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犬の皮膚組織球腫をご存知ですか?詳しい原因は不明ですが、老犬よりも若齢犬に発生しやすく、患部を舐める・かさぶたができる等の症状が出ます。治療としては手術が行われることもありますが、良性の場合は放置することもあります。この記事では犬の皮膚組織球腫を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の皮膚組織球腫とは?原因や症状、治療法、治療費を解説!

犬の皮膚組織球腫という病気をご存知ですか?皮膚にできる腫瘍の一つなのですが、赤くドーム状の形状をしているため、初めて見る方は驚いてしまうかもしれません。


腫瘍と言うと、老犬に多いイメージがあるかもしれませんが、皮膚組織球腫は若い犬で発生が多いという特徴があります。


一体どのような病気なのでしょうか?見た目から慌てて病院を受診する方も多いかもしれませんが、治療法や治療費がどれくらいかかるのか気になりますよね。


今回「MOFFME」では、

  • 皮膚組織球腫とは?原因や検査方法について
  • 治療法や治療費は?手術は必要なの?
  • できやすい犬の特徴について
  • 万一に備えるペット保険

についてご紹介していきます。


この記事をお読みいただければ、犬の皮膚組織球腫について、症状や予防法が詳しくお分かりになるかと思います。ぜひ最後までお読みください。


またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

犬の皮膚組織球腫とは?原因や症状、検査方法を解説!

愛犬の皮膚にできものができてしまったら、誰でも驚いて慌ててしまいますよね。皮膚がんだったらどうしよう、などと考えてしまう方もいるかと思います。


皮膚組織球腫も犬の皮膚にできる病気ですが、基本的には良性の場合が多いようです。一体どのような病気なのでしょうか?


ここでは、

  • 皮膚組織腫とは?検査方法について
  • 原因は不明?
  • 症状について、悪性の場合もあるのか?

についてそれぞれ詳しくご紹介していきたいと思います。

そもそも犬の皮膚組織球腫とは?検査方法も紹介!

皮膚組織球腫は、犬の皮膚に比較的よく見られる腫瘍の一つになります。腫瘍と聞くとがんを連想する方は多いと思いますが、良性腫瘍の場合が多い病気です。


腫瘍の成長するスピードが速いのが特徴で、大きさは1~2cmのことが多く、4cmほどの大きさになることもあります。


赤いドーム状の腫瘍で、患部には毛が生えていないため、とても目立つ外見をしています。


見た目だけでは良性か悪性か、あるいは皮膚組織球腫か別の腫瘍かを判断できないため、診断するためには、いくつか検査を行う必要があります。


検査方法としては、

  • 視診
  • 針生検による細胞診

を行います。


細胞診では、注射針で採取した細胞を顕微鏡で観察し、特徴的な類円形細胞を確認することで診断します。細胞を見ることで診断が可能な、珍しいタイプの腫瘍となります。

犬の皮膚組織球腫の原因は?正確な原因は不明!

皮膚組織球腫は犬の皮膚にできてしまう腫瘍の一種ですが、原因が何なのか、気になる方は多いと思います。


しかし、犬の皮膚組織球腫の原因はよく分かっていません。何かしらのウイルスが原因ではないか、ということも言われていますが、原因となるウイルスも発見されておらず、腫瘍が他の犬にうつる、といったことも無いため、原因は不明、となっています。


腫瘍として増殖している細胞は、「表皮ランゲルハンス細胞」と呼ばれる細胞です。この細胞が、「反応性増殖」を起こし、ドーム状の腫瘍を形成しています。

犬の皮膚組織球腫の症状は?腫瘍が悪性のこともあるのか

皮膚組織球腫の症状としては、大きさ1~4㎝ほどの赤いドーム状の腫瘍ができる、ということになります。


できる箇所としては、

  • 頭部

などで多く発生しています。


頭部では特にに、足では特に後足に多くみられるようです。


かゆみや痛みがあるということは無いのですが、発生部位によっては犬自身が気にしてしまい、なめたり場合によってはかじったりしてしまう事もあります。


皮膚組織球腫の場合、基本的には良性の腫瘍となります。そのため腫瘍が自然退縮することと犬があまり不快感を抱かないことから、まずは経過観察するケースが多いです。


しかし、似た症状を呈する腫瘍の中には悪性の腫瘍である場合もあります。赤いドーム状の腫瘍だから良性だな、と自己判断せずに、しっかりと動物病院で検査を受けるようにしてください。

犬の皮膚組織球腫の治療法、治療費、予防を詳しく紹介!

良性とは言え、愛犬に腫瘍ができてしまったのですから、治療を行ってあげたい、と考える方は多いと思います。


腫瘍と聞くと切り取るための手術を想像したり、抗がん剤による治療をイメージする方が多いのではないでしょうか?皮膚組織球腫の場合、これらの治療が必要なのか気になりますよね。


ここでは、

  • 皮膚組織球腫の治療法や費用について
  • 予防方法はあるの?

についてご紹介したいと思います。

犬の皮膚組織球腫の塗り薬や手術等の治療法、治療費用を紹介!

犬の皮膚組織球種ができた後、その周りにリンパ球が集まってくることが分かっています。このリンパ球が集まってくることと関係して、皮膚組織球腫は自然に小さくなっていくのです。


そのため、病気が発生しても経過観察を行うことがほとんどになります。多くの場合、発生から2~3ヶ月ほどで自然に退縮します。


しかし、中には時間が経っても退縮しないケースもあり、このような場合は投薬などではなく、手術で切除を行うことになります。また、犬自身が気にしてしまい、なめたりかじったりして自壊したりしてしまうような場合にも、手術を行います。


基本的には経過観察のため、診察料と細胞診の費用程度しかかかりませんが、手術が必要になった場合、費用としては1万円~4万円ほどになるようです(日本獣医師会・家庭動物診療)。組織の病理検査などを行いたい場合は、さらに費用がかかってきます。

犬の皮膚組織球腫の予防は?できものがあれば獣医師に診せよう

原因がはっきりと分かっていないため、皮膚組織球腫を予防することは難しいと言えます。


そのため、早期発見早期治療を心がけるようにしましょう。


皮膚組織球腫は目立つ場所にできればすぐにわかるかもしれませんが、目立たない場所だとある程度大きくなった状態にならないと見つからないこともあります。


自然退縮するのだから、そんなに見つけようとしなくてもいいのでは、と考える方もいるかもしれません。確かに皮膚組織球腫であれば良性の腫瘍で、さらには自然退縮する可能性が高い病気です。


しかし、似た症状の病気の中には悪性腫瘍の場合もあるように、見た目では判断がつかないこともあります。このような病気を早期発見するためにも、愛犬と毎日スキンシップをとり、できものなどが見られたら早めに病院へ連れて行くようにしましょう。

皮膚組織球腫ができやすい犬種や年齢、性別はある?

皮膚組織球腫は犬種や年齢にかかわらず発生する病気ですが、なりやすい犬の特徴としては、

  • 若い犬
  • ボクサー
  • ダックスフンド
  • ブルテリア
  • コッカースパニエル
  • シェットランドシープドッグ
  • オス

などが挙げられます。


腫瘍と言うと、老犬に発生することを想像する方が多いと思いますが、皮膚組織球腫の場合、若い犬、特に3歳以下での発生が多いとされています。


また、雑種よりも、純血種、特にボクサーやダックスフンドでの発生が多いと言われています。さらに、オスでの発生が多くなるようです。


若い犬に発生することが多いため、子犬のうちから頻繁にスキンシップを取って、皮膚の状態を確認しておくことをおすすめします。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

犬の皮膚組織球腫は皮膚の腫瘍で見た目が目立つため、驚く方は多いと思いますが、基本的には治療の必要はなく、自然退縮してしまう病気です。


しかし、自然治癒しなかった場合には手術が必要になってきます。手術となってしまった場合、飼い主さん的には手術費用が気になってしまいますよね。


日本獣医師会の調べでは、腫瘤切除の費用は1~4万円ほどとなっており、それほど高額ではないかもしれません。


しかし、犬はこの病気以外にも、大きな病気やケガをしてしまう可能性もあります。大きな病気やケガの場合、手術や入院が必要になる場合もあります。これらにかかる費用は飼い主さんが全て負担しなくてはなりません。


中には10万円を超える費用がかかる手術もあります。このような場合の飼い主さんの金銭的負担を減らすためにも、ペット保険に加入しておくと安心です。


MOFFMEではペット保険に関する記事も多数掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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まとめ:犬の皮膚組織球腫とは?

いかがでしたか?ここでは犬の皮膚組織球腫についてご紹介しました。


ここでご紹介したことは、

  • 皮膚組織球種は皮膚にできる腫瘍の一種
  • 良性腫瘍で赤くドーム状の患部が特徴
  • 基本的には自然退縮するが、しない場合は手術で切除する
  • 予防法は無いため、早期発見を心がけよう
  • かかりやすいのは若い犬や純血種
  • 万一に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ

になります。


犬の皮膚に赤いできものができていたら、何事かと焦ってしまいますよね。痛くないのかなど心配もしてしまいます。できものが皮膚組織球腫の場合は犬自身に痛みなどの違和感はないようで、自然退縮してしまう事の多い病気です。


しかし、似た症状で悪性腫瘍の場合もあるため、このようなできものを見つけた場合、早めに病院で検査を受けるようにしましょう


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