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猫の肥満細胞腫をご存知ですか?皮膚型と内臓型の2種類あり、高齢の猫に多く発症します。皮膚型の場合は頭や耳介に多く、痒み等の症状が出ます。内臓型の場合は嘔吐や下痢等の症状が出ます。この記事では猫の肥満細胞腫について、原因から症状、治療法、予防法まで解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の肥満細胞腫とは?良性と悪性がある!

猫の肥満細胞腫という病気について知りたいことと思います。


肥満細胞腫には2種類あり、良性のものと悪性のものがありますが、その病気の原因や治療方法などについて知りたいのではないでしょうか。


そこで今回「MOFFME」では

  • 猫の肥満細胞腫とは?原因や症状、特徴、検査方法を解説!
  • 猫の肥満細胞腫の治療法、治療費用、予防法を詳しく紹介!
  • 肥満細胞腫になりやすい猫種や年齢、性別はある?
  • もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
について、詳しく解説していきます。

この記事を読んでいただければ、肥満細胞腫についての原因や治療法、予防法などの理解を深めることができると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

猫の肥満細胞腫とは?原因や症状、特徴、検査方法を解説!

猫の肥満細胞腫とは肥満細胞という細胞が腫瘍化したものですが、実際どのような病気なのかが分かりにくいと思います。


人間がかかることはほとんどない病気なので、想像がつかないのではないでしょうか。


しかし、この病気は若い猫にも発生する可能性がある注意すべき病気です。


そこで下記では、

  • 猫の肥満細胞腫とは?
  • 猫の肥満細胞腫の原因は?
  • 猫の肥満細胞腫の症状は?
について解説しますので、参考にしてください。

猫の肥満細胞腫とは?病理検査等の検査方法も解説!

猫の肥満細胞腫は、その名前から肥満となにか関係があるのではないかと思われる方が多いかもしれません。しかし肥満とはとくに関係はなく、肥満細胞という免疫に関係する細胞が腫瘍化する病気のことをいいます。


この病気には、

  • 皮膚型
  • 内臓型
上記の2種類のタイプがあります。

皮膚型

皮膚に発生し、比較的良性のものが多い。

内臓型

脾臓・腸に発生し、悪性度が高く転移しやすい。

検査は、細胞診という方法で行います。
腫瘍に直接細い針を刺して細胞を吸引し、顕微鏡で観察します。
特徴的なつぶつぶの細胞が見つかれば肥満細胞腫と診断されるのです。

診断後は、肥満細胞血症になっていないかをバフィーコートを利用して調べたり、レントゲン検査や超音波検査、リンパ節の細胞診などで転移がないかの確認を行ったりします。

猫の肥満細胞腫の原因は?肥満細胞のがん化が原因!

原因ははっきりと分かっていません

ですが、中高年の猫がかかることが多く、肥満細胞のがん化が原因の可能性があると言われています。


また、シャム猫の発症率が高いことから、品種や遺伝の要因と考えられていますが、はっきりとした原因が分からないので、いつどのようにかかるのか心配だと思います。


愛猫が健康で長生きできるように、毎日体調の変化がないかをチェックすることで早期発見に繋がるはずです。

猫の肥満細胞腫の症状は?皮膚型と内臓型でそれぞれ解説!

猫の肥満細胞腫の症状を紹介します。


皮膚型

顔や耳介に一つから複数発生することが多く、脱毛を伴うしこりが見られます。

その見た目から皮膚病と間違えやすいので注意が必要です。


内蔵型

食欲不振体重減少嘔吐血便などの症状が見られます。

腫瘍が広範囲に広がると、胸水貧血がみられることもあります。

猫の肥満細胞腫の治療法、治療費用、予防法を詳しく紹介!

猫の肥満細胞腫については理解できたかと思いますが、次に心配なのは治療面についてではないでしょうか?


肥満細胞腫になった際にどのような治療をするのかを知っていれば、万が一の時もスムーズに対応できるかと思います。


そこで今回は

  • 手術などの治療法や治療費を紹介
  • 肥満細胞腫の予防法
について解説しますので、参考にしてください。

分子標的薬やステロイドの投与や手術等の治療法、治療費を紹介!

猫が肥満細胞腫になった場合の治療法を紹介します。


治療法は、主に下記の4つです。

治療法効果
外科治療完全切除が有効
内蔵型は完全切除が難しい場所も
分子標的薬
分子標的薬を投与する
化学療法抗がん剤、ステロイドを使用
放射線療法他の治療と組み合わせる


次に治療費の一例を紹介します。

内容金額
診察700円
日帰り入院2,000円
検査14,000円
点滴・注射8,000円
手術40,000円
内服薬1,400円
合計66,100円

※動物病院によって診察内容や治療費などは異なりますので、金額は動物病院で直接確認してください。


上記の場合の検査には、血液検査、レントゲン検査、超音波検査が含まれています。

猫の肥満細胞腫の予防法は?早期発見・早期治療が大切!

猫の肥満細胞腫は、原因がはっきりしないので予防するのは難しいのが現状です。

ですので、早期発見・早期治療が大切なポイントとなってきます。


皮膚型の場合は普段から体を触ってあげることで脱毛やしこりに気づくことができます。


ただし内臓型の場合は見た目ではわからず、診断されたときにはすでに転移しているというケースが多いため、定期的に健康診断を受けて早期発見に努めたり、日ごろからよく体調を観察していつもと様子が違うと感じたらすぐに動物病院を受診したりすることが大切です。


早期発見・早期治療に努めて愛猫の健康を守りましょう。

肥満細胞腫になりやすい猫種や年齢、性別はある?

肥満細胞になりやすい猫種や、年齢、性別についてご紹介します。


下記の表をご覧ください。

項目内容
猫種皮膚型:シャム猫
年齢高齢(ただしシャム猫は若齢に多い)
性別特になし

このように言われていますが、はっきりとした原因が分かっていないので一概にはいえません。

シャム猫以外にもあらゆる種類の猫が、あらゆる年齢で報告されているので、猫全体的に多い病気という認識を持った方が良いでしょう。


また、肥満細胞腫という名前ですが細胞が大きくなることを指しているため、肥満の猫とは無関係なので健康体の猫でもかかる可能性があります。


自分の猫は安心と思っていて何もしないでいると、気づいたころには大変な事態になっている可能性もありますので充分注意しましょう。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと良いでしょう。


猫には、人間のように健康保険制度がありません。

そのため、病気にかかってしまって治療を受ける場合には、通院費・入院費・手術費などが全額負担となってしまいます。


病気が1度だけであれば、10万円前後で済むかもしれませんが、何度も繰り返すとその都度お金がかかるので家計にかなり負担がかかってしまいます。


大切な家族の命を守るためには、満足のいく治療をしてあげたいと考えるのではないでしょうか。


そんな時には、ペット保険に加入することをおすすめします。


ただし、悪性腫瘍ができてしまうとたとえ完治したとしてもペット保険への加入はほとんどできなくなってしまうため、健康なうちから加入しておくことが大切です。


MOFFMEではペット保険に関する記事が多くあるので、参考にしてみてください。

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まとめ:猫の肥満細胞腫は完治する?再発せず予後は良好なのか

猫の肥満細胞腫とは?について解説しましたがいかがでしたか?


今回の記事のポイントは

  • 猫の肥満細胞腫は、肥満細胞が腫瘍化する疾患のことで、皮膚型と内蔵型の2種類がある
  • 原因ははっきりとは分からない
  • 初期段階で治療できれば治る
  • シャム猫がなりやすいと言われているが、どの猫でも可能性がある
  • 万が一に備えてペット保険に加入がおすすめ
です。

肥満細胞腫は初期段階で見つかれば手術で治る可能性がありますが、転移している場合や腫瘍の完全切除が難しい場合には予後が厳しいと言われています。

愛猫の健康の為にも定期検診を受け、万が一の為にペット保険に加入しましょう。

MOFFMEでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。