返戻率が高くなる低解約返戻金型終身保険は、特に中途解約をするともったいないのです。


減額して得られた解約返戻金で新たに生命保険に加入する延長保険という方法もある

減額をすると保障額が減ってしまいますが、保障を減らしたくないという場合には、延長保険にするという方法もあります。


延長保険とは、それまでに貯まった解約返戻金をもとにして、定期保険に変更する方法です。


これであれば、保障額をそのまま保つことができますますし、保険料の支払いも無くすことができます。ただし、終身保険ではなく定期保険となるため、保証期間は短くなってしまいます。


減額だけでなく、払済保険や契約者貸付制度なども検討しよう

保険料の支払がもう出来ない…といった場合には、保険料の支払いをストップし、減額をしてその分の解約返戻金を残った終身保険の支払いに充てるという払済保険という方法もあります。


この方法であれば、元の終身保険の保障額が減るものの、加入当初の予定利率で終身保険を続けることが可能となります。


また、一時的にお金が必要という場合には、終身保険に貯まっている解約返戻金の範囲内で貸し付けを受ける契約者貸付制度という方法もあります。


終身保険を減額するときの注意点

では、終身保険を減額するときに注意したいことについて、確認していきましょう。

主契約を減額すると、特約の保険金も減額されることが多い

終身保険に特約が付いていた場合、主契約である終身保険部分を減額することで、特約の保障も減額しなければならない場合もあります。


保障を減らしたくない場合には、注意が必要となります。減額をする時には、今持っている保障がどれぐらい減ってしまうのかを、しっかりと確認した上で減額をするようにしましょう。


営業マンは減額よりも転換をすすめてくるケースが多い

減額を保険会社の営業に申し出ると、契約転換をすすめてくるケースも多くあります。しかし、契約転換をしても保険料の負担は減るということはほとんどありません。


確かに、最新の保障は良いものがでていますので、検討の余地はあります。しかし、予定利率などは契約転換した時点の予定利率が採用されてしまいますので、その点もしっかりと見極めることが大切です。


保障や保険料などを結果的にどうしたいのか、よく検討するようにしましょう。


まとめ:終身保険の減額、解約返戻金について

終身保険の保険料負担を少なくしたいという場合には、保障額を減らすという減額という方法がおすすめです。


保障額は減りますが、加入当初の予定利率を保ちながら、終身保険を継続することができます。


その上、減額した分の解約返戻金も受け取ることができますので、お金が必要な時にも有効な手段といえるでしょう。


その他にも、延長保険・払済保険・契約者貸し付けなど、状況に応じた方法もありますので、併せて検討をしていきましょう。


よくわからないという場合には、保険会社にどうしたいのかということをしっかりと伝えて、相談をすることが大切です。


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