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遺言書で死亡保険金の受取人が変わってる?相続するときの注意点

日本では生命保険に9割の人が加入しています。通常は相続人が死亡保険金を受け取りますが、遺言書で死亡保険金を相続人以外に変更することはできるのでしょうか?死亡保険金の受け取り方や遺産分割できるのか、また遺言書を書く際の注意点についてご紹介します。

遺言書で死亡保険金の受取人は変更可能?

通常、生命保険(死亡保険)に加入する際、契約時に死亡保険金の受取人を指定します。


死亡保険金は受取人の固有の権利となるため、受取人として指定された人は、安心して保険金を受け取ることができますよね。


しかし、遺言書で死亡保険金の受取人が変更可能であることはご存知でしょうか。


この事実を知らないと、受取人として指定されていたにもかかわらず、遺言書では別の人に変更されていたことを後々になって気付いて、愕然としてしまう事態になります。


そこで今回は、「遺言書による死亡保険金の受取人変更および遺産分割に関する注意点」について、


  • 遺言書で死亡保険金の受取人は変更可能
  • 遺留分減殺請求とは?その請求範囲は?
  • 死亡保険金の受け取り方

以上のことを中心に解説していきます。                                  
 

この記事を読んでいただければ、遺言書による死亡保険金の受取人変更や、遺留分減殺請求の方法とその注意点を知ることに役立つと思います。                      
 

ぜひ、最後までご覧ください。


遺言書で死亡保険金の受取人は変更できる

前述した通り、遺言書で死亡保険金の受取人を変更することは可能です。


遺言書による変更が可能である根拠は、平成22年4月1日に施行された「保険法」に明記されています(保険法第44条第1項)


しかし、遺言書で変更された保険金受取人が、変更されたことを主張するには条件があります。


それは、保険契約者の相続人がその変更を、加入していた保険会社や共済に通知することです(同条第2項)。


この通知を行わないと、他の相続人にも変更を主張できないままとなります。


一方、保険契約時に受取人として指定されていた人は、その通知の前に、死亡保険金を受け取っていれば自分のお金になります。


ただし、このような行動をとれば、後で相続人間で揉めることになるのは明白と言えます。

死亡保険金は相続財産ではないので、遺留分減殺請求できない

遺産相続が行われると、遺産分割で各相続人間の争いが起きることもしばしばあります。


これは、遺言書があってそれに応じた遺産分割をする場合や、遺言書等がなく遺産分割協議等で相続人が話し合って分ける場合でも、やはり揉め事がおこってしまうことはあります。


こちらでは、各法定相続人が遺産の取り分を確保するための方法について解説します。

遺留分減殺請求とは?

遺産相続の場合、法定相続人には被相続人の兄弟姉妹を除いて、遺言書によっても影響されない「遺留分」という最低限度の遺産に対する取り分が確保されています。


この遺留分を請求する権利のことを「遺留分減殺請求」と呼びます。


被相続人の兄弟姉妹を除いた法定相続人の誰かの取り分が、非常に少ない場合に請求できます。


裁判外または裁判手続きを通して、自分の法定された取り分を渡すよう請求できる方法です。


この取り分(遺留分)については次のような割合となります。


  • 直系尊属(例えば被相続人の父母等)のみが法定相続人である場合→相続財産の1/3
  • 上記以外(例えば被相続人の配偶者、子等)の場合→相続財産の1/2

死亡保険金に対して遺留分減殺請求できるの?

死亡保険金の場合、相続財産ではなく受取人固有の財産となります。


そのため、死亡保険金の受け取りに不満を持つ法定相続人が、遺留分減殺請求をしようとしても認められません。


ただし、死亡保険金額があまりに高額な場合、それを受取人一人が相続すると、他の相続人との間で不公平が大きくなることもあります。


この場合には「特別受益」として、保険金受取人の遺産の取得割合が減らすことができます。


当事者間でその合意が得られなければ、家庭裁判所で遺産分割調停や審判を行い決定していくことになります。

死亡保険金以外なら遺産分割することができる

では、生命保険等で下りる全ての保険金(給付金)が遺留分減殺請求の対象外なのでしょうか?


実は、生命保険で特約として付加する医療保障や、個別の医療保険やがん保険等で下りる入院給付金や手術給付金等は、遺産分割の対象となります。


なぜなら、治療保障として下りたこれら給付金は、被相続人(被保険者)本人の治療費等の負担を軽減するため、保険会社から支払われるお金だからです。


つまり、被相続人(被保険者)のために下りるお金である以上、遺産分割の対象となる相続財産になります。


よって、この給付金を含めた被相続人の財産は、法定相続人の遺留分減殺請求の対象になります。

死亡保険金の受け取り方

受取人が死亡保険金を保険会社に請求する場合には次のような手順で行います。


  1. 受取人が保険会社へ連絡する
  2. 保険会社が手続き書類を受取人へ郵送
  3. 受取人は請求書に必要事項を記載し、死亡診断書・保険証券等を準備し保険会社へ提出する
  4. 保険会社は提出書類を確認し、不備が無ければ指定口座へ保険金を振り込む

こちらでは、死亡保険金の受取人が相続人であった場合と、相続人以外の人が受け取った場合に分けて解説します。

相続人が死亡保険金を受け取る際は500万円が控除可能

死亡保険金の受取人が法定相続人である場合は、相続税の基礎控除とは別に、死亡保険金の非課税枠を利用することができます。


この死亡保険金の非課税枠とは、法定相続人1人につき500万円までであれば非課税となる制度のことです。 


なお、この非課税枠を受け取った死亡保険金額が超えたとしても、他の遺産相続分と非課税枠を超えた保険金額分が、相続税の基礎控除の枠内に収まるなら、やはり非課税となります。


死亡保険金の非課税枠の計算式は次の通りです。 


 500万円×法定相続人数=死亡保険金非課税枠   

相続人以外が死亡保険金を受け取る際の相続税は2割加算される

被相続人の死亡保険金を相続人以外が取得した場合、相続税はどうなるでしょうか?


例えば、死亡保険金の受取人が被相続人の孫にあたり、その孫の親(つまり被相続人の子)が生存しているならば、孫は法定相続人になりません。


法定相続人とならない以上、死亡保険金非課税枠は使えず、相続税も2割加算されてしまいます。


相続税の2割加算の計算式は次の通りです。


相続税の2割加算が行われる場合の加算金額=各人の税額控除前の相続税額×0.2


この2割加算を防ぐためには被相続人が孫へ一定の期間、1年間に110万円を超えない程度でコツコツ生前贈与する方法があります。

まとめ:遺言書で相続する際に気を付けること

遺言書による死亡保険金の受取人変更および遺産分割に関する注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。            


今回の記事のポイントは


  • 遺言書で死亡保険金の受取人は変更できるが、そのための条件もある
  • 死亡保険金は遺留分減殺請求できないが、入院給付金や手術給付金は遺産分割の対象になるので請求は可能
  • 相続人以外が死亡保険金を受け取る場合、相続税は2割加算されてしまう

でした。

各法定相続人間で、遺留分減殺請求をする事態になったとしても、冷静に話し合い揉めている当事者同士が共に納得できるよう、歩み寄ることが大切です。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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