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猫も虫歯になるのでしょうか?実は猫は虫歯になりません。ただ嘔吐や口臭、出血やよだれが多い、ご飯を食べないといった症状は口腔内の病気の兆候であることが多いので注意が必要です。また猫は歯周病になることが多いです。この記事では猫の虫歯や歯周病について解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の虫歯とは?嘔吐や口臭、食欲不振は病気のサインのこともある

人は虫歯になりますが、猫が虫歯になるという話を耳にしたことが無いと思います。実は、猫は人と違って虫歯になりません


今回「MOFFME」では「猫の虫歯」について、

  • 猫は虫歯になるのか?
  • 猫が虫歯にならない原因と理由について
  • 猫がなりやすい口腔内の病気や症状について
  • 猫の歯周病の治療法や治療費、予防法について
  • 猫の歯磨きについて
  • 歯周病にかかりや猫種や年齢、性別について

といった内容で解説いたします。


猫がなりやすい口腔内の病気には、歯周病や口内炎などがあります。


そして、猫も人と同じように口の中の病気を放置しておくと痛みで物を食べない状態になったり、歯が抜けたりするなどという症状が出てしまいます。


そのような口内トラブルを回避するためにも、猫の歯について解説しますので最後までご覧ください。


またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください!

猫の虫歯とは?虫歯になるのかどうかや歯周病を解説!

猫が虫歯にならない原因や理由について気になる人もいるのではないでしょうか。


それらの点につきまして、

  • 猫の口の中はアルカリ性、虫歯の原因になる菌は酸性なので共存できない
  • 猫のは鋭く尖っていて食べかすが残留しにくい
  • 猫は歯周ポケットに食べかすが残留しやすい
  • 猫は歯の汚れが歯石に変化する期間が短い
  • 猫の口の中の病気は「口内炎」「歯周病」「破歯細胞性吸収病巣」などがある
  • 猫の歯が黒い場合は「食べかす」「歯石」「歯が折れる」ことが原因

といった内容を解説いたします。


猫の口の中で発生する病気は、口内炎や歯周病などがあげられます。


これらの原因などを把握することで、猫の口の中のトラブルへの兆候を見逃さずに済みます。

猫は虫歯にならない!虫歯にならない原因・理由とは?

猫が虫歯にならないことについて触れましたが、それは虫歯の原因となる菌が猫の口の中で生息できないからです。


人の口の中にいる虫歯の原因となる菌は、酸性の状態でないと生息できないという特徴があります。


人の口腔内は通常時は弱酸性~中性に保たれていて、飲食をすることで酸性に傾くそうです。


しかし、猫の口の中はややアルカリ性に傾いているので、虫歯の原因となる菌が生息できないのです。


ほかにも、歯の構造にも虫歯にならない原因を見ることができます。猫は肉食なので歯が鋭く尖っており、食べかすなどが歯に残りにくい構造になっています。


それに対して人の歯には窪みがあるので歯の汚れが残りやすいので虫歯になりやすいという特徴があります。


つまり猫が虫歯にならないのは、口の中はアルカリ性で虫歯の原因となる菌が繁殖できない環境であることと、歯は鋭く尖っていて食べかすが残留しにくいという特徴があるためだといえます。

猫は虫歯の代わりに歯周病が多いので要注意!

猫は虫歯にはなりませんが、口内炎や歯周病など口の中のトラブルが多く見られます。


猫は歯の構造上、食べかすなどが残留しにくくなっています。


しかし、歯と歯肉の間にある歯周ポケットには人と同じように食べかすが残留してしまいます。


さらに厄介なことに、人間よりも猫は歯周ポケットにこびりついた汚れが歯石化する期間が短く、気づくと猫の白い歯が歯石で覆われてしまうということもあります。


そういったこともあり、歯肉炎、歯槽膿漏などといった歯周病や口内炎を発症しやすくなっています。


口の中のトラブルというものとしては「破歯細胞性吸収病巣」もありますが、この病気は、乳歯から永久歯に生え変わりを助ける破歯細胞が誤作動してしまい永久歯を溶かしてしまうという病気です。


猫の口の中を見た時に歯が黄色かったり、歯ぐきが赤く炎症を起こしているようであれば、すでに口の中でトラブルが起きているサインだといえます。


動物病院へ連れて行って早めに対処しましょう。

補足:猫の歯が黒い?虫歯ができてしまっているのか

猫の歯が黒くなっている部分を見つけると虫歯になってしまったのではないかと心配する飼い主さんもいるのではないでしょうか?

じつは、その黒い部分食べかすといったものなので虫歯ではありません。また、歯が折れたりした場合なども黒く見えることがあります。

黒くなっている部分は虫歯ではありませんが、食べかすや歯石であれば歯磨きなどで除去する必要があります。

そして歯が折れている場合、露髄をしてしまっているとなるべく早く抜歯などの治療をする必要がありますので、ほかの歯が抜けたりしないか口の中をしっかりと確認し、異常がみられる場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

猫の歯周病は治る?治療法や予防法を詳しく解説!

猫は虫歯になることはありませんが、歯周病になる可能性が非常に高いです。


では猫の歯周病は治るのか気になるところでしょう。治すことは可能ですが、病状の進行具合によっては治療法などが変わってきます。


ここでは、

  • 猫の歯周病の治療法は「歯石除去や抜歯といった手術」
  • 治療費は手術をすると約50,000円~100,000円くらい
  • 歯周病の予防には歯磨きが有効
  • 人と猫の虫歯菌のうつし合いはない

といった内容について解説いたします。


人も歯周病にかかるので、この病気の恐ろしさなどについては理解されていると思います。しかし、猫は人よりも口の中の汚れが歯石に変化するまでの時間が短いので注意が必要です。


歯周病が悪化すると食欲減退や口臭、出血やよだれの大量発生など目に見える症状が現れてしまいます。さらに重度になると歯が抜けたり、皮膚に穴が開いたり口と鼻の間の骨が溶けてくしゃみが出たりすることもあります。


病気が進行すれば手術の内容も複雑になり猫の体に大きな負担がかかります。歯周病の症状が見られたら、早期治療を行うようにしましょう。

猫の歯周病の手術等の治療法、治療費を紹介!

猫の歯周病の治療は状況によって変わりますが、歯周病の初期段階である歯肉炎であれば歯石の除去を行います。基本的には全身麻酔下で歯石や歯周ポケットの汚れを除去し、汚れが付きにくくなるように歯の表面を磨きます。

歯の表面に付いている歯石を除去するのは難しくないですが、歯石ポケットの中にある歯石は取り除くのはかなりの痛みが発生するので麻酔を使用して治療します。

重度の場合は抜歯などを行うこともあります。

歯周病の治療費としては手術を1回行う場合は約50,000円~100,000円くらいになります。猫の歯周病での初期の段階で行う治療は、歯石除去といった人が歯医者で行うものとあまり変わりません。

猫の歯周病の治療では、基本的に全身麻酔下での手術が必要となってしまいます。そうなると猫の体にも大きな負担がかかってしまうので、歯周病の兆候は早めに発見するようにしましょう。

猫の歯周病の予防法は?放置せずにしっかり歯磨きすることが大切

猫の歯周病は、歯周ポケットに食べかすが残留してしまうことが原因です。歯周病を予防したいのであれば、歯磨きで猫の口の中のケアをするようにしましょう。


猫の歯磨きの回数は1日1回が理想的ですが、歯磨きに慣れていなくて大変な場合は3日に1回にするなど、飼い主さんも猫も負担にならない範囲で行うようにします。


歯ブラシが難しいのであれば歯磨きシートなど猫が嫌がらないアイテムで歯のケアをするという方法もよいでしょう。


猫の歯磨きで必要なのは、どんなアイテムで歯磨きをするかではなく、長期間放置しないで歯のお手入れをすることです。


そうすることで、猫の歯周病を予防することができます。

補足:猫の虫歯菌が人にうつることはある?その逆もあるのか

猫の口の中には虫歯菌が人にうつるのか、そして人から猫に虫歯菌がうつるのかといった疑問を抱く人もいるかと思います。

猫の口の中はアルカリ性で人の口の中は酸性となっています。そのため、人の虫歯菌は猫の口の中で繁殖できないタイプのものなので、人から猫へは虫歯菌がうつらないようになっています。

そして猫の虫歯菌にあたる菌は、猫だけに発生するので人間にはうつりません。 したがって、人と猫での虫歯菌のうつし合いはないといえるでしょう。

歯周病にかかりやすい猫種や年齢はある?高齢だとなりやすいのか

歯周病にかかりやすい猫種や年齢、性別があるのか気になるところですが、この病気については猫種や性別にかかりやすい傾向は見られません


病気のかかりやすさという点では、猫の年齢が関係しています。歯周病は高齢になると、なりやすいというイメージがあるかもしれませんが、実は3歳を迎えた頃から猫が歯周病にかかる割合が増加傾向になります。


3歳以上の猫がかかる歯周病の割合を紹介しますと8割となっていて、この数字により半数以上の猫が歯周病を発症する可能性があることが分かります。


このように、猫の歯周病は早い年齢でもかかる可能性のある病気だということが判明しているので、子猫の頃から歯ブラシなどで歯磨きをおこなうことが、歯周病の有効な予防手段だということが分かります。


ですので、猫が3歳を迎える頃になったら歯周病にかかっていないか、小まめにチェックするようにしましょう。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


猫の歯周病は、3歳以上になると性別や猫種を問わず、多くの猫がかかる可能性のある病気です。


さきほど、歯周病の治療費について解説しましたが、かかる費用が約50,000円~100,000円くらいと、かなり費用に幅があることが分かります。


それは病気をどの段階で治療をおこなったかによって変わるためです。初期の段階で治療を行えれば治療費はおさえられますが、病状が深刻になってしまうと手術など大掛かりな治療が必要となり、治療費もかさんでしまいます。


もし、歯周病のような病気の治療費をおさえたいのであれば、ペット保険への加入がおすすめです。ただし一部の商品では歯科処置が補償対象外となっておりますので注意してください。


MOFFMEには、ペット保険に関する記事を多く取り揃えています。この記事を読んで、ペット保険への加入を検討している人は、ぜひほかの記事も読んで参考にしてみましょう。

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まとめ:猫の虫歯とは?異変があれば動物病院へ連れて行こう

今回は、猫の虫歯や歯周病について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?


記事についてまとめますと、

  • 猫の口の中はアルカリ性、虫歯の原因になる菌は酸性の環境でなければ繁殖できない 
  • 猫の歯は鋭く尖っていて食べかすが残留しにくい 
  • 猫は歯周ポケットに食べかすが残留しやすい
  • 猫は歯の汚れが歯石に変化するまでの期間が短い 
  • 猫の口の中の病気は「口内炎」「歯周病」「破歯細胞性吸収病巣」などがある
  • 猫の歯が黒い場合は「食べかす」「歯石」「歯が折れる」ことが原因
  • 猫の歯周病の治療法は「歯石除去」「抜歯」「手術」 
  • 治療費は約50,000円~100,000円くらい 
  • 歯周病の予防法は歯磨きが有効 
  • 猫は3歳以上になると歯周病になりやすい

といった内容になります。


猫は虫歯にはなりませんが、歯周病や口内炎などになりやすい傾向があります。いざ、歯周病にかかってしまうと猫の体に大きな負担をかけることになってしまいます。


そういった事態を防ぐためにも、子猫の頃から歯磨きなどで口の中のケアをおこなうことはとても大切なことです。


もし、歯周病の症状など猫の体調に異変を感じたら動物病院へ連れて行くようにしましょう。


MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひご覧ください。