【初心者向け】奨学金で投資?奨学金を利用する投資について解説

大学生の約3人に1人が、奨学金を利用していると言われています。多くの場合、学費のために利用しているかと思いますが、その一部を投資に回すことで将来的に大きな経済的メリットを獲得することができます。この記事では奨学金を利用した投資について、わかりやくす解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

奨学金を利用する投資についてわかりやすく解説

現代、高校卒業後の進路としてもっとも一般的なのは大学・短期大学への進学です。


文部科学省によると2018年度の大学・短期大学への進学率は過去最高となりました。


その流れもあり、今や大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用しているとも言われ、実際に奨学金を利用している方や利用を検討している方も多いかと思います。


ところで、その奨学金を使って投資を行うことを考えてみたことはありますか?


投資とは、手元のお金を増やすことを目的とした金融商品の売買を指しますが、その際に必要となる手元資金を、奨学金から支出することが可能です。


この記事では

  • 奨学金を利用した投資とは
  • 奨学金で投資を行うメリット・デメリット
  • 奨学金の返済と投資の優先順位
などについて詳しく解説します。

この記事を読めば、奨学金を用いた投資について深く理解することができます。ぜひ最後までお読みください。

参考:投資とギャンブルの違いとは

投資という言葉を聞き慣れない方の中には「投資とギャンブルはどう違うの?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。


あるいは名前のよく似た「投機」も、投資と混同されやすいものです。


この違いは経済学の「ゲーム理論」で説明することができます。


ゲーム理論には「ゼロサムゲーム」「プラスサムゲーム」「マイナスサムゲーム」という用語があり、それぞれの意味するところは以下のようになります。

  • ゼロサムゲーム:参加者の得失点の総和がゼロになる(=誰かが得をした分、誰かが損をする)
  • プラスサムゲーム:参加者の得失点の総和がプラスになる(=全員が得をする可能性がある)
  • マイナスサムゲーム:参加者の得失点の総和がマイナスになる(=全員が損をする可能性がある)

投資というのは、市場が成長すれば参加している人全員が利益を得る可能性のある、プラスサムゲームです。

対して、ギャンブルには必ず胴元が存在し、参加者は支払ったお金のうち胴元が利益を取った残りを分け合うため、参加者に還元される総和は目減りするマイナスサムゲームです。

投機とは、企業などといった投資先よりも、目の前の相場の変動という機会に注目して利益をあげることを目的としています。

より短期的な売買での値上がりを狙い、誰かが得をした分は他の誰かが損をしている可能性が高いため、ゼロサムゲームと考えられます。

このことは、投資であっても運用の仕方次第(短期に売り買いを繰り返すなど)では投機的な性格を持つことも意味します。

奨学金を利用した投資

では、奨学金を利用した投資について具体的に説明していきます。


恐らく、奨学金で投資をすることについてまず疑問に思われるのは

  • 奨学金という「借りたお金」で投資をすることは、返済を考えるとマイナスの方が大きくなるのではないか
  • 奨学金は学費を支払うための制度であって、投資に利用するのは問題があるのではないか
という2点ではないでしょうか。

まずはこれらの疑問を解消していきましょう。

無利子の奨学金を有効利用しよう

奨学金には、無利子のものと有利子のものがあります。


奨学金の代表的な機構である日本学生支援機構では無利息の「第一種奨学金」と利息付(上限3%)の「第二種奨学金」があり、貸与条件が異なっています。※第二種であっても在学中は利息が発生しません。


投資には、このような無利子あるいは低い利子の奨学金を活用しましょう。


言うまでもなく、有利子の奨学金であれば、せっかく投資で利益が出ても奨学金の利子で相殺されてしまうことが懸念されるためです。

学業を最優先することが大原則

奨学金は主たる使途として、学費と、学業に必要な費用のために貸与されるものです。このことは大前提として揺るぎません。


奨学金以前に、何のために大学や短大に進学するのかを考えれば、奨学金の使い道についての優先順位は自ずと見えてくるでしょう。


しかし一方で、奨学金は条件を満たしていれば誰でも借りることができ、また実際の使い方を制限する規約などは設けられていません。


学業が最優先なのは間違いないとしても、学生生活で必要なこと・経験すべきことは学業がすべてではないというのも事実です。

参考:奨学金を投資に使ってもいいの?

前章に関連して、奨学金の使い方について深堀りしていきます。


実際に奨学金を利用している方へのアンケートでは、使い道として「学費」「教材費」のほか「家賃」「部活・サークルの活動費」「食費」なども挙げられています。


拡大解釈気味にはなりますが、大学生活そのものを「学業に必要な場」と捉えれば、そこにまつわる支出は基本的に「学業に必要な費用」であると考えることもできます。


奨学金は将来的に全額返済するものであるという面も踏まえ、後は各々の価値観とモラルに則り、大学生活とその先の人生を有意義に過ごすために利用すべきと言えるでしょう。


ただし、ここまではあくまでも貸与型の奨学金についての話です。


給付型の奨学金を受ける場合には、実質的に学費が免除されているということの意味を、よりシビアに受け止めてください。

奨学金で投資をするメリットとデメリット

奨学金で投資をすることには、メリットとデメリットの両方があります。


メリットとしては

  • 金額の大小にかかわらず、リターンを得ることができる
  • 知識や知見が身に付く
などが挙げられ、金銭的な利益以外にも、幅広い経験価値観の醸成に役立つことが期待できます。

一方でデメリットとして
  • 運用の結果次第で、損失が出る可能性がある
ことが考えられます。

リターンを得られることが最大のメリット

投資をする以上は、利益を上げることが目的であり、それを得られることが最大のメリットです。


実際に、リターンがどれくらいになるか、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。(算出には、金融庁の資産運用シミュレーションツールを用いています)

  • 投資額:5万円/月(奨学金から支出)
  • 積立期間:4年間(大学在学中を想定)
  • 年利:1%

この場合、元本が50,000円×12ヶ月×4年間=240万円に対し、運用収益を加算した最終積立金額は244万7606円となります。


収益の約4万8000円は1年あたり1万2000円ですので、奨学金の返済額が毎年1万円ずつ減っていくことと同じです。

奨学金で投資をするリターン以外のメリット

お金を増やすこと以外にも、メリットはさまざまにあります。


例えば金融リテラシーが身につくことやリスクへの対処に慣れることは、社会人になってからも大いに役に立つでしょう。


お金に関する感覚を養うにはアルバイトなども有効ですが、投資でもそれに劣らずの貴重な経験を積むことができます。


また、もしも投資やお金そのものに対して何らかの偏見を自覚しているのであれば、あえて投資にチャレンジしてみることで、その印象は大きく変わるはずです。


加えて、投資による利益は不労所得です。


アルバイトなどでお金を得るには代わりに自分の時間と労力を提供する必要がありますが、投資の場合はそうではありません。その時間やエネルギーを学業や部活などに向けることができれば、更に理想的ですね。

奨学金で投資をするデメリット

デメリットとして、まず当然のことながら、運用次第では損失が出る可能性があります。


このリスクは投資の種類によっても程度が異なり、リスクの高い順に

  1. バイナリーオプション
  2. デイトレード
  3. 投資信託
  4. 国債
などとなりますので、自分の知識や経験に合わせた方法を選ぶことが大切です。

また、投資にのめり込み過ぎてしまうのも考え物ですね。運用が順調な時には投資額を増やしたくなるものですし、損失が出た時には取り返したいと焦ってしまうのも人情です。

しかしそれによって学業がおろそかになるようならば本末転倒ですし、投資にばかり意識が向いて考え方が偏ってしまう可能性もあります。

若くて物事に夢中になれる頃だからこそ、目先の損得に一喜一憂せず長期的な視点を持つことを心がけましょう。

参考:大学生でも投資してもいいの?

そもそも「大学生という身分で投資をしてもいいの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、問題ありません。


未成年の場合、親権者の同意書などが必要になることはありますが、法律的に株式投資に年齢制限はなく、極端に言えば0歳であっても口座の開設は可能です。


ただし、大学生が投資を行うにあたっては「利益の上げすぎ」に気を付ける必要があります。


一般的に、大学生であれば親の被扶養者となっていて、税制上、ご両親は扶養控除を受けられるようになっています。


しかし子ども(被扶養者)に一定以上の収入があると、扶養枠を外れ、この控除が適用されなくなってしまうのです。


株式の売買によって得たお金は「譲渡所得」に分類され、年間38万円を超えると扶養枠を外れることになりますので、注意してください。

奨学金の返済と投資はどちらを優先すべき?

貸与された奨学金は、貸与終了月(主に大学卒業月)の翌月から数え7ヶ月後から返済が始まります。


この時には多くの方が社会人となっていると考えられますが、お給料などの収入を得るようになって、奨学金の返済と投資のどちらを優先するか迷われるかもしれません。


これは利用している奨学金が無利子か有利子かによっても変わってきます。ただし、返済を滞納しないことは大前提としてお読みください。

利子がある場合は返済を優先

奨学金が有利子である場合には、投資よりも返済を優先しましょう。


もし、月々の返済をしながらも投資を続けられる余力があるのならば、その分を奨学金の返済に充て、積極的な繰り上げ返済を行うこともおすすめです。


なぜなら、月々の返済額は一定ですが内訳として元金と利息があり、返済の時期が早いほど利息の割合が高くなっています。


そして、1回分の返済を繰り上げればその回の利息は帳消しになるので、早い時期(=利息を多く払っている)ほど、繰り上げ返済をしたことによる恩恵を受けられるという仕組みだからです。

投資は余剰資金で行うのが基本

社会人になり、自分の収入ですべてをまかなう時に基本とするべきことは、投資はあくまでも余剰資金で行うということです。


奨学金を利用して学生時代から投資を続けている人であれば、社会人になる頃にはある程度の経験を積み、感覚を身につけているかもしれません。


しかし、投資にはリスクも伴うということは決して忘れないでください。


そして、基本的な生活に必要なお金まで取り崩して投資をするようなことはするべきではありません。奨学金を返済中という立場であれば尚更です。


なおここで言う余剰資金とは、生活費を差し引いて「余ったお金」という意味ではなく、家計をきちんと管理することで「確保したお金」という考え方です。


そのためには生活を切り詰めるのでなく、自分の浪費を発見してそれをなくしていく形が有効です。家計簿アプリなども活用して、上手に余剰資金を生み出してみましょう。

参考:奨学金は繰り上げ返済すべき?

利用している奨学金が有利子の場合には繰り上げ返済を狙うのがおすすめと説明しましたが、無利子の場合はどうでしょうか。


結論から言うと、繰り上げ返済をすることにこれといったメリットはありません。


むしろ無利子なのですから急いで返す必要はなく、繰り上げ返済をするくらいの余裕があるのなら、そのお金を投資に回しても良いと考えられます。


ただし「借金がある」「いつまでも返済を続けるのが嫌だから早く返してしまいたい」という心理的負担を感じている場合には、もちろんこの限りではありません。

奨学金を利用する投資についてのまとめ

いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 奨学金は学業のために使うことが最優先だが、投資に使うことにも問題はない
  • 奨学金で投資をすることには「リターンが得られる」「経済感覚が身に付く」などのメリットがある
  • 一方、デメリットは「損失のリスク」などが挙げられる
  • 奨学金の返済と投資は、有利子の場合には返済を優先するべし
でした。

最近では、お金の運用に関する知識を学校で教えるケースも増えてきたようですが、それでも決して一般的ではありません。

一方で、早い時期からお金の正しい知識や感覚を身に付けておくことは、その後の人生にも大きく寄与するでしょう。

投資に限らず、お金についての幅広い知見は、チャンスがあればどんどん吸収していくことをおすすめします。

保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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