個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込のメリット・デメリット

最近人気の個人型確定拠出年金(iDeCo)ですが、支払いを事業主払込にするメリットを知っていますか。一方でデメリットもあるので注意が必要です。ここで個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込についてやり方の手続きからメリット・デメリットについて説明します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込について詳しく解説!

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、各個人ごとで積み立てを行うイメージがある人も少なくないかと思います。

個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用していて、企業に勤めている方でしたらその企業で給料天引きで個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金を積み立てができることを知っている人はそう多くないかもしれません。

事業主払込の活用の仕方とはどうするのか、より良い老後の資産形成につながる活用法となります。

ここでは個人型確定拠出年金(iDeCo)は事業主払込について、

  • 事業主払込の申請の仕方
  • 事業主払込を要するメリット・デメリット
  • 変更・停止する際の注意点
以上のことを中心に解説していきます。

ここでは個人型確定拠出年金(iDeCo)を事業主払込にする方法を紹介したいと思いますので記事の最後までご覧いただければと思います。

個人型確定拠出年金(iDeCo)を事業主払込にする方法

どのような手続きで個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金の積み立てを個人支払いではなく、事業主払込にできるのでしょうか。

ここでは個人型確定拠出年金(iDeCo)を事業主払込にする方法の流れを1つずつ解説していきます。

会社員の方がどのようにして事業主払込の手続きを行うのか。また、事業主払込ができないケースを紹介していきます。

必要な書類、会社側に記載してもらわなければならない書類ありますので下記項目を参考にしていただければと思います。

社員が個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込を企業に要求する

勤めている企業に事業主払込をしたい旨を年末調整などの担当部署に伝えて、下記書類に提出して、記載してもらわなければなりません。

  • 事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書

個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込を利用しようとするのが、あなたが最初の場合も少なくないと思います。
その場合は国民年金基金連合会で事業所登録をしなければなりません。

あなたが持ち込んだ事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書に勤め先で記入すればそれが事業所登録となります。

事業所登録の手続きが完了すると登録事業所番号が発行されます。
その番号を利用して、あなたや以後続く事業主払込を利用したい人が証明書に記載する登録事業所番号となります。

まだまだ、一般的になっていない事業主払込なのでそのあたりの簡単な流れを担当者に説明してあげるのが親切かつトラブルも少なくなります。

企業側の事業主払込の体制が整っていない場合は個人払込となる

上記で述べた通り、個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込はまだまだ一般的ではありません。

特に中小・零細企業だと本制度を利用するのがあなたが最初というケースも少なくないかと思います。

制度自体が整っておらず、対応できない場合は事業主払込は諦めて、個人払込で対応しなければなりません。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込の”2つのメリット”

個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込をわざわざ自分で証明書を取り寄せて、会社に提出、記入してもらう手間をかけるメリットとは一体何があるのでしょうか?

もちろん、その手間をかけるだけのメリットがご覧になられている会社員の方にはあります。
そのメリットがわかれば勤め先に確認してみようという気持ちも強くなるのではないでしょうか。

ここでは2つの大きなメリットを紹介していきますので参考にしていただければと思います。

メリット1:掛金の残高不足の心配がない




会社でもらう給料からの天引きなので、あらかじめ決まった金額を給料から必ず引き落とされます。

個人払込の場合、銀行口座で引き落としですと別の支払いがあって銀行口座にお金がなくて掛金支払うことができないといったことはありません。

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)用に他の引き落としがない銀行口座を作るのもいいかもしれませんが、それも手間がかかりますよね。

給料天引きですと、掛金の残高不足になる心配をする必要がなくなります。

メリット2:年末調整の際に、特に必要な手続きは不要




最大のメリットは年末調整時に書類への記載などの手続きが必要ありません。

生命保険控除や住宅借入金等特別控除など、年末調整時に提出しなければならない書類、多くありませんか?

普段、働かれている、家事がある等で忙しい方も多いと思いますので、1つでも提出書類が減れば負担はぐっと下がります。

事業主払込を申請することで毎年、必ず発生する事務処理がなくなると思えば、長い目で見ればかかる手間、時間を節約することができます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込について”注意点も2つ”

ここまで個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込の良い点ばかり述べて来ましたが、注意しなければならないこともあります。

メリットとして、個人支払の場合は個人が毎年年末調整の書類を記載、提出しなければならなかったのが事業主払込で書類を会社側に管理してもらえることや掛け金も自動で引き落とされることを紹介しました。

通常の運用時には問題ありませんが、何か変更が怒った時にどのような手続きがいるのか注意しないと、後々、さらに手間と時間がかかりますのでここで2つ注意する点をおさえておいてください。

注意点1:給与の天引きと払込を会社が行うため、会社側に負担がかかる

特に零細・中小企業ですと総務が複数の仕事を兼務している場合も多いです。

その場合ですと、さらに追加される業務としてのしかかってくるので事務処理の負担が大きくなります。

会社側でのこのような負担が大きいため、従業員に事業主払込をしてほしくないのでこの制度を知らせていない場合もあります。

事業主払込について会社側に理解してもらう必要があるといえるでしょう。

注意点2:掛け金額の変更の際に会社に申告する必要がある

個人型確定拠出年金(iDeCo)の毎月の積み立て額、掛け金額を変更した場合は会社に申告しなければなりません。

毎月、会社から支払われる給料から天引きしているため、掛け金額が変更・停止したことを伝えなければ、変更前の金額が自動で天引きされてしまいます。

注意点1と同じく、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金額が変更となった場合は事務処理がさらに増えるのでなかなか変更しづらい心理も利用している従業員にもかかるかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今まで知っている人も多くなかったと思われます個人型確定拠出年金(iDeCo)の事業主払込を利用してみたくなっていただければ幸いです。

この記事のポイントを3点でまとめましたのでご覧ください。

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)で事業主払込を利用する場合は勤め先に証明書を提出、記入しなければならない。
  • 年末調整時に書類に記載する手間から解放される。
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金額を変更した場合は勤め先に申告しなければならない。
事業主払込で、より便利に個人型確定拠出年金(iDeCo)で老後の資産形成をしていただけばと思います。

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