県民共済は保険料控除の対象?申告書の書き方と計算方法もご紹介

県民共済に加入している方は支払った保険料が保険料控除の対象になるのか気になりますよね。ここでは県民共済で保険料控除の対象になるものとならないものを区別するとともに、一見難しそうに見える保険料控除申告書の書き方や計算方法などについて解説していきます。

県民共済は年末調整時などに保険料控除の対象になる?

県民共済は毎月手頃な掛金(保険料)で、万が一のとき共済金を受けることができる保障です。


県民共済によって、しっかりとした保障が約束された上に、生命保険料控除で税制上の優遇措置が受けられたなら大変お得ですよね。


しかし、県民共済の種類によっては、生命保険料控除の対象となるものと、対象とならないものがあるのをご存じでしょうか。


この区別がよくわからないと申告を行う際、判断に迷ってしまうこともあるでしょう。


そこで、今回は「県民共済で保険料控除の対象になるものとその申告方法」について


  • 県民共済の種類によって対象になるものとならないものがある
  • 実際に県民共済の保険料控除を受ける際の申告の方法について
  • 実際にどれくらい保険料控除の対象になるのか

以上のことを中心に解説していきます。 


この記事を読んでいただければ、県民共済で生命保険料控除の対象となる保障、そして申告方法を知ることに役立つと思います。 


ぜひ最後までご覧ください。



県民共済の種類によって保険料控除の対象になるものとならないものがある

生命保険料控除とは、1年間に支払った生命保険やがん保険等の保険料を申告すれば、所得税・住民税が軽減される制度です。


県民共済の掛金(保険料)も同様に「生命保険料控除」を受けられる場合があります。


こちらでは、生命保険料控除の対象になるものとならないものを説明します。

一般の生命保険料などは保険料控除できる

県民共済の掛金(保険料)で、生命保険料控除の対象となるものは「一般の生命保険料」および「介護医療保険料」です。 

  • 一般の生命保険料:死亡または重度障害、後遺障害等の保障に係わる共済掛金(保険料)が該当します。 
  • 介護医療保険料:介護および病気のよる入院や通院等の保障に係わる共済掛金(保険料)が該当します。  

県民共済の各共済で生命保険料控除の対象となる基本コース・特約は下表のとおりです。

申告書へ記載する際の参考にしてください。

(全国生活協同組合連合会「生命保険料控除について」を基に作成)

○:控除対象、×:控除対象外
生命保険料控除
基本コース
一般の生命保険料
(新保険料等)
介護医療保険料
こども型
総合保障型
入院保障2型(18歳~60歳)
入院保障2型(60歳~65歳)
生命共済6型
熟年型(65歳~80歳)
熟年型(80歳~85歳)×
熟年入院型
傷害共済××
特約一般の生命保険料

(新保険料等)
介護医療保険料
介護特約×
医療特約×
新がん特約×
新三大疾病特約×

火災保険料や傷害保険料は保険料控除できない

保険料控除の対象外になるのは損害保険料です。

こちらは、県民共済の火災共済に関する掛金(保険料)および、各共済の基本コース・特約に設定されている交通事故・損害賠償等に関する掛金(保険料)が該当します。

平成18年末をもって損害保険料控除の制度が廃止され、損害保険料に当たる部分は控除対象外になりました。

県民共済の保険料控除申告書の書き方を理解しておこう

県民共済の保険料控除は、会社員のような給与所得者の場合なら「年末調整」で、自営業・自由業の方々の場合なら「確定申告」で申告を行います。

こちらでは、

  • 申告書への記入事項
  • 契約日による新旧の区分

について解説し、それぞれの申告書に記載する場合の注意点や、提出の方法を説明します。

保険料控除申告書への記入事項

年末調整または確定申告で記載する保険料控除の内容は以下の通りです。

年末調整の場合


年末調整とは、会社員等の給与所得者の所得税額について、年末に1年間の所得や給与所得者本人の生活事情と照らし合わせて再計算することで、過不足額を調整する方法です。

給与所得者の場合、年末調整の時にご自分の事業所に保険料控除を申告しないと、原則として控除の対象にはなりません。

申告に必要な書類は次の通りです。 

  • 給与所得者の保険料控除等申請書兼配偶者特別控除申告書
  • 生命保険料控除証明書

「給与所得者の保険料控除等申請書兼配偶者特別控除申告書」は、ご自分の勤務する事業所から取得しましょう。

この申告書に、保険会社等の名称、保険等の種類、保険期間、年間にかかった掛金(保険料)・控除される額を記載します。

 確定申告の場合


確定申告とは、自営業・自由業の方々が前年1月1日~12月31日までの会計結果を、翌年の2月16日から3月15日までに税務署へ申告することを言います。

申告に必要な書類は次の通りです

  • 確定申告書:国税庁のホームページ、または最寄りの税務署から取得します。
  • 源泉徴収票(現在、給与所得者または前年に給与所得者だった場合に添付します。)
  • 生命保険料控除証明書

確定申告書へご自分の利得や経費の他、控除対象となる保険会社等の名称、保険等の種類、保険期間、年間にかかった掛金(保険料)・控除される額を記載します。

保険の契約日によって「新旧」の区分があるので注意が必要

生命保険料控除には、保険の契約日によって「新旧」の区分があります。

県民共済では旧税制の生命保険料控除が対象となる共済を取り扱っていません。

しかし、共済加入者の中には、他に保険会社の生命保険等へ加入している方々もいらっしゃる場合があるので、参考に新旧の区分を説明します。

旧契約の場合


平成23年12月31日以前に締結した保険契約が該当します。

一般生命保険料控除個人年金保険料控除の2種類が生命保険料控除の対象となります。

「一般の生命保険料」も「介護医療保険料」も、申告書の一般生命保険料控除枠に記載します。

なお、住民税の記載は不要です。

保険料控除の上限金額は次の通りです。

  • 所得税:5万円まで控除(個人年金保険料控除も対象になる場合、合計10万円)
  • 住民税:3万5,000円まで控除(個人年金保険料控除も対象になる場合、合計7万円) 

新契約の場合


平成24年1月1日以後に締結した保険契約が該当します。

一般生命保険料控除個人年金保険料控除、新たに介護医療保険料控除の3種類が生命保険料控除の対象となります。

県民共済の場合、申告書には、一般の生命保険料→一般生命保険料控除枠へ、介護医療保険料→介護医療保険料控除枠へ記載します。

なお、住民税の記載は不要です。

保険料控除の上限金額は次の通りです。

  • 所得税→4万円まで控除(他の控除枠も申告対象になる場合、合計12万円)
  • 住民税→2万8,000円まで(他の控除枠も申告対象になる場合、合計7万円) 

県民共済の生命保険料控除額のモデルケースを用いて計算してみよう

こちらでは、所得税控除の計算を行ってみます。

なお、所得税の申告のために年末調整または確定申告を行えば、住民税の控除分を計算したり申告したりする必要はありません。

そのため、住民税の計算は省略します。

(事例)

  • 医療保険(平成27年5月13日に加入):年間支払保険料55,000円
  • 県民共済(平成26年6月14日に一般の生命保険料に該当する保障のみへ加入):年間支払保険料24,000円

①医療保険→新契約:介護医療保険料控除年間支払保険料

年間支払保険料区分[40,001円~80,000円]:年間支払保険料×1/4+20,000円なので

55,000×1/4+20,000円=33,750円

②県民共済→新契約:一般の生命保険料控除年間支払保険料

年間支払保険料区分[20,001円~40,000円]:年間支払保険料×1/2+10,000円なので

24,000×1/2+10,000円=22,000円

③前記した①+②を計算

33,750円(①)+22,000円(②)=55,750円

所得税控除は55,750円となります。

県民共済の「保険料控除証明書」はいつ届く?もし紛失してしまったら?

年末調整または確定申告で保険料控除を申告する場合に、共通して必要になる書類が「生命保険料控除証明書」です。

申告の際、申告書へこの証明書を添付しないと税制上の優遇措置は受けられません。

こちらでは生命保険料控除証明書について説明します。

「保険料控除証明書」は10月~11月頃届く

生命保険料控除証明書は概ね10月~11月に共済・保険会社から送付されてきます。

もしも、12月近くになっても一向に送付されない場合には、共済または保険会社のカスタマーセンターへ問い合わせてみましょう。

紛失してしまっても再発行できる

生命保険料控除証明書は紛失や毀損してしまった場合でも再発行が可能です。

共済または保険会社のカスタマーセンターへ連絡するか、インターネット等で申し込みをすることで再発行できます。

共済または保険会社にて再発行の受付が行われてから、およそ3~5営業日までにご自宅へ郵送してくれます。

まとめ:県民共済は保険料控除の対象になるか

県民共済で保険料控除の対象になるものとその申告方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

今回の記事のポイントは

  • 保険料控除申告の対象となるのは、県民共済の一般の生命保険料および介護医療保険料
  • 保険料控除は原則として、年末調整または確定申告の際に申告する
  • 申告の際には申告書の他、生命保険料控除証明書の添付が必要
でした。 

給与所得者の場合、何らかの理由で年末調整の際に保険料控除の申告ができなかった場合でも、還付申告を税務署に行うことで保険料控除が受けられます。

ただし、申告にはそれなりに手間がかかるので、なるべく年末調整時または確定申告の時期に、保険料控除の申告を行うことが大切です。

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